ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

教育の広場、第 189号 教育委員会の学ぶ姿勢

2005年06月25日 | 教育関係
2004年12月10日、文部科学省は昨年度(平成15年度)の教師
についてのいくつかの統計結果を発表しました。その中に「わ
いせつ行為で懲戒処分を受けた教師が 155人だった」というこ
とがありました。

学校におけるセクハラ問題の相談に乗っている団体の代表は
TVで「これは氷山の一角でしかない」と語っていました。

わが静岡県でもわいせつ教職員の処分が繰り返されていま
す。そういう教職員は3年ほど前から増加傾向にあるそうで
す。そして11月04日、県立高校の教員がわいせつ行為で懲戒免
職となりました。

11月06日付けの朝日新聞はこの問題を取り上げて、次のよう
に報じています。

・・この間、県教委も対策を練った。~県教委の幹部からは
「考えられる限りの対策を施した」「どうしたらわいせつ事案
を防げるのか、教えてほしい」との声が聞こえてきた。

そんな矢先の不祥事だった。高校教諭が授業中に教室内で生
徒のスカート内を特殊小型カメラで撮影。~

この件を受け、県教委は年内に県立高校99校などの全教職員
と面談することにした。~

しかし、4日の記者会見では県教委側の対応に疑問も残った
。~他に被害者がいることを認め、ネット上など画像の外部流
出の心配も残るのに、県教委は教諭のパソコンを調べることな
く調査を打ち切っていた。~

会見の最後に藤原通孝教育次長は「今後の対応について再検
討したい」と調査打ち切り方針を事実上撤回した。・・

ここで私が問題にしたいのは県教委の「学ぶ姿勢」です。県
教委は「どうしたらわいせつ事案を防げるのか、教えてほし
い」と言っているそうです。では、県教委はこれまでに誰の所
にどういう態度で教えを請いに行ったのでしょうか。いかなる
根拠に基づいて「考えられる限りの対策を施した」と言えるの
でしょうか。

まず、自分たちの行った調査研究と教えを請うた相手先を発
表したらどうでしょうか。そして、その教えに対してどのよう
な謝礼を支払ったのか、しかも誰が支払ったのか、発表してほ
しいものです。

つまり、私の言いたいことは、お金が動かない事は真剣な事
ではないということです。これだけ多くの犯罪が起きているの
です。制度なり体制に問題のあることは明らかです。従って、
管理者の責任が根本問題だと思います。

そして、責任を取るということは、民間の常識では、退任す
るとか給与(の一部)を返上するということです。しかるに、
県教委も10月で退任した教育委員長も給与や退職金が全然減額
されていないのです。だから真剣にならないのだと思います。
人間というのはそういうものです。

仕事について何か学びたいと本当に思う人はほとんど皆、先
生(広義)を見つけて頭を下げて習いにいき、自腹を切って勉
強しています。教育委員会室にふんぞり返って「どうしたらわ
いせつ事案を防げるのか、教えてほしい」などとうそぶくのは
「学ぶ姿勢」とは言えないと思います。

「考えられる限りの対策を講じた」が改善できないと言うな
ら、辞めるべきでしょう。能力がないことが実証されたのです
から。これが民間の論理です。

要するに、静岡県教委は本当にはやる気がないのだと思いま
す。果せるかな、その後もわいせつ教職員の処分は続いていま
す。
  (2004年12月12日発行)