大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画

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☆不条理日記

大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画

2016-12-07 19:00:51 | _HOMEページ_
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☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。



A,日々の出来事

  ☆( 日々の出来事 11月10日 ドナルド・トランプ  )

B,日々の恐怖

  ☆( 日々の恐怖 12月7日 太陽は沈まない(4) )


C,青春小説“過ぎ去った季節の中に”

   ~1,教室の見える風景~  完了
   ~2,潮騒の夏~        完了
   ~3,駅に続く公園の道~  創作中


E,奇妙小説“霧の狐道”

  ☆(霧の狐道274 改定中) 

D,奇妙小説“しづめばこ”

  ☆(  しづめばこ 12月3日 P463 ) 

F,奇妙な恐怖小説群“四枚の写真”

  ☆(  四枚の写真 5月2日 P50 完了 ) 

G,ghanayama 童話


H,美術絵画


I,Photo Lounge





      ☆帰ってきました。また、ぼちぼち始めます。

                      by 大峰正楓



      


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日々の恐怖 12月7日 太陽は沈まない(4)

2016-12-07 19:00:06 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月7日 太陽は沈まない(4)




2つ目。
 夢の世界で鳥に噛まれた傷は現実にもあった。
私は夢の世界を臨死世界だと最初は考えていたのだが、だったら体に出た噛み傷はなんだったんだ、と今でも思う。
 精神的に受けたと勘違いすると体には傷が浮かぶことがあると聞いたことがあるが、それだろうか。
ちなみに、倒れた時には全く外傷は無かったそうだ。
全身を鳥に噛まれていたらどうなったんだろうと思うと、今でもゾッとする。

3つ目。
 実は私が気を失っている間に一人、クラスメイトが自殺していた。
Kという男子で私とは殆ど関わりの無いいわゆる不良だった。
周りの評判もあまり良くなかった。
 どう評判が悪かったかは割愛するが彼の寄せ書きには、“太陽は沈まない”という記述があった。
彼が図書館で本を読んでいるところを見たことが無かったので驚いた。
 後日、読む気は無かったが学校の図書館でもう一度本を探してみた。
本は無くなっていた。
 その後、Kと仲の良かったSに話を聞くと、Kは私が気絶する前に読んでいた本を読んで見たかったようだ。
Sは止めたがKは聞かず、図書委員から聞き出して本を借りて行ったそうだ。
 だが、読んだ時点では何も起きず、何故か燃やしてしまったそうだ。
その後、徐々にKはおかしくなって行き、最終的には自殺したそうだ。
寄せ書きは、おかしくなる寸前に書いたものだった。

 その後は何も起きることなく、普通に大学を卒業して今は普通に仕事をしている。
読書は今でも大好きだ。
ただ一つ、作者不明の作品は読まなくなった。












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日々の恐怖 12月6日 太陽は沈まない(3)

2016-12-06 18:36:21 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月6日 太陽は沈まない(3)




 それと同時に、釣り人がバケツに入れていた魚を鳥に向かって投げた。
魚に群がる鳥。
 釣り人は、方角を指差すと、

「 急げ!」

と叫んだ。
その方向に全力で駆け抜けた。
 途中一度だけ振り返ると、太陽が近づいて来ていた。
釣り人や鳥、景色も蒸発していった。

 そこで私は目を覚ました。
気付いたら病院のベッドの上だった。
近くにいた看護師さんに話しかけるとすぐに医者を呼んでくれた。
 話によると私は本を読みながら突然倒れ、一週間ほど病院で寝ていたそうだ。
枕元にはクラスメイトが製作してくれた寄せ書きがあった。
 間も無く両親が到着して、二人とも号泣してしまい、宥めるのが大変だった。
その後、精密検査等を受けつつ療養し、二週間ほどで退院した。

 退院した後、気付いたことが3つある。

1つ目。
 夢の世界で助けてくれた釣り人は私が小さい頃に亡くなった叔父だった。
叔父と言っても遠くに住んでおり二度三度しか会ったことが無いそうだ。
昔のアルバムに一緒に写っている写真があった。
それからは毎年必ず墓参りに向かい、墓前で近況報告を欠かさず行っている。











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日々の恐怖 12月5日 太陽は沈まない(2)

2016-12-05 11:04:52 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月5日 太陽は沈まない(2)




 気味が悪かったのと、何か嫌な感じがしたので本を戻そうか迷ったが、気にはなったので本を読み進めた。
 流石に破いて並べる訳にはいかないので、数字の順に対応したページを行ったり来たりしながら読んで行くと、レモンの絵が表紙であり、次のページから出てくる太陽が徐々に姿を変えて、月を溶かし人間を溶かして、最後は太陽が人間の形になるという構図が完成した。
 “完成したところで”、だと思う。
遠くから何か叫ぶような声が聞こえて来て、同時に周りにいた人達が私をジロジロ見ている気がした。
目つきはなんだかギラギラしている。
 それで、居心地が悪くなって私は図書館を後にした。
外に出ると、普段は全くそんな事は感じないのだが、そのときは何だか空気が濁っている感じがした。

“ 気にしすぎだ・・・・。”

と思い、家までの帰路につくと、いつもと同じ道を通っているのに見たこともないような景色が広がっていた。
 そこを無意識に進む。
何故か不安感は無かったことを覚えている。
 しばらく進むと、見たこともないような防波堤で数人の釣り人が釣りをしていた。
海は墨汁のように真っ黒、空は赤に近いピンク色だった。
変な形の魚が釣り人のバケツの中を暴れまわっている。
釣り人は近付いた私に一瞬驚いたようだが、一瞥をくれるとすぐに釣りに戻った。
 離れようとした時ボソッと声が聞こえた、

「 喰われるぞ。」
「 え?」

そう言ったのも束の間、私はカラスのような鳥に手を突つかれた。











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日々の恐怖 12月4日 太陽は沈まない(1)

2016-12-04 19:11:46 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月4日 太陽は沈まない(1)




 もう十数年も前の話だが、思い出すことがある。
当時の私は友達のいないぼっち女子中学生で、放課後や昼休みは学校の図書館で専ら読書に勤しんでいた。
 小さい図書館だったために、一年くらい通うと興味のあった分野の本はおおかた読み尽くしてしまい、次はどの分野の本を読もうかと思案していると、一冊の本が目に入った。
タイトルは“太陽は沈まない”という本だった。
 今でも忘れない、図書館の一番奥の本棚の一番下の段に置いてあった。
本というよりは小冊子といった方が近いかもしれない。
 表紙は太陽に月が溶かされ、下にある人間界と人間も溶かされているような絵だった。
表紙を見たとき、何か不気味な感じはしたが、学校の図書館だしそれほど変なものではないだろうと思った。
 そして、内容もまた奇妙だった。
あるページには押し花がされていたり、あるページには文章で“太陽は沈まない、太陽が沈まないと隠れることができない。”と書いてあったり、またあるページからは変な絵が延々と書かれていた。
 どのページの絵にも太陽は書かれていたが、一ページだけレモンがテーブルに乗っかっているだけの絵があった。
そのテーブルには“ようこそ”と書いてあった。

“ おかしいな・・・?”

と思いながらも、脈絡が無いままののページを捲っていて気が付いた。
 各々のページの数字がバラバラで綴じられている。
つまり、その本はページ数がバラバラだった。
そしてレモンの絵は、本の真ん中にあったのにも関わらず1ページ目だった。












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しづめばこ 12月3日 P463

2016-12-03 19:40:17 | E,しづめばこ



 しづめばこ 12月3日 P463  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 12月2日 チエ(5)

2016-12-02 21:23:46 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月2日 チエ(5)




 そしたら不意に、声が聞こえたんだ。

「 チエ、こんなとこにおったんけ。」

婆さんが登ってきたか、と思って、そこで俺は跳ね起きた。
 でも、そこには何もなかった。
チエも、婆さんもいなかった。
怖くて、そのまま寝ることにした。
気のせいだったと思うことにして。
 チエと婆さんは、婆さんの自室で死んでいた。
翌日の朝、俺が見つけた。
死因は窒息。
 婆さんの喉にはチエの髪の毛と千切れた服、目玉が入ってて、婆さんの口の中には、チエの頭部が入ってた。
そりゃ、飲み込めねえよ。
 明るい部屋ん中、陽が沢山差し込む中、婆さんがそんな感じに死んでるわけよ。
幸せそうな顔じゃなくてさ、いかにも苦しみましたってさ、目を血走らせて、失禁して、片手にチエの胴体を強く握って。
 婆さんの葬式は簡易的なものだった。
火葬だった。
チエも一緒に燃やした。
墓に収める時に、墓に歴代の先祖の名前あるじゃん。
そこには既にチエ(本物の叔母)って書いてあって、変な感じがした。
 それで、これは葬式にきた親戚の話だ。
叔母さんのチエさんの死因って実は原因不明じゃなかったんだ。
うちの婆さんが首を閉めて殺したらしい。
理由は知らん。
 そういや父方の親戚付き合いがないなって思ったら、婆さんは絶縁されたらしい。
何で逮捕されなかったのか聞いたら、誤魔化された。
もみ消したんだろうな。
 婆さんが死んで、今年で四回忌だ。
俺は高校に行ってない、何もしてない。
婆さんが死んでから、ずっとやる気が出ない。
いっそこのまま死にたいとすら思うよ、疲れた。
 今まで起きたこと、全部チエ叔母さんの呪いなら、この俺の状態もそうなのかもな。
俺の一族を滅亡させるつもりなのかも知れないなって思うと、ちょっと笑えるよな。











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日々の恐怖 12月1日 チエ(4)

2016-12-01 19:21:53 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月1日 チエ(4)




 別居している母親に相談しても、あんな人知らないの一点張りだった。
父親に話して、病院にって言っても、仕事が忙しいから連れていけない、お前が面倒みろ、と言われた。
 そればっかりだった。
その時、俺まだ中学生だった。
でもな、妹が死んでから、うちの家族、おかしくなっちゃったんだ。
御神酒やってなかった俺のせいだと思うと、やらざるをえなかった。
中学はもう、不登校になってた。
 チエは婆さんの手によってぼろぼろだった。
髪は引き抜かれ、服は脱がされ、切り刻まれ、汚い話だが排泄物を塗りたくられたりもした。
流石に可哀想だって思って取り上げても、翌日にはちゃんと婆さんが持ってる。
 色んなとこに隠したんだ。
トイレの棚、両親の寝室、あとは下駄箱とか。
 しかし、夜中に、

「 ちえぇ、ちえぇ・・・。」

って徘徊して見つける。
そして、またチエをボロボロにする。
見兼ねて、仕方ないから俺の部屋に置いとくことにした。
 夜中というか3時過ぎか、婆さんがチエを探す声で目が覚めた。

“ 俺の部屋、二階だし、まあ登って来れはしないし、呆けてから上がってきたことないし・・・。”

と安心しながら、チエを閉まったクローゼットを見ると扉が空いていた。
 確かに閉めた。
だって目につくとこに置いてたら、気持ち悪いだろ。
夜中見なくて済むようにって、クローゼットにいれたんだ。
ビニールまでかけて。
 でも、そのビニールはそこらへんに落ちてんだ。

“ ヤバイって、でもチエが・・・。”

もうパニックに陥った。
 布団の中で滝は汗だらけ、

“ 寝たフリするか、起きて確認するか・・・。”

とにかく怖かったんだ。
 そしたら、

“ キィ・・・・・。”

と、物音が聞こえた。
ドアを開ける音だ。
 位置的には、ドアでベッドでクローゼットだった。
俺はベッドで布団を被り、ドアを背にクローゼットの方に向いて寝ていた。
そのとき俺は、怖くてドアの方を見ることができなかった。










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しづめばこ 11月30日 P462

2016-11-30 18:15:37 | E,しづめばこ



 しづめばこ 11月30日 P462  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 11月29日 チエ(3)

2016-11-29 20:25:45 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月29日 チエ(3)




 死因は原因不明の高熱だった。
突然ガーッて熱が上がって、入院して、それっきり。
 俺はもしかしたら、俺が御神酒サボってるせいじゃないかって思った。
でも親にも婆さんにも言えなかった。
罪悪感とか、そんなん。
妹が死んだのは俺のせいだって思った。
 でも、母親は、妹が死んだのはチエのせいだって言い始めた。
話を聞くと、妹は今際の際に、

「 ちえちゃーん。」

と泣いたらしい。
 ちえちゃーんなんて友達は妹にいなかったし、思い当たる事があれば、あの怪しげな人形だ。
 俺が過去騒いだせいかも知れないけど、母親も過敏になって、

「 人形を捨てる!」

と言い出して、妹の葬儀中に大喧嘩した。
 この一件から、うちの両親は不仲になって、母親は実家へ帰った。
親父は黙々と仕事をして、婆さんはチエを抱きながら毎晩泣いた。
親父仕事から帰って来ないし、婆さんは泣いてばかりだし、この辺りから、俺が家事をするようになった。
 次に婆さんの呆けが始まった。
今思えば当然だ。
飯を食うか、部屋に篭って人形抱きながらぼーっとして、泣いて、泣き疲れたら寝てた。

「 ご飯だよ。」

って呼びに行ったら、何か食ってんの。

「 何食ってんの?」

って聞いたら、

「 ご飯。」

って言う。

“ はあ・・・?”

と思いながら、婆さんの顔見たら、金色の糸が口から出てんだよ。
そんで、手元には半分剥げたチエ。
俺はこの時が一番怖かったとおもう。
急いで婆さんから吐き出させた。










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日々の恐怖 11月28日 チエ(2)

2016-11-28 19:28:42 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月28日 チエ(2)




 休みの日だったか、まだ明るい時で仏間もいやに明るかった。
昨晩、下げ忘れた御神酒を下げに仏間に入ると、チエが定位置にいない。
 チエは、いつも置いてある棚から畳へ落ちていた。
そして、手首が外れていた。
正直、俺に何かするために這い出して動かしたのかと思った。
 びびって走って家族のいる居間にいると、婆さんがいて、怒られるかもとは思ったが、本気で怖かったので婆さんに報告した。
 俺の尋常じゃない様子に婆さんも心配になったのか、一緒に居間にきてくれた。
そしたらチエは、今度はちゃんと定位置にいた。
手首もついている。
 俺が嘘を吐いた感じになってしまったが、弁明している時に親父がきて、

「 あ、悪い。
それ俺が落とした。
トイレ行ってから直したんだよ。」

“ 犯人親父かよ!”

勘違いして半泣きになっている俺を親父が爆笑して、婆さんも今度は俺を慰めて、事なきを得た。
 でも、その晩、婆さんが寝たあと、親父が俺の部屋にきた。

「 昼間のあの人形な、戻したのは俺だ。
だけど、落としてはいない。
お前、本当に嘘は吐いていないか?」

 親父の話によると、俺が大きな音を立てながら仏間を出てくるのを見て、どうしたのかと仏間を覗いたらチエが落ちてたのを発見した。
見つかるとまずいから、そっと直したという話だった。
 ただ、おかしかったのは、手首なんて取れてないと親父が言ったことだ。
どうやって落ちて、どうやって手首がくっついたのか。
 それで、俺は怖くなって、御神酒上げる係をサボるようになった。
御神酒持って出て、客間で2.3分待って、それから居間へ戻る。
多分、半年くらい御神酒を上げてなかった。
その頃、妹が死んだ。
小学校に入って間も無くだった。











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日々の恐怖 11月27日 チエ(1)

2016-11-27 19:16:57 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月27日 チエ(1)




 俺の父親には妹がいたらしい。
俺にとっては叔母にあたるが、叔母は生まれて数ヶ月で突然死んだ。
原因不明。
 待望の娘が死んでしまい、婆さんは大層落ち込んでいた。
見兼ねた爺さんが婆さんにフランス人形を買い与えると、婆さんはそのフランス人形に叔母と同じ名前のチエと名付けて可愛がった。
毎日撫で、傍に置き、綺麗にしてやり、共に寝たそうだ。
 それが変わったのが、俺の妹が生まれてからだった。
女が生まれて、婆さんは凄く喜んでいた。
 両親共働きだったし、代わりに婆さんが妹を大層可愛がって育てた。
俺も可愛がられたけど。
 それで、今まで大切にされていたチエの定位置は、婆さんの枕元でなく仏間になった。
誰もいない仏壇だけがある仏間だ。
 俺はよく先祖へ挨拶しろと、夕飯前に御神酒を上げにそこへ行かされていた。
暗くてくそ寒い、不気味な部屋だった。
 小学校高学年の時、いつも通り御神酒を上げに仏間に入り、仏壇に手を合わせた。
その時、誰かが後ろに立っているような気がした。
 振り返ると何でもない、いつも通りピンクのドレスのチエがいるだけだ。
それがその時は妙に怖かったのと、多感な時期だったのもあって思わず、

「 なんだよ、文句あるのかよ、かかってこいよ!」

と、チエを挑発した。
馬鹿だな。
 居間に戻って家族に、

「 チエに睨まれた!」

と報告すると婆さんが激怒した。
後にも先にも婆さんがあんなに怒った事はない。
 怒る婆さんに合わせるように父親も激怒、ゲンコツをくらった。
俺涙目。
 その時は謝って、それで終わり。
問題が起きたのは、数日後だった。










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しづめばこ 11月26日 P461

2016-11-26 23:03:02 | E,しづめばこ



 しづめばこ 11月26日 P461  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 11月17日 駅への道

2016-11-17 19:45:28 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月17日 駅への道




 東京に住んでいた時の話です。
我が家の最寄り駅の一つ前の駅が、終電の際の終着駅でした。
 ある日、平日ダイヤと休日ダイヤをうっかり見間違え、自分の最寄り駅へ行く電車がなくなってしまいました。
仕方がないので初めて一駅歩くことになってしまいました。
 時間は深夜1時頃です。

“ 怖いな・・・・。”

と思っていたのですが、私の他にも同じ境遇の人が数人いたらしく、同じ方向に歩く人がぱらぱらいたため、そんな気持ちも無くなりました。
 段々分かれ道に差し掛かるにつれ、一人減り、二人減り、とうとう私と、少し先を歩く女の人だけになりました。
OLっぽい人でした。
 女の人とは、常にある一定の距離が保たれていたのですが、最寄り駅が見えてきたという時になって、徐々にその距離が縮まってきました。
 そして、とうとう追い越しそうになったとき、

“ この女の人が前を歩いてくれていたから、夜道も怖くなかった。
本当に心強かった。
どんな人だろう・・・・?
顔が見てみたいな・・・・。”

と思い、すれ違い様後ろを振り返った瞬間、

“ えっ・・・?”

一瞬で女の人の姿が消えてしまいました。
脇道も家もない一本道で、姿が隠せそうな場所はどこにもないのです。

“ あ、幽霊だったのかな・・・・”

とぼんやり思いつつ、駅にたどり着くまで先導してくれたことに感謝しました。










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日々の恐怖 11月16日 記憶

2016-11-16 18:35:33 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月16日 記憶




 生まれて来てから今までで、一番古い記憶って、いつ頃のものだろうか。
俺の場合は幼稚園の入園試験だった。
前後の記憶は大概おぼろげなんだけど、この時の出来事は、それこそ昨日の事のように覚えてる。
いや、正確には覚えている気になっていたと言うべきだろうか。
 俺が入園試験を受けたところというのは、カトリック系の幼稚園だった。
別に生家が宗教をやっていたわけではなく、単純に近いという理由でその幼稚園が選ばれたそうだ。
 試験の会場は、幼稚園と道路を挟んだ向かい側にある小さな教会だった。
もちろん教会までは親と一緒に行ったんだけれど、子供だけで一人ずつ別室に通されて、神父と面談を兼ねた簡単な試験をするという内容だった。
 最初は、

「 お名前はなんていうの?」
「 好きな食べ物は?」

とか当たり障りのない内容だったんだけど、少ししたら大きめの画用紙を取り出して、

「 これは何色ですか?」

って質問が始まった。
 その画用紙は全面が単色で塗られていて、なんてことはない、考えるまでもない質問だと思った。
赤の画用紙が出てはその通り答え、緑の画用紙が出てはその通り答え、と特に問題はなかったんだけど、それがいつまで経っても終わらない。
 さすがに出てきた順番までは覚えてないものの、色は赤、緑、紫、白、黒の5種類だった。
この5色をひたすら答えさせられた。
 その5色の出し方も不思議で、最初のうちは満遍なくランダムで出されていたものの、回を重ねるたびに黒の出現頻度が上がっていった。
30回目くらいに達した時には、もう黒しか出なくなっていた。

「 この色は何かな?」
「 これは何色?」
「 この色は?」

延々と繰り返される質問に対し、俺は馬鹿正直に黒と答え続けた。
 そのうち神父は、無表情のままに徐々に声を荒立て始めて、

「 これは本当に黒!?」
「 黒に見えるのか!?」
「 黒かどうか、もっとよく見ろよ!!」

と、気づけばもう質問の体裁を保っていない状態になっていた。
 目の前の神父は相変わらず無表情で、口もそんなに大きく開けているようには見えないのに、声はどんどん大きく、また口調も汚くなって行く。
 明らかな大声なのに誰も助けに来てくれない。
一緒に来ている母親も、部屋の外で待っているはずなのに来てくれない。
その状況に耐え兼ねて、俺はついに泣き出してしまった。
ここで俺の記憶は途切れる。
 後に母親にこの時の事を尋ねたのだが、聞かされた話は全く異なっていた。
簡単な入園試験があったのは事実だが、会場は教会ではなく幼稚園の一室で、母親も同席していたという。
 考えてみれば2歳3歳の子供が一人で面談を受ける事は考え辛いし、客観的には母親の弁が正しいのだろう。
でも、俺ははっきりとその時の事を思い出せるし、今でもたまに夢に見る。
この記憶、いったいどこから来たのだろうか?













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