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「「レジリエンス」の鍛え方(久世浩司)」という本はとてもオススメ!

2015年03月20日 01時00分00秒 | 
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 「「レジリエンス」の鍛え方」という本は、精神的な回復の仕方について、著者の体験も示しながら分かりやすく説明したものです。

 レジリエンスとはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、失敗を怖れて行動回避する癖を直し、失敗をして落ち込んだ気持ちから抜け出し、そこから目標に向かって前に進むことができる力のことをいいます。

 この本では具体的にはレジリエンスを鍛える以下の7つの技術について体系的に説明があります。

<ネガティブ感情に対処する>
(1)ネガティブ感情の悪循環から脱出する
(2)役に立たない「思いこみ」をてなずける

<レジリエンス・マッスルを鍛える>
(3)「やればできる!」という自信を科学的に身につける
(4)自分の「強み」を活かす
(5)こころの支えとなる「サポーター」をつくる
(6)「感謝」のポジティブ感情を高める

<逆境体験を教訓化する>
(7)痛い体験から意味を学ぶ


「(1)ネガティブ感情の悪循環から脱出する」については、具体的には「①運動」「②呼吸」「③音楽」「④筆記」の対処方法があるのですが、特に「②呼吸」には注意したいと思いましたね。
特にストレス時には腹式呼吸が大切です^_^)
①③④は日頃から行っているので、今後も意識したいと思いますが、「③音楽」は聴くだけでなく演奏するのも良いようです。


「(2)役に立たない「思いこみ」をてなずける」については、過去の体験により刷り込まれた信念・価値観が人それぞれあるので、自分の思いこみのタイプを自覚し、追放or受容or訓練の対処法を選びたいと思いました。

「(3)「やればできる!」という自信を科学的に身につける」については、困難から立ち直ろうとするときに必要な自己効力感を「実体験」や「他人の行動の観察」、「励まし」、「高揚感体験(ムードの変化)」で得たいと思いましたね。

「(4)自分の「強み」を活かす」については、弱みを強みに変えるのではなく、自分の強みを知り、自分の強みを磨くことが大切ということがよく分かりました。
また、強み診断ツールが3つあり、その中でも「VIA-IS」は無料で偏りがなく普遍的なようなので、今度自分もやってみたいと思います。

「(5)こころの支えとなる「サポーター」をつくる」については、精神的に支えてくれる「大切な人」のリストアップ(5人まで)が大切ということがよくわかりましたね。

「(6)「感謝」のポジティブ感情を高める」については、日記に感謝したことを書き、またなぜそれが起きたかを考えることが大切とのことで、これは実践したいと思いました。
またうまくいった3つの事柄を毎日回想することが大切なようです。

「(7)痛い体験から意味を学ぶ」については、逆境体験には自分を成長させ、次の困難を乗り越えるための価値ある意味や知恵があるので、その逆境を俯瞰して意味を探求することが大切ということがよく分かりました。

 「「レジリエンス」の鍛え方」という本は、人生をよりよくするために、とてもオススメな本です!

以下はこの本のポイント等です

・ワタミグループの創業者で現在参議院議員の渡邉美樹さんが理事長をしていることで知られる学校法人郁文館夢学園にはグローバル高校があります。その高校のすべての生徒は1年生の冬から1年間海外に留学することとなっています。それは10代の子どもたちにとって試練であり、留学前にはストレスを募らせる生徒が多く見られました。レジリエンスの授業はその留学前の高校生を対象として実施されました。違いが見られたのは、生徒たちの表情です。目は輝き、好奇心一杯の顔でレジリエンスに関する説明を聞き、熱心に演習に参加します。その評価は非常に高く、教師も「それまであいまいで精神論になりがちだったこころのたくましさについて共通言語ができたのは大きかった」と感想を述べています。授業の後に感情コントロール、楽観性、自尊感情、自己効力感、人間関係力から構成されるレジリエンスの尺度で効果を計測したところ、数値に改善が見られたことは関係者にとっての喜びでした。またレジリエンスがもともと弱かった生徒たちほど伸びが著しく、厳しく大変な体験となりうる留学前に逆境に負けない力を養うことができたのは意義があったと考えられます。現在では受験前の高校3年生にもレジリエンスの授業が採用されています。

・本を読まない人が増えていますが、その弊害に、自分のお手本となるロールモデルを持ちづらいことがあると私は考えます。ネットでの断片的な情報からは、自分が参考にできる働き方は学べません。仕事で成果をあげることを目指している人は、継続的に仕事で成果をあげた先達をお手本として学ぶべきです。身近にいなければ、本を読むのが一番です。

・レジリエンスのある人は「知的な失敗」を怖れません。むしろ積極的にその失敗を受け入れ、強く賢くたくましくなるための機会としています。失敗を経験したときの対処をまとめると以下のようになります。
①失敗経験をしたら3種類の失敗(予防できる失敗、避けられない失敗、知的な失敗)から分類すること
②不必要に自責の念を持たないこと
③失敗の種類に応じて適切な対応をとり、積極的に学習すること

・職場で感じたストレスやネガティブな感情を家庭に持ち込まずに、できるだけ早く解消する習慣を持つと、夜の安眠の確保にもつながります。私は睡眠をとても大切なものと位置づけているので、嫌な思いや感情は「宵越し」しないことを習慣としています。

・気晴らしのひとつ目が「運動系」です。身体を一定のリズムで動かす運動で、エクササイズ、ダンス、水泳、ジョギング、ウォーキングなおが含まれます。これらの有酸素運動は体の健康に効果的であることはもちろん、ストレスを低減し不安感情を解消するといった感情にもプラスとなることがわかっています。

・スポーツには多くの心理的効果があるといいます。たとえばテニスには怒りやフラストレーションを鎮める効果があります。相手から送られたテニスボールを「パシーン」と打ち返す、あの感覚がイライラした感情を発散させるのでしょう。その他にも、
 ・水泳は穏やかな気持ちになり不安感を抑える
 ・柔道や空手などの武道は憂鬱な気分を改善する
 ・マラソンやウエイトリフティングは自信を高める
 ・チームスポーツは寂しさを解消し社交的スキルを高める
 ・トレッキングは大自然に触れることで精神性が向上する
 ・ダンスは想像性を刺激し、平凡な人生から抜け出す感覚を与える
といった効果がスポーツにはあるようです。

・イライラしがちな人におすすめなのがウォーキング、そのなかでも早く歩く「早足散歩」です。これは海外の医師や臨床心理士にも怒りの感情で悩んでいる人に推奨しているシンプルなエクササイズです。ウォーキングをしていると、無意識のうちに乱れていた呼吸も一定になり、深く長くおだやかな息づかいになります。肉体も活性化され、ネガティブな感情も穏やかになり、気分も明るくなりまs。周りの自然などを眺めることに集中すると、腹立たしい記憶から思考が離れ、怒りの反芻を防ぐことができるのです。

・ネガティブ感情の気晴らしの二つ目が「音楽系」です。楽器の演奏や音楽の視聴等、自分の好きな音楽に触れその世界に没頭できることであれば、何でも構いません。音楽は私たちの脳に驚異的なポジティブな影響を与えてくれます。MRIなどの脳内をスキャンして測定する磁気装置を使った調査によりわかったのは、音楽は快楽的な刺激に反応するある一部の脳の領域を活性化させる、ということでした。実際に音楽を聴くことは高揚感を高め「快感ホルモン」のドーパミンを分泌させます。ドーパミンによってネガティブ感情がポジティブな気分にシフトするのです。ストレスの気晴らしとしても、治療に通っている患者を助ける目的としても、音楽は非常に有効なのです。音楽療法というセラピーも存在します。

・音楽は聴くだけでなく、演奏することでも「気晴らし」の効果があります。みなさんも気晴らしに適した自分の好きな曲をスマホなどに入れておき、感情のバランスをとるときに聴いてみるミニ習慣を始めてはいかがでしょうか。または子どもの頃に楽器を習った経験があれば、ときおり演奏する習慣を始めるのもいいでしょう。歳を重ねても精神的な若さを保つためにも、生活のなかに好きな音楽を取り入れましょう。良質な音楽が必要なのはティーンだけではないのです。ときおり音楽の世界に没入することで、あなたの毎日の生活を豊かに幸せにしてくれます。

・感情が乱れたときには、呼吸も乱れています。とくにネガティブな感情に襲われたときには、浅く短く早い呼吸になっていることがあります。今度、怒りの感情に囚われた人と会ったら、その人の口元をじっと観察してください。おそらく金魚のように口をぱくぱくさせて、ほとんど息をしていないでしょう。軽い呼吸困難に陥っていることもあります。不安になると胃が締め付けられるような不愉快さを感じます。それを解消するには、深い深呼吸を繰り返すのが有効です。不安な感情でいるときには、呼吸が浅い胸式呼吸になってしまっていることが多いからです。呼吸には良い呼吸と悪い呼吸があります。良い呼吸とは長く深くゆっくりとした呼吸です。自然と腹式呼吸になっています。悪い呼吸とは短く浅く早い、犬のような息の仕方です。

・【マインドフルネス呼吸法】
 ・ゆったりとイスに座り、首と肩の緊張をほぐす
 ・背筋をまっすぐにする
 ・目をつむって、息に注意を集める
 ・吐く息と一緒にストレスが外に出る感覚を持つ
 ・吸う息と一緒にエネルギーが入ってくるようにイメージする
 ・活力が戻ったのを感じたら、仕事に戻る

・感情や考え、心の中にあるイメージを文字にして表現することは、ネガティブな感情を頭や体の外に出してクールダウンさせる効果があります。うつ病の診断を受けた人が、臨床心理士などに「日記」を書くことをすすめられるのはこの研究が背景にあります。この手法は、昔から日記や手紙を書くことが好きだった人におすすめできます。人は自分の好きなことや夢中になれることに没頭すると、心理的にも感情的にも良い毛かを招きます。時間が経つのを忘れ、疲れを感じることがない。こころから没頭しているときは、私たちは喜びも苦しみも感じません。その体験を振り返ったときに「熱中していたのでよく覚えていないが、あえて表現すれば楽しい体験だった」と思えることがあります。この心理状態を「フロー」と呼びます。

・実は仕事においてこそ、フローを頻繁に感じることができるのです。自分の能力を最大限に発揮できる仕事に恵まれている人は、時間を忘れるほど仕事に没頭する体験が多いはずです。条件さえ整えば、職場でもフローを感じることは十分可能なのです。

・不安、怖れ、怒り、憂鬱感などのネガティブな感情は、失敗体験や逆境に直面したときに生まれる。ネガティブ感情は繰り返され悪循環となることで問題となる。そのためには4種類の気晴らしが有効である。
 ①運動系
 ②音楽系
 ③呼吸系
 ④筆記系
夢中になり没我没頭する「フロー体験」もネガティブ感情の悪循環を断ち切ることに役に立つ。

・レジリエンス・トレーニングでは、人の心の内面にある「思いこみ」について理解するために、代表的な思いこみを7種類に分類しました。そしてそれらの思いこみに「犬」の名前を付けることで、わかりやすくしています。
【正義犬】
 何が公正で正しいかを気にする。自分の意見を曲げず「べき思考」を持つ。「そんなことはすべきでない」「それはアンフェアだ、おかしい」「私はあんなことをすべきでなかった」が口癖。公正でないことが起きたおき、「怒り」「憤慨」「嫉妬」の攻撃系感情を生み出す。
【批判犬】
 他人を非難し批判しがちである。頑固で意見を変えない。曖昧な状態に耐えられず、物事を極端に考える「白黒思考」を持つ。「それはすべて彼らの責任だ」「バカなことをする人たちだ」「もっと注意深く行動することを考えなくてはいけない」が口癖。「怒り」や「不満」の感情の原因となる。
【負け犬】
 自分と他人を比較して、自分の足らないところを気にしがち。他人と比べられることを怖れ、自分が人前に出るのを避ける。「自分は役に立たないダメな人間だ」「他の人は自分よりもよくできる」「こんなこともできない自分が情けない」が口癖。「悲しみ」「憂鬱感」「羞恥心」などのネガティブ感情を生み出す。
【謝り犬】
 何か悪いことが起こると「自己関連づけ」をする。自分のせいで起こったのだと、自分を責めてしまう。「私の責任で失敗してしまった」「人に迷惑をかけたのは私のせいだ」「これでは社会人失格だ」が口癖。「罪悪感」「羞恥心」などの自尊心・自己評価を下げるネガティブ感情を生み出す。
【心配犬】
 将来のことを憂い、今後もうまくいかないのではと心配する。何かうまくいかないことがあると、すべて失敗してしまうと不安になる、悲観的思考の癖がある。「すべてうまくいかない」「ひどいことになるだろうな」「この部下は今後大丈夫だろうか」が口癖。「不安」「怖れ」などの活力を下げるネガティブ感情を生み出す。
【あきらめ犬】
 自分で状況をコントロールできると信じない。何をしても良い方向に変えられるとは思わないなど、しばしば根拠のない決めつけをする。「それはできない」「うまくいかない」「自分の手におえない」が口癖。「不安」「憂鬱感」「無力感」などの感情の原因となり、行動への意欲を低下させる。
【無関心犬】
 「我関せず」の立場をとり、物事に無関心の態度を示す。将来に関してもあまり興味を見せず、面倒なことを避けようとする。「まあ何とかなるだろう」「あせっても仕方がない」「興味がないから、どちらでもいい」が口癖。時に「疲労感」を生み出し、自分と周囲の意欲喪失の原因となる。

・後天的に刷り込まれた思いこみは、意図的に捨てる「学習棄却(アンラーニング)」をすることが可能です。あなたの思いこみ犬はたまたま自分のこころに住みついただけで、役に立たない犬だと判断したときには手放すことも可能なのです。思いこみ犬に対処するための選択肢は3つあります。ひとつ目が「追放」です。もしその犬がこころのなかで繰り返し吠える言葉の内容が正しくないと判断した場合は、手放してしまうことが最適です。二つ目が「受容」で、これは思いこみ犬が言っている内容に十分に合意できると考えた場合です。そして三つ目が「訓練」です。最も多い対処の仕方がこれです。思いこみ犬が言っていることが100%正しいわけではないが、まったく間違っているわけでもない。その場合は、思いこみ犬をいかにうまくてなずけて今後もつきあっていくかが問われます。

・「思いこみ」とは過去に体験により刷り込まれた信念・価値観である。ストレスやトラブルなどの体験から生まれる刺激がきっかけとなり、思いこみから感情や行動につながる。思いこみには7種類のタイプ
(批判犬、正義犬、負け犬、あきらめ犬、心配犬、謝り犬、無関心犬)がある。自分の思いこみのタイプを自覚し、3つの選択肢(追放、受容、訓練)から対処法を選ぶことがネガティブ感情にコントロールされないためにも肝要である。

・自分の効力感を測定する10の質問があります。これらの問いにあてはまるかどうかをチェックしてください。「とてもあてはまる」または「ある程度あてはまる」と答えられる問いが多ければ多いほど、自己効力感が高いと考えられます。
【自己効力感を測定する10の質問】
□私は、一生懸命がんばれば、困難な問題でもいつも解決することができる
□私は、誰かが私に反対しても、自分が欲しいものを手にするための手段や道を探すことができる
□目的を見失わず、ゴールを達成することは私にとって難しいことではない
□予期せぬ出来事に遭遇しても、私は効率よく対処できる自信がある
□私はいろいろな才略に長けているので、思いがけない場面に出くわしたとしても、どうやってきりぬければよいのかわかる
□必要な努力さえ惜しまなければ、私はだいたいの問題を解決することができる
□自分の物事に対処する能力を信じているので、困難なことに立ち向かっても取り乱したりしない
□問題に直面しても、いつもいくつかの解決策を見つけることができる
□苦境に陥っても、いつも解決策を考えつく
□どんなことが起ころうとも、私はいつもそのことに対処することができる

・【自己効力感を養う4つの方法】
◆実際に行い成功体験を持つこと(直接的達成体験)→「実体験」
◆うまくいっている他人の行動を観察すること(代理体験)→「お手本」
◆他者からの説得的な暗示を受けること(言語的説得)→「励まし」
◆高揚感を体験すること(生理的・情動的喚起)→「ムード」

・私は励ましの言葉は再現性があると考えています。口で伝えた励ましも効果的ですが、それが書面で伝えられた場合、受け取った本人が繰り返しその文書を目にすることで、励ましの効力が再現されるのです。この病院では、看護部長がリーダーシップをとって何百人といる看護師の一人一人に直筆の手紙を書くという習慣を行っていました。その励ましの手紙を受け取った看護師の中には、あまりにも感激して自宅の居間に額に入れて飾っている人もいるほどです。手紙による励ましは、その手紙を繰り返し読むことが可能なので、長期に渡る効果があると思われます。それが感謝の念を相手に感じさせるような励ましの場合は、こころ
・感情・体のすべてにポジティブな効果を与えます。

・レジリエンスのある人は
 ◆自分の強みは何かを把握している
 ◆自分の強みを平時から磨いている
 ◆自分の強みを有事に活かすことができる
という点に特徴があるのです。皆さんはどうでしょうか。自分の強みは何ですか。上位の強み3つを説明することができますか。

・経営学者のピーター・ドラッカーは強みに関しての名言を残しています。「何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない」仕事の成果は、自分に与えられた強みを最大限に活かすことでもたらされます。自分の強みを活かすことが、仕事で意味のある違いを生む秘訣なのです。強みによって私たちはより生産的になり、より仕事で満足することができ、より人生や仕事の意義に対しての達成感を持つことが可能となります。

・レジリエンス研究の大きな”傘”であるポジティブ心理学では、強みの科学的な研究が行われてきました。その結果、人の強みに関してさまざまなことがわかってきました。
◆自分の強みを活かしている人は仕事の能力や仕事への充実度、目標達成度が高い
◆強みを頻繁に使うことで、自尊心が上向く
◆強みに焦点を当てるマネージャーは、部下の働く意欲を格段に引き出す
◆強みを活かすことで活力が生まれ、ストレスを感じにくくなり、気持ちが落ち込んだときの回復力(レジリエンス)も早い
ドラッカーが言うように、世の中でトップクラスの仕事をしている人は、自分に与えられた強みをよく理解しています。そしてそれらを伸ばすことに努力を払い、自分の強みを活かす仕事や役割を見つけることに非常に熱心です。自分の働き方とそのキャリア自体が強みをベースに形成されているのです。

・どうすれば本質的な自分の強みを発見できるのでしょうか。おもに2種類の方法があります。ひとつが強み診断ツールを使って自分自身で強みを把握すること。もうひとつが、信頼できる人から「強みコーチング」を受けることです。

・心理学者が開発した代表的な「強み診断ツール」は3つあります。それは「VIA-IS」「ストレングス・ファインダー」「Realise2」です。私の個人的なおっすめは「VIA-IS」です。他の2つの有料ツールと異なり、無料である点が大きな理由ですが、あげられた強みに偏りがなく普遍的なため、診断された強みが、ストンと腹落ちしやすかったこともありました。さらに用語がわかりやすく、子どもたちからシニア社員研修での60代の従業員にまで、幅広く使える汎用性も気に入っています。

・ピーターソン博士と一流の学者で構成されたチームは、古くは西洋のアリストテレスやプラトン、東洋の仏陀や孔子などの思想、さらにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの宗教、そして過去現代における哲学までありとあらゆる関連領域を調べ、数千冊に及ぶ書物を輪読することで、人類が持つ普遍的な美徳と徳性を導きだしたのです。それは以下の6つの美徳でした。
◆満たされた良い生き方をするために知識・情報を得て利用する「知恵」
◆内外の反対に遭いながらも目標を達成する意志の強い「勇気」
◆他者との思いやりのある関係を築く「人間性」
◆個人と社会の間の最適な相互作用である「正義」
◆行き過ぎた行為から防御する「節制」
◆強みを通して個人がより大きな宇宙とのつながりを形成する「超越性」

・自分に隠された強みを発見するための2つ目の方法が「強みコーチング」です。できれば信頼できる誰かにコーチングしてもらうのが理想です。人から出された質問を耳にすると、自分の思考で働き、普段は考えていないような答えを返す対話の作用が働くからです。自分でコーチングを行うセルフ・コーチングという手法もありますが、私はやはり他者からコーチングを受けることにこだわります。なぜなら、自分にとっての強みはあまりにも当たり前であるため、自分だけでは特別なものとは考えにくいからです。

・「強みコーチング」をするにあたっては「強みの5原則」を理解することが大切です。
①すべての人に強みはある
②強みにフォーカスすることが成果をあげる秘訣である
③私たちの最大の可能性は強みにある
④自分の強みを自分ができる小さなことに活かすことが、大きな違いにつながる
⑤成功の多くは強みが最大活用された結果である
そして強みコーチングでは、おもに以下の5つの質問をします。
□最も大きな達成・成功は何か?
□自分に関して最も好きな点は何か?
□何をしているときに最も楽しく感じるか?
□どんなときに自分らしく感じるか?
□自分がベストで最高のときはどんなときか?
相手からの即答を期待してはいけません。一般の人は時運の強みに関してじっくりと考える機会があまりなかったからです。つまり「強みを把握し活用する」という「レジリエンス・マッスル」が脆弱な人は意外に多いのです。ただすべての人に強みは存在します。過去に活用されたこともあり、自分ではあって当然だと考えていた資質を「見える化」する。それを強みという定義に当てはめる。すると自分はさまざまな素晴らしい資質に恵まれていたと実感することができます。

・自分の「弱み」に対してはどうすべきか。その対処方法には3つあります。一つ目は必要最低限の時間を費やして、その弱みをなくす訓練をすること。それが自分の仕事の目的の達成に欠かせないものである場合、「最小限の努力でその弱みをなくすには何をすべきか」と自問してみましょう。そして速やかに実行する。注意すべきは、費やすべき時間と労力のバランスです。弱みを正すことには自分が持っているリソースを最低限費やし、強みを伸ばすことに最大限投資することが肝要なのです。二つ目が「アウトソーシング」することです。つまり自分の不得手とすることを自分の代わりに行ってくれる人や会社に依頼することです。三つ目が、自分の弱みを補ってくれるパートナーと手を組むことです。これは偉業を成し遂げた経営者に共通する点です。日本でも海外でも大きな成功を収めた実業家は、自分とは専門や強みが異なる人物とパートナーを組んでいることが多いのです。

・世界には4つの長寿村があるといいます。コスタリカ・ニコヤ半島、イタリア・サルディーニャ島、米カリフォルニア州・ロマリンダ、そして沖縄県の大宜味村です。これらの村を調査した結果、100歳を超えてからも元気でいられる高齢者の秘訣には以下の9つのルールがあることがわかりました。「適度な運動を続ける」「腹八分で摂取カロリーを抑える」「植物性食品を食べる」「適度に赤ワインを飲む」「はっきりとした目的意識を持つ」「人生をスローダウンする」「信仰心を持つ」「家族を最優先にする」「人とつなが」という9つです。この中で私が注目するのは、最後の2つ「家族を最優先にする」と「人とつながる」です。家族や地域の人々との絆を大切にしていることが長生きにつながったというのです。100年間も生き長らえる年月には、さまざまなつらい出来事があったと想像されます。それらを乗り越えて現在元気に健やかに暮らすセンテナリアンのおじいさんやおばあさんには、レジリエンスが養われているとも考えられます。

・レジリエンスを養うためにも、時間のあるときに自分にとってのVIP、つまり「大切な人」をリストアップすることをおすすめします。ここでいう「大切な人」とは、ビジネス上の得意先とは異なります。お金でつながった人たちではなく、こころを支えてくれる存在を意味します。自分が苦しい立場になったとき、つらい経験をしたとき、こころが折れそうになったときに精神的に支えてくれる存在でもあります。「大切な人」「自分の心の支えとなる人」は、友人や家族に限定されません。職場での上司や先輩、同僚や部下にいるかもしれませんし、過去にお世話になった恩師やメンターであるかもしれません。

・「大切な人」のリストは何人までが適当な数でしょうか。私は片手の指、つまり優先順位の高い人を5人まで注意深く選ぶことをおすすめしています。私はそれを「ファイブ・フィンガー・ルール」と呼んでいます。その5人が自分を必要としているときは、すべての用件に優先して自らの時間を与えるというルールです。選ばれた人たちは、私がいざというときに心の支えとなってくれる人たちでもあります。普段からギブ・アンド・テイクの関係を構築しておくことで、いざというときの助けとなるのです。もちろん大切な5人の人たちとの信頼関係は一朝一夕にできあがるものではありません。大切な5人が困っているときには、仕事や他の用事を投げ出しても飛んでいけるかどうかが問われます。その繰り返しが信頼関係を築き上げるのです。

・感謝は誰にでも感じられる感情です。しかし、多くの人にレジリエンスを教えてきた経験から、豊かな感謝を持つ人にはある共通点があることに気づきました。それは自分に「無いもの」ではなく、自分にもたらされている「あるもの」に焦点を当てるという特徴的な物の見方です。自分に恵まれたものをフォーカスする視点は普段からの意識的な習慣によって養われます。ふつうは、ないものや足りないものに目が向きがちですので、意志を持ってその癖を変えなくてはいけません。物の見方を変え、感謝というポジティブな感情を高める3つの代表的なテクニックがあります。それは、「感謝日記を書く」「3つのよいことを思い出す」「感謝の手紙を書く」です。

・【感謝日記】
①1日の終わりに感謝したことを思い出します
②その出来事を日記形式で書き出してみます
③できれば「なぜこの良い出来事が起きたのか」についてもじっくりと考えてみます
④そして「ありがたいなあ」という気持ちを胸の内で感じながら、日記を閉じます

・【3つのよいこと】
①その日に起きたことを振り返って、うまくいった3つの事柄を回想してください
②「ありがたい」「運が良かった」と感じる内容を箇条書きで記述してください
③なぜうまくいったのかについても理由を考えてください

・【感謝の手紙を書く】
①自分が過去にお世話になった、助けられた人で感謝を伝えられなかった人を選びます
②その人に向けて感謝の気持ちを表す手紙を書きます
③どんな親切を行い、好意ある態度を示してくれたかを回想します
④その結果、どんな好影響を自分の人生に与えてくれたのかも言及します
⑤その人がいなければ、今の自分がどう変わっていたのかについても考えます
⑥書いた手紙は、本人に手渡しするか、送付するか、またはそのまましまっておきます
この手法の興味深い点は、本人に手紙を読んでもらわなかったとしても、書き手の内面に感謝の気持ちがぐっと高まることです。私がこの演習を行ったときには、記憶としてよみがえった感動で、涙がとまない人もいました。実際にその本人に会って、目の前で手紙を読むことで直接的に感謝を伝えることも効果的です。急激に感謝のポジティブ感情が高まり、その効果は書き手だけでなく、受け取るほうにも期待できます。

・レジリエンスの7つの技術はおもに3段階に分けられます。まずはネガティブ感情の悪循環から脱出し、役に立たない「思いこみ」をてなづけることでネガティブ感情の根本原因に対処するステージ。これら2つの技術により、失敗やトラブルといったピンチが原因として起こる精神的な落ち込みを「底打ち」することができます。次に上に向けて再起するステージで、困難を乗り越えるには精神的な筋肉「レジリエンス・マッスル」を必要とします。そのためには自己効力感を身につけ、自分の「強み」を活かし、こころの支えとなる「サポーター」をつくって、「感謝」のポジティブ感情を高める4つの技術が必要でした。そしてレジリエンスを養う最後の技術が、精神的に痛みを感じるようなつらい体験から意味を学ぶことで自己成長を促すことです。逆境体験を教訓化する力です。そのためには過去の逆境体験から一歩離れて俯瞰する振り返りの作業が有効です。これを「リフレクション(内省)」といいます。レジリエンス・トレーニングでは、本人の逆境体験を「物語化」してもらう手法を採用しています。物語心理学の研究では、人は人生の経験を「物語」として構築すると考えられています。同じ出来事でも、どう物語化されるかは人によって異なり、それが人々の人生経験の解釈に違いをもたらすということです。つらい体験をしたとき、その記憶が必ずしも事実に基づいているとは限りません。私たちの深層心理には「思いこみ」が存在し、出来事の認知をゆがませることもあるからです。レジリエンスでは、事実をゆがんで認識するのではなく、できるだけ正確に把握し、合理的にしなやかに解釈する柔軟なこころが重要になります。体験した出来事をどのように自分に物語るかが、経験の解釈に影響するため、その逆境の物語である「レジリエンス・ストーリー」を語る場を設けることで、主観的な意味付けを理解することが可能となるのです。レジリエンス・ストーリーを作成する際のポイントが3つあります。
①被害者でなく、再起した者の立場で物語を形成する
②精神的な落ち込みから抜け出したきっかけは何かを回想する
③ゼロの状態からいかにして這い上がってきたのかに着目する

良かった本まとめ(2014年下半期)

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