日々の恐怖 12月1日 高校球児の朝は早い(3)
母が玄関に来て、
「 あんた何もされなかった? 」
と聞いてくる。
どうやら夕方ぐらいからずっと家の前にいるらしい。
“ マジっすか!?”
朝の出来事を母に話すと、
「 お父さんに相談しましょう。」
とのことだった。
父が帰ってきて、老婆のことを話す。
「 何にもされてないんだろ?
じゃあ、ほっとけよ。」
これで終了してしまった。
翌朝。
四時半起床。
高校球児の朝は早い。
適当に御飯食べて、歯磨いて、顔洗って出発。
“ 今日も元気にがんばるぞ~・・・って、あの・・・、老婆がいるよ・・・。”
朝五時。
家の前。
老婆。
昨日と同じ格好。
“ スペアがあるのか?”
それで、また来たよ。
「 王子様、お願いです。
キスしてください。」
やっぱり同じようなセリフ。
もうカンベンしてください。
また駅まで猛ダッシュ。
“ でもどうしよう・・・・。
これ、いつまで続くんだろ?
警察に言おうか?
でも、何にもされてないし・・・。
老婆にキスしてくれと付きまとわれる・・・。
う~ん、決定打にかけるなァ・・・・。
男女が逆ならどうだろう。
70過ぎの老人が小学生の格好で女子高生にキスしてと付きまとう。
あれ・・・?
逮捕だろ、こんなジジィ。
許せねぇよ。”
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