hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

クレストンのソナタ

2018-01-19 04:29:44 | sax関係
土曜日の演奏会で、久しぶりにクレストンのソナタを演奏することになった。


学生の実技試験などでレッスンすることは多いが、実は自分自身はこれまで3〜4回しか演奏しておらず、最後はたしか尚美の先生になってから、体験入学ミニコンサートで原田恭子さんと演奏したが、それが何年前だったか、もう思い出せない。



ミュールの録音の中で、そういえばこの曲だけしっかりと聴いたことがなかったと思い聴いてみた。


「力強い第一主題」と評されるが、その中にも甘さ、優雅さが、「優美な第二主題」には凛々しさと自由さ、その後の展開部にいたっても、表に感じられる曲想の中に色々な情報が込められていた。
それだけではなく、良くも悪くも「ソリスト」という印象の強いミュールが、ピアノとの対話を思わせるやり取りも感じられ、それにも驚き新鮮だった。

まるで今さっき楽譜をもらったかのような気楽さと、何気なく演奏しているように感じられるが、その中に音やフレーズへの流儀というか、信念のようなものも感じられる演奏。


この作品の発表当初はあまり脚光を浴びなかったそうだが、ミュールのこの録音を機に世界中に知られることになった。
それは作品の魅力をまさに十二分に引き出しているからに他ならない。

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