作者より、その10
作者です。いつもID物語を読んでいただき、ありがとうございます。
突然の感じですが、奈良部長が記録した設定のID物語はここで絶筆です。
奈良部長と情報収集部に何が起こったのか…。続きの構想はあったのですが、時間がたってしまいました。こうなってしまうと、番外編にするか、まったく新しい物語にならざるを得ません。つまり、ID物語はここで完結です。いずれにせよ、奈良部長はファミリー牧場でロボット部隊のA31とともに動物の世話をするハッピーエンドです。
元のDTMの話が原点で、ID物語はその派生の気軽な物語の予定でした。その元の話は、ずっと前に書いたもので、私自身、内容は忘れています。つまり、おぼろげな構想だけが記憶に残っています。したがって、このID物語が、現状では関連する唯一の物語です。
お気づきの方も多いでしょう。ID物語は、小説としては形式が変です。これは、漫画の原作のつもりで書かれたものです。ただ、絵の好きな人が見ても、ほとんど光景の想像ができないようです。もちろん、各自の想像に任されているのですが、筆者の考えを記しておきましょう。
救護ロボットの設定の自動人形は、消防の人が着るような服を普段は着ています。防火服みたいな、軽装の鎧の感じ。ヘルメットや手袋は用意されていますが、普段は装着していません。ブーツは履いています。
奈良部長は普段は普通の紺や灰色のスーツを着ています。伊勢さんの普段の姿も会社の事務職風ですが、色彩のほとんど無いグレー系統が多く、白と黒でコントラストを付けています。志摩や鈴鹿たちは普通の学生風の服ですが、職業柄か、手足を覆うような服を好みます。
海原博士は、工場で着るような作業服がお気に入りです。正式な格好をするときは、ばしっと決めます。大江山教授共々、だらしない格好はしません。
物語の舞台は、現在の東京です。外見上、特に変わったところはありません。少し変わったところがあるとすれば、自衛隊ではなく、本来の意味の軍が存在することです。でも、外国の軍であるA国軍の基地がある点は、本物の日本と大差ありません。
SFなのは、志摩たちの持つアナライザーやシリーズBなどのメカが主体です。しかし、外見は偽装しているので、見慣れた装置に見えます。
ID物語は、一見、自動人形が何の目的で作られ、将来、どのように使われるのかの謎解きが主軸の話に見えます。しかし、このロボットたちは脇役です。書き手の設定の奈良部長が、尋常ならぬ愛情を注いでいるだけです。
それでは、何がこのID物語のテーマなのか。それは、地下組織DTMの深部にあり、物語では清水亜有が知りたがっていたものです。ID物語は、その深部を指し示しているだけで、近づいてはいません。近づくには、別の物語が必要です。ID物語は、志摩や鈴鹿たちの、地上に咲いた、あだ花の物語なのです。
終
作者です。いつもID物語を読んでいただき、ありがとうございます。
突然の感じですが、奈良部長が記録した設定のID物語はここで絶筆です。
奈良部長と情報収集部に何が起こったのか…。続きの構想はあったのですが、時間がたってしまいました。こうなってしまうと、番外編にするか、まったく新しい物語にならざるを得ません。つまり、ID物語はここで完結です。いずれにせよ、奈良部長はファミリー牧場でロボット部隊のA31とともに動物の世話をするハッピーエンドです。
元のDTMの話が原点で、ID物語はその派生の気軽な物語の予定でした。その元の話は、ずっと前に書いたもので、私自身、内容は忘れています。つまり、おぼろげな構想だけが記憶に残っています。したがって、このID物語が、現状では関連する唯一の物語です。
お気づきの方も多いでしょう。ID物語は、小説としては形式が変です。これは、漫画の原作のつもりで書かれたものです。ただ、絵の好きな人が見ても、ほとんど光景の想像ができないようです。もちろん、各自の想像に任されているのですが、筆者の考えを記しておきましょう。
救護ロボットの設定の自動人形は、消防の人が着るような服を普段は着ています。防火服みたいな、軽装の鎧の感じ。ヘルメットや手袋は用意されていますが、普段は装着していません。ブーツは履いています。
奈良部長は普段は普通の紺や灰色のスーツを着ています。伊勢さんの普段の姿も会社の事務職風ですが、色彩のほとんど無いグレー系統が多く、白と黒でコントラストを付けています。志摩や鈴鹿たちは普通の学生風の服ですが、職業柄か、手足を覆うような服を好みます。
海原博士は、工場で着るような作業服がお気に入りです。正式な格好をするときは、ばしっと決めます。大江山教授共々、だらしない格好はしません。
物語の舞台は、現在の東京です。外見上、特に変わったところはありません。少し変わったところがあるとすれば、自衛隊ではなく、本来の意味の軍が存在することです。でも、外国の軍であるA国軍の基地がある点は、本物の日本と大差ありません。
SFなのは、志摩たちの持つアナライザーやシリーズBなどのメカが主体です。しかし、外見は偽装しているので、見慣れた装置に見えます。
ID物語は、一見、自動人形が何の目的で作られ、将来、どのように使われるのかの謎解きが主軸の話に見えます。しかし、このロボットたちは脇役です。書き手の設定の奈良部長が、尋常ならぬ愛情を注いでいるだけです。
それでは、何がこのID物語のテーマなのか。それは、地下組織DTMの深部にあり、物語では清水亜有が知りたがっていたものです。ID物語は、その深部を指し示しているだけで、近づいてはいません。近づくには、別の物語が必要です。ID物語は、志摩や鈴鹿たちの、地上に咲いた、あだ花の物語なのです。
終