大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画

2016-07-23 16:15:25 | _HOMEページ_
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☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。



A,日々の出来事

  ☆( 日々の出来事 6月25日 EU離脱 )

B,日々の恐怖

  ☆( 日々の恐怖 7月23日 浮遊物(3) )


C,青春小説“過ぎ去った季節の中に”

   ~1,教室の見える風景~  完了
   ~2,潮騒の夏~        完了
   ~3,駅に続く公園の道~  創作中


E,奇妙小説“霧の狐道”

  ☆(霧の狐道274 改定中) 

D,奇妙小説“しづめばこ”

  ☆(  しづめばこ 7月19日 P442 ) 

F,奇妙な恐怖小説群“四枚の写真”

  ☆(  四枚の写真 5月2日 P50 完了 ) 

G,ghanayama 童話


H,美術絵画


I,Photo Lounge





☆帰ってきました。また、ぼちぼち始めます。
                      by 大峰正楓


      


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日々の恐怖 7月23日 浮遊物(3)

2016-07-23 16:14:50 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月23日 浮遊物(3)




 今度はKさんと私の二人だけで戻る。
マネージャーと他のスタッフが嫌がったからだ。
その取り残されたスタッフの名前を呼びながら、また地下最奥へ向かった。
 ところが今度は、先ほど感じた空気の変化を感じない。
普通の感じだ。
電灯も懐中電灯の光も、先ほどとは違い明るく感じる。
 最奥まで行く手前で、ゆっくりとそのホールスタッフが帰ってきた。
そして、

「 前にいつも新海を打っていた奥さんですよ。」

と私達に言う。

「 何で分かるの?」

と聞くと、

「 姿、見えるんです。」

もう今は消えていないと言う。
 聞くと、我々が白いモヤと見えたものは、彼には奥さんの姿まで見えたと言うことです。
その話を聞いたマネージャーが、

「 最近あの奥さん来ていないからな・・・。
亡くなったのかもな。」

 ほとんど毎日来ていた常連さんだという。
そう言えばここ2~3週間見ない。
 それから1ヶ月くらい経ったころ、早番で開店前入場者の整理をしていると、その奥さんの姿があった。

“ あらっ・・・・?
あなた、死んでたハズ・・・??”

とびっくりしていると、マネージャーが駆けつけてきた。
 久しぶりですお待ちしていました、みたいな事をマネージャーが言うと、意外な答えが返ってきた。
 その奥さんはこの2ヶ月、重病になって入院していたと言う。
一時期は危篤で、死の一歩手前まで行ったらしい。
そんな時、パチンコ好き(と言うより海好き)を知っていた奥さんの家族が、枕元で海物語の通常変動、走って当たり、さらに確変昇格、サム等の音楽を流し続けた。
 奥さんは夢か幻か、死の床で魚群を見たようだ。
そうしたらもう一度パチンコがしたくなって、

“ 死ぬものか!”

と踏ん張った。
 そしてその時に、うちの店に入ろうとするが入れない、そんな夢を何度も見た。
そしていつも店に入れなくて、車を止めていた地下駐車場で悔しい思いをしたんだと言う話だった。
 それで、その夢の時期が梅雨の時期と一致していた。
マネージャーは、

「 どんだけパチンコ好きなんだよ?!」

と何度も言っていました。












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日々の恐怖 7月22日 浮遊物(2)

2016-07-22 20:40:15 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月22日 浮遊物(2)




 例の場所、立体駐車場地下で、風船かなにかに見える浮遊物が見えたらしい。
勤務時間過ぎているが確認に行ってくれないかと頼まれた。
 電灯はすべて落ちていて真っ暗。
その中をKさんと二人で、マグライトをそれぞれ持って確認に向かった。
事務所との連絡用にインカムも持って。
 まずはエレベーターで屋上に向かい、そこから下に降りていく事にした。

屋上・・・特に異常なし。
インカムで伝える。

3階・・・異常なし。
真っ暗闇に4本の光の筋が通る。
怖い。

2階・・・異常なし。
インカムで伝えると、地下で何か動くものが見えるとの返事があった。
今、マネージャーが、非常灯だけでなく通常灯をつける準備をしているとのことだった。

その間に1階に下りた。
異常なし。

 1階の換金所前に、ホールスタッフ数人とマネージャーがいた。
一緒に行くと言う。
通常灯が点いてもなお薄暗い中を進む。
 地下に降りると空気が一変した。
雨の音が小さくなり静かにはなったが、何故か冷たく感じた。
皆の息が荒くなる。
光が薄暗く、懐中電灯の光も弱々しくなったような気がする。
 余談だが、プレステ用ゲーム『トワイライトシンドローム』を初めてした時、この時の空気が変わった雰囲気をよく再現していたことにびっくりした。
あのゲームを作った人の中には、実際に怪奇現象の経験者がいると思う。
 駐車場地下最奥に向かい、壁に懐中電灯を向けた。
いた。
車が止められない物置スペースになっている場所に、何か白いもの。
光に反射する水蒸気のようなもの。
 スーッと動いて壁の中に消えた。
全員見た。

「 わーっ!」

と大声を上げて逃げ出す。
換金所まで戻り、そこで皆息をつく。
 1人足りない。
ホールスタッフの学生バイトだ。











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日々の恐怖 7月21日 浮遊物(1)

2016-07-21 19:06:58 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月21日 浮遊物(1)



 
 今から数年前、大学生のころパチンコ屋でアルバイトをしていた。
と言ってもホールではなく、駐車場の警備員だった。
 時給はホールよりも安いが、シフトの自由と体力的に楽だったので、結構気に入って働いていた。
店の営業時間は朝10時から夜の11時。
駐車場警備員は全部で5人。私のほかはみな社会人だった。
 そのうち3人はシルバー人材センターからの派遣、もう一人は自衛隊上がりで警備会社から直接雇用のKさんだった。
そのKさんと私は比較的年齢が近く、一緒の勤務上がりの時には飯に行ったりしてそこそこ仲が良かった。
2年間のアルバイトで怖い話が二つある。
 週に4回ほどのアルバイトを始めて半年くらい経ったころ、遅番の勤務に入ると、同シフトのKさんが手招きをして言った。
最近立体駐車場の地下の一番奥で、少し不思議なことが頻発してると言う。
 Kさんではなくシルバー派遣の人が見たらしいのだが、閉店後、駐車場一番奥で女性を見かけたらしい。
懐中電灯を持ち近づいて行くと消えた、それも梅雨を迎えた最近になって見かけるようになったとのことだった。
 Kさんは、

「 世の中には不思議なことがあるからな~。」

とつぶやいていた。
 夕方に近づくにつれて雨が降り出した。
その日はたまたま翌日が新装入れ替えで、夜10時で閉店だった。
10時を少し回って最後の換金客も出たころ、ホールスタッフが私達の方に近づいてきた。
防犯カメラに変なものが映っていると言う。











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日々の恐怖 7月20日 記憶喪失

2016-07-20 19:26:33 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月20日 記憶喪失




 俺の体験談を話します。
俺は中2の時にチャリで事故って、記憶喪失になったことがあります。
 まぁだいたいこういうケースでは数日で記憶は戻るらしく、俺もそうでした。
よくマンガなどに出てくるような一生戻らないであろう記憶喪失ってのは、なかなか無いらしいです。
 このときのことをよく覚えています。
気が付くと、病院のベッドの上。上体も起こしていました。
目覚めるのではなくて、ぼうっとしてた時にはっと気づく感じです。
 それで、もう速攻でナゾ、ナゾ、ナゾ。
なんっっにもわからない。
 最初に出た言葉は、

「 ハァ!?」

でした。
 自分が誰か?
目の前のオバサンは誰か?
そんで、もんんんのすごい恐怖が襲ってくるんです。
 ナニが怖いって、母親の顔がわからないとかそれよりも、自分が誰だかわからない。
しかしこの恐怖も台風みたいにすぐ去り、次は面白くて仕方がなくなってきたんです。

「 おしまいだ、俺はおしまい。」

と叫びながら、ゲラゲラゲラゲラ笑いました。
名前を忘れちまうだなんて、もうおかしくておかしくて。
 目の前で母親がおろおろしながら泣いているのを、まるで水族館の中で分厚いガラス越しに魚を眺めているような感覚で見ていました。
そして、

“ この人なに泣いちゃってるの?
ばっか~。”

とおかしくてまた笑いました。
 しかし妹が反対側でビャーーッと泣き始めたのに気が付いた俺は、なぜかどうしようもなく悲しい気持ちになって、

「 ごめんなさぁあああい!」

と、涙と鼻水をそれこそマンガのようにボタボタジャアジャアと垂れ流しながら号泣しました。
 そんなカンジで超カオスな俺の病室に、聞きつけた医者と看護婦がドヤドヤっと入ってきて、俺を取り押さえて目に光を当て、医者がこう言ったんです。

「 君の名前は○○だ、○○××という名前だ!」

それを聞いた俺はウソみたいに眠気に襲われて、そのまま眠ってしまいました。
そして、次の日の昼に目覚めた時にはすっかり記憶が戻っていました。
 怖いのは、俺はその時の自分の心情から行動、部屋の内装に至るまで、目で見たものと感じたもの全部を詳しく覚えていることです。
 あの時家族が着ていた服の模様も、部屋にかけてある風景画の構図から色、母親の顔の筋肉のひきつり具合、掛け布団の右端の赤い糸くず、床のよごれなど、とにかくあの時の俺が見た範囲での部屋なら完璧に再現できるほどに覚えていました。
 俺が喚いていたのが実質3分ぐらいだったから、きっとその3分で全部覚えたんだ。
あと、なんであんなに激しく笑ったり泣いたりしたのか、理由はわからないけど、

“ あんなの全然普通のこと。”

と認識しているのもなんか怖いです。














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しづめばこ 7月19日 P442

2016-07-19 19:41:53 | E,しづめばこ



しづめばこ 7月19日 P442  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”




大峰正楓の小説書庫です。
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日々の恐怖 7月18日 千円札(3)

2016-07-18 19:51:09 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月18日 千円札(3)




 古戦場から出てきた鎧兜や、廃屋から掘り出した鏡みたいにはいかないか。
確かにそうだよなあ。

「 まあ、誰でもいいから呪いたい、って話なら別だけど・・・。」

今のご時世、そんなヤツ普通にいそうでヤだなあ。

「 あー、まあ、その紙幣に呪いがかけられてるって話自体、飛ばしすぎじゃ無ぇの?
どっかのアホなホステスか何かが、酔っ払ったあげくにアホな事をしただけ、って可能性が一番高いって言うか、多分そうだろ。」

でも、では何故あの紙幣はウチの店に何度も何度もやって来るのか。

「 紙幣ナンバー、憶えてるのか?」
「 は?」
「 同じ紙幣なのかな、それは?」

思いもよらなかった事を言う。
 確かにナンバーは控えていない。
て言うか誰も控えないだろ、いちいち。

「 郵便局だって、一回位はそんな汚れた紙幣をお客さんに間違って出しちゃうかもしれない。
でも、それが二度三度続いて、しかもそれが回りまわって同じ店にやってくるってのは、確率的にちょっとおかしいだろ。」
「 うーむ。」
「 それよりは、お前の町のどこかで誰かが、そういうキスマーク紙幣を量産して流通にばら撒いている。
その内の何枚かが、お前の店に何枚か流れてきた。
そう考える方が、確率的にはおかしくないんじゃね?」
「 うーむ。」

 確かに、確率的にはそちらの方がおかしくないだろう。
でも、お話としてはどうだろう?
女が一人、自分の部屋で口紅を塗っては千円札に鮮やかなキスマークを付ける。
財布の中に入っている限りの千円札に口付けをしていく、そんな光景。
どんな理由があろうとも、それは想像するだにおっかない情景では無かろうか。

「 そのキスマークにどんな意味があるのか知れないけど、仮に呪いを込めてるとして・・・。」

友人が最後にこう締めくくった。

「 そいつはお前や店を呪ってるんじゃ無い。
しばらくは、それが流通するであろうお前の町全体を呪ってるんだと思うよ。」

 ともあれ、僕が体験した一番不気味な出来事は、僕自身には一切害のないまま幕を閉じた。
キスマーク付きの千円札は、それ以来見かけない。












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日々の恐怖 7月17日 千円札(2)

2016-07-17 19:25:46 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月17日 千円札(2)




 この紙幣は確かにこの前、郵便局に送金したはずだ。
こんな紙幣をお客さんに出す訳には行かないのは、コンビニも郵便局も変わらない。
その同じ紙幣が、数日経たとは言え、なんで同じ店から出てくるんだ?
 鮮やかな色の口紅は、何だか笑っているように見える。
とてつもなく嫌ぁな気持ちになりながら、とにかくその紙幣は前回同様に送金袋に突っ込んだ。
 三度目は十ヶ月ほどブランクを空けてから来た。

“ そういえば去年、あんな事があったなあ。
でもまあ、タチの悪い偶然だったんだろうなあ。”

そう思い始めた矢先の出来事だったから、見つけた瞬間は思わず凹んだ。
正直、虚空に向かって、

「 何でやねん!」

と小さく叫んだ僕も、ハタから見るとちょっと恐かったかもしれない。
キスマーク付きの千円札、見れば見るほど不気味なブツであり、持っているだけで不幸になりそうな、そんな予感がある。
どう始末を付けたかは、過去二回と同様である。
 それで、ある日、久しぶりに友人に会ったとき、世間話的に尋ねてみた。

「 お金に呪いとか何か込められるのかねぇ?」

 キスマークの千円札が出てきた前後に、自分や店に不幸があった訳ではないが、明らかにあの紙幣は意思を持っているように感じたのだ。
そして、アレに意思があるとしたら、それは決して良いものでは無いと思うのである。
 友人は言った。

「 聞いた事無いけど、出来たとしてもしょうがねぇよなぁ。」
「 しょうがない?」
「 人間に食べられる為に殺される動物達の霊はどうなってんだ、って疑問と一緒でな。
在ったとしても、何の手立ても無い訳だしさ。」

 家畜の霊が恐いから肉食を止める事は出来ないし、呪われたお札があるからお金を使うのを止める訳にもいかない、と言う事か?

「 考えてみると金ってやつは、確かに呪いとかには便利だよな?
赤の他人同士がやり取りするのに何の疑問も抱かないのは、これぐらいのモンだし。」
「 いや、そうでも無いだろ。」

友人はちょっと考えてから返答してくる。

「 赤の他人同士簡単にやり取りするんだから、呪いたい相手がいつまでその紙幣を持ってるのか判らないんだぞ?
仮に誰かがお前のコンビニを呪いたいからって、そんな事をしたとして、実際、一日経たずに紙幣は郵便局に送られちゃってるんだしさ。」












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日々の恐怖 7月16日 千円札(1)

2016-07-16 20:11:06 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月16日 千円札(1)




 深夜のコンビニでの仕事の一つに、売上金の計算と送金作業がある。
レジおよび回収箱の中に入った金が幾らか計上して、銀行や郵便局に送る作業である。
 そんな中で紙幣や硬貨を数えている時に、

“ よくこんなモノをレジに出す気になるよなあ・・・。”

と思ってしまうブツを良く見るのである。
 錆び付いて数字が読めない十円玉であるとか、所々破けてテープだらけの千円札。
もちろんどんなお金も基本的に受け取りを拒否する事は出来ない訳で、一日に必ず一つ二つは、見るも無残な日本銀行券の成れの果てを手にすることになる。
 そんな中で一番印象に残っているのが、キスマーク付きの千円札だった。
言葉だけではどうと言うことも無いと思うのだが、想像して欲しい。
 千円札の表には野口英世の肖像画があり、古札である。
その紙幣を裏返すと、逆さ富士があって、中央にはべっとりと赤い口紅のキスマークが付いている。
 そんなブツがある日、売上金の中に一枚紛れ込んでいた。
見た瞬間に思わず、

「 うあ・・・・。」

と呻いて、

“ 何とも気持ち悪い事をするなぁ・・・。”

と思った。
 日本銀行が発行して以来、恐らくは何百人もの手を渡り歩いてきた紙幣だ。
使用状況から考えても、どれだけの手垢、細かいゴミが付着しているか知れたモノでは無い。
そんな紙幣に、口付けをしてしまう事情がまず想像出来ないし、それを人前に出す神経もちょっと解らない。
 そんなことをあれこれ思いながら、改めてその紙幣を見てみる。
地味な色の紙幣の山の中、不気味に鮮やかな色合いの紙幣は、どこか毒性の動物を想像させる。

“ 嫌だなあ、さっさと郵便局に引き取ってもらおうか・・・。”

そう思って、その紙幣は送金袋の中に突っ込んだ。
これだけなら、

“ 世の中には気持ちの悪いことをする人がいるなあ・・・。”

で済んだ話だ。
 しばらく経った、やはり深夜の同じ作業中だった。

「 うあ・・・・・。」

再び、同じ紙幣が出てきた。

“ え?なんで・・・・??”

軽い混乱に襲われた。













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日々の恐怖 7月15日 公的保証

2016-07-15 18:48:10 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月15日 公的保証




 週末、夜景を見るため横に彼女を乗せて、〇〇山へドライブに行った。
彼女がいるからよく知っているコースを選んだ。
この前は半年ぐらい前に一人で来たこの道、道を間違えて恥をかく事はないようにと、慣れたコースを選んだ。
 順調に車を走らせ、いよいよ最高のビューポイントに来た。
ここは稜線にそって駐車場があり、車を降りなくても中から景色が見られる。
 しかし、週末とあって、駐車場の空き待ちでズラリと車が並ぶ。
仕方なくしばらくの間だけ待つことにした。
 ところが、駐車スペースが一か所だけポツンと空いている。
見る限り、特にその場所に不具合があるようには見えない。
地面はアスファルトでしっかりしているし、穴が開いているような部分もないようだ。
でもなぜだか端から4台目だけが開いている。
 時間が経っても一向に動きを見せない車の流れ。
業を煮やし、車を降りて待機中の先頭車に、なぜあそこの空きスペースに車を入れないのか聞きに行った。
 すると、車に乗っている人が言うには、

「 あそこは駐車しちゃいけないんだよ。」
「 なぜ?」

と理由を聞くと、

「 あそこに車を止めて自殺したカップルがあったらしいんだ。
それからあそこに車を止めると必ず、エンストしたり急に発進して事故を起こしたり・・・・。」

と不思議な現象を話し始めた。
 その人は、まだ駐車禁止場所になる前にそこに車を止めて、車を出ようとしても車のドアが開かなかったらしい。
無論、エンジンは切っていたし、ドアロックも解除していたと言う。
 興味半分で歩いてそのスペースまで行くと、アスファルトに×印が書かれていて、

“ ここに車を止めないで下さい。〇〇市”

と書かれたプレートを張った小さな柵が置いてあった。
 少し離れた車からは見えなかったけれど、近くに行って、市が書いたプレートや柵を近くで見ると、

“ これは危ないな。”

と思った。
車に帰ると彼女はスヤスヤ寝ていた。












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しづめばこ 7月14日 P441

2016-07-14 18:00:36 | E,しづめばこ



しづめばこ 7月14日 P441  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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日々の恐怖 7月13日 迂回

2016-07-13 18:18:44 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月13日 迂回




 5年程前のこと、仕事がなくて葬儀社の霊柩車の運転手を1年ぐらいやっていた。
もちろんソノ手の仕事なので不思議な体験はあったが、火葬場の話だと、いわゆる無縁仏の火葬では当然お骨の引き取り手がいない。
 斎場にもよるだろうが多くの場合、そうしたお骨は裏手の慰霊塔のようなところに一括に捨てられる。
こまめに坊さんを呼んで弔ってるトコはいいんだけど、四国のI市のように全くやってない所もある。
 その供養してないI市斎場での出来事。
梅雨時で2~3日雨が続いていた。
朝一番の式が終わって、霊柩車に家族を乗せ斎場に向かっていた。
 斎場近くのT字路にガードマンが立っていて、

「 この先がけ崩れしてるから、迂回してくれ。」

と言われた。
葬儀社から報告受けてないし、

“ おかしいな・・・・。”

と思いつつ、指示にしたがった。
 迂回路にも2人ほどガードマンがいたが、斎場から離れていってる気がして、喪主の人と、

「 変ですねぇ・・。」

なんて話しながら、とにかく急いだ。
 20分ぐらい走って、やっぱ絶対おかしいと思い、喪主と相談して引き返すことに決めた。
斎場までの道のり、3人いたはずのガードマンは1人もいなくなっていた。
もちろん、がけ崩れもなかった。
 なぜ彼らは火葬を邪魔したかったのだろう。
喪主や家族がいるホトケさんが羨ましかったのだろうか?











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しづめばこ 7月12日 P440

2016-07-12 18:00:45 | E,しづめばこ



しづめばこ 7月12日 P440  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 7月11日 兎(4)

2016-07-11 18:58:49 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月11日 兎(4)




 大海嘯とは大津波のことだ。
道内の古い漁師達は伝承を信じ、ウサギやアイヌ語の意である“イセポ”を海上で口にすることを禁じていたと言う。
 アイヌ達が海上にいる時は“イセポ”の代わりに“カイクマ”という言葉を用いた。

「 アイツは南、内地へ向けて走って行ったな。
今回は、こっちに被害はないかれもしれない。」

 おっさんは言った。
アイヌの昔話がある。
昔、ある男がトンケシと言う場所を通りかかったとき、丘の上にウサギが立っていて海の方へ手を突き出し、しきりに何かを招き寄せるような仕草をしているのを目撃する。
 彼は丘の下にある集落で周辺六ヶ所の首領が集まり酒宴を開いているので、津波が来るから早く逃げろと警告したが、首領達は酔っていて、津波など怖くないと刀を振り回し相手にしなかった。
男は呆れ、内陸へ向けて去っていった。
 その直後、トンケシの集落は津波に飲まれ、全滅してしまった。
トンケシの丘にいたの津波を呼ぶ神で、海にいる無数の仲間を呼び寄せる儀式を行っていたのだと。
 ウサギが立つ(イセポ・テレケ)を、白波が立つことだなどと今では言われている。
しかし、俺達が見たアレは一体なんだったんだろう。
 実際、おっさんが必死になる理由は分かっていた。
1994年に起きた北海道東方沖地震による津波の記憶がある。
道内での被害は少なかったが、北方領土では死者行方不明者を出し、一万人近い住民がロシア各地へ移住を余儀なくされた。
 道内に残るウサギと津波に纏わる伝承では、予兆現象があった即日から十年程の間に津波が起こったとされているようだ。
 宿まで戻った俺達は早々に根室を後にした。
今日は釧路湿原の脇を抜け、阿寒国立公園を目指す。
観光化されたとはいえ、アイヌの伝承や文化が残っている場所だ。
それに内陸部だから津波に襲われる心配はまず、無いだろう。
結局、俺達が北海道にいる間、津波は起こらなかった。











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日々の恐怖 7月10日 兎(3)

2016-07-10 19:44:03 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月10日 兎(3)




 波を蹴立てて船は進み、おっさんが俺達に見せたかったのは、空が白み始め、360度全てに島影すら見えない大海原、しばらくすると水平線から顔を出す黄金色に輝く朝日だった。
北海道へやって来て、二十歳をとうに過ぎた男三人が、景色に目を奪われ、息を呑み、胸を詰まらせた事が幾度となくあったが、この朝日の神々しさは格別だった。
 地理的になかなか見られない御来光を拝んだ後、おっさんの用意してくれた朝飯を食った。
海苔と塩だけの握り飯にカニ味噌と身の入った味噌汁だ。
 それらを頬張りながら、俺は艫で甲板に腰を下ろして海を見ていた。
そのとき10メートル程先、波間に顔を出している白いものがいることに気が付いた。
ゴマフアザラシかと思ったが、天に向けてにょっきり伸びる一対の長い耳があった。
 そいつは前脚を出し、水面へ置いたかと思うと、そこを支点によっこらしょと胴体を海中から引き抜く。
波の上に乗って後脚二本で立ち上がり、周囲を警戒する一匹の動物らしきもの。

“ なんだろ・・・、あれ・・・・?”

 それは半透明で白い輪郭を持ち、感覚としては一対の長い耳から、白いウサギのように見えた。

“ 幻覚か・・・・?”

俺の右手から握り飯がこぼれて海へ落ちた。
 それがくるりと俺に背中を向け、波の上を走り去っていった。

“ 何だ、今のは・・・・?”

俺達は呆気に取られた。
その中で最初に我へ返ったのは、おっさんだった。
おっさんは一言、

「 ヤバイッ!!」

と言うと、慌てて船を回頭し根室の港へ向けて走らせる。
 そのおっさんのとばし方が尋常ではなかった。
まるで何かから必死で逃れようとしているかのように、操舵輪を握る顔は青ざめ引き攣っていた。

「 ウサギが立った。
大津波が来るぞ。」

アイヌの伝承にあるそうだ。
 海で、

“ ウサギ(イセポ)が立つ(テレケ)。”

は、大海嘯の前触れである。











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