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Tea Time

ほっと一息Tea Timeのような・・・ひとときになればいいなと思います。

ホタルノヒカリ2外伝・最終章「ホタルの光」(前編)

2011-08-28 15:03:11 | ホタルノヒカリ2・外伝
「部長、来週1週間休暇とらせて頂きますがよろしくお願いします」

「新婚旅行だったわね、楽しんでらっしゃい」



「いいな~新婚旅行か」

「そういえばあなたたちって新婚旅行、行ってないのよね」

「そうなんです。披露宴終わったら急にお腹が痛いって言い出して」

「盲腸だっけ? まあ飛行機に乗ってからじゃなくて良かったじゃない」

「そりゃそうですけど、でも今夏は少し長めに休みが取れそうなんで何処か行こうかって、韓国なんてどうかしらって。韓国なら近いから国内旅行行くくらいの気持ちで気軽に行けるかなって思って」

「よかったじゃない、有給休暇の提出は早めにね」

「はいっ山田部長、よろしくお願いします」


                             *


「韓国グルメの旅」「ロマンチック韓国」「韓国世界遺産」「タビ友韓国」韓国のガイドブックがずら~り。


「はぁ~ どうしよう」




「えっ? ぶちょおは又部長になったんですか?」

「元々社長以外は役職のおかない会社なんだけど、社長が階段から落ちて怪我して入院することになって、その間、社長代理が必要だってことで、年功序列だとか、役職経験者だからってことで急遽名詞に部長という肩書きを付けられてしまったんだ」

「やっぱりぶちょおは部長に縁があるんだ~」

「それで・・・ちょっといろいろ忙しくて・・・」

「なんですか?」

「すまん、韓国行けそうもない」

「え~ガックシです。 でも仕事なら仕方ないですね」

「良かった~(ほっ)」

「こういうとき、妻も仕事をしていると仕事に理解があって良かった~て思うでしょ」

「うん」

「うんじゃねーよ!」

「えっ?」

「仕事だからってそんなに簡単に割り切れる訳ないだろっ(怒)ウィッ」


あー眼が据わってる、ホタルって怒り上戸だっけ? てかそんなに飲んだのか?


「もの凄く楽しみにしてたのにーしどい・・・しど過ぎる ウぁーん(大泣)」


えっ泣くのか? 今度は泣き上戸か。。。


「ぶちょおのバカ・・・・・」


あー寝ちゃったか。。。


「ごめんな・・・ホントにごめん」 と頭撫で撫でするぶちょお。 ←これは反則だと思うホタルだった。


「もういいです」

「えっ?」

「私は夫の仕事に理解のある妻ですから、でも簡単に良かった~て言うから、ムカッときちゃいました」

「そうだな、良かった~じゃなくて、まずありがとうって言わなきゃな、仕事に理解のある妻に甘えちゃ駄目だな。明日は何処か行こうか」

「はいっ」


                                     *

「あー楽しかった。」

「昔は水族館なんて子供の行く所だと思ってたけど、大人でも凄く楽しめる立派な施設になったもんだな」

「それって何十年前の話ですか?」

「何十年はないだろっ けど高校以来って考えると軽く20年は経ってるか(苦笑)」

「でしょ(笑)今度はカラオケ行きましょうよ!」

「ああ」



「津軽海峡~冬景色~♪ やっぱ演歌はいいね~スカッとします~」

「今は夏だけどな(^^; じゃあ俺も冬の歌で粉雪を」

「ひゅーひゅー!」

「粉雪~♪ ねえ 心まで白く染められたなら~」

「すごーい この歌、こな~ゆき~のところの(な~)の音が高くて難しいんですよね。ぶちょおがこんなに歌が上手かったなんて知らなかったです」

「それほどでも~(にこにこ)」

「次は横顔を歌います。大好きな人の横顔を想って歌います

「胸は風を切って 横顔に恋をした~♪」

「じゃあ俺はミスチルの365日を歌います。365日妻のことを想ってます」

「365日の~言葉を持たぬラブレター♪」

「キャッ

「君が香港に行っている間は365日×3で1095日君のことを想っていた訳だ。葉書1通しかこなかったというのに

「しゅっ・・・しゅみません~。でも私も毎日ぶちょおのこと想ってました。ぶちょおの倍想っていたから1095×2の2190日思っていました」

「俺はその3倍で2190×3は6570日」

「私は4倍(暗算は無理だ)・・・て、もう~私たちラブラブですね~。あーなんだか暑くなってきました。これじゃ節電になりませんね」

「愛は節電しなくていいだろうけど(笑)でもホントカラオケつて締め切っていて、いつもより設定温度が高めのせいかちょっと暑いな」



「久々のデート楽しかったです~」

「うん、俺も。 いつか行こうな韓国」

「まっどうでも韓国行きたいってわけじゃなかったですし(^^; そもそも」

「家でゴロゴロしているのが一番好きだもんな」

「へへ」

「俺は行ってみたい所があるけどな」

「えっどこですか?」

「それこそ3日くらいじゃ無理だからしっかり休みをとってだな」

「だから~どこなんですか?」

「それは来年の夏のお楽しみってことで

「ラッシャー・・・えーとなんでしたっけ? 名前が出てこないんですが」

「俺はともかく君の歳で名前が出ないのはまずいぞっ」

「あー思い出しました~板前です。ラッシャー板前でした」

「まっ普通に了解でいいんだけどな(^^;」




                                            *



「ホタル

「誠一さん


・・・・・略・・・・・ 想像してねん


「あっ・・・暑い。 なんか飲まなきゃ熱中症になりそうです」

「やっぱ省エネ温度じゃこういうときは暑いな(^^;」

「ぶちょおったらいつにも増して(えっ?)激しいんですもん(そうなの?)」

「ホタルがあんまり可愛いからだよ」

「きやーん、そんな本当のこと言って照れるじゃないですか~」

「一緒にシャワー浴びようか」

「はいっ」

「ホタル

「ちょっ・・・こんな明るい電気の下で恥ずかしいです。それに・・・あん・・・また汗かいちゃいます。」

「すぐにシャワー浴びれるだろ?(笑)」



はー昨日の夜は激しく燃えた夜だったな~(照) どうしよう~恥ずかしくてぶちょおの顔見れないかも。


・・・会社に行きます 誠一・・・


日曜出勤か・・・今日から忙しくなるのか、だから昨日はあんなにサービス満点だったのか(^^;

ホントに毎日朝の早くから夜遅くまで、早く社長さんお足治らないかな~。だけど基本ぶちょおは仕事大好きだよね。
サービス満点の夜が恋しいです。。。


         
                              *


「担当の雨宮といいます。よろしくお願いします」

「蛍ちゃん!」

「せっ先輩!」

「ここで働いているんだ、大学卒業以来だから8年ぶりかな?」

「そうですね~。あっ今回は ワイン工房Luce 2号店のリノベーションということでお話を伺いたいと思います」

「1号店の方はレストラン等に卸すワインや、ワイン通の人が好んで飲む高級ワインを扱っていますが、2号店の方ではもっといろんな世代の人が手軽にワインを楽しめる雰囲気の店にしたいと思っているんです。値段も手頃なものを揃えたいと考えてます。それで1号店はシックで重厚な趣なんですが、2号店はもう少し明るくカジュアルな雰囲気で」

「Luceさんは最近の店ではありますが、多くの料理関係者からワインの品揃え、質の良さに関して高い評価を受けていると聞きます。その評価を大きく崩すことなく、明るくカジュアルな雰囲気でありながら、品の良いお店というコンセプトでどうでしょうか?」

「いいですね(微笑)」

「他にご希望があれば」

「ワインを試飲できるコーナーがあればと思うのですが」

「承りました。それではこちらのスケジュールで詰めていこうと思います」



「へぇ~大学の先輩なんだ。 ・・・もしかして付き合ってたとか」

「そんなんじゃありません、ただの先輩ですよ!」

「ふーん あっもしかしてもしかすると先輩が初めての男とか?」

「なっなに言ってるんですか! もう~冗談が過ぎますよ(笑)」


なんてわかりやすい女なんだ(^^; 蛍が初めて付き合って初めてエッチした男だなんて。
なにも起きなきゃいいけどね~。蛍にその気が全然なくても何故か男を引き寄せる天然魔性の女のところがあるからね。干物女のくせにさっ。
あっでもあのクライアント、結婚指輪してたわね。 じゃあ問題ないわね。




「如何でしょうか?」

「いい感じです。身近にワインを楽しめる店という雰囲気が良く出ていると思います。うんこのカウンターも素敵だ」

「ありがとうございます」


・・・略 ←仕事の話です(^^;


「なんかさ、大学時代の蛍ちゃんしか知らないから驚いたよ」

「えっ?」

「もう6時過ぎたから、ここからはプライベートってことでいいよね」

「えっ まあ」

「実は山田と加藤の二人に連絡とったんだ、蛍ちゃんのこと話したら凄く会いたがってたよ。あの二人今度結婚するんだよ」

「山田くんと真由美が!」

「で、今日一緒に飲もうってことになったんだけど、蛍ちゃん来れないかな?」

「私も二人に会いたいし、ちょっとだけなら」




「蛍~久しぶり~!」

「真由美~山田君、結婚するんだって! おめでとう」

「蛍は?」

「私は去年・・・」

「えっそうなの? どんな人? 歳は?」

「真由美、8年ぶりに会ってそんなに根掘り葉掘り聞きもんじゃないよ、それに蛍ちゃん見れば幸せな結婚したんだなって一目瞭然じゃないか」

「そうね~蛍ったら凄く綺麗になったもんね」

「鈴木、蛍ちゃんのこと振って惜しいことしたと思ったんじゃないのか(笑)」

「いや、俺は振ってないし」

「えっ そうなの?」

「俺はずっと付き合いたかったんだけど、なんだかちっとも蛍ちゃんが楽しそうじゃなくて、楽しいどころか俺といるのが苦痛なのかなって思って」

「いえ、あれは苦痛じゃなくて緊張してただけなんです」

「半年も・・・」

「すっすみません」

「蛍らしいわね~」

「まあ若い頃はいろいろあるさ、俺も大学時代はまさか真由美と結婚するとは夢にも思わなかったもんな」

「ひど~い」





「高野部長のおかげで交渉がスムーズにいきました! ありがとうございます」

「今迄どうり高野さんでいいよ」

「いえ、高野部長ほど部長という肩書きが似合う人はいません」

「そっ(^^; 」


「あっ あの子可愛いな~ 」

「どの子?」

「青いワンピ着てる子ですよ。色が白くて清楚な感じが最高にイイっす!」

「へぇ~(あれはホタルじゃないか)」


うん、ちゃんとした格好してれば清楚で可愛いよな・・・してその実態は干物女だが(^^;


「でも恐らく隣にいるあのイケメンが彼氏なんでしょうね、敵わないな~あんなイケメンには。でも俺はああいう今時のイケメンより高野部長の方がずっとカッコいいと思います。俺は高野部長のように仕事の出来る渋くてカッコいい大人の男になりたいッス(イザッキー2号か)」

「はは・・・」


会社の同僚には見えないな、あの服装だと仕事帰りというより自由業に見えるし。




                                    *



ただいま~ て誰もいないよね~ あっぶちょおの靴だ。 いつも遅いのにこんな時は早いんだから。。。


「お帰り、遅かったんだな」

「会社の人と飲んでたんです。ぶちょおが早く帰っているんならもっと早く帰ればよかったです」


ちゃんと言わなきゃ駄目だったかな、でもクライアントが大学の先輩って話から始めるのもメンドクシャイし、まっいっか。



会社の人には見えなかったけどな、説明するのがメンドクシャイってとこか。

それに明るく楽しそうに飲んでたから昔の、大学時代の?友達ってとこか。 ←鋭い

明日も朝早いし・・・寝よっ。。。




「ぶちょお~ぶちょお~(湯上りホタルちゃん) いない・・・もう寝たのかよ! ちぇっ」            後編に続く。

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ホタルノヒカリ2外伝・最終章「ホタルの光」(後編)

2011-08-28 15:02:38 | ホタルノヒカリ2・外伝
「ホタル~飲もう! 私が美味しいおつまみ作るから! どうせあんたの旦那は帰ってくるの遅いんでしょ! 後でフタちゃんも来るからね」

「はーい」



「おかわり!」

「姐さん、ピッチが早いです~」

「うんうん」

「機嫌悪そうですが、なんかあったんですか?」

「今日の入札・・・」

「私、今日は直帰だったんですけど・・・駄目だったんですか?」

「そうよ! 負けたのよ! あんたの旦那・高野部長にね! たく~いきなり最終入札に来るなんて、ずるい! 部長がくるんならもう一捻りすればよかったわ!」

「ずるいって言うのは違うだろ(^^;」

「わかってますよ! 私の力不足ですよ! フン」

「まあまあおひとつどうぞ」

「たくね~干物女とはいえ、見た目はこんなに若くて可愛い奥さんがいるのに、仕事大好きの仕事人間なんだから! 蛍は不満はないの?」

「社長さんが入院したからしばらくは忙しいって聞いてますから」

「ならいいけどね」


                                  *


「まあ確かに高野は仕事大好き人間だな、前の離婚の原因もやっぱそこにあると思うし」

「あの二人に限ってそんなことはないと思うけど」

「うん、ないない」

「そうそう今の蛍の担当してるクライアント、蛍の元カレなのよ」

「へぇ~」

「別になんかあるって訳じゃないけどね」

「高野に話そうかな~」

「えっ?」

「ちょっと脅かしておこうか、あんまり蛍ちゃんをほったらかしにしないようにさ」

「そうそうそれがいいわ(るん) あっ別に入札のこと根に持っている訳じゃないわよ」

「うん、わかってる(^^;」


                                  *

「では壁紙の変更確かに承りました」

「わざわざ来てもらって悪かったね」

「いえ、お忙しいんでしょう?」

「うん・・・」



「キャッ 先輩!」


どっどうしよう・・・先輩にソファに押し倒されてしまった。何故? 落ち着け蛍!


グ~グ~グ~

なんだ、寝てるのか・・・  きっと疲れてて眩暈がしたんだろうな。
こんなことぶちょおには話せないな、そもそもクライアントが元カレで初めての人なんて(^^; 
なんでもなくてもやっぱ話せないことってあるよね。


「あれっ?蛍ちゃん・・・俺いつの間に寝ちゃったんだろ?」

「きっと疲れているんですよ」

「うん・・・それもあるけど、実は奥さんに家出ていかれちゃって、ちょっと・・・いや大分参ってる」

「そうだったんですか・・・」

「俺実はバツ1でさ、再婚なんだ。一度目の結婚で学習して、2度目は絶対にそんなことにはならないって思っていたのにな。俺は結婚には向いてないのかな・・・ホント駄目な男だよ」

「先輩は駄目な男なんかじゃないですよ。実は私の主人もバツ1なんです」

「えっ?!」

「でもとても素敵な旦那様です。ちょっと不満があるとすれば、しいていえば仕事大好きなところかな(笑)」

「そっか・・・。 まだ間に合うかな」

「間に合いますよ。素直な気持ちで奥さんと向き合って沢山話せば大丈夫ですよ。想いは言葉にしなければ伝わりません・・・て主人が言った言葉なんですが(笑)」

「ありがとう蛍ちゃん。俺行くわ、ちゃんと話して土下座してでも戻ってもらう。」

「先輩、ファイトです!」



あの先輩が土下座してでもか~どんな奥さんなのかな、 上手くいくといいね。きっと上手くいくね。

あっ・・・あれはぶちょおと、ぶちょおの元妻の深雪さん。。。

あっタクシー拾った。タクシー乗ったのは深雪さんだけか、よかった~一緒に乗ったら立ち直れないもん。

そもそも偶然バッタリ会っただけかも知れないし、元夫婦なんだから会わなきゃいけないよんどころじゃない事情があるのかも知れないし。
はて? 元夫婦だからって会わなきゃいけないよんどころじゃない事情なんてあるのか? うん、偶然バッタリ会ったんだ、そうに違いない。
私だってクライアントが元カレなんてたまたまの偶然だった訳で。
きっとぶちょおはこのこと話さないだろうな、私だって話せないもん。何でも話そうと思っても、話せないってことあるよね。


                                  *

「たらいま~」  なんだよっ ご機嫌な声で(フン)

「飲んでるんですか?」

「ああ、ちょっと二ッ木と飲んできた」

「そうですか」

「なあホタル、俺たちも子供作ろうか?」

「はあ?」

「ホタルちゃ~ん

「嫌っ!」

「えっ?」

「そんな酔っ払いと・・・」

「ああそうだな、ごめん・・・」



一気に酔いが醒めたような顔してたな~ぶちょお。だってなんかやなんだもん・・・なにもなくても会ってたのは嫌。。。

そもそも、俺たちって? たちってなんなのよ!?

それに・・・それに見られたくないの! 昨日うっかり窓開けたまま寝てたら蚊に沢山刺されてお腹が跡だらけなんだもん。

白くてすべすべのお腹は私的に一番のチャームポイントなんだから、こんなお腹見られたら100年の恋も覚めるっての。

ぶちょおはそんな小さい人間じゃないけどね(^^;





「最近仕事どう?」

「まあぼちぼちです・・・今日も遅いんですか?」

「そんなに遅くはならないけど・・・あのさ・・・」

「今日早出なんです」

「そっ ホタルも忙しいの?」

「ぶちょおほどではないです」


なんかギクシャクしてるな~よしっ!


「あの・・・今日は真っ直ぐ帰ってきてね」← 精一杯可愛く言ってみる(^^;

「うん、帰ってくる! 帰ってくる」


が・・・今日も真っ直ぐ帰ってこれなかったぶちょおなのでした

部長なんて・・・部長なんて引き受けるんじゃなかった



                              *


「ただいま・・・ん?どうしたんだ? 旅行バックなんか出して」

「私、実家に帰りますんで」


「行くな・・・」

「へっ?」


「ホタル・・・行かないでくれ! 俺が悪かった! お願いだから何処にも行かないでくれ!」


「ぶっ・・・ぶちょお! どうしたんですか!? 土下座までして私に隠れて浮気でもしてたんですか!?」

「それは君の方だろ?」

「はぁ~!?」

「ちがうの? じゃあその荷物は?」

「お祖母ちゃんが入院したっていうから様子みてこようと思ったんですが、実家に帰るのは明日の朝にします。」

「えっそうだったんだ、じゃあ早く行かなきゃ」

「そんなに悪い訳じゃないそうなんで明日にします。それに今はぶちょおとちゃんと話すことの方が大事だから」

「うん」


                              *


「二ッ木さんになんか吹き込まれました?」

「うん」

「やっぱりね(^^; でもだからといってぶちょおにしては余裕が無さ過ぎですよ。それに私のこと疑っていたなんてちょっと、ううん大分ショックです」

「ごめん、ホントごめん。君のいうとおりホント余裕が無さ過ぎだな(苦笑)実際二ッ木にそんなに吹き込まれた訳じゃないんだ。だけどこないだ凄く嫌な顔して拒まれたし、約束は守れなかったし、少し不安になっていたところに実家に帰りますって言われたもんだから、頭にカーッと血が登って気がついたら君に行かないでくれっ!て土下座してた(苦笑)」

「穴があったら入りたいですか?(笑)」

「いや、むしろ自分の気持ちがよくわかってスッキリした。 みっともなかったけどな・・・」

「いつも冷静でクールな高野部長がね~」

「イメージダウン?」

「私にだけ見せてくれる顔、可愛いーです~」

「可愛い?」

「ますます誠一さんのこと好きになりました~エヘッ」

「そっ(照) で、俺も聞きたいんだけど・・・」

「すみません、私は小さな人間で・・・」

「小さな人間?」

「あの日偶然見ちゃったんです。ぶちょおと元の奥さんの深雪さんが一緒にいるとこを。それでザワザワ~と胸にさざ波がたちました」

「深雪がエステサロンを開きたいってことでうちの会社に来てたんだ。担当は俺じゃなかったけど、あの日店をやれなくなったって断りにきてて、担当のものが出てて俺が対応したんだけどなんか具合が悪そうでそれでタクシーをひろった。子供ができたそうだ。おめでとうと言ったら笑顔でありがとうと言った。俺が見たことないくらい幸せそうな顔でね。心底良かったなと思うんだけど、なんていうか・・・」

「ゴロゴロしたくなりました?」

「うんそういう感じだ。その後二ッ木に呼び出されて、まあ驚かされたというか説教されたというか(苦笑)美しい友情ってやつだけどな」

「でも先輩が元カレとか初めての男だったとか言わなかったのに、相変わらず姐さんはカンが鋭いですね」

「はっはっ はじめての男なのか?

「えっ?聞いてませんでした?

「聞いてない・・・そんなことまで聞いてないもん」

「いやーこりゃウッカリとおけつを掘ってしまいました~」

「それをいうなら墓穴を掘るだろっ!」

「あっそうでやんした(笑)」

「笑い事じゃないよ・・・」

「ぶちょお? そんなにしょげなくても、昔のことですから」

「男心はデリケートにできてるの(拗ねるぶちょお)」

「あのね、私を女にしたのはぶちょおですよ。 実質私にとって初めての男はぶちょおです

「そう? じゃあそういうことで(機嫌回復)」

「よかったです~」

「けど・・・参ったな。 お互いのことが大好きで信じているのにさ、さざ波が立ってしまうのは人間の弱さかな」

「ですね、人は弱くて・・・だから人は愛し合うんでしょうね」

「出会った頃スーパー干物女だった君が、こんなこというようになるなんて、ちょっと感動したぞ」

「アホ宮も成長しました~(笑) さざ波ついでに言うと、ちょっと引っかかっていることがあって」

「なに?」

「その・・・深雪さんは私よりずっと長くぶちょおと一緒に暮らしていた訳でそこが・・・あっすみません」

「いいよ。それは変えられない事実だし、でも後何年かすれば君と暮らした時間のほうが長くなるんだよ」

「あっそーか、そうですね、そこに気が付かない私はやっぱりアホタルです~」

「でもさ、それで俺に触れられるのも嫌なくらいブルーな気持ちになったの?」

「女心はデリケートなんです」

「そっ(^^; じゃああのときのリベンジ

「駄目です! 駄目!」

「なんで?」

「だって・・・」

「言わないと無理やり襲っちゃおうぞー」

「キャッ」

「なんなんだ? この赤い跡は? まっまるで・・・」

「これは蚊に刺された跡です!」

「蚊?」

「窓開けて寝てたら沢山刺されてしまって、大分薄くなったけど、あのとき酷くて見られたくなかったんです」

「なあーんだ、そんなことか・・・て、窓開けて寝ちゃ駄目だろ!」

「すみませ~ん。 なんか胸がざわついた日々が続きましたが、只今ぶちょおへの愛が倍増してます」

「俺も改めて思うよ、君のことがこんなにも(土下座するほど)大切だってこと」

「私たちも子供作ります?」

「いや子供は授かりもんだから。 そうじゃなくて愛し合おう

「はい




                                     *


「はぁ~」

「どうしたんだ? 溜息なんかついて」

「だって今日は8月31日ですよ、8月31日というと夏が終わっちゃうって気がして寂しくなるんです。大好きな夏が終わるのは切ないです」

「確かにな、でも君の場合それだけじゃないだろ? まだできていない山のような宿題を眼の前にして泣きそうになってた子供の頃を思い出すんじゃないのか?(笑)」

「見てきたようなこと言いますね~その通りですけど。 ぶちょおは余裕で宿題終わっていたんでしょうね」

「当たり前だ、宿題は7月中に済ませ自由研究の計画をたて、1学期の復習、自主学習、へちまと朝顔の観察日記に、ラジオ体操は皆勤賞で、学校のプールは誰よりも多くの出席のハンコを貰い・・・」

「はいはい」

「8月中頃には自由研究を完成させ、毎年市のコンクールに出したもんだ。そして31日は2学期に備えて予習をする」


可愛くない子供だな~ 賢そうで生意気な男の子の顔が目に浮かぶわ・・・やっぱ可愛いかも(^^;


「私は毎年8月31日には泣くことになったけど、いいんです~楽しかったから。ぶちょおは夏休み楽しかったですか?」

「勿論だ。俺にとって楽しいというのは如何に充実したかであって」

「人それぞれの夏休みがありますよね(^^;」



「おっ韓国焼肉フェアか、今夜久々に焼肉でも行かないか?」

「あー私ちょっと今朝は胸がムカつくから焼肉はいいです」

「そういえばあんまり朝御飯食べてないな。なんか悪いもんでも食ったのか?」

「それはないと思うんですが」

「夏の疲れが出たのかも知れないな、具合が悪かったらメンドクシャがらずに病院にいくんだぞ」

「はーい」


                                 *


えーと蛍は今日直帰だったわね。ん?蛍からメールがきてる。


「姐さん Helpです! M病院より蛍」




「どうしたの蛍! メールにHelpなんて書いてあるからビックリしたわよ。何処か悪いの? 深刻な病気? なら私じゃなくて旦那に言わなきゃ」

「病気じゃなくて・・・」

「ん?」

「三ヶ月だって言われました」

「えーーー! やったわね! おめでとう!蛍」

「すみません、なんか先越してしまって」

「そんなこと気にしないで。私はフタちゃんにもうちょっと待ってって言ってるしね。だったらなお私じゃなくて」

「なんかテンパッテしまって。落ち着こうと思ったら姐さんにメールしてました」

「そうね、二人でテンパルよりいいかも(笑)」

「でもメールはしましたから」

「あらっこういうことは直接言ったほうがいいのに」

「そっか、私って気がきかないですね(^^;」



                                  *


「蛍ちゃんおめでとう~高野がどんな顔して帰ってくるのか見たくてきちゃったんだ」

「ごめんね~顔だけ見たら私たち直ぐに帰るから」

「高野のことだから山のように育児書抱えて帰ってくるんじゃないのか」

「あのクールな顔がどんな顔になるのか見物よね~ ガラガラ持ってたりしてね(笑)」

「花束とか抱えてたりな」

「もう~二人して面白がってるでしょ」



「遅いわね」

「抜けられない仕事でもあるんじゃ・・・」

「こんなときにそんなこと言ってたら俺は高野と絶好するぞ」

「なんか軽いもんでも作るわね」



「今朝から食欲なかったんですけど、これは美味しいです。」

「にゅーめんよ。喉越しよくて食べ易いでしょ。簡単に作れるし卵や野菜いれて栄養もばっちりよ」

「なるほど~」



「ただいま」



「あっ帰ってきた」

「あれっ手ぶら?」

「二人ともきてたのか」

「蛍ちゃんからのメール見たんだろ?」


「あああれか、随分季節外れだけど親戚の誰かが受験でもしたのか? あっ鈴虫(蛍の弟)くんが内定もらえたとか」

「ホタル! あなた一体どんなメールしたのよ」

「桜 咲く です」

「はぁ!?」

「だってお目出度いときに桜咲くって言うでしょ、昔からそういう電報あるじゃないですか」


「アハハ蛍ちゃんには参ったな~」

「天然というかトンチンカンというか(^^; でもこれでちゃんと自分の口から言えるから良かったわね。」

「怪我の功名ってやつだな、じゃあ俺たちお邪魔虫は帰るわ」


「じゃあね蛍、又明日」

「今日はありがとうございました」


「なんか全然話が見えてこないんだが・・・」

「えっと・・・縁側で話します。あっ汗かいたでしょ、先にお風呂どうぞ」

「うん」



                                  *


「8月も終わりとなると少し涼しくなってきたな。まだまだビールは美味いけどな。ホタルも飲むだろっ(ビールをホタルに差し出すぶちょお)」

「私はいいです」

「そっ珍しいね。 そういえば話って?」

「えーと、キスしてから話そうかな」

「いいよ・・・そういえば前にもそんなことあったな」

「チュッ  あのね、ぶちょお・・・スーハー」

「なに深呼吸してるんだよ(笑)」

「私子供ができたんです」

「へぇ~ ・・・えっ? 今なんて言った!?」

「なんか具合悪くて仕事の帰りに病院行って、最初は内科に行ったんですけど、産婦人科で診察するように言われて、そしたら妊娠してますよ、おめでとうございますって言われて、今3ヶ月ですって」


「・・・・・・・・・」

「ぶちょおー! 大丈夫ですか!? ちゃんと息してます?」

「えっ あっ 大丈夫だ。 ビックリし過ぎてちょっと息するの忘れてたけどな」

「今の固まり具合は、私が縁側でぶちょおにプロポーズされたときの自分のようでしたよ(笑)」

「ありがとう・・・ホタル・・・ありがとう」


「ぶちょお? 泣いてるの?」

「妻に涙を見られるなんて男子一生の不覚といいたいところだが・・・だって嬉しいんだもん。嬉しくて嬉しくてたまらない」

「私ぶちょおの涙初めてみました。とても綺麗な涙で感激で・・・わっ私も眼から大量の汗が止まりませ~ん」

「あっあんまり興奮するとよくないんじゃないのか、落ち着こう」

「いいんですよ、これは幸せの涙なんですから」

「そっか。 俺も40過ぎて父親になるか(感慨無量)」

「この子が20歳になったらぶちょおは還暦(こら)・・・を過ぎてますね

「かっ還暦・・・

「大丈夫ですよ~ぶちょおなら20年経ってもきっと若々しい素敵なパパですよ(笑)」

「元気で頑張らないとな」

「私も干物女返上で頑張ります」

「俺も君も初めてのことでわからないことだらけだけど、出産て病気じゃないし、皆普通に生活したり仕事しながら子供生む訳で。だけど無理は禁物、頑張り過ぎるのもよくないと思うよ。気持ちは大らかにゆったりと」

「気持ちは大らかにゆったりと・・・さすがぶちょお、いいこと言いますね」

「そして何よりも子供のことを優先に考えよう」

「はいっ 光! 新米パパとママだけどよろしくね」

「光?」

「お腹の中の子に話し掛けるのに名前つけたんです。光なら男の子でも女の子でもいけるし」

「なるほど」

「それに・・・今は蛍の光くらいに小さな光だけど、皆の優しい光に見守られながら大きな光になって生まれてきて欲しいなって思うんです」

「うん」

「生まれてから又他の名前考えればいいしね」

「高野 光」

「え?」

「いい名前じゃないか、決めたっ!  君は今日から高野光だ(ホタルのお腹に手を置いて)」

「もうちょっと考えてあげたほうが(^^;」

「お母さんの愛情のこもったいい名前じゃないか。」

「ありがとうぶちょお・・・じゃなくて誠一さん、そしてお父さん

「お父さんてなんだかくすぐったいな(照)」

「パパの方がいいですか?」

「僕は恥ずかしいよっ・・・て言いたいところだが、ちょっと考えさせてくれ(^^;」

「はい(微笑) 今迄8月31日って好きじゃなかったけど、いい日になりました」

「うん、 あっだから今日はビール飲まないって言ったのか」

「授乳のこと考えると最低でも2年はビール断ちです」

「そんなに我慢できるの?」

「はい、子供が出来たって聞いてから急に身体がビールを欲しなくなりました」

「へぇ~凄いな、もうお母さんなんだ」

「ぶちょお、さっき私に有難うって言ったけど、私の方こそありがとうです。誠一さんが旦那様だから私は母になれるんです」

「俺も俺の妻がホタルだから俺は父親になれるんだよ。それ以外は考えられない」

「やっぱ私たちってビバベストカップルですね~(笑) あっ庭の向こうで光ってるの蛍ですよね」

「ああ小さいけど綺麗な光だ。 特に今日は特別に綺麗に光って見える。 ホタルと光 俺は二人にありったけの愛情を注ぐよ(微笑)」   



ねえ 光 いつか君に話すときがくるのかな?

お母さんとお父さんの・・・


ホタルとぶちょおの 縁側の恋の物語を。。。                               end   






私なりに思いを込めて書いたホタル2最終章「ホタルの光」楽しんで頂けたなら幸いです。  

感想コメント(拍手コメント)等頂けるととても嬉しいです。そのときにぶちょおは、お父さん、パパ、父上、お父様etcとどう呼ばれるのがいいか書き添えて頂けたら尚嬉しいです。

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ホタルノヒカリ2外伝・・・春なのに、ぶちょおのゆううつ(前編)

2011-05-04 20:12:50 | ホタルノヒカリ2・外伝
「えっ大阪に1ヶ月間出張?」

「そうなんですよ、チーフプランナーの人が体調崩してしまって人手が足りないから、1人東京からまわして欲しいってことなんです。丁度私がやっていた仕事が一段落ついて私が行くことになったんです」

「ふ~ん」

「今年の春はぶちょおと沢山花見がしたかったのにな」

「週末帰ってくればいいじゃないか」

「そんな余裕ありません」

「めんどくしゃいだけだろ?」

「(ギクッ)助っ人とはいえ仕事頑張りたいですから」

「じゃあ頑張っといで」

「はーい、ぶちょお~お暇でしたら、週末に大阪来ませんか?」

「俺も忙しいの」

なんで妻の出張先に俺が行かなきゃいかんのだ。←家事全般できる男でもそいうところは古風な昭和の男です。


                                    
                               *


「風邪ひかないように身体には気をつけるんだぞ」

「はい」

「忘れ物はないか」

「何度も確認しました、大丈夫です」

「じゃあ、行っておいで(チュッ)」

「行ってきます(チュッ)」



「ただいま~」 って今日から一ヶ月いないんだったな。3年や3ヶ月に比べれば一月なんてあっという間だけどな。
静かだな・・・今は蛍のいる生活が当たり前になってるからな。

ん?なんか今洗面所の下でなにか光ったような気が・・・

こっこれはーーー! けっ結婚指輪じゃないか! あの干物女め、こんな大事なものを落として気がつかないとは。
メールは・・・きてないか。指輪を無くしたとはなかなか言えないか。今頃落ち込んでいるかも知れない。
指輪を無くしたのはけしからんが、初めての職場で仕事するのも大変だろうし、怒らないで優しく指輪のことを言おう。
我ながら俺っていい旦那だよな~。


「もしもし 蛍」

「ハロー ダ~リン

「はっ?」

「早くも妻のことが恋しくなりました~? もう~可愛いんだから~ウィッと」

「飲んでるのか?」

「職場の人が歓迎会開いてくれたんです~ウ~ィッ」

「ご機嫌でよかったな、俺はてっきり君が必死で探し物をしているのかと思ってたよ」

「え~なにを探すんですか~忘れものなんてないですよ~」

「左手の薬指を見てみなさい」

「ん? ・・・・・? ぶっぶちょお~! 指輪がありません! 」

「今頃気づいたのか 洗面所の下に落ちてた。落ちたことに気づいてもらえなかったとは、可愛そうな指輪だな」

「すっすみません!」

「落としたことは仕方ないけど、もうちょっと早くだな・・・ まあいい、仕事忙しいんだろっ早く休みなさい」

「はい・・・本当にごめんなさい」

「もういいよ、おやすみ」

「おやすみなさい」


はぁ~なんてバカなんだろう~私って。凹むな~ガックシ。
それに指輪がないと思ったら急に寂しくなってきた。うわ~ん、ぶちょおに会いたいよ~東京に帰りたいよ~。
はっ! なにまたバカなこと言ってるんだろう、仕事はちゃんとやらなきゃ。



                                    *


大阪・・・

たまたまというか、都合よくというか大阪に出張になった。蛍には言ってないが。。。
だって2週間の間、メールこないし、電話もかかってこないし~。まっ昔からそうだけどな。
つーか、なんでさっきから電話してもメールしても返信ないんだ、たくあの干物女は。

ここか、ホタルの住んでるレウパレスは。


ピンポーン・・・

「はい・・・」

誰だこの男? 推定年齢22~25歳、イケメン、動物に例えるとバンビ(みたいな眼)←佐藤健くんのイメージで(^^;

「あの~どちら様でしょうか?」

自分から名乗れよっ、たく今時の若いもんは。

「家族のものだが」

「あっお兄さんですか~」

誰がお兄さんなんだよ!

「私の妻の蛍はどうした? 君はなぜここにいるんだ」


「えーーーー! あっあわわ・・・あの、あの・・・すみません」

「ほぉ~なにか誤らなければいけないことでも?」

「いえ、とんでもないです。あっ申し送れましたが、私は雨宮蛍さんと同じプロジェクトチームで仕事している佐藤といいます」

「会社の同僚ってことか、明日は休みだし軽く飲もうということになって、帰りは皆でタクシーに乗ったんだけど蛍はすっかり寝てしまって、親切に部屋まで運んだってことだな」

「そっそうです、その通りです。それで鍵かけないで部屋出る訳にはいかないし、どうしようかなと思っていたら」

「叩き起こせばいいだろっ」

「えっ? あーそうですね」

「君は優しそうだもんな、だけど人妻とずっと同じ部屋にいるのもどうかと思うぞ」

「すっすみません、結婚してると思いませんでした!」

このバンビくんは表情がクルクル変わって面白いな。←若者をからかって遊んでるぶちょお。

「ちなみに雨宮蛍ではなく、高野蛍だ」

「あっあの~さっきから、どこかでお会いしたことがあるような気がして気になっていたんですが、もしかして高野部長ですか?」

「以前はそうだったが、SWはもう辞めたんだ」

「僕新人研修のときに高野部長のセミナーを受けたんです。凄く勉強になりました」

「そう?まあこれからも頑張りたまえ」

「はい! 今日は本当に失礼しました。じゃあ僕そろそろ帰ります」



はぁ~終わるの早かったな~ 俺の恋 いや早く知ってよかった。
傷は浅いほうがいい。高野部長なら蛍さんは間違いなく幸せだろうし。。。



なかなか爽やかな好青年じゃないか、きっと蛍にウッカリ一目惚れしたくちだろうが、ときどきいるんだよな~(遠い眼)

それにしても呆れるほど熟睡してるな、まっ慣れない職場で疲れていたんだろうけど。
男はみんな狼なんだぞ、あんなバンビ君みたいな・・・いや、最近は草食系男子が多いというからな。
男はみんな狼・・・という言葉も今に死後になったりして(^^;

「ホタル・・・ホタル・・・」

「あっぶちょだ~!ヤッター夢の中にぶちょおが出てきた~!」

「えっ?」

「夢が醒めないうちにいっぱいちゅうしちゃお~と、チュッチュッチュッ

「あ・・・はは、参ったな」 ←嬉しくてデレデレのぶちょお。

「あー声まで聞こえてきた」

「夢じゃないよ」

「えっ!?」

「仕事で大阪にきてたんだ、なかなか携帯が繋がらなくてね」

「すっすみません!」

「おこごとは後でするとして、今は君が欲しい

「はいっどうぞ食べてください! やだっなに恥ずかしいこと言ってんだろ(照)」

「うん」

「おこごとがなんなのか気になるんですけど~出来たら忘れて欲しいです~

「そうだな、終わってから考えよう」

「満足させまっせ~ご主人さま!」

「マイナス10点 色気が無さ過ぎ!」

「え~~~」

夫婦漫才しつつ、な一時を過ごす二人なのでした。


                                  *


「京都に来たのは大学のとき以来かな~」

「そんなに来てないのか?京都といったらOLの好きな街1位とかじゃないのか?」

「私は干物女ですから」

「そうだったな、まあ俺も仕事優先で何処かへ出かけるということは殆どなかったけどな(苦笑)これからはたまには二人で出かけような」

「はいっ!」




「ここが秀吉の愛した醍醐寺の桜なんですね」

「元々醍醐寺は桜の名所ではなく、秀吉がここで花見をしたいと言い出して700本の桜を移植して、北政所や淀君他総勢1200名を招いての盛大な花見をしたその数ヶ月後に他界している。秀吉の最後の我侭だったんだろうな。


露と落ち 露と消えにしわが身かな なにわのことは夢のまたゆめ  秀吉


「これは秀吉時世の句だ。歌を読んだときにここの桜が浮かんだりしたのかな? まっ全然わかんないけど」

「はぁ~(ぶちょおって凄いな~なんでも知ってるんだ)」

「本当に見事な枝振りのしだれ桜で・・・桜あんまり咲いてませんが(^^;」

「昨夜の雨で散ってしまったのかな(苦笑)」

「あっこっちの染井吉野は満開ですよ~! 綺麗ですね~。こうやって桜見ながら歩くのって最高に気持ちいいですね」

「ああ・・・桜は人の手を借りなくとも、南は沖縄から北は北海道まで春がくれば必ず咲く、どんなときでもどんな所でもな」

「凄く可憐なのに強い花ですね」

「人生いろいろあるから、桜を愛でる気持ちにならないときもあるけどな」

「ぶちょおにもそんな春がありました?」

「ああ・・・だけど庭に咲いた桜を見て綺麗だと思った、一瞬心が和んだ。桜にはそういう優しさがあるんだと思う」

「そうですね! うわぁ~大きなしだれ桜! こっちのしだれ桜はまだ散ってなくて綺麗です~ あっ花びらが・・・」


風に舞いはらはらと落ちる花びらを 両の手を広げて笑顔で受け止める君。。。


「ほらっ髪に花びらがついてたぞ(微笑)」

「ほんとだ~桜の花びらって小さくて可愛いですね」




「お母さん、見て見て~桜の花びらが落ちてくるよ~綺麗だね~」

「ほらっ誠一の頭に花びらがついてたわよ(微笑)」

「わぁ~桜の花びらって小さくて可愛いね!」


・・・遠い昔 温かいひだまりの中の 優しい記憶・・・


あなたみたいにたおやかな人ではないけれど とても元気で可愛い人と桜を見ています(微笑)




                                *


宇治・・・


「あー美味しかった~お抹茶と抹茶だんご! あっ抹茶のソフトクリーム!」

「まだ食べるの?」

「二人で食べましょうよ~」

「しょうがないな(笑)あっ忘れてた! 指輪持ってきたんだった。もう落とすなよ」

「はーい」

「悪い虫がつかないようにちゃんとはめとけよ」

「悪い虫?」



ん?悪い虫ってなんのことだろう? 


「あっ舟ですよ!」

「桜を見ながら川下りか、乗ろうか?」

「はい!」


「いいお天気になって風が心地よいです。青い空と桜が水面に映って綺麗~」


桜よりもその輝くような笑顔に見入ってしまう。 来てよかったな~京都。


「あっ今、私の横顔に見惚れてたでしょ?」

「見てないもん」



「見てましたよ(笑)」

「こんなに可愛らしい奥さんなら見惚れて当然よね、私は映画俳優みたいなご主人につい見惚れてしまいましたけど(笑)」

「おまえは昔から面食いだからな」

「だからあなたと結婚したんでしょ」



「ご馳走様です」

「あらっまあどうしましょう~年甲斐もなく」

「いーえ、お二人とも品があってとても素敵なご夫婦で、私たちもお二人のような夫婦になりたいです」

「品はちょっと無理だと思うがな」

「もう~」

「でもお二人のようにずっと仲の良い夫婦でいたいです」

「嬉しいわ、そんなふうに言ってもらえると(微笑)」



                                    *



「京都楽しかったですね~、マイナスイオンたっぷり浴びて凄くリフレッシュできました」

「うん、楽しかった。後半月頑張れよ」

「ぶちょおこそ、あと半月寂しいの我慢してくださいね」

「別に寂しくないし」

「はいはい」

「あのな~」

「ほらっ新幹線来ましたよ!」

「じゃあまたな」                                (後編に続く)

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ホタルノヒカリ2外伝・・・春なのに、ぶちょおのゆううつ(後編)

2011-05-04 20:11:52 | ホタルノヒカリ2・外伝
2週間後・・・

メール? 登録してないアドレスだけど、件名が(ぶちょおへ)ってアドレスでも変えたのか?

こっこれは・・・ホタルのセミヌード?ではないけど、薄手のインナー1枚で熟睡しているホタル。
どういうことだ? なにかの悪戯か、嫌がらせか、大体こんな写真が社内に出回ったら。
誰なんだ?このアドレスの持ち主はどこのどいつなんだっクソッ!
ホタルに恨みでもあるのか、いや恨まれるなんてことは有り得ない、していえば・・・妬みなのか?


もんもんもん・・・もんもんもん・・・


はぁ~どうしたもんか。あのアドレスにメールしてみるか、けど誰なのかなんなのかわからずにメールするのはどうだろ? う~む。

あっあれはバンビ君! ラッキー~。


「やあ佐藤くんだよね、出張でこっちきてるの」

「あっ高野部長、はいそうなんです」

「高野でいいよ、時間あるんならちょっと飲まないか?」

「あっはいっ光栄です!」



「あの高野さんは以前SWにおられた手嶋さんのこと知ってます?今ニューヨークで活躍してるインテリアデザイナーの」

「ああ知ってるよ、以前は私の部下だったから」

「そうなんですか!僕は手嶋さんを目指しているんです。今は営業やってますけど秘かにインテリアデザイナー目指しているんです」

「へぇ~目指すものがあるのはいいことだよ(さてどう話を切り出すか)」

「あのちょっとこれ見てもらえます?」

「ああ。いいよ」

こっこれは・・・あの頃の手嶋より100歩遅れてる(^^;

「手嶋は才能もあったが人の意見を素直に聞く素直な青年だった。率直に言うと目指すんならデッサンの基礎からやり直したほうがいいと思う」

「はいっありがとうございます!」

この笑顔と人当たりの良さは営業の方が向いてると思うけどね(^^;

「あっ新規のプロジェクト全て上手くいって昨日皆で打ち上がりました。チーフプランナーの佐藤さんが立ち上げたプロジェクトで、その佐藤さんが体調崩して一時はどうなるかと思いましたが、蛍さんが手伝ってくれて凄く助かりました。」

「その佐藤さんはどうしてるの?」

「途中から職場復帰したんですが、最初からプロジェクトに拘れなくてちょっと残念だったかも知れないですね」


「佐藤じゃないか! こっちに来てたのか?」

「友達?」

「ええ」

「じゃあこれで」

「はい、今日は楽しかったです!」



なるほど~その佐藤さんがしいていえば怪しいかも。。。
佐藤ってどこかで聞いた名前だけど・・・よくある名前だもんな。


                                      *


「今東京にいます。Kホテルの102号室で待ってます 佐藤」


えーーー! まさかこんなメールがくるなんて・・・
しかも待ち合わせ場所がホテルの部屋ってどういうことだ? 行くしかないが。。。



「コンコン」

「どうぞ入ってください。高野部長お久しぶりです」

「君は以前SWの東京本社にいた佐藤くんじゃないか」

「はい、高野部長の下で2年間仕事させて頂きました。あまり目立たない社員だったと思いますが」

「いや、君の仕事はミスがなくとても丁寧で助かっていたよ」

「ありがとうございます。そんなふうに言って頂けてとても嬉しいです」

「あっ・・・あのメールはどういうことなんだろ?」

「私SWに入社してからずっと高野部長のことが好きでした」

「えっ?」

「思いを告げられないまま大阪に転勤が決まりショックでした。だけどせめて仕事だけは頑張ろうと、また高野部長に会える日がくるかも知れないと思ってました。私なりに頑張ってチーフプランナーになって、でもその最初の仕事の前に体調を崩してしまって」

「もう身体のほうは良くなったのか?」

「はい。優しいんですね部長は・・・私の変わりに東京からきた雨宮蛍さんが部長の再婚相手だというのは風の噂に聞いて知ってました。悔しかった、どうしようもなく悔しかった。だけど蛍さんはとても頑張りやさんで仕事熱心で、明るくて優しくて可愛らしくて、叶わないと思いました」

「そんなことはない、君も素敵な女性だと思うよ」

「ホント似たもの夫婦ですね、蛍さんによく佐藤さんは素敵女子ですねって言われました(笑)私すっかり蛍さんと仲良くなって打ち上げの後、私の部屋で二人で飲んだんです。そしたら蛍さんすっかり熟睡してしまって、寝言で可愛い声でぶちょお~て言って、その指に光ってる結婚指輪見てたらなんか可愛さ余って憎さ百倍というか、困らせたくなって写メって、蛍さんの携帯で高野部長のアドレス調べて送ったんです」

「・・・・・・」

「こんなことして本当にごめんなさい。何よりももう一度だけ高野部長に会いたかった。こんな駄目女の私ですが前に進む為にも私の思いを聞いてください」

「・・・ああ」

「私、高野部長のことが好きです」

「ありがとう、 でも私は結婚しているから君の思いには応えられない」

「ありがとうございます。 これでやっと高野部長のことふっきれます。 新しい恋をしようと思います」

「うん」

「部長のアドレスも蛍さんの写メも、ほらっもう削除しましたからね」

「ああ」

「最後に一つだけ思い出が欲しいです」

「えっ?」


思い出って・・・だからホテルの部屋なのか? そっそれは困るぞっ


「さようなら部長・・・チュッ

「君も元気で・・・」



よかった~思い出ってほっぺにキスでよかったんだ(ホッ)
ホタルには言えないけどな、まっほっぺにキスくらいいいだろう。
まてよ・・・あのバンビくんがホタルの寝てる間にキスしてたとしたら・・・それはけしからん!許せんぞっ

そう考えると、ごめんな~他の女性にキスされちゃって、うん、このことは墓場まで持っていこう。
あっ9時に東京駅に着くっていってたな、よし迎えに行こう。




「ぶちょお~迎えにきてくれたんですね!嬉しいです~」

「お腹空いてないか?なんか食べて帰るか?」

「早く縁側でゴロゴロしたいから、お茶漬けさらさらでいいです」

「じゃあなんか簡単なものでも買って帰るか」

「ビールのおつまみもね! あれっぶちょお~ほっぺのここ少し赤いですよ、なにかに噛まれたんですかね」

「もう蚊が出るのかな?」

「ん?んんん~? あーーーこれっ虫に噛まれた跡じゃないです! よーく見るとこれって口紅じゃないですか!?」


もっもしかしてさっきの?(^^;


「いや、蚊だろ?」

「干物女といえど私も女です。蚊か口紅かの区別くらいつきます!」

「じっ実はちょっと接待で・・・」

「やだ~クラブでキスマークつけられるなんてまるで中年親父みたいです」

「そんな言い方ないだろっ仕事なんだから(嘘つくのは気がひけるけど)」

「そりゃそうですけど、はいこれウェットティッシュ、自分で拭いてくださいね」

「でも今時、キスマークなんてつけるかな?普通もっとそういうことには気を使うと思うんだけど」

「いやクラブじゃないんだ。クライアントがゲイバーのママさんで、リノベーションを頼まれて(^^;」

「あーなるほどね、じゃあ女じゃなくて男ってことでまっいっか」  ←意外とやきもち焼きのホタルちゃんです。


キスされたことは墓場までもっていくしかないな。

ホタルの画像もしっかり保存したことは内緒にしておこう。黙って携帯見るやつじゃないし(^^;

それにしてもなんだか俺ばかりが振り回された春だったな~ガックシ

佐藤くんに佐藤さんか、佐藤という名前は俺にとって鬼門だな。 (全国の佐藤さん、ごめんなさい



「う~ん美味い! やっぱ縁側でぶちょおと飲むビールは最高っす!」

「ああ(微笑)」


知らないのはホタルだけなり。。。
まっいっか こうやって又いつも通りの日常が始まるんだから。変わらない日常って大事だよな。


「もう庭の桜はすっかり散ってしまったけど、来年こそは一緒に夜桜を楽しみましょうね!」

「花より団子じゃなくて、いや花よりビールじゃないのか(笑)」

「それもそうですけど、やっぱ花より旦那様です」

「えっ?」

「昔3年間も連絡無しに離れていたのが信じられないくらいに、ぶちょおと離れて暮らしたこの一ヶ月寂しかったです」

「俺もだよ  さすがに夜はまだ寒いな 寝よっか」

「はい あなた~」

「なに?」

「えーと(もじもじ) 仲良くしたいです~(照)」

「もちろん」                                     end                                      


花粉症、肩凝り、風邪、頭痛と体調的にはゆうつうな春でしたが・・・
無事にホタル2外伝が書けてよかったです。ちょっと季節外れになりましたが。
やっぱりホタルとぶちょおを書くのは楽しいね。永遠のベストカップルです。
楽しんで頂ければ幸いです。



拍手画像もチェンジしました(^^;

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ホタルノヒカリ2外伝・私をスキーに連れてって!

2011-02-12 19:14:28 | ホタルノヒカリ2・外伝
「なに見ているんだ?」

「私をスキーに連れてって」

「ふーん」

「この映画見て憧れました~私もスキー場でいつかあんな恋がしたいなって」

「あの映画やってた頃ってホタルは5~6歳だろ?」

「何度もテレビで放送されたじゃないですか。最近はDVDになっててレンタルしてきました」

「あっそっ」

「ぶちょおは何処のスキー場に行きました?」

「・・・行ってないよ」

「え?」

「なんで俺がスキーに行ってたって決め付けるんだ?」

「だってぶちょおが学生の頃って全盛期じゃなくても、まだまだスキーが盛んだったんじゃ?」

「冬はいつもコンクールに出す作品の制作に忙しくてスキーに行ってる暇なんてなかったの」


高野誠一・・・東京大学建築科・一級建築士 ←原作より。


「すみません、私が長野で滑っているときも東京の大学から来てる学生が多くて。それでつい・・・決め付けちゃいけませんよね」

「そんなの気にしなくていいから。で、映画みたいな恋はあったの?」


絶対無いと思うが一応聞いてみる(^^;


「それがですね、少しスキーが下手なくらいの方がもてるんですよ。たまに声掛けられて一緒に滑ろうって滑るんですが、私の方が断然上手くて、またね~て言われてそれっきりなんです」

「あはは(笑)君らしいや。あっもしかしてスキーに行きたい?」

「昔は実家の近くにスキー場があったから行ったけど、今わざわざ寒い所に行くのはめんどくしゃいからいいです」

「そっ」

おかきを食べながら再びDVDを楽しそうに見始めるホタル。

その姿を見つめるぶちょお。。。


                                     *


「先輩!いよいよ東京進出ですね」

「こんなご時勢だが自信はあるつもりだ」

「頼もしいな~先輩は、店の方は俺に任せてください」

「俺も高野が頼もしいぜ(笑)」

「ではさっきの方向で詰めていきますが、また思うところがあったら言ってください」

「ああ、まあ仕事の話はこれくらいにして飲もうや」

「はい」



「あの~ちょっと先輩に聞きたいことがあるんですが」

「なんだ?」

「俺くらいの年でもスキーって出来ますか?」

「へっ? そんなの当たり前じゃないか。年齢に関係なく楽しめるスポーツだと思うぜ。いろんな楽しみ方があるしな」

「そうですか」

「でも急にどうしたんだ?昔どんなに誘っても忙しいからって行かなかったのに。あーそっか!?」

「なんですか?」

「再婚した若い嫁さんに、私をスキーに連れてってと言われたとか? でも今そんな時代じゃないというか・・・」

「別に言われてないけど、実家が長野で昔よく滑っていたらしくて、スキーしたいのかなって思って」

「へぇ~まあ二ツ木から少し話は聞いているけどな」


なに話ししたんだ?(^^;


「俺の知り合いがスキーのインストラクターやってて、1日スキー教室に入ればかなり滑れるようになるぜ。教えるの上手くて評判なんだ。新潟なら日帰り出来るし、行ってみるか?」

「う~ん、考えてみます」

「けどさ~13歳年下の嫁さんか、いいな~いろいろいいだろうな~(おい)俺の嫁さん同級生だしな」

「先輩の奥さんはミス東大じゃないですか?」

「いやいや若さには敵わないよ、高野・・・頑張れよ(にやり)」

「はぁ・・・(参ったな)」


                                      *


「こんなに早く何処行くんですか?」

「こないだ話した先輩の店の件でちょっと新潟までな、今日中には帰るから」

「はーい、新潟は寒いだろうからお鍋の用意して待ってますね」

「ああ」

「いってらっしゃーい、お土産は笹団子でよろぴこ」

「了解(ちゅっ)」



もう~朝からラブラブなんだから~ でも今日1日いないのか。
つまんないけど思いっきりゴロゴロダラダラしよう~と。
でも掃除くらいしよっかな~。それと鍋の材料買いにいかなきゃね。
ふふふ・・・私って成長したかも~。



「ただいま・・・はい、お土産の笹団子」

「ありがとう~」


つっ・・・疲れた。。。


「ご馳走さま」

「えっもう食べないの?」

「うん・・・ちょっと疲れたからもう寝るわ」

「えっ?もう寝るんですか!?」

「だっ・・・駄目

「いえ、おやすみなさい」

「じゃあ、お休み」


あーあ、今日半日昼寝してたから全然眠くないのにな~ちぇっ。
はっぶちょおは仕事で疲れたって言っているのに、ちぇっなんて言っちゃいけないわ(反省)


あー身体が痛い。派手に転んだから青アザだらけだな(苦笑)
明後日辺りに猛烈に筋肉痛がくるんだろうな、やれやれ。




次の日・・・


「笹団子?」

「フタちゃんの先輩って人が昨日東京に来て、お土産にもらったんだって」

「そうなんですか、ありがとうございます」




ホタルの部屋・・・


ぶちょがお土産に買ってきた笹団子と、二ツ木さんが先輩から貰ったという笹団子。ぶちょおと二ツ木さんの先輩って新潟にいる同じ先輩のことよね。確か前にそう言ってた。ぶちょおは出張で新潟に行くっていっていたけど新潟で先輩に会ったんじゃないの?仕事の話があったんじゃないの?でもその先輩は昨日は東京に来ていた。でもそれは先輩に会わなくても仕事で新潟に行く用事があったってことよね、別に不思議がることじゃないし。けどなんでだろう?この笹団子は二つないほうがいいような気がする。こっちの方は先に全部食べてしまおう。


ぐ・・・ぐるじぃ~食べ過ぎた。



「今日休日出勤ですか?」

「今日新潟から先輩が出てくるから、店のいろんなことを詰めたいし、帰りは飲みに行くと思うから夕飯はいらないから」

「はい・・・いってらっしゃい」



先輩は先週東京に来たんじゃないですか!? 2週続けて東京にくるんですか?

なんだろ? このもやもや感は? 

ぶちょお・・・もしかして私に嘘ついてる? なんで? なんで?

浮気? まさっか~それはないない、そんな人じゃないもん。

でも・・・そういえば最近微妙に避けられているような気がする。
せくしー下着でぶちょおに迫ろうかちらん。
駄目だ・・・そんな気になれないや。もんもんもん。

ゴロゴロゴロ・・・ゴロゴロゴロ


痛いっ タンスに頭ぶつけたっ うぇ~ん痛いよ~。ぶちょおのせいで頭にコブできちゃった



「ホタル、ホタル!」

「えっ?」

「どうしたのぼんやりして、なんか元気ないぞ~帰りにちょっと飲まない?」

「はい」

「小夏さんのお店でバレンタインディーに向けて今度手作りチョコレート教室開くんですって、ホタルも行く?」

「行きます、行きます。チョコレートどうしようかって思ってたんですよ」

「ねえホタル? なんか私に相談したいことがあるんじゃないの?」

「あっ・・・私じゃなくて友達の話なんですけど、恋愛のことで相談されて、でも私って恋愛に疎い女だからどう言ったらいいかわからなくて」

「どんな相談?」

「彼が嘘ついてるらしいって」

「どんな?」

「友達と会うって言ってて友達と会ってなかったりとか」

「それで彼の浮気を疑っているんだ?」

「そうなるのかな? でも彼女は彼のことが凄く好きで信じるって言ってるんです」

「じゃあ、それでいいんじゃない。けど不安になるのはわかるわよ、だから誰かに聞いて欲しいのよね」

「ですよね」

「嘘といってもいろいろあるだろうし、それにその彼がなにも言わないならドンと構えていなさい。詮索したら負けだと思う。女よ気高くあれよ」

「さすが姐さん、カッコいいです」




「えーーー! 高野が浮気! 無い無いそれは無い絶対に無い! 高野は凄く一途な奴なんだ! 浮気をする高野なんて俺は知らない。俺の高野になにがあったんだ~(泣)」

「ちょっとフタちゃん、落ち着いて・・・かくかくしかじかこういうことなのよ」

「なんだ、そういうこと」

「やっぱり、なんだ・・・よね」

「嘘をつくのはよくないけど、浮気とかじゃなくて他の事情があるんだろよ」

「よね。でも意外だったな~ホタルがそんなこと思うなんて。ホタルは純というかいわゆる女特有のドロドロした部分を持ってなくて、さっぱりした子だから」

「それだけ・・・前よりもずっと高野のことが好きってことなんじゃないのかな(微笑)」

「そっか、そういうことか」

「高野は幸せ者だな~そんなに惚れられてて」

「あらっフタちゃんは幸せ者じゃないの」

「俺も幸せだよ~俺はさっちゃんのこと凄く愛してるから~

「私もフタちゃんに心底惚れてるわよ




                                 *


「えっ温泉ですか?」

「うん、ずっとバタバタしてて新婚旅行にも行ってなかったろ。ちょっといい雰囲気の温泉予約したんだ」

「何処の温泉ですか?」

「それはついてからのお楽しみってことで(微笑)」

「ミステリー温泉旅行ですか! 凄く楽しみです~」



ぶちょおと温泉か~楽しみだな。

男は浮気をすると急に妻に優しくなる・・・はっどうして私ったらこんなこと考えるんだろ。
大体ぶちょおはいつも優しいし、よくある話で急にバックやアクセサリー買ってくれた訳じゃなくて温泉だもんね。
大体女がいたらその女と温泉行くよね。
て・・・なんで私こんなこと思っちゃうんだろう。これじゃまるでぶちょおのこと信じてないみたいで。
嫌いだ・・・こんな私。。。







チョコレート思った以上に上手く作れて良かった~味見したら美味しかったし。
ラッピングも完璧だし、ちょっと早いけど温泉で渡そうかな。
そうだ! 温泉に行く準備しなきゃ。みかんにスルメにビール・・・てこれじゃ家にいるときと同じだ(笑)

バーゲンやってたから新しい洋服買っちゃった。
それと新しい下着も(照) 大人かわいい~てやつ・・・えへっ。
旅行って行く前が一番楽しいんだよね。






「ぶちょお~ ここって・・・」

「スキー場だよ、スキーに行きたかったんだろ? ホタルに内緒でこっそり練習してたんだ。上手くは滑れないけどやっと楽しむくらいには滑れるようになったかな」

「ぶ・・・ぶちょお~ うわーん(大泣き)」

「そっか・・・そんなに嬉しいのか、よかった~青アザ作って頑張った甲斐があったよ(笑顔)」

私に嘘ついて出かけていたのは、スキーの練習するためだったなんて。
てゆーか私そんなにスキーしたかった訳じゃないんだけど(^^;


「レンタルで何でも借りれるから便利だね」

「スキーウエア着たの久しぶり~どうかしら?」

「うん、イカシてる」

「ぶちょおも凄くカッコいいです」

「そっ・・・なんか見られてる気がするんだけど」

「そりゃあぶちょおのスタイルでウエア着てサングラスかけたら鉄板ですよ。でも滑り始めたら見る人減ると思いますよ」

「下手すぎてガッカリみたいな(笑)」

「そこは初心者ですから(笑)でも嬉しいです、ぶちょおと一緒にスキーが出来るなんて」

「うん、じゃあ滑ろうか、お手柔らかにな(笑)」

「はーい」





「ぶちょお、初心者とは思えないほど上手かったですよ」

「そっよかった。元々凝り性なところがあって、ここしばらく仕事のとき意外はスキーのことばかり考えていたくらいだよ(笑)」

「それにここ本当にいい温泉ですね、大浴場は肌がつるつるになるくらい気持ちよかったし、お料理も凄く美味しくて大満足です」

「喜んでもらえて良かった。新潟の先輩がここ勧めてくれたんだ」

「新潟の先輩って・・・笹団子・・・・・」

「笹団子がどうかしたの?」

「あのね・・・・・・・・・・・・・・・・・・だったんですよ」

「そっか、そうだったのか、なんとも間が悪いというか、変に心配させることになって悪かったな」

「ちょっとだけ心配したけど、ぶちょおのこと信じてますから」

「うん」


嘘・・・ちょっとだけじゃなかった。。。


「初めてスキー板履いたときは転んでばかりで、ほらっこことか、こことか」


浴衣の裾をたくし上げて太ももやお尻の青アザを何故か嬉しそうに見せるぶちょお。
なんか艶かしくって眼のやり場に困ります。


「あっ!」

「なに?」

「チョコレート冷蔵庫に入れるの忘れてた!」

「これもしかして手作り? ありがとう」

「ちょっと待ってください。なんともないか見てみます。大丈夫かな~(一つ手でつまんでみる)
あーやっぱり溶けかかってる」

「うん、美味い」

「えっ?」

私の指についたチョコレートをぶちょおが舐めた。太股とはまた違って艶かしくて、なんだかその仕草が色っぽいというよりエロくて(^^; 指の先がじんじんと痺れた。


「ホタル・・・」

「ん・・・」


久々のちゅーは甘くてチョコの味がした。そういえばバレンタインディキッス♪って歌があったな。
なんか自分で凄く高まっているのがわかる。ディープキスにも余裕で対応できちゃってる。
私の方から押し倒しちゃおうかな。今日は下着も大人かわいい~でバッチリだし。


「ホタル、一緒にお風呂入ろう」

「へっ?お風呂ならさっき入りましたよ」

「この部屋は露天風呂付きなんだけど気づかなかった?スキーで汗かいたし、折角温泉に来たんだから、大浴場も入ってみようと思ってさっきは大浴場にしたんだけど」

「私はいいです。ぶちょお一人で入ってください」

「えっなんで?」

「別に・・・」

「えーと、どうして急にそんなに不機嫌なのかな?」

「今、お風呂って気分じゃないんです」

「じゃあ・・・俺入ってくるわ、折角の部屋付き露天風呂(高かったし)」



一緒にお風呂って中年親父丸出し!
大体さっきのシチュエーションなら普通は押し倒すんじゃないの?
ふんだ、ふ~んだ・・・・・でも一人でいるにはこの部屋は広すぎる。



なんで嫌なんだ一緒にお風呂。女子に人気なんだろ?露天風呂付きの部屋ってさ。
下心見え見えだからか・・・て夫婦だし、風呂くらい一緒に入ったっていいじゃないか、チェツ。
わからないな~女心ってやつは。ん?ホタルの場合干物女心か。。。



「ホッ・・・ホタル!」

何も隠そうとせずいきなりスタスタと入ってきた。眼がチカチカする。
そういえばスキーで出来た青アザ隠す為だったり、筋肉痛だったり、忙しかったりで妻の裸を見るのは久しぶりだった(^^;
顔は相変わらず不機嫌なままだけど。。。


「気が変わったの?」

「だってこの部屋高かったんでしょ、お風呂入らなきゃ勿体ないでしょ」

「あのさ・・・どうして」

「だってだって・・・私が気を揉んで凄くもんもんとしてた頃、ぶちょおはにやけた顔で露天風呂付きの部屋を予約してたのかと思ったらムカついたんです」

「えっ!? それってさっきの笹団子・・・そんなに気を揉んだんだ」

「・・・・・・・・」

「あっいや、なんていうか、君はそういうの気にしないというか、気にしないんじゃなくて、あっさりしてて・・・そういう変な風に考えるとは思わなくて」

「ええそうです。まさか自分が・・・ぶちょおが嘘ついた=浮気したという思考回路が働く女だとは思いませんでした。そんな自分に驚いたし、そういう自分が嫌いで凹みました」


「嬉しいよ・・・」

「えっ!?」

「そんなに俺のことが好き?」

「なんかちょっと悔しいけど・・・」

「俺はずっと前から、君より俺のほうがずっとずっと君のこと好きだよ」

「私だってずっとずっとずっと好きです」

「俺はずっとずっとずっとずっと好きだよ」

「私はずっとずっとずっとずっと・・・1、2、3、4 何回でしたっけ?(笑)」

「やっと笑った(微笑)」


「あ・・・やだ・・・ ぶちょお~この状況でこういうことするのずるいです~」

「この状況でなにもしなかったら男じゃないだろ(微笑)」

「あ・・・ん・・・」

甘い吐息と白い肌が赤く色づいていく様にゾクゾクする。。。


ビバ露天風呂! 


「せい・・・いちさん・・・もう駄目・・・溺れちゃう」

「お風呂こんなに浅いのに?」

「あ ・ な ・ た ・ に」 


あっ折角の大人かわいい下着つけてる間がなかった。 まっいっか



バレンタインデーではなく、バレンタインデーイブイブの甘い夜のお話になりました。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
なお2008年の2月11日にはホタルノヒカリ外伝で、アンティーク(小野さん)とのコラボで「バレンタインディキッス」を書いてます。
よろしかったらこっちも読んでくださいね。
コメント (9)
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ホタルノヒカリ2外伝・お正月(前編)

2011-01-04 09:59:11 | ホタルノヒカリ2・外伝
「誠一さん、明けましておめでとうございます」

「うん、おめでとう」

「ささっグイッと一杯」

「(ゴックンゴックン)さっ君も一杯」

「私お酒飲むと哲学的になって可愛くないですから~」

「ちょっとだけ」

「美味しいです~」

「良く似合ってるよ、その着物」

「ホントに? でもお母様が昔着てらした着物を私なんかが着て良かったのかしら?」

「母も喜んでいると思うよ」

「はい(ウルウル)誠一さんもお着物凄く似合って素敵です。甚平とは又違って素敵大人の男子です。 
惚れ直しちゃいました

「ホタルも凄く綺麗だよ」

という元旦を迎える予定だったのに・・・
やはり干物女とこういうお正月を迎えようというのは無謀すぎたか?
いや、干物女だって着物くらい着る。パーティではちゃんと着てたぞ。

ただ俺は負けてしまったんだ・・・じゃんけんポン!あっち向いてホイッに!

ということで妻が用意したペアルックの晴れ着?を着ることになったという訳だ・・ガックシ。



「ホタル・・・まるで一枚の絵を見ているようだ」

「えっ?日本画ですか?浮世絵?美人画?」

「しいていえば日本昔話」

「ん?」

「コタツにみかん、綿入り半纏がこんなに絵になる女は日本中どこ探してもいないと思う」

「ぶちょおもスエットスーツに綿入り半纏、凄く似合ってますよ」

「そっ」

「たまにはこういう楽な服もいいでしょ」

楽すぎて腹回りに肉が付かないかと心配になってくる(^^;

「読みたい本があったんだが、君を見てるとほのぼのし過ぎて眠くなってきた」

「じゃあここ、私の膝貸しますよ」

「うん、心地いい・・・けど」

「けど?」

「心地よすぎて寝るのは勿体無い・・・」

「キャッ もう~お正月早々~」


こたつでいちゃいちゃランランラン~な二人です。


ピンポーン♪

「えっ!?」

「なに?」


「高野~」

「ホタル~」


「はっ! 携帯充電中だった・・・」


・・・そっち方面に行く用事があるんだけど、ちょっと高野の家に年始の挨拶に行こうと思うんだけどいいか?都合悪かったらメールしてくれ・・・

↑というメールがきてました。


「しかし、ホタルちゃんはともかく高野がこんなにユルい格好してるとはな」

「夫婦は似てくるっていうけど、ホントなんか二人似てきたわね、お似合いの夫婦って感じよね」

「そうか?」

「そうですか~(にこにこ)」


干物女と俺が似てるだと~ガックシ。だがお似合いの夫婦ってことで良しとしよう。


「でもコタツっていいな」

「ねえ~コタツ欲しくなるわね」

「あっもしかして二人コタツで取り込み中だったとか?それでメールに気づかなかったとか?(笑)」

「違います!違います!コタツでいちゃいちゃなんかしてませんよ!」

「あらっホントにそうだったの~(笑)」


たく余計なことを・・


「わっ私、お茶入れてきますね(照)」


「携帯が充電中だったんだ」

「まっいいじゃないか、仲良くて結構結構」

「充電中だったのは本当のことだから」

「わかったから(笑) じゃあそろそろ」

「もう帰るのか?」

「他に行くとこあるし、二人の顔見にきただけだから。でもなんかいいな~高野の丸くてやわらかい顔、俺好きだぜ」

「俺太ったか?」

「そういう意味じゃないよ」

「私がよく知っている高野部長はいつも眉間に皺寄せてましたもんね(笑)」

「そっか(微笑)」


「じゃあまたな」

「ああ」



「あれっお茶入れたのにもう帰るんですか?」

「二人の顔見たかっただけだから、他に用事もあるしね」

「今日はわざわざ寄って頂きありがとうございました!」



「俺たちもでかけるか」

「何処へ?」

「初詣だよ、まさかめんどくしゃいとは言・・・」

「言いません言いません、そんなこと言いませんよ(一人なら行かないけど)」

「でもこの格好じゃあな、着替えてくる」

「私も~」



「わぁ~そのセーター素敵 凄く似合ってますよ」 ←各自お好みのセーターで想像してね(^^;

「そっ?結構何年も着てるけどね」

「そんなふうには見えませんよ」

「そりゃあ、お気に入りの毛糸洗いの洗剤で、優しく丁寧に手洗いして大事に着てるからな」


毛糸洗いには自信があります~♪


「そっそうですか(^^; ねえ私はどうかしら?」

「まあ普通に可愛いけど」

普通かよ・・・

「君は・・・もしジャージコンテストがあったなら間違いなくミス・ジャージになる。君ほどジャージの似合う女はいない」

「そうですか~(嬉しいような嬉しくないような)あっ私もうミスじゃないですよ、ミセスですよ!ミセス・ジャージです(力説)」

「そっか、そうだったな(笑)。さっ行こか」





「ぶちょおはなにをお願いしたんですか?」

「家内安全、無病息災、景気回復」  ・・・かっ堅い

「ホタルは?」

「内緒です~」

「俺のだけ聞いてそれはずるいぞ」

「だって~恥ずかしいもん。でも・・・一人じゃ叶わないし、言ったほうがいいのかな?」

「二人じゃなきゃ出来ないこと?」

「えーと、えーとですね・・・赤ちゃんが欲しいなって」

「えーーー!?」

「そっそんなに驚かなくてもいいじゃないですか!ぶーだっ」

「あっごめん、だって君が子供を生むとか育てるとかいまいち想像できなくて(^^;」

「干物女だって普通に女だもん、好きな人の子供は欲しいです。今迄こんなこと思ったことないですけど」

「だから結婚したんじゃないの?(微笑)」

「そっか・・・・・なんとなくぶちょおにソックリの可愛い男の子の赤ちゃんに会いたいなって思って」

「お母さんソックリの女の子も結構可愛いと思うけど」

「私みたいな干物女になっても?」

「それは困る、俺がちゃんときちんと子育てしてそうならないように育てるもん」

「そんな~子供は自由に伸び伸び育てなきゃ駄目ですよ!」


その結果がこれか・・・(^^;


「え~! 母子で干物女はかんべんしてよ(笑)」

「こういうの取らぬ狸の皮算用っていうんでしたっけ(笑)」

「近いものはあるかな、でもこういう会話をするようになったって・・・俺たち夫婦になったんだな」

「そうですね」

「まあ子供は授かりものだし、気楽に待とうな」

「はいっ」


そんな悠長なこと言ってないで、ぶちょお~自分の年を考えて気張りなさい!


「えっ? あっはいっ・・・了解です。」

「えっ?私なにも言ってませんよ」

「そっ?」


・・・あれは天の声か、お節介なおばちゃんたちの声か・・・


「あなた~今夜はなににします?」

「う~ん鍋がいいかな?」


元旦の献立は既に決まっていて買い物も済んでいるけど新妻らしく言ってみたかったのだ。
ぶちょおはそれにちゃんと付き合ってくれるんだよね。

あっあの女の人、凄いボディコンスーツ着てる。まるで○姉妹みたい。

あっ見てる、見てる~。 しかも目で追ったな! こいつ~妻に夢中とか言ったくせに。




3ヶ月前・・・

「このネグリジェ私にはちょっと小さいからあげるわ、それとこれは外国みやげのセクシーランジェリーこれもあげるわ」

「えーこんなの着るの恥ずかしいです」

「ホタルは若いしナイスボディだし、こういうの必要ないかも知れないけど、たまにはこういうの着て旦那さまのこと喜ばしてあげたら(笑)」


私的にはそれを喜ぶ高野部長は想像できないというか、想像したくはないけど(^^; by山田姐さん。


どれどれ~いや~ん、やっぱ恥ずかしいかも ←湯上りのホタルです。

てゆーかこれ寒いわ、上に綿入れ半纏着よう~と ←それじゃ色気がないぞ。


「あれっぶちょお寝てるんだ。コタツでうたた寝すると風邪ひきますよ~ぶちょお~」


やっぱぶちょおの寝顔って可愛いな~ あ~むずむずする~もう駄目!我慢できない!


「今日はなに書こうかな~黒のサインペンしかなかったし」

「黒ウサギだろっ」

「そう腹の黒い黒ウサギ・・・て、ぶちょお起きてたんだ、寝たふりするなんてずるい!」

「そう何度も同じ手にひっかかるか・・・ん? えっなに着てるんだ?」

「ジャーン、ボディコン女に負けるな!セクシーホタルちゃんです!」

「ボディコン女って初詣のときの・・・。茶髪のロンゲに真っ赤な胸の大きく開いた超ミニのボディコンスーツに毛皮のコートで皮のブーツをはいてた」

「よく見てますね・・・(詳し過ぎるぜ)」

「あれだけ目立ってたら見ようと思わなくても目に飛び込んでくる。あれはさながら○姉妹だ。○姉妹が街歩いていたら普通見るだろ。でもボディコン女が君の女心に火をつけたなら感謝しないとな」

「へへ」

「どれどれ~わぁーお!」 ←半纏を脱がしネグリジェの下を覗き込むぶちょお

「萌えます?」

「激萌え

「やり~」


チュンチュン、チュンチュン ←これはコケコッコー


あー頑張り過ぎた(^^;


「あの~野獣って昨日のぶちょおのことですよね

「えっ? まあ・・・な(照)」


頑張った甲斐があったか・・・良かった。 えっ今迄はって? 俺はフェミニストなんだもん。


                                       後編に続く。


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ホタルノヒカリ2外伝・お正月(後編)

2011-01-04 09:58:46 | ホタルノヒカリ2・外伝
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

「まあまあ良くおいでくださいました。なにもない田舎ですけどゆっくりしてくださいね」

「有難うございます。これ皆さんで召し上がってください」

「お気遣いありとうございます」


かっ堅いよ、お母さん(^^; ぶちょおの堅いのは慣れてるけど、お母さん、それじゃ肩凝るよ。


「お母さんたら、そんなに緊張しないでいいのに(笑)」

「だって誠一さんは、こうバリッとしてて、如何にも大きな会社の偉い人みたいで」

「もう転職したから」

「それに映画俳優みたいに二枚目でさ、なんかお母さんドキドキして眼が合わせられないわ」

「ふーん」

「よくあんな人の前でジャージにちょんまげでいられるね、あんたは」

「そこが可愛いって、癒されるって」

「つくづく残念な人だ」

「こらっ鈴虫(弟のスズム)」

「半分酔っ払ってる父ちゃんの話をニコニコ相槌打ちながら話合わせてるし、俺が仕事のことでちょっと悩んでいることがあるっていったら凄く的確なアドバイスしてくれたし、余程俺の上司より頼りになるわ。あんな完璧な人が何故姉ちゃんと結婚したのか、雨宮家最大の謎だ」

「そうそう」

「もう~二人とも!」

「まあ、家族以外に姉ちゃんの良さをわかる人がこの世に一人だけいたってことだ」

「大事にしなさいよ、誠一さんのこと」

「うん(笑顔)」




私ももう少しいい奥さんにならないとな。さてと今年の書初めはこれだな。


「なに書いたの? へぇ~脱干物女か・・ん?(ちょっとだけ)って書き足してある(笑)」

「無理は長続きしませんから、ぶちょおだったら書初め、なに書きますか?」

「そうだな・・・君の良い夫でいることかな」

「せっ誠一殿! 私のような愚妻にそのようなお言葉は勿体のう御座います!」


時代劇にでも嵌ってるのか・・・仁(JIN)とか(^^;


「まあ仕事は頑張ってるつもりだし、社会人としてもちゃんとしてると思うけど、人としてはどうだろ? 
君の良き夫でいることが人として心豊かにいられる気がする」

「はぁ・・・よくわかったような、わからないような。ならば私もこの(ちょっとだけ)を消したいと思います」

「いいよ、無理は続かないだろっ。俺もまあ出来るだけってくらいだから」

「じゃあこのままで(笑)こっちは寒いでしょ、湯冷めしないようにこれ羽織ってくださいね」

「うん、でも温かいよこの家は、ちょっと古いけど良く手入れされてて、ご家族皆良い人であったかいよ。
君がこの家で育ったのがわかる気がする(微笑)」

「嬉しいです。そんなふうに言ってもらえると。あらためて誠一さん、今年もよろしくお願いします」

「こちらこそよろしく(微笑)」



                                    *


「ホタル・・・朝だよ(優しく)」

「・・・・・・」

「起きないとチューするぞ・・・このネタは古すぎだな(^^;   こらっ起きろっアホタル!」

「むにゃむにゃ」

「いくら実家とはいえ、いい加減に起きてお義母さんの手伝いくらいするのが常識ってもんだろ」


干物女に常識なんてありません(^^;


「はーい」

「よしっ起きたか」

「先生~遠足のおやつは500円までですよね、バナナもおやつに入るんですか~」

「また古いネタの夢を(^^;」

「グーグー」

「だみだこりゃ トイレ行こっ」




「痛っ!」


ん?・・・・・


「お義母さん、どうされたんですか?」

「たっ高・・誠一さん、おはようございます。まあ早起きなんですね」

「指から血が出てますよ」

「こんなの舐めときゃ治りますから」

「ちゃんと手当てしないと、救急箱何処ですか?」



娘婿に手握られてドキドキしてる義母ってどうよ。
けど、韓流スターに嵌るおばちゃんたちの気持ちがわかるわ(^^;


「すみません、朝からご迷惑かけてしまって」

「いえ、ホタルで慣れてますから(微笑)」


やっぱり・・・この手際の良さはそういうことか。。。


「あまり濡らさない方がいいですよ」

「朝ご飯の支度があるんで、ビニールでも巻いてやります」

「僕に手伝わせてください」

「そんなとんでももないです」

「こうみえて趣味・男の料理ですから、是非手伝わせてくださいね(笑顔)」

「はっはい・・・」

しっしまった、あの笑顔にほだされて遂「はい」と返事してしまった。
しかも主婦歴○○年の私よりずっと手際がいい(^^;
でもこういう男性のお嫁さんになるって逆に大変かもね。だからホタルなのか~お似合いの夫婦かもね(微笑)
駄目この状況に甘んじていては駄目、母親らしく主婦の心得くらいは言っておきゃなきゃ。
まっいっか~(似た者親子)今はお正月だし、今度、何れ、そのうちにビシッとね。。。



「長野のお雑煮と東京のお雑煮は似てますね」

「そのようですな、関西の方だと白味噌に丸餅のお雑煮になるみたいで、でも東京と長野はほぼ同じだからホタルの作る雑煮でもなんとか口に合いますかね」

「ええ」


姉ちゃんが雑煮作るの見たことないけど・・・一応主婦だもんな。


「ん? このだし巻き卵いつもより美味い。」

「それに随分綺麗に巻いてあるし、今朝は誠一くんがいるからいつもより丁寧に作ったんだろ~お母さん(笑)」

「あっこのだし巻き卵ぶちょおの味がする」


・・・余計なことを・・・


「へっ?」

「はっ?」

「どういうこと?」

「ごっごめんなさい。実はかくかくしかじかで・・・」

「相変わらずなんてそそっかしいんだ

「もう~お母さんたら~」

「蛍!おまえが一番悪い!早起きはしないし、それに誠一君のことを未だに部長と呼んでいるのか!?
しかも一口食べてわかるくらい誠一君の作っただし巻き卵をいつも食べているのか!?」

「いつもじゃないです。時々です」

「そういう問題じゃない!」

「はっ反省してます」

「あっいや・・・僕料理が趣味なんですよ。それにしても大勢で食べる朝ごはんて美味しいですね。これって一番のご馳走だと思います(笑顔)」


高野さん・・・人間が出来すぎてる(^^;  by鈴虫


「この美味い出し巻き卵のお礼に、お昼は私が打った手打ち蕎麦をご馳走させてください」

「それは楽しみです」




                                   *


帰りの新幹線の中、読書中のぶちょお。


「誠一さん、なに読んでるんですか?」


「南雲準のよ~くわかる犯罪心理学」  

1月11日「CONTROL・犯罪心理捜査」スタートよろしく! byなおひと。


「ヘェ~犯罪心理学に興味があるんですか?」

「心理学に嵌ってるクライアントがいてね。人のちょっとした動作や仕草でその心理がわかるらしいよ」

「どんなふうに?」

「例えば、今すぐ使える行動心理学として」

◎その仕草は、一体何を意味しているのか?
 ・口元によく手をあてる人は、何かに依存しやすい。
 ・腕組みをしている人は、その場に心を開いていない。
 ・よく髪の毛をいじる人は、欲求不満を抱えている。
 ・人前で腕時計を触る人は、緊張を隠そうとしている。
 ・対話中、鼻に手をやる相手からは疑われていると心得よ。
 ・右上を見ながら話をする人は、おそらく嘘を隠している。
 ・議論中、あごに手をあてた人は、守りに入った証拠である。
 ・話し相手が首筋をなでている時は、怒りを抑えている。


「ふ~ん、当たるんですかね、これ?(おい)」

「どうだろ?読んでると面白いし、興味が出てくるけど。よく凶悪な事件とかあると犯罪心理学の教授が犯人の心理を分析したりするから、一つの研究分野なんだろうな。例としてここに書いてあることが一般の人に当てはまるかどうかはわからないけど」

「ですよね~それにそういう心理学とか関係無しに私の母なんて、父が(あれ)(それ)って言っただけで、父の欲しいものとかやって欲しいことがわかるんですよ」

「それは長年連れ添った夫婦だから」

「私たちもいつかはそうなるのかな~」

俺は自分のことは自分でするけど・・・

「でもぶちょおは私より先に動いちゃうけど、あっいや、それに甘んじることないように、今年はもう少し良き妻を目指します」

「じゃあちょっとだけ期待しようかな(笑) 因みに俺が今なに考えているかわかる?」

「俺は本が読みたいから少し黙っててくれ・・・ですか?」

「腹が減った」

「えっ?お蕎麦食べたじゃないですか」

「お味はどうですか?て顔で皆に見られて食べた蕎麦はどこに入ったかわからんよ」

「すっすみません(^^; 私の実家に帰省したからお正月といってもあまりゆっくり出来ませんでしたね。」

「君の家族は俺にとっても大切な家族だから(微笑)」

「私も凡太郎さ・・・お義父さん大好きです。たまには家に寄るように誠一さんからも言ってくださいね」

「ああ、それにしても腹減ったな、なんか食べて帰ろうか、ガツンと中華でも」

「ガツンと食べるなら焼肉ですよ!」

「中華!」

「焼肉!」

「中華!」


「じゃんけんポン! あっち向いてホイッ!」



「美味しい~ここの焼肉会社の若い子たちの間で評判のお店で一度来てみたかったんです。ねっ美味しいでしょ」

「うん、美味い」



焼肉美味かったし、中華でも焼肉でもどっちでもいいんだけど・・・
気に入らない、ホタルにジャンケンで負け続けているのが気に入らない(負けず嫌いのぶちょおです)

この本には書いてないのか? 相手の心理を読んでジャンケンに勝つ心理学は?                  

                                               おしまい。


今年もこんな感じで二人は仲良く暮らしていくんでしょうね。いつか二人が三人になるといいね!

2008年の1月3日にも「ホタルノヒカリ外伝・お正月」を書いています。
ちょっと懐かしく読み返してみたら、恋人のときの二人と、夫婦になってからの二人と違うもんだなと思いました。
自分でいうのもなんですが、ホタル1の外伝・お正月、面白いです。
夫婦の二人だと相当間口が狭いお話になりますが、1のお正月だとちゃんとストーリーがありますね(^^;
以上 「お年玉その2」でした。楽しんで頂けたら幸いです。


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ホタルノヒカリ2外伝・君恋しくて・・・(前編)

2010-10-31 15:29:46 | ホタルノヒカリ2・外伝
出演・・・高野誠一 ・ 雨宮蛍
     
     桐野征冶(泣かないと決めた日)・・・桐野征冶in香港・赤い情熱の桐野さんです(^^;

     唐沢雪穂(白夜行)・・・東野圭吾原作・ドラマ化された白夜行ではるかちゃんが演じました。


が、桐野さんの香港編や白夜行(雪穂)を知らなくても、問題なく読めると思います。

                            
                               *


今日のリオのカーニバル接待思った以上に盛り上がって上手く行ったな~。
ここらへんて結構賑やかなんだな、なんだかあっちにもこっちにもカップルが。
そっか明日は休みだもんね。みんなデートしてるんだ。
私だって日本に帰れば素敵な恋人がいるもんね。
デートなんてしたことないけど・・・手も繋いだことないけど・・・
ちゅうーもまだだし・・・これでも恋人って言えるのかな?
だってこれからってときに香港に転勤が決まったんだもん。ぶちょおと離れるのは辛かったな~。
でも遣り甲斐のある仕事だから頑張りたいと思う。いい仕事して少しでも自分をスキルアップしなくちゃ。
それに離れていてもぶちょおはマメにメールくれるし、季節の折々には必ずしょっぱい手紙をくれるし。
私って愛されてるな~キャッ(照)

はっ・・・それなのに私ったら手紙も書かないし、メールもしない。。。
こんな不実な女でごめんなさい。干物女の私には遠距離恋愛はハードルが高すぎます。

だってね、話したいことが有り過ぎてメールじゃ手紙じゃ足りないの。
ぶちょおの声が聞きたくて何度も電話しようと思ったけれど、声を聞くと物凄く会いたくなるの。
声を聞くともっと辛くなりそうで・・・だから電話もしません。
夏休みや冬休みくらいは日本に帰ろうと思ったけど、ぶちょおの顔見るともう香港に戻れなくなるかも。
仕事を投げ出すことはしたくないから、日本には帰らないことに決めました。
こんな私ですが、待っていてくれますか?
私のこと変わらずに好きですか?
私はいつもぶちょおが好き・・・毎日大好きです。

ぶちょおに会いたい・・・会いたいです。 会いたいよ。。。

駄目だな~今日の私は全然駄目だ、大体街中にカップルが溢れているからいけないのよ。

それにしてもどの男も大したことないね。若けりゃいいってもんじゃないし。

あっ、あの人の後姿ちょっとカッコいいかも~。ぶちょおみたいに足が長くて真っ直ぐだ!
ビジネスマンかな、スーツが凄く似合ってる。ちょっとどころかかなりイカした後ろ姿だな。
でも振り向いたらきっと笑っちゃうくらいの顔なんだろうな(笑)

誰かがぶつかって、後姿のイカした男の横顔が見えた。

あっ・・・  あっあっあわわ・・・  ぶっぶっぶちょおーーーーー!(声にならないけど叫んでます)

ぶちょおだ!ぶちょおだ! バカ! バカじゃなくてアホ宮だった。
ぶちょおが香港にいる訳ないじゃん・・・だけど・・・だけどだけど。
考える間も無く、ただ夢中で男の後を追いかけた。


あ~あ~見失っちゃった。やっぱあれは私の妄想が生んだぶちょおの幻だったのかな(ガックシ)
あれっここ何処だろ? 来たことないし、なんか雰囲気のよくない所だな。


「ねえ君可愛いね~日本人だよね? 観光で来てるの?俺いい店知ってるんだ、案内するよ」

「いえ、ちょっと用事があるんで・・・」

「ごめん、待った!?」

そう言うと、男はホタルの手を握り自分の方へ引き寄せた。

「彼氏? でもこんなとこで待ち合わせなんかするかな?」

「なになにどうしたの?」

「やあケン!彼女を食事に誘ったんだけど、邪魔ものが入ってさ」

「俺たちと遊んだ方が絶対に楽しいって、なあ~」

「そうそう(笑)」



「君、足には自信ある?走るのは得意?(耳元で)」

「はいっ得意です」

「じゃあ走るよ、あの路地を右に曲がって次の角を左だ」

「はいっ」


「あっこらっ待て!・・・・・ちっクソッ」



                          *


「ハッハッ・・・久しぶりに走ったら息切れがする。ああいうときは逃げるが勝ちだよ。街中で女追いかけるのは恥ずかしいだろうから。でも咄嗟のこととはいえいきなり手繋いだりしてすまなかった」

「そんな誤らないでください。全然嫌じゃなかったし、むしろ嬉しかったくらいで(はっなに言ってんだろっ私)」 

「そっ良かった(笑)」

「ぶっ・・・ぶぶぶぶぶ・・・・」


ぶちょおと同じ笑顔にたまらなくなり、思わず泣き出すホタル。


「大丈夫? やっぱ怖かったよね。香港には観光で来てるの?あそこはあまり治安がよくないから近づかないほうがいいよ。それとも道に迷ったのかな?」

「すみません、助けて頂いたのに泣いたりして」

「気にしないで(微笑)あっお腹空いてない? 美味い店知ってるんだ。助けたお礼に晩御飯付き合って」

「はい・・・」

優しい人・・・断ろうと思ったのにそんなふうに言われると断れなかった。

あんまりぶちょおに似てるから一緒にいるとなんだか息苦しくて、早く離れたいような、でももう少し一緒にいたいような。複雑過ぎて・・・あーゴロゴロしたい。



「美味いだろ、ここのスープ」

「凄く美味しいです。優しい味がして身体が温まります」

「香港は美味いものが多くて、最初はなかなかこっちの生活に慣れなかったけど、食べ物の力って大きいね。美味いもん食べると元気が出た。それが縁で知り合った人もいた」

「いつから香港に?」

「もう5年になるかな? あっ名詞」

「あっ私も・・・」

名刺交換する二人・・・

「葵商事の桐野さん・・・商社マンなんですね」

「SWコーポレーションの雨宮さん、香港には仕事で?」

「はい2年になります。でも毎日会社とアパートの往復で、何処にも出かけたことなくて香港の美味しいものもあんまり食べてなくて、ここのお料理凄く美味しいです」

「そっよかった(笑顔)」

なんて優しい笑顔・・・ぶちょおとクリソツ過ぎる。

駄目だ・・・我慢できない・・・又涙が。

「ご馳走様でした! このお礼は改めて、ここのお勘定は私が」

ダッシュで店を出ようとするホタル。

「雨宮さん? なにか困ってることとかあるんなら僕でよければ相談にのるよ。香港で働く同じ日本人として」

やたらと涙ぐむ女の子を男としてほっておけません(^^;

トボトボと引き返してくるホタル。

「すみません、お金が足りなくて・・・払えませんでした(アホ宮~!)」

「はっ!? あはは(笑)ごめんここ笑うとこじゃないか(笑)」



「実はですね・・・・・・(かくかくしかじか)」


「そう、そんなに似てるんだ、その部長さんと僕は」


「似てるなんてレベルじゃなくて、一卵性双生児かってくらいにソックリなんです」

「それで僕を見る眼の焦点があっていなかったり、涙ぐんだりしてたんだ」

「それで思わず桐野さんのこと追いかけて、挙句に迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした」

「香港と日本の遠距離恋愛は大変だろうね」

「ぶちょおはメールや四季折々に手紙をくれるんですが、私はメールも手紙も苦手で、だって話したいことが有り過ぎてメールや手紙じゃ書ききれないんです。声が聞きたくて電話をしようと思うんだけど直ぐに会いたくなって、でも直ぐには会えないから、だったら電話しないでおこうとか、日本に帰るともう二度と香港に戻れない気がして、仕事投げ出すようなことはしたくないし」

「それでかれこれ2年間、なんの連絡もしてないの?」

「桐野さん、こんな女じゃ捨てられますか?愛想つかして他の女と浮気とかしちゃいますか?」

「えっ俺は浮気はしないけど(^^; でも2年もほっとかれるとどうだろ?ちょっと自信ないかな(笑)」

「桐野さんならまず周りの女性がほっておきませんよね、その桐野さんにそっくりなぶちょおも、まあ二枚目で年の割には若く見えて、会社では部下の信頼も厚く勿論仕事も出来て、でも家では細かいことに煩くて、まるで小姑みたいなんですよ。ぶちょおの本当の姿知ったら会社の女性社員はガックシだと思います」

「でも雨宮さんはガックシじゃないんだね(笑)」

「ぶちょおといる私は一番私らしくいれるんです。遠く離れていてもいつも心のこもったショッパイ手紙くれるし」

「ご馳走さま(微笑)」

「はっもしかして私ノロけてました?(笑) 桐野さんは日本に大切な人は? あっ すみません立ち入ったこと聞いて」

「日本にはいない。でもこっちにきてからとても大切な人ができた」

「そうなんですか」

「ずっと一緒にいたいと思っているけど、俺が日本に帰る日が来たらどうなるかな?彼女には大切な仕事があるし」

「恋人同志は離れちゃ駄目です! て私がいうのもなんですが」

「後悔してるの?」

「後悔はしてません。私たち離れていても心は繋がっていると信じているから。でもやっぱり離れ離れは辛いです」

「うん・・・本音を言うと彼女と一緒に日本に帰りたいと思ってる」


「想いは言葉にしなければ伝わりません・・・ぶちょおが結婚式のスピーチで言った言葉です」

「そうだね、その言葉・・・俺もしっかり胸に刻んでおくよ」





「アパートの近くまで送ってくださって有難うございました!」

「じゃあ元気で、なにか困ったことがあったら連絡して」

「はい、ありがとうございます」

「あっ男として一つ忠告するけど、その部長さん。雨宮さんが元気でやっているか凄く心配していると思うよ。俺が部長さんだとしてせめて今現在の恋人の写真くらいは見たいな」

「はい、そうします。 あの・・・桐野さんに一つお願いがあるんですがいいですか?」

「いいよ、なに?」

「アホ宮・・・て呼んでください」


「アホ宮・・・頑張れ!(微笑)」


ぶちょおだ・・・ぶちょおの声がした。


私は溢れそうになる涙を堪えながら、桐野さんを見送った。
その私の気配を察したのか(^^;  桐野さんは私に背を向けたまま、右手を上げてバイバイをしてくれた。

惚れちゃいそう

ちっ違う! いくらアホ宮の私でもそれは無い、断じて無い!

でもあの手の顔の男に弱いのね~顔だけじゃなく、優しくて凄くいい人だし

そうだ!写真写真。 写真か~干物女の私は何処にも行かないし写真なんてないや。

そーだ!今日の接待中に同僚の真菜ちゃんが私の携帯で私を写メってたんだった。

どれどれ、あった~! て・・・これか

まっいっか~無いよりマシよね。                        後編に続く。


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ホタルノヒカリ2外伝・君恋しくて・・・(後編)

2010-10-31 15:27:42 | ホタルノヒカリ2・外伝
大阪・・・



つ・・・頭が痛い。 急に眩暈がして・・・それから・・・

ここは何処? ラブホ?

椅子にかけられた仕立てのいいシーツ。

「SWビルド・コーポレーション 経営企画部部長 高野誠一」

胸のポケットに入っていた名詞にはそう書かれていた。



「気がついた? 具合どう?」


脂ぎった中年親父かと思ったのに、思った以上に若く涼しく誠実そうな男の風貌に驚いた。


「どうして私はここに?」

「真っ青な顔して道路の端にうずくまっていた。本来ならこんな所ではなく病院に連れていくべきなんだろうけど」


なんなの、この男?


「実は・・・その、君を見つける少し前に、その・・・刑事に尋ねられた。この辺りでこの女性を見なかったかと写真を見せられた」


刑事が!? 何故? 警察はなにも掴んでいない筈だ・・・
それでも極力面倒なことは避けたい。それに私には明日どうしても行かなくちゃいけない所があるんだから。

それにしてもこの男はなに? なんの目的で?

おおよそ、金にも女にも不自由しているとは思えないけど・・・
けど人間、いろんな顔を持つものだ。


「私のこと見なかったことにしてください。理由は聞かずに・・・おねがい・・・」


透けるような白い肌、憂いを秘めた大きな瞳、形の良い赤い唇。

女はブラウスのボタンを一つ、又一つ外しながらねっとりと囁く・・・おねがい。


「よしなさい、そんなつもりじゃないから・・・いやそうじゃなくてこんな処に連れ込んだ私が悪かった。申し訳ないことしたと思っている。
話は前後するが、刑事に尋ねられる前に街中で君を見かけた。君は遠距離恋愛中の私の恋人に双子かと思うほどにそっくりで、どうかしていると思いながら思わず君の後を追った。
なんとも恥ずかしい話ですまない(苦笑) そして君を見失ったところで刑事に声をかけられた。私は写真を見て驚いた。刑事はこの女を知っているのかと尋ねた。私の部下の女性社員にそっくりだから驚いたと言った。疑わしかったら調べてもらってもいいと刑事に自分の名詞を渡した。私の恋人は会社の部下でもあるから」

「じゃあ、写真の女が高野さんの・・・ごめんなさい名詞見ちゃいました。私はユキホと言います。それで私が高野さんの恋人に似ているから遂私に情をかけてしまって警察に言うのを躊躇したり、身元を明かさなくても簡単に泊まれるようなラブホに連れ込んだって訳なんですね。」

「そういうことになるかな(苦笑)、あっでも誰かが君を探しているのかも知れない。警察に問い合わせてみたらどうだろ?」

「それは無いです。それに私って悪い女なんです・・・とても」

「・・・・・・」

「どうします?通報します? 厄介な女に係わったと思っているでしょ(微笑)」

「君のことは見なかったことにする。 だけど例え私が黙っていたとしても何れは・・・」

「ありがとうございます。私が高野さんの恋人にソックリで良かった。そういえば遠距離恋愛って高野さんの恋人は何処に住んでいるんですか?」

「えっ? ああ香港だよ。かれこれ2年くらい会ってないかな」

「2年もですか? 香港てそんなに遠くないでしょうに」

「ちょっと変わった子でね(苦笑)」

「へぇ~でも私に似てるってことは結構美人だろうから、もしかして他にいい人がいるかも知れなませんよ」

「いや君にそっくりだけど、君ほど美人じゃないから、なんか醸し出す雰囲気が違うというか」

「ふーん。ところで私って結構悪い女なんですけど、一緒にいて怖くないですか?
知らない間に睡眠薬飲まされてハレンチな写真撮られて脅されたり、全財産騙し取られたりしたらどうします?」

「面白いこと言うね(笑)大体悪女って奴はもっとしたたかで頭がいいんじゃないのかな」

「ふふ(微笑)



こんなふうに、なんの目的も邪心も無く人と普通に話すのは随分と久しぶりのような気がする。
それはこの男・・・高野さんのやわらかな物腰と笑顔がいつになく私を饒舌にさせていた。
誰かを妬んだことは無いけれど、高野さんに愛されている私とそっくりだという女性のことが少しだけ羨ましくなった。



「そうさっきの話だけど君のいうように、他に好きな男が出来たのかもしれないな。でも例え離れていても心は繋がっていると信じているというか、信じたいというか。て・・いい年してなに恥ずかしいこと言っているんだか(苦笑)」


「私にも好きな人がいました。好きだと告げることも、普通の恋人同士のように太陽の下を歩くことも無く、そもそも私は太陽の下を歩ける訳はなく・・・私の世界はいつも夜。けど彼がいたから・・・明るくはないけれど暗くはなかった。そうまるで白夜のように。私たちは離れていても白夜の中を二人寄り添うように歩いていた。私はいつも側に彼を感じていました」

「その彼は今?」

ユキホは静かに首を横に振る。。。


「あのとき・・・警察に写真を見せられたとき聞こえたんだ。若い男の声で・・・」


「知らないと言ってください。お願いします」 と。


やはりあれは空耳じゃなかったんだ・・・


「亮二・・・」


か細い声でそう言って嗚咽を堪えるように唇を噛み締めるユキホ。


「泣きたいときは泣きなさい。声を出して泣けばいいんだよ」


堪えていたものが溢れ出たようにユキホは俺の腕の中で子供のように泣きじゃくった。
彼女は俺を通して亮二という青年の腕にすがって泣いたのだろう。
彼女の人生に何があったのか俺には知る由もないが、こんなふうに泣いたりしたら生きていけない人生だったのだろう。
彼女の辛さや痛みが伝わってきて胸が痛かった。


翌朝、ウイッグを付けて、昨日と違う服を着て違う濃い目のメイクをしたユキホは全く別の女性に見えた。


「おはようございます」 心なしかスッキリした顔に見えた。


朝靄の残る中俺たちはホテルを後にして、駅のホームまで一緒に行った。
傍目には別れを惜しむカップルに見えただろうか。


「ありがとうございました。私たちが出会ったことはお互いに早く忘れましょうね(微笑)」

「ああ・・・じゃあ元気で」


ユキホは軽く会釈をして始発に乗った。


彼女がこれからどうするのか、どう生きていくのか、それは彼女自身が決めることだ。

だから俺は何も言えなかった。言わなかった。

けど自分の好きな女と瓜二つの女の哀しい瞳や、恐らく幸せだったとは言い難いであろう数奇な人生やを思うと切なくてたまらなかった。


なあホタル・・・・・君はどうしてる? 元気でいるか?

辛いことはないか? ちゃんとご飯食べているか?

笑顔の耐える日はないか?

会いたい・・・会いたい・・・会いたい・・・

ホタル・・・・・君に会いたい。君の笑顔が見たい。。。




3日家を空けると結構郵便物がたまるもんだな。


!?・・・これは・・・これは?  雨宮・・・

でも何故リオのカーニバルなんだ? しかも相変わらずのアホ面で(笑)

それにしてもこんなアホな格好した恋人のアホ面見て思わず涙する男なんて、世界中にきっと俺一人だろうな(微笑)

けど元気そうで良かった。変わらない君で本当に良かったよ。。。


                                         *



「てことは私たちは同じような時期に、お互いのソックリさんに会っていたんですね、ビックリです」

「俺も驚いたよ・・・けどその桐野っていう商社マンはそんなに俺に似てたのか」

「もうバリそっくりです。可愛い新妻の蛍ちゃんが言うんだから間違えないです」

「ここで可愛い新妻という言葉は不要だが」

「でね(無視かよ)ぶちょお(まだぶちょおかよ)にソックリなんだけど、ぶちょおより少し若くてイキが良くて(魚じゃあるまいし)、髪もふさふさで(俺ははげてない!)物腰がやわらかくて、凄く優しくていい人でした」

「どうせ俺は・・・」

「やっぱりこういう顔の人に悪い人はいないというか、滅茶いい人なんですね。私ちょっと、いえかなりドキドキしちゃいました」

「ん!? 優しくてカッコいい超素敵な旦那様がいるのに他の男にドキドキするのか?」

「だってあの頃は私まだ花の独身だったし、現在優しくてカッコいい超素敵な旦那様と双子かと思うくらいにソックリだったんだもん」

「まあ、それはドキドキしても仕方ないな(微笑)」

「ぶちょおの方こそ、私とソックリな女の人にドキドキしたんじゃないですか?」

「ああ、彼女はどこか憂いを秘めた美人で、こうなんというかそそられるというか、男心をくすぐるような妖しい魅力があったな」

「キャッ私って可愛い新妻だけじゃなくて、憂いを秘めた美人で妖しい魅力があるんですね!もう~照れるな~」

「それはユキホという女性のことだ、君はよーく見れば可愛いけど(よーく見なくても可愛いだろ)、美人と思ったことはないし(はぁ?)、それに同じ顔でも醸し出す雰囲気が全然違う。同じ顔なのに全然違うのはこれ如何に?」

「どうせ私は・・・」

「けど俺はやっぱりアホ面の可愛い新妻の顔が一番好きだ、男心をくすぐられる女は可愛い新妻一人入れば十分だし」

「えへっ 可愛い新妻と超素敵な旦那様で。私たちって」

「ナンバーワン(声を揃えて)な夫婦だね!(ホタル)ね~(ぶちょお)」←バカップルな夫婦になりました(^^;


「でもユキホさんて今どうしているのかな?」

「うん・・・」

「幸せだといいんだけど・・・」

「人によって幸せの基準は違うから・・・」

「そうですね・・・私はずっと平々凡々に生きてきて、仕事頑張って縁側でビール飲んで、好きな人と一緒に暮らして凄く幸せだけど、他人が見ればちっぽけな幸せかも知れませんね」

「俺も全く君と同じだ。けど普通に平々凡々に生きていて自分で幸せだと言える人生は凄く尊いものなんじゃないかと思う。誰もが大きな事を成し遂げる訳じゃないしね。それに今は普通に生きることが難しい時代のような気もする」

「普通に幸せに生きていることに感謝しなきゃいけませんね。仕事以外になにが頑張れるかというと、取り合えず出来ることは・・・エコ!地球に優しいエコ活動ですよね」

「うんそれも大事なことだな。それと仕事の面から言うと、高齢化社会に備えた住み良い街づくりとか、子供が安心して遊べる公園とか施設とかいった建築物をだな」

「さすがぶちょお!仕事に燃える男はカッコいいです!」

「まだ考えているだけだよ」

「そのときがきたら私もお手伝いさせてね」

「ああ(微笑)・・・取り合えず今直ぐに出来ることとして少子化対策なんてどうだろ?」

「はい、未来を担う子供を生み育てることは大切なことです・・・て、私が折角真面目に語っているのに・・・キャッぶちょおったら何処触っているんですか!」

「だから少子化対策だって」

「はっ・・・そっかそっか・・・ぶちょお~電気消して欲しいです~」


ここ何日か飲み会&食事会が続いて、花も恥らう新妻の蛍ちゃんとしては腹回りの肉を見られたくないでありんす。


「駄目!」

「へっなんで?」

「たく君は直ぐに忘れるんだから~約束したろ? 直ぐにはぶちょおという呼び方は直せないかもしれないけど、人前や外に出たときとか、その・・・こういうときまでその呼び方は止めてくれって、もう上司と部下じゃないんだし、不倫でもなければオフィスラブでもないんだから、でないと可愛がってやらないぞっ」

「誠一さん 可愛がって欲しいです~でも電機は消してねん」


「いいよ」


こうして な夜は更けていくのでした。                 end



M子さんから香港でホタルと桐野さんが出会ったとしたらどうでしょうか?というリクエストを頂きました。
それと以前、ぶちょおと雪穂が出会ったらどうだろう?と考えていたことがあったので、そのコラボで書いてみました。


楽しんで頂けたら嬉しいです。  

なおカテゴリー「ホタルノヒカリ外伝」では、ホタル1のその後の話を。
カテゴリー「ぶちょおの縁側日記」ではホタル2のぶちょおの縁側日記や妄想日記を書いています。
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