「おまえの母親はまだ6歳だった息子を捨てて家を出たことを酷く後悔していた。
蝉の命が一週間とわかると可愛そうだからと言って直ぐに蝉を逃がしてやるというそんな優しい子だったのに、そんなあの子がもし犯罪を犯す悪い人間になったのだとしたら6歳という一番母親が欲しいときに側にいてやれなかった自分のせいだ、あの子はずっと一人で苦労して生きてきた。
あの子を救えるとしたら自分しかいない。そう思ったおまえの母親は心を鬼にして「あなた、やったよね」とおまえに言った。
「どんなに貧しくても人は正しく生きなきゃいけないんだよ」
「うん、わかった」
「悪いことしたら謝らなきゃいけないし、嘘は泥棒の始まりなんだからね」
優しいあっちゃんはきっと母の気持ちをわかってくれる、おまえの母親はそう願いながら死んでいった。
おまえが罪を認めない限りおまえの母親は一生浮かばれないんだぞ。
母は、「あなたやったよね?」なんてそんな非常なことは私に言いませんでした。
ただ、おずおずと私に「あなた、やってないよね?」と私に尋ねてきました。
私は母に「母さん、僕を信じて」と言いました。私にそう言われても母は半信半疑だったと思います。そんな母の心を変えたのは妻、フジ子でした。フジ子は甲斐甲斐しく母の世話をしてくれました。
「あんなに優しいフジ子さんに思われているあっちゃんは幸せね」と母は私に言いました。
母は死ぬ直前にフジ子と電話で話をしました。「あっちゃんとフジ子さんはずっと一緒に生きてね」
そしてお地蔵さんを見て「本当だ、フジこさんのいうとおりだわ。可愛い・・・このお地蔵さんの顔、子供の頃のあっちゃんに似ているわ」と言ってお地蔵さんを握り締めながら静かに息を引き取りました。
母は僕とフジ子の幸せを一番に願っていました。そんな母はフジ子のことが大好きで、私もフジ子のことを心から愛していた。
フジ子を追い詰めたのは、死に追いやったのは桑山さん、あんただ!俺は一生あんたを許さない!
・・・道夫の眼からは大粒の涙が流れていた・・・
「佐山!3人も殺しておいてどの口がほざくか!俺はおまえを必ず死刑台に送ってやる!覚悟しろ!」
弁護士らしからぬ桑山の怒声に法廷は凍りついた。
そして一体どちらの言っていることが真実なのか・・・
いや、殆どの人間が佐山道夫を疑った。
しかし決め手となる物的証拠はなにもなく第6回目の公判は終わった。
次の日道夫はニューヨークへ旅立った。
*
ニューヨークで道夫はもてはやされた。
その技術とセンスは賞賛され、女達は熱い視線で道夫を見た。
「ミチオ~今日はもう遅いからタクシー拾って早く帰りなさいよ」
「OKエリオ」
「グッバイ、ミチオ」
「グッバイ・・・・・・・・・・・・・・・フ・・・ジ・・・子?」
長い黒髪の女が向こうを歩いていた。
「フジ子・・・・・・・・・・・・・フジ子! フジ子!」
道夫はフジ子の後姿に似た女を追った・・・
気が付くと大通りから外れた人気の少ない路地裏に出ていた。
早朝のニューヨーク・・・
路地裏で男が倒れていた。ここではそう珍しい光景ではなかった。
無数の刺し傷、男の身体から一滴も残さずに流れたであろう血は時間の経過と共に、どす黒く変色して固まりつつあった。
側を通りかかったフリーカメラマンの女は携帯で警察に電話した。
そして恐いもの見たさで、恐る恐る男の顔を覗き込んだ。
血の気を失った男の顔は透き通るように白く彫刻のように整った顔だった。
その口元は笑みさせ浮かべているようにも見えた。
「Why?」
こんな無残な殺され方をしてるのに何故こんなにも穏やかな顔をしているのだろう?と女は思った。
そして一瞬の風が男の顔の半分を覆っていた髪を横に流した。
「Beautiful・・・」
思わず女はカメラのシャッターを切った。
なにかに取り憑かれたように女はシャッターを切り続けた。
カメラのフィルムの中に納まっていく男の顔は美しく・・・
美しく・・・どこまでも美しかった。。。 end
道夫が愛した母は死んだ、道夫を誰よりも愛したフジ子も死んだ。
どんなに輝かしいスポットライトの下にいても道夫は孤独だったのではないでしょうか。
心のどこかで死に場所を探していたのかも知れません。
うーん、死に場所を探していたというより、死んでかまわないと思っていたのかも?
そんな解釈で書いてみました。それに皆さんがニューヨークで滅多刺しに一票って書いてくれたし。
自供することでいろんなものから開放されるか、死ぬことで開放されるか。。。
このまま昇り続けて欲しいとは思わないな、佐山道夫・・・そんなに強い人間じゃない。どっちかというと弱い人間だもん。
補足として・・・
ある事件が免罪になった。無実の罪で服役していた男は18年ぶりに釈放された。
世間は自白を強要した警察を厳しく批判し、警察は頭を下げた。
岡野は戦うことを決意した。愛する妻と共に。。。
悪は滅び正義は勝つのです。頑張れ岡野さん。
さっき本日9時からの最終回を見ていました。
二回目だと一回目ほどの衝撃はなくこれも有りかもと思いました。
しかしあの桑山の母親を使っての泣き落としにはやはりなんか違和感があります。
桜田は超うざいし~。
それに自白ではフジ子の死が無駄になるというのも大きいですね。
私はフジ子には生きてて欲しかった。
生きて道夫とお母さんのお墓を守って欲しかった。
日本で一番高い場所にある墓地に二人のお墓を立てたフジ子。
ここから下を見下ろす景色は綺麗でしょう。もうあなたは一人じゃない。
隣にはお母さんがいる。そして私がいる。寂しくないでしょ。
私は生きてあなたをずっと見守っていくわ・・・
フジ子はこのうえなく幸せだった。
湖でフジ子は死ななかった。
ずっと意識が戻らなかった。道夫の死と共に意識を取り戻したのだった。
という話も考えたんですが、そこまで書くと長くなるのでそれはやめました(^^
ドラマとしては残念な部分もありましたが、それぞれの役者さんの熱演は素晴らしかったです。
そして役者・藤木直人を堪能した三ヶ月でした。とても楽しかったです。
いろいろと大変だったろうなと思いますが、又一つ大きな財産が出来たと思います。
9話の「他の3人は私が殺しました」そう言ったときの道夫の真っ赤な眼、溢れる涙。感動したー!
昔ね、とあるドラマで「お願い、涙でて!」とお祈りしてみてた日が懐かしいです
それとラストカットの雨降る空を見上げるシーンがとても良かったです。もうちょい長回ししてほしかったけどね。
夜光の階段で二つも記事書いたのって私くらい?
だって今はミュージシャンモード全開だもんね。
ファンもいそいそと浮き足だってるわ~。そこ行くと私はドンと構えてますよ。
いや、そんなにカッコよくないわ。ライブに行った直友さんにどうだった?と聞く地味な楽しみに甘んじています。
そうはいっても名古屋ライブまで一日一日と近づいてきてます。
My初日まで後3週間・・・わたし
←たまには自分で言ってみます。
蝉の命が一週間とわかると可愛そうだからと言って直ぐに蝉を逃がしてやるというそんな優しい子だったのに、そんなあの子がもし犯罪を犯す悪い人間になったのだとしたら6歳という一番母親が欲しいときに側にいてやれなかった自分のせいだ、あの子はずっと一人で苦労して生きてきた。
あの子を救えるとしたら自分しかいない。そう思ったおまえの母親は心を鬼にして「あなた、やったよね」とおまえに言った。
「どんなに貧しくても人は正しく生きなきゃいけないんだよ」
「うん、わかった」
「悪いことしたら謝らなきゃいけないし、嘘は泥棒の始まりなんだからね」
優しいあっちゃんはきっと母の気持ちをわかってくれる、おまえの母親はそう願いながら死んでいった。
おまえが罪を認めない限りおまえの母親は一生浮かばれないんだぞ。
母は、「あなたやったよね?」なんてそんな非常なことは私に言いませんでした。
ただ、おずおずと私に「あなた、やってないよね?」と私に尋ねてきました。
私は母に「母さん、僕を信じて」と言いました。私にそう言われても母は半信半疑だったと思います。そんな母の心を変えたのは妻、フジ子でした。フジ子は甲斐甲斐しく母の世話をしてくれました。
「あんなに優しいフジ子さんに思われているあっちゃんは幸せね」と母は私に言いました。
母は死ぬ直前にフジ子と電話で話をしました。「あっちゃんとフジ子さんはずっと一緒に生きてね」
そしてお地蔵さんを見て「本当だ、フジこさんのいうとおりだわ。可愛い・・・このお地蔵さんの顔、子供の頃のあっちゃんに似ているわ」と言ってお地蔵さんを握り締めながら静かに息を引き取りました。
母は僕とフジ子の幸せを一番に願っていました。そんな母はフジ子のことが大好きで、私もフジ子のことを心から愛していた。
フジ子を追い詰めたのは、死に追いやったのは桑山さん、あんただ!俺は一生あんたを許さない!
・・・道夫の眼からは大粒の涙が流れていた・・・
「佐山!3人も殺しておいてどの口がほざくか!俺はおまえを必ず死刑台に送ってやる!覚悟しろ!」
弁護士らしからぬ桑山の怒声に法廷は凍りついた。
そして一体どちらの言っていることが真実なのか・・・
いや、殆どの人間が佐山道夫を疑った。
しかし決め手となる物的証拠はなにもなく第6回目の公判は終わった。
次の日道夫はニューヨークへ旅立った。
*
ニューヨークで道夫はもてはやされた。
その技術とセンスは賞賛され、女達は熱い視線で道夫を見た。
「ミチオ~今日はもう遅いからタクシー拾って早く帰りなさいよ」
「OKエリオ」
「グッバイ、ミチオ」
「グッバイ・・・・・・・・・・・・・・・フ・・・ジ・・・子?」
長い黒髪の女が向こうを歩いていた。
「フジ子・・・・・・・・・・・・・フジ子! フジ子!」
道夫はフジ子の後姿に似た女を追った・・・
気が付くと大通りから外れた人気の少ない路地裏に出ていた。
早朝のニューヨーク・・・
路地裏で男が倒れていた。ここではそう珍しい光景ではなかった。
無数の刺し傷、男の身体から一滴も残さずに流れたであろう血は時間の経過と共に、どす黒く変色して固まりつつあった。
側を通りかかったフリーカメラマンの女は携帯で警察に電話した。
そして恐いもの見たさで、恐る恐る男の顔を覗き込んだ。
血の気を失った男の顔は透き通るように白く彫刻のように整った顔だった。
その口元は笑みさせ浮かべているようにも見えた。
「Why?」
こんな無残な殺され方をしてるのに何故こんなにも穏やかな顔をしているのだろう?と女は思った。
そして一瞬の風が男の顔の半分を覆っていた髪を横に流した。
「Beautiful・・・」
思わず女はカメラのシャッターを切った。
なにかに取り憑かれたように女はシャッターを切り続けた。
カメラのフィルムの中に納まっていく男の顔は美しく・・・
美しく・・・どこまでも美しかった。。。 end
道夫が愛した母は死んだ、道夫を誰よりも愛したフジ子も死んだ。
どんなに輝かしいスポットライトの下にいても道夫は孤独だったのではないでしょうか。
心のどこかで死に場所を探していたのかも知れません。
うーん、死に場所を探していたというより、死んでかまわないと思っていたのかも?
そんな解釈で書いてみました。それに皆さんがニューヨークで滅多刺しに一票って書いてくれたし。
自供することでいろんなものから開放されるか、死ぬことで開放されるか。。。
このまま昇り続けて欲しいとは思わないな、佐山道夫・・・そんなに強い人間じゃない。どっちかというと弱い人間だもん。
補足として・・・
ある事件が免罪になった。無実の罪で服役していた男は18年ぶりに釈放された。
世間は自白を強要した警察を厳しく批判し、警察は頭を下げた。
岡野は戦うことを決意した。愛する妻と共に。。。
悪は滅び正義は勝つのです。頑張れ岡野さん。
さっき本日9時からの最終回を見ていました。
二回目だと一回目ほどの衝撃はなくこれも有りかもと思いました。
しかしあの桑山の母親を使っての泣き落としにはやはりなんか違和感があります。
桜田は超うざいし~。
それに自白ではフジ子の死が無駄になるというのも大きいですね。
私はフジ子には生きてて欲しかった。
生きて道夫とお母さんのお墓を守って欲しかった。
日本で一番高い場所にある墓地に二人のお墓を立てたフジ子。
ここから下を見下ろす景色は綺麗でしょう。もうあなたは一人じゃない。
隣にはお母さんがいる。そして私がいる。寂しくないでしょ。
私は生きてあなたをずっと見守っていくわ・・・
フジ子はこのうえなく幸せだった。
湖でフジ子は死ななかった。
ずっと意識が戻らなかった。道夫の死と共に意識を取り戻したのだった。
という話も考えたんですが、そこまで書くと長くなるのでそれはやめました(^^
ドラマとしては残念な部分もありましたが、それぞれの役者さんの熱演は素晴らしかったです。
そして役者・藤木直人を堪能した三ヶ月でした。とても楽しかったです。
いろいろと大変だったろうなと思いますが、又一つ大きな財産が出来たと思います。
9話の「他の3人は私が殺しました」そう言ったときの道夫の真っ赤な眼、溢れる涙。感動したー!
昔ね、とあるドラマで「お願い、涙でて!」とお祈りしてみてた日が懐かしいです

それとラストカットの雨降る空を見上げるシーンがとても良かったです。もうちょい長回ししてほしかったけどね。
夜光の階段で二つも記事書いたのって私くらい?
だって今はミュージシャンモード全開だもんね。
ファンもいそいそと浮き足だってるわ~。そこ行くと私はドンと構えてますよ。
いや、そんなにカッコよくないわ。ライブに行った直友さんにどうだった?と聞く地味な楽しみに甘んじています。
そうはいっても名古屋ライブまで一日一日と近づいてきてます。
My初日まで後3週間・・・わたし
