フィクション『同族会社を辞め、一から出直しオババが生き延びる方法』

同族会社の情けから脱出し、我が信ずる道を歩む決心をしたオババ。情報の洪水をうまく泳ぎ抜く方法を雑多な人々から教えを乞う。

亭主が単身赴任から帰ってきた。

2021-06-28 22:27:16 | 美しく生きるという事

訳あって別々に暮らしていた私ら夫婦の訳とは亭主の単身赴任だった。

約7年間の単身赴任生活で、初めに揃えたものに加え、

必要に応じて買った電化製品や食料品などが家に戻ってきた。

人一人とは言え、人並みに暮らそうとすれば、

冷蔵庫だ洗濯機だ電子レンジだ炊飯器だ鍋だ食器だポットだテレビだこたつだ……

などが必要なのだなと、戻ってきた山のような荷物を見て少しばかり驚いたのだった。

私らが結婚したときは、

私が一人暮らしをしていたので使っていた家具や電化製品はそのまま生かすことが出来た。

しかし、今回はもういらない。

リサイクルショップに相談しようと考えている。

しかし、いらないとはいえ、亭主の生活を毎日支えたものだと思えば、

なんだか愛おしくて手放すのが惜しまれる。

どうしようかな。

オブジェとして家の中に飾っておこうか。

悩ましい限りだ。

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2021年夏至

2021-06-21 22:52:51 | 美しく生きるという事

東京オリンピックの事が気になり落ち着きませんが、

なにはともあれ今日は夏至でした。

一年で一番太陽が高く昇る日です。

そして昼間の時間が一番長くもあります。

本当に明るかったですね。

真東より少し北側から昇り、真西より少し北側に沈みます。

 

今地球の地面を一番高いところから照らし付けて暖めている太陽。

太陽の位置はだんだん低くなるのに、

暖められた地面はじわじわと熱気を大気中に放出し始めます。

そして道路もまた熱くて、冷めてからでないと犬の散歩に出られません。

それだけはとても嫌な時期です。

 

今年も夏至よさようなら。

また来年よろしくね☺

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人生の半分を犬と一緒に生きている。

2021-06-14 20:24:03 | ショートショート

あつしが柴犬のけんたと出会ったのは13歳の時だった。

けんたは父親が買ってきた。少し前に病気をして気が弱くなっていたときに、犬かネコにそばにいてほしくて、母親に、どちらか飼いたいとせがんだらしい。そこで、野良猫は嫌だから犬にして、と言われ、柴犬を扱う店に行き、気にいったけんたを連れてきたのだ。

まだ生後2ヶ月の赤ちゃん犬。仔犬だ。とても小さくてまるでぬいぐるみのようだった。

あつしには兄が二人いたが、二人ともその仔犬に夢中になった。もちろんあつしも夢中になった。

 

あつしは今年、26歳になった。

20歳の大学3年生の時に4学年上のまりと知り合い、大学卒業した歳の11月に婚姻届を出した。22歳だった。すぐに嫁さんは妊娠し、翌年9月に可愛い女の子が生まれた。23歳だった。

嫁さんと一緒に子育てする毎日。

保育園への送り迎えも進んでやる。振り替えで休みの平日には娘も保育園を休ませてどこかへ遊びに連れ出す。

けんたは13歳になった。人間ならもう68歳らしい。良いおじいさんだ。

赤ちゃんだったけんたが、いつの間にかあつしを超えておじいさんになってしまった。

俺は人生の半分をこいつと一緒に生きてきたんだ。

あつしはけんたを見て思う。

犬の一生は人間よりもずっと短い。

あつしにとっては人生の半分だけど、

犬には一生だ。そして、出会った時の年齢よりも長く一緒にいることになるのだ。

けんた、おまえが家に来たときに子供だったあつしは、いまや立派な父親になった。

おまえはあつしの成長を一緒に見守ってくれたね。

毎日散歩したり、耳をなでてくれたり、カーテンで巻かれたり、

いろいろいじられていたね。

そんなあつしが家に帰らなくなってけんたの知らない女性と暮らし始めたあげく、子供までもうけた。

だけど、けんたは怒らなかった。

けんたは優しいね。

けんたが犬で、人間より早く歳を取り、寿命は15年くらいだと言うことは知っている。

だけど、けんたとずっとずっと一緒に歳を取っていきたい。

あつしがおじいちゃんになる頃、けんたも一緒におじいちゃんになろうよ。

 

 

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提案されてばかりの人生。

2021-06-06 21:59:41 | 美しく生きるという事

考えたら、

これまでほとんど他者から提案されてそれを実行に移しただけだった。

生活面や教育や職業や恋愛や結婚や出産や子育てや何もかも。

街には提案されたものばかり。

人が選ぶように作られたものばかり。

私、自分で作ったものある?

人からの提案を断り、自分で何かやった?

はてな、である。

そもそも、生まれてきたことが提案そのものだ。

自分で選んだ?

なんのなんの、選ばされただけだ。

他者は提案である。

私も、他者から見れば提案である。

こんな人がいるんだ、なら私だって…。

 

今日は久しぶりに港を見ていいなあ、と感じた。

それと同時に、この景色も提案されたものだ、と思わざるを得なかった。

提案されない場所ってあるんだろうか、と考えた。

無人島?

いや、それすら神からの提案だ。

 

ああ、眠くなった。

それは明日を生きるための提案だ。

素直に取り入れようと思う。

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