虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

一番小さい一揆本 佐倉義民傳

2011-11-10 | 一揆
ミニミニの一揆本を入手。
文庫本よりも一回り小さい。明治17年印刷発行。この本は大正9年5版とある。
昔はみんな着物だし、ポケットなんていわなかったから、袖珍文庫と称している。
着物の袖にこの本を入れていたのだろう。

「佐倉義民傳」。小さいけども、文字が小さいだけで、228ページあり、堂々たる本だ。
講談調で書かれてある。講談師が話すのを速記者が筆記したものだ。

講談だと馬鹿にしてはいけない。当時、明治、大正の講談は今のテレビよりも人々を感化する力があった。講談の隆盛は、自由民権運動の闘士たちが政府の言論弾圧に対抗して始まったそうで、講談師の中には元革命党(自由党)の闘士も少なくなく、政治講談に人々は喝采した。

今なら、原発やTPP、沖縄問題を講談のタネにして、大いに政治批判をするのだろうけど、そんな政治講談師、出よ、といいたいな。

さて、佐倉宗五郎。このころは、三歳の幼児でもその名前を知っていたが、今は、大人でも知る人は少ない。あの福澤諭吉も「学問のすすめ」の中で、世界に唯一輸出できる日本人は佐倉宗吾のみ、と語っていた。佐倉宗吾は、百姓一揆の代表者として名をあげただけで、むろん、他にもたくさんいたのだが、まだ名前は知られていなかった。

こんな小さな一揆本を袖に入れて歩く昔の日本人って、なかなかのものではないか。




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2 コメント

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思いだせません (通りすがり)
2011-11-17 09:15:08
佐高信さんの本で数少ない勝利した一揆の話があったのですが、わっぱ一揆?
「小説の孵化場」というブログで「清河八郎・素描」が始まっています。
http://blog.goo.ne.jp/kagamigawa/e/13dcdd7267779622c0287929c9274249
Unknown (荘太郎)
2011-11-17 19:35:34
コメントありがとうございます。

佐高信氏も庄内出身ですからわっぱ一揆の可能性が高いですね。
清河八郎情報ありがとうございます。
そういえば、最近、清河やってません(笑)

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