…ふるさとはとおくにありておもうもの…
おやすみはてにはいらないからこいしいもの…
今よりも時間があるときは『私はこんなレベルで終わる人間ではないはず!』
と思い込んで転職を決めたオババ。
なのに、やっぱり想像以上に大変な職場。
オババが能力に欠けるのか、周りの人が出来すぎるのか、
それはちょっと分からないけれど、
とにかく考えたことを形にして成果を出さなきゃいけない仕事なのだった。
そしてオババはかつてそういう類の仕事をしてこなかったことを思い出したのだ。
あてがわれて仕上げておしまい、的なあまり考える必要のない事ばかりしてきたような気がする。
単なるオペレーターだったんだな。
そう考えると、『もう、面倒だからやめたい。働きたくない』という気持ちになってきた。
だけど、うちの亭主は安月給男だから彼の働きだけでは私は食えない。
ああ、じゃあ、生きるのをやめようか?
とも考えてみた。
生きていくのもいいけど、毎日三食食わなきゃいけないのがいやだね。
働かざる者食うべからず。
『私は子どものためにいつもそばにいてあげたいから働かない事を選択しました!』
と胸を張って言える人は、きっと高給取りの旦那様と結婚出来た幸せ者です。
だって食わせてもらえるんでしょう?
ね?いい旦那を見つけられた勝ち組よ。と言われているような気がします、オババは負け組なの?
あーあ。結婚しても子どもが生まれても、孫が出来ても、働かなきゃいけないのは負け組なのかな。
孫にあげる小づかいまで稼いでくれる亭主を持ちたかったな。
いいなあ。働かなくてもいいお洋服着られるんだもの。
わたしゃ、年中着たきりすずめ。
相当亭主、稼いでいるよね。
なーんて、超くだらない愚痴を言ってしまいました。
ま、たまにはいいじゃん。
あ、朝のお散歩で、厭世気味だったオババがなんとなく口ずさんだ、中島みゆきの『時代』。
ワルツかと思ったら4拍子だった。
今日は別れた恋人たちも生まれ変わってめぐり合うんだって。
良い歌詞だね。改めてジーンときました。
市井の人間だから、名もないし、功成らないし、何の記録にも残らない。
だけど、誰かと出会い、誰かと時間を過ごし、さよならをし、また会う。
中島みゆきが世界歌謡祭でこの曲でグランプリを取った年に生まれた人とオババは仕事をしているのです。
あの時髪の毛をひっつめにした25歳の彼女は、14歳のオババから見たらおばさんに見えました。
いまや還暦をとっくに超えた彼女の方がオババよりずっとずっとおきれいです。
あれから40余年。いまだにオババは彼女の歌に励まされているのでした。
1975年、彼女のこの曲に励まされた50代の女性、は、いたのだろうか?
ふとそんなことを考えました。