いいね~おいしいね~

食べたり買って良かったもの等を実体験に基づき厳選紹介!ぜひご利用頂きより良い人生や日本経済等活性化につながれば幸いです♪

「「バカな」と「なるほど」(吉原英樹)」という本はとてもオススメ!

2015年07月24日 01時00分00秒 | 
「「バカな」と「なるほど」」の購入はコチラ


 「「バカな」と「なるほど」」という本は、実は1988年に発行された本で、1991年から絶版となっていたものですが、楠木健さんの「ストーリーとしての競争戦略」という本などでこの本が評価されたりして23年ぶりの復刊の運びとなったようです。

 成功している企業について研究してみると、戦略・組織・人事・工場マネジメント・マーケティングなど経営の仕方が、一見したところ非常識と思えることが少なくないようです。

 「そんなバカな」と思わずいいたくなりますが、経営者や実務担当者から説明を受けると、理屈が通っており、「なるほど」と納得せざるをえないことがよくあるようです。

 このようにして、著者は「バカな」と「なるほど」の二つの特徴を同時にもつことが、経営で成功するための秘訣ではないかと考えるようになり、本書が作られました。

 具体的に当時の会社の実例も豊富に取り上げられ、経営で成功するポイントとしてこれらは現代にも通じる内容だと思います。

具体的に本書では以下などについて書かれています。

・創造的戦略の発送法
・べき論ではなく予測論
・戦略を効果的に社内に伝える方法
・マイナス情報が重要
・企業変身が重要
・2年交代の人事要員
・リーダーシップ
・キープヤングの人事
・女性の重要性
・人づくりは人選びが重要
・日常業務が革新を駆逐しがち
・多角化のキーファクター
・海外進出のポイント
・技術力について
・失敗のマネジメント


「「バカな」と「なるほど」」という本は、復刊本ですが、現在でも会社経営で成功するポイントがよくまとめられていて、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です

・「バカな」戦略の場合、模倣が遅れやすい。競争会社は「バカな」「あんなことをしたらおしまいだ」などと思っているから、じっとみている。その間、「バカな」戦略の企業は、足元を固め、創業者利潤を享受できる。やがてそのうちに、他社がその「バカな」戦略の成功に気づく。しかし、どう考えてもおかしいということで、なかなか模倣しようとはしない。戦略の成功が明々白々の状態になり、その戦略の有効性を否定しようにも否定できなくなってはじめて、競争会社のマネがはじまるのである。新しい戦略を打ち出したとき、他社からバカよばわりされたり、軽蔑されたら、そのときは内心「しめた」と思っていただきたい。その戦略は、成功条件のうちの一つ、それも重要なほうの条件を備えているからである。

・答えをみながら戦略の答案を書くという創造的戦略の発想法を実践するためには、まずなによりも外への関心をもちつづけることが大切である。自分の会社のなかに閉じこまらない。自分の業界に注意を限定しない。他の業界につねに注目を怠らない。アメリカ、ヨーロッパ、あるいはそれ以外の多くの国々につねに注意を向ける。こういう外への関心をつねにいだき続けることが、創造的戦略の発想法のためには不可欠である。平安堂の平野社長はいう。「自分の業界の人とはあまりつきあわないようにしています。ベンチャー企業の経営者などさまざまな業界の優れた経営者の人たちとは、こちらから進んで会うようにしています」。

・先見力を強める一つの方法は、べき論にたたずに予測論にたって世の中の変化、時代の流れを読む努力をすることである。自分都合主義の立場から世の中の流れを読むのではなく、第三者的な冷静な目で、常識的に時代の流れを読もうと努力するならば、世の中の変化、時代の流れは案外容易に読めるものである。政治家や教育者は、べき論の立場にたって大いに議論してもらってよいが、経営者は、べき論でなく予測論の立場から時代の流れを読み、経営にあたるべきだと思われる。

・コンピュータ、宇宙通信、あるいはパソコンの現代において、情報は非人間的な、技術的な、無機的なものと思いがちである。しかし、実は情報とは情けに報いてくれるもの、つまり、人間的、心理的、情緒的なものである。このことを経営者は忘れてはならない。

・経営者がマイナス情報をほんとうに手に入れたいならば、マイナス情報に情けをかけてやらなければならない。マイナス情報が自分のところに届いたならば、それを届けてくれた部下に、にこにこしながら「よく届けてくれた。よい情報を届けてくれた」といって接しなければならない。たとえ、心の中では怒っていても。

・従業員は、みんな、意気揚々と始めた新事業が期待に反して大赤字をだすなど苦境に直面すると、元気をなくしてしまう。トップの顔色をみる。そのとき、社長など経営者は内心ではしまったと思っても、その内心の不安を顔にだしてはならない。従業員や社外の取引関係者に対するときには、自信満々の態度で接しなければならない。たとえ、その自信がカラ元気に支えられた自信であっても。新事業を軌道に乗せるまでの苦難期におけるトップのリーダーシップは、しばしばカラ元気のリーダーシップを必要とするのである。

・経営者の方にお尋ねしたい。あなたの部屋の書架に女性誌が何冊ありますか。もし一冊もないようであれば、早速何冊か定期購読してほしい。女性の心理をつかみ、女性化の流れを理解するためには、最小限、役員室に女性誌を何冊かおき、ときどきページをくって写真を眺めたり、気に入った記事を拾い読みすることが必要である。現代は女性の時代である。その女性の時代において、消費者としての女性の購買心理を的確につかみ、また、働き手としての女性を動機づけ、能力をフルに発揮させるためには、このようなつまらないと思えることでもしなければならないのである。

・望ましい社員をつくりたいと思うならば、今ある社員をそういう社員につくり変えることに努力するよりも、むしろ、望ましい社員像に合致する人間を選んで、そういう人間からなる社員集団をつくりあげる努力のほうが大切と思われるのである。

・企画のグレシャムの法則によると、企業において革新のための計画業務が日常業務のために駆逐されてしまうのは、次の3つの理由のためである。日常業務のほうが革新のための計画業務に比べて、納期がはっきりしており、評価との結びつき方が直接的で明確であり、注意の焦点が明確なためあれこれ迷わずにすぐに着手できる。したがって、計画のグレシャムの法則に打ち勝つためには、革新のための計画業務を納期・評価・注意の焦点の3つの点で工夫をこらさなければならない。いつまでにしなければならないという締切期限ないし納期を明確にする。これが第一であえる。次に、その締切期限に間に合わなかったとき、いかなる評価を下すかをあらかじめ明確にしておくことである。さらに、注意の焦点もできるだけはっきりさせるようにしなければならない。3つの対策の中では、締切期限の明示と厳守がとくに重要である。創造的なアイデアを考え出し、それを一つの計画にまとめあげる仕事は、時間の制約にしばられずに、十分に時間をかけるほうがよいと思われるかもしれない。しかs、事実はどうも逆で、せっぱつまった状態で、短時間に一気にするほうが、よい結果が出るようである。忙しいときほど、タイムプレッシャーが強いときほど、人間は良質のアイデアを数多く考え出すようである。経営者が革新のための計画の立案作業を企画室の者や部下に命じるときには、締切期限を明示してタイムプレッシャーをかけるようにしなければならない。次に、仕事にあたる者を選ぶときは、忙しい人を選ぶべきである。

・若手に今のやり方に変えて新しいやり方を考えさせると、必ず今のやり方よりも良いやり方を考え出してくれるという。優秀な若手に新しいことを考えさせると、今のやり方より悪くなるはずはないというのである。同じやり方を長く続けているときには、管理者型の社員が幅をきかし、新しいことに挑戦するのが好きな事業家型の社員が片隅に追いやられてしまう。悪貨が良貨を駆逐するのである。このような事態を防ぐためにも、経営者は革新を制度化して、とにかく変えてみるべきである。

・事業は特殊化と差別化に尽きる。特殊需要を従来より重視していく。自分の長所を鍛え、他社が諦めるくらいにまで強くする。

・企業変身で難しいのは、既存事業にいかに捨て石の役割を立派に演じてもらうかである。これはトップのリーダーシップの試金石の一つでもある。ハーバード大学のハマーメッシュという若手の教授がその著書のなかで次のようなことを述べている。「アメリカではPPM、つまり事業には①負け犬、②問題児、③金のなる木、④花形の4つがあり、負け犬はやめて、金のなる木のヒト・モノ・カネを花形と問題児にうまく振り分けてまわしていく、ということがいわれているが、まず負け犬をやめることが難しい。それ以上に難しいのは、金のなる木から資金を将来の花形とか問題児に移すことである。なぜなら、自分たちには明日はないと宣告された瞬間にその部門がガタガタになり、生み出すと予想されていた金も生み出せなくなるからである。かといってだますわけにもいかない。既存の事業に捨て石の役割を立派にやってもらうことは実に難しい。これはPPMの実際上のもっとも難しい経営課題である。

・重要なのは、現在の経営資源をベースにして多角化の事業分野を考えるとき、5年、10年先にどういう経営資源がたまるか、そしてそれと現在の経営資源を合計したらどういう分野へ出られるか、こういうことを考えて現在の多角化の分野を決めることである。将棋でいえば、一手先を考えながら現在の手を打つことである。いいかえるなら、相当有望な事業分野でも、将来発展性のある分野につながるようなものでないとその分野に出ることは望ましくない、ということである。つまり、経営を方向と流れでみるわけである。現時点では必ずしもそれほど魅力はないし、問題が大きく困難だが、しかし流れに乗ったら長期的に非常に魅力がある、という事業なら、あえてトライしてもいいのではないか、というのがこの発想である。

・多角化戦略をたてる場合、他社と同じやり方をしていたのでは大きな成功は望めない。他社と違うこと、それでいて納得できるだけの論理性の裏付けがあること、このことが必要である。それには創造的思考が要求されるのである。

・企業を大きく変身さえる場合、ボトムアップではまず不可能である。また、部課長が中心になって創造的なことをやるというミドルアップにも限界がある。やはりトップがリーダーシップを発揮することが不可欠である。

・各業界には、慣行があり、業界の常識がある。三社は、その業界の常識とは違う独自な戦略、つまり非常識は戦略を実行して脱成熟化に成功しているのである。非常識な戦略は、大きく二つに分けることができる。第一は、他社が憧れる非常識な戦略である。もう一つは、他社から軽蔑され、バカにされる戦略である。他社が憧れ尊敬するような戦略の場合、非常識な戦略によって成功すると、他社がすぐにまねをして参入してくる。創業者利益をほとんど出せないうちに、激しい競争が始まってしまう。他社が軽蔑し、バカにする戦略の場合は、実際に成功するのをみてからでないと、他社はまねをして参入してこない。その間に、創業者利益をあげることができる。また、業界のなかで相当の地位を築き上げることも可能である。同じ非常識な戦略であっても、尊敬される戦略よりも軽蔑され、バカにされる戦略のほうが、戦略としては優れているのである。

・製品と技術が世界的レベルにあって、さまざまな海外進出のハンデをはねのけるだけの強さをもっている企業こそが成功している。世界に通用する製品と技術は、国内で不断の努力によって培われるもので、したがって、国内経営こそが海外進出の成功の鍵を握っているといえる。技術優位の海外進出の勧めというのが、私の各社の事例研究からの結論である。

・過去において4年に1回の割合で予期せざる出来事が生じていたとすると、おそらく今後も4年に1回くらいの頻度で、予期せざる大きな出来事が起こると考えるのが順当であろう。そのため、計画の2倍から3倍の金、人、時間を準備して、海外進出をするのが賢明だということになる。余裕が大切な理由は、もう一つある。それは、余裕が失敗を防ぐからである。余裕があるときには、冷静沈着に考えて、対応策をあみだすことができる。また、余裕があるときには、じっと耐えて時間稼ぎをすることもできる。中長期的には、見通しは明るい、しかし、短期的には、非常に暗い、そういうときには、ただじっと耐えることが必要である。

・中堅企業が海外進出を成功させるには、キーファクターとして、3つを指摘した。海外雄飛の夢、技術力、余裕の3つである。ここで視点を変えて、海外進出で避けるべきこと、してはならないことについて簡単に触れてみたい。第一は、円高だからといってあわてて海外に出ていくこと、これは避けなければならない。海外生産を成功させるためには、トップ自らが、グローバルに経営を考える姿勢を長年にわたってもち、そしてその下で技術力、その他経営資源を普段から海外進出のときに備えて鍛え、高度化しておかなければならない。海外雄飛の夢は、ときには少年時代から育んできたものである。技術力と余裕は、長年にわたって日本国内の経営で鍛え、高度化し、そして蓄積してできあがるものである。避けるべき第二のことは、人件費の差、為替レートの差、政府の優遇策をあてにして海外に出ていくことである。これらはプラスアルファーの要因として受け止めなければならないものである。日本ケーブル・システムの寺浦社長は、アメリカでの現地生産の苦心を回顧して、次のようにいう。「円高が進行して、アメリカでの現地生産は有利だろうとみなさん方はいわれますが、実際に現地生産を始めてみますと、為替レートの差なんか、あっと言う間に吹っ飛ぶほど様々な問題が起きてきます。ですから為替レートの差をあてにしてアメリカに出ていくことは、大変危険です」。また、現地企業によって簡単にまねられる製品で進出することも、避けるべきである。当初は成功してもすぐに類似製品が市場に出回り、価格競争が始まり、あげくのはては安売り合戦である。インドネシアで明和グラビヤ化学が痛い経験をしている。

・サービス産業で成功するためには、商売の繁閑に合わせて、勤務時間を柔軟に変えることができなければならない。忙しいときには、朝早くから夜遅くまで働く。反対に暇なときには、思い切って仕事を休む。このような柔軟な勤務体制を実行できるようでなければならない。

・3Mの新製品開発の成功の背後には、実は巧妙な失敗のマネジメントがある。その失敗のマネジメントは、次の3つの特徴をもっている。第一の特徴は、新製品開発の成功率を10%程度に低く抑えていることである。新製品開発のうち9割は、失敗するのである。成功率がこのように低く、失敗率が高いことが、なぜよいのであろうか。10のうち9つまでが失敗するから、失敗しても当たり前である。新製品開発に挑戦して失敗しても、別に恥ずかしくない。そのため、社内で次々新製品開発に挑戦する人が出てくる。仮に、成功率が9割で失敗率が1割の状況を考えてみよう。このときには、成功するのが当たり前で、失敗すれば顔を上げて会社の中を歩けなくなってしまう。みんな慎重になって、新製品開発に挑戦しなくなる。高い成功率は、新製品開発の挑戦にマイナスに作用するのである。二つ目の特徴は、失敗者の処遇である。3Mにおいては、新製品開発に挑戦した人たちは、仮にその新製品開発で失敗しても少なくとも元の地位と同等のポストに戻れる。そのため、次々と新製品開発にチャレンジする人が出てくるのである。三つ目の特徴は、撤退の基準が明確になっていることである。三年間の累積赤字が200万ドルを超えると、自動的に新製品は打ち切られる。この明確な撤退基準のために、企業としては、新製品に安心して資金を出すことができる。ずるずると新製品開発が続き、赤字がどんどん膨らんでいくという事態を防止できるからである。

良かった本まとめ(2015年上半期)

<今日の独り言> 
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする