弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

鹿児島から見りゃ「高裁」判事 本当は「宮崎 地裁」だが

2024年05月17日 21時53分17秒 | 裁判

昨日の問題の解答。
高裁の裁判官の一部は、実は地裁の裁判官である。
(写真)宮崎地裁の裁判官配置表(部分)
驚くべき人事配置だ。昨日の福岡高裁宮崎支部の裁判官配置表と見比べてほしい。

一審と二審が同じ裁判官というわけにはいかないので、宮崎地裁本庁の判決に対する控訴事件は福岡高裁宮崎支部専属の裁判官が担当し、鹿児島地裁など他の庁の判決に対する控訴事件は、宮崎地裁本庁の裁判官が高裁判事職務代行として担当しているという。
そこまでして、宮崎に配置する裁判官の人数を節約しなければならないのか。

私が任官した当時は「東京高裁判事職務代行」の東京地裁判事という辞令を受けた。当時は正式な東京高裁判事になるには18年の法曹経験が必要という内部基準があり、それは東京地裁の最も期が若い部総括よりも期が上でなければならないからと説明された。私は弁護士歴16年だったため、2年足りないとされた。
裁判所法上は、10年の判事補・弁護士経験で判事になれば高裁判事の資格があるのだから、そのような内部基準もおかしかった(ちなみに、私の任官の翌年に撤廃された。)と思うけれども、同じ裁判官が地裁と高裁を兼ねるのは、どう見てもおかしいだろう。
鹿児島の弁護士が黙っているのは、案外、宮崎の弁護士以外には、このような兼務をしている事に気づきにくいからかも知れない。

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