大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画

2016-05-27 20:13:55 | _HOMEページ_
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☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。



A,日々の出来事

  ☆( 日々の出来事 8月22日 消えたモナ・リザ )

B,日々の恐怖

  ☆( 日々の恐怖 5月27日 葉っぱ )


C,青春小説“過ぎ去った季節の中に”

   〜1,教室の見える風景〜  完了
   〜2,潮騒の夏〜        完了
   〜3,駅に続く公園の道〜  創作中


E,奇妙小説“霧の狐道”

  ☆(霧の狐道274 改定中) 

D,奇妙小説“しづめばこ”

  ☆(  しづめばこ 5月24日 P433 ) 

F,奇妙な恐怖小説群“四枚の写真”

  ☆(  四枚の写真 5月2日 P50 完了 ) 

G,ghanayama 童話


H,美術絵画


I,Photo Lounge





☆帰ってきました。また、ぼちぼち始めます。
                      by 大峰正楓


      


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日々の恐怖 5月27日 葉っぱ

2016-05-27 20:13:29 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月27日 葉っぱ



 自分の住んでるアパートの2軒隣の家の子供(3〜7歳の3人)とばあさんが、閉め出されて玄関前で長時間待っているので、その家の人が帰ってくるまでウチに入れてやった、ということが数週間前にあったのだが、昨夜そのばあさんがあらためてお礼に来た。
 それで、

「 お世話になったのに、何も差し上げる物がないのですが・・・。」

と、鞄から何か出そうとしていたので、

「 いえいえ、おかまいなく。」

と断ろうとしたら、出した物は数枚の葉っぱだった。
特にキレイとかでは無く、虫食ったりしてる普通の落ち葉。

「 これ、柿の葉なんです。」

と手渡された。
葉っぱなら断る理由が無いのでもらったんですが・・。

「 桜の葉っぱもあったんだけど、持って来るの忘れたみたい。
今度ポストに入れときますね。」

と言って帰って行った。
 ポストに桜の枯れ葉を入れられるらしい。
お礼に来たのはうれしいが、葉っぱはいらないです。










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日々の恐怖 5月26日 痛いよう

2016-05-26 18:33:47 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月26日 痛いよう



 小6の夏休みに、同い年の従姉妹の家に遊びに行ったときの話です。
その従姉妹の家からチャリで20分くらいのところに遊園地があって、叔父さんに連れてけってせがんだら、もう小6だし安心だろってことで、お金くれて子供二人だけでその遊園地に行かせてくれた。
 ジェットコースターとか、宇宙船みたいのがぐるぐる回るのとか一通り遊んだあと、従姉妹が、

「 お化け屋敷入りたい。」

って言った。
 小さい頃から怖いのが苦手で、正直乗り気じゃなかったんだけど、怖がってるとか彼女に思われるのが嫌で、意を決して中に入った。
 それで、こういう遊園地のお化け屋敷って、バイトの人がお化けの格好して客を驚かす。
そこもそうだったんだけど、井戸からお岩さんが出てくるのとか、白いシーツみたいの被ったヤツとかしかいない。

“ なんだ、たいしたことねーなー。”

とか思って内心ほっとしてたところで、

「 痛いよう 痛いよう・・・。」

って呻き声が聞こえてきた。
 痛いようって声は聞こえるんだけど、さっきまで結構でてきたお化けが全然出てこなくなって、彼女と、

「 なんか変だね?」

って言ってたら、急に一人出てきた。
 そいつ今までのと雰囲気が違って、ひょろっとしていて頭はボサボサ、手には血のついた包丁持ってて、なんかブツブツ言ってるんだけどよく聞き取れない。
 それで、なに言ってるのかよく耳をすませてみると、

「 殺す・・・、殺す・・・・。」

って言ってる。
 俺は嫌な予感がして、従姉妹の手を握ってそいつからなるべく距離を取るようにして、出口にむかって走った。
出口まで結構距離はあったんだけど、そこからお化けは一人もでなかった。
 外に出てみると、お化け屋敷に入る時は閑散としていたのに全然様子が違う。
建物を取り巻くようにして大勢の人がこっちを見ていて、警察がいて、野次馬に建物から離れるよう指示だしてた。
 何があったのか警察の人に尋ねたら、近所の病院から脱走した患者がここのお化け屋敷の建物に逃げ込んで、中にいた遊園地の職員が刺されていた。
 逃げた患者っていうのは中で会ったヤツで、

「 痛いよう。」

って声は刺された職員のだった。
 結局犯人は捕まったんだけど、刺された人はそのまま出血多量で死んでしまったらしい。
あのとき聴いた痛いようって呻き声は、今でも耳から離れない。











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日々の恐怖 5月25日 病院の当直

2016-05-25 18:44:27 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月25日 病院の当直



 某県で医者をやってるけど、若手の頃に行かされてたとある精神病院の当直が非常に怖かった。
病院の構造をまず説明させてもらうと、全体にL字型の本館、Lの長辺の先端に新館が増設されている状態だった。
 当直室は、Lの角から外側に向かって事務区画となっておりその2階にあった。
本館・事務棟はおんぼろで、夜間は両建物共に照明が完全に落ちているので(ナースステーションという名の一部屋のみ除く)、夜間に呼び出された時はとても怖かった。
 ある日のこと、新館の患者のことで深夜2時に呼び出された。
新館に行くためには上述のごとく真っ暗な本館を通らなければならない。
暗闇も怖いが、医者になりたての自分は正直精神病患者も怖かった。
 実際は、意外に思われるかもしれないが、隔離室に入るような患者でなければ別に暴れたりということもない。
でも、ドアの鍵を開ける際はいつも傍に患者がいないか気を付けていた。
 この日もこんな時間だし皆寝ているだろうと思いつつ、しっかりと建物のL字短辺・長辺に誰もいないことを確認してから、事務棟から本館へ入る。
新館への道すがら病室の扉が並んでいるが、昔ながらの学校の木製の引き戸を想像してもらえば話が早い。
 怖いのでかなり早足で歩くが、明るい新館までは遠い。
そして、歩くうちに自分以外の足音が混ざっているのに気付いた。
自分が止まると一歩遅れてその足音も止まる。
後にも先にも全身が総毛立ったのはあの時だけだ。
 にもかかわらず、頭のなかではやけに冷静だった。
早足から小走りに変えて進んだが、足音はまた現れた、どころか近くなっている。
 数m進み、恐怖のあまり止まってしまった。
振り返るか振り返らないか、究極の選択だ。
 そうだ、患者かもしれないじゃないか、と無理矢理自分を納得させて、恐る恐る振り返るも誰もいない。
パニックになり、とにかく明かりを求めて新館へと走り出そうとした瞬間、白衣が引っ張られたのを感じた。
 正確には、掴まれている状態で走り出そうとしたせいでそう感じたのだろう。
たっぷり10秒は悩んだように感じたが、実際はもっと短かったかもしれない。
先程以上に恐る恐る振り向くと、視界の隅に違和感を覚える。
 反対側から振り向くと、130-140cm位の凄く小柄なお婆さんが立っていた。
やっぱり患者さんだったんだと安心して、部屋に戻って寝るように言い新館に向かったが、よくよく考えてみると、180cm弱の自分が、前後に誰もいないことを確認して早歩きで歩き出しているのに、そんなに小柄なお婆さんはどこから現れて、自分のすぐ後ろに追いついたのかが疑問に思えてきた。
 患者はすべてスリッパを着用しており、歩くと足音がかなり大きく聞こえる。
まして深夜で他の音がなければ余計そうだ。
そして部屋から出てきたにしても、木製の引き戸は音がする。
あの状況でそれに気付かなかったはずはない。
 その日はもう一度本館を通って事務棟へ戻る気になれなかったので、新館で夜を明かしたけれど、自分の中ではこれからも当直に来なきゃいけない病院だったので、無理矢理患者だったと思い込むことにした。










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しづめばこ 5月24日 P433

2016-05-24 18:44:55 | E,しづめばこ


しづめばこ 5月24日 P433  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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日々の恐怖 5月23日 付属病院

2016-05-23 19:47:37 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月23日 付属病院



 私は今看護学校に通っていて、学校と付属の病院が2階の渡り廊下で繋がっているのですが、この前、ふと渡り廊下の天井を見上げたら、渡り廊下の端と端に2枚ずつ計4枚と、廊下の真ん中にお札が張ってありました。
 校長先生がちょうど廊下にいたので、お札のことを聞いてみたら、今の場所に病院と学校が移転した時に、病院の職員の死が続いたそうで、しかも、小児白血病の専門の先生なら白血病、整形外科の先生なら交通事故、呼吸器の先生は肺癌など、自分の扱う専門分野に関連して亡くなっていったそうです。
 他にも、怪我や事故、病気など不幸が絶えなかったので、15年間毎年、病院や学校の様々な場所にお札を張りかえているそうです。
 私立の病院なら、誰か偉い人がオカルト好きでお札を使用しているのかなと思いますが、私の学校と付属の病院は市の運営なので、市の決定で公式にお札を使用していると考えると、相次いだ職員の死がいかに不可解なものだったのか伝わってきます。









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しづめばこ 5月22日 P432

2016-05-22 22:11:02 | E,しづめばこ


しづめばこ 5月22日 P432  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 5月21日 見せられた風景

2016-05-21 19:57:41 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月21日 見せられた風景



 家族には怖すぎて内緒にしてる話です。
12年前、親父が胃潰瘍で入院した。
4人部屋で、親父、親父と同年代のオジサン、20代のやや知的障害持ち、一つのベッドは空きだった。
 20代のやや知的障害持ちは、よく絵を描いて傍にいる人に見せて歩いていた。
見せられた人は、まるで幼稚園児を誉めるようにしてやらないと不機嫌になるらしかったが、その他は取りたてて他人に迷惑は掛けない様子だった。
 ある日も絵を描いて親父に見せに来た。
病院らしき建物の外観を描いた絵だった。
本当に幼稚園レベルの絵だが、親父はにこやかに誉めてみせた。
 少し時間があって今度描いた絵は、親父と同年代のオジサンに見せに行った。
俺はその絵をチラ見して凍りついてしまった。
“○○家のはか”と、拙い字でオジサンの名字が書かれた墓参の様子を描いた絵だった。
オジサンは温厚な人ではあったが、さすがにあからさまに不機嫌な表情でソッポ向いた。
 それから10日くらい経ってオジサンは亡くなった。
元気そうに見えたが癌だったそうだ。
親父は程なく退院して健在だが、今でも家族には何故かこの絵のことは言えないでいる。











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日々の恐怖 5月20日 搬入用エレベーター

2016-05-20 18:02:44 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月20日 搬入用エレベーター



 昔、会社で夜12時過ぎまで残業してて、腹が減ったから近くのコンビニに夜食を買いに行こうとした。
コンビニに行くには、物品搬入用の大きめのエレベーターで下へ降りて、裏口から出た方が近いから、それに乗って5階から1階へ出た。
 それで、コンビニから帰って同じエレベーターに近づくと、1階のランプがついてたから、ラッキーと思って早足に近づいて5階のボタン押したらドアが開いた。
 人がいた。
エレベータのど真ん中に立ってた。
こっち見てて目が合った。
 あまりにも無表情だったから一瞬ビクッとなってしまった。
40代くらいの男で、名前は知らないけど、顔は見たことある気がしたから、

「 どうも・・・。」

と軽く会釈してエレベーターに乗り込んだ。
 搬入用エレベーターがゆっくり5階へ上がって行くうちに、妙な違和感を覚えて、それが何かに気づいた。

“ 1階で止まってるエレベーターが開いた時に、中に人がいるはずはない。
この男は、12時過ぎの搬入用エレベーターの中で1人で立っていたか、もしくは誰かが来るのを待っていたんじゃないか?”

 背中に嫌な汗をかき始めたころに5階に着いたんで、そそくさとエレベーターを出た。
振り向かなかったけど、足音が聞こえるかどうかに全神経を集中した。
だけど、足音は聞こえなかった。
 会社にはもう誰もいなかった。
気持ち悪いので仕事を早めに切り上げて、1時半ごろに帰ろうとしたけど、ふと興味が沸いて、帰る前にもう1度、裏口の搬入用エレベーターを見に行った。
1階のランプがついてたから、乗るのはやめて普通の玄関側エレベーターに乗った。
まぁ、5階のランプがついてても、やっぱり乗れなかっただろうね。












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しづめばこ 5月18日 §29 幻影 P431

2016-05-18 19:16:42 | E,しづめばこ


しづめばこ 5月18日 §29 幻影 P431  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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日々の恐怖 5月17日 日記

2016-05-17 18:50:32 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月17日 日記



 小学生の時、両親の離婚で引越ししてった幼なじみの女の子と交換日記していた。
でも途中から女の子が友達にも日記を書かせたりするようになってきて、俺はそれがいい気分がしなくてだんだん返すのが遅くなってった。
 ある時、その子がめちゃくちゃ長文で書いてきて、嫌になってきてた俺は、気が向いたらまた読もうってほったらかしにしていた。
あんまり日が経ってしまったら、今度は今更返すのもバツが悪くなってしまって、ずっと置いてあった。
 でもある日やっぱり悪いなと思って読もうとしたら、ノートがない。
部屋中どこを探しても見つからない。
 母親に聞いたら、その子がノート返してほしいって家に来たから返しておいたって言った。
それで、そんなの聞いてないってケンカになった。
それからその子からノートが送られてくることはなかった。
 しばらくして、中学に上がる頃くらいにその子が事故で亡くなったと聞いた。
本当に事故なのかどうかは分からない。
 その時母ちゃんに聞かされたのは、ノートを家に取りにきたすぐ後くらいにその子が入院したことだった。
そのきっかけが、母ちゃんがその子の様子がおかしいって学校に連絡したからだった。
 なんでも家に来たその子は、別人みたいな大人みたいな話し方で、

「 本人が交換日記をどうしても読みたがるから返して下さい。」

と、本人にも係わらずまるで他人事のように言ったらしい。
 日記のことも知ってた母ちゃんは部屋から日記を探して渡したんだけど、気味が悪くなって学校に連絡した。
 俺はあの時最後の日記に何が書いてあったのか、なぜ読んであげなかったのかとても自分を責めたけど、うちの親はもっと身近にいた人達も分からなかったんだから、まして子供だったお前が自分を責める必要はない、って言ってくれた。
でもやっぱり心は今でも晴れない。
 もう何年も前だけど、その子が亡くなってから3年〜4年経ったある日、突然その子の父親が家に俺を訪ねて来た。
しかし、俺は留守にしていて会えなかった。
 その子は母親に引き取られてたんだけど、父親はお葬式には来てなかった。
父親が言うには俺がその子と転校してからも仲良くしてくれてたと聞いて、一言どうしてもお礼を言いたくて訪ねてきたらしかった。
恥ずかしながら亡くなったことも最近まで知らなかったと、とても寂しそうな表情で俺に会えなかったことを残念そうにして、とても感謝してると伝えて下さいと言ってたそうだ。
 でもなんか怖いんだよ。
その子の父親は本当に俺にお礼を言いたくて会いに来たのかなって。
 本当は俺を恨んでるんじゃないのか。
最後の日記に何が書いてあったのか。
その子は俺に何が言いたかったのかな。
 母親の方は俺でも分かるほど人間性の欠けた人だったからあれだけど、父親は別だったような気がする。
 父親はそのときまで死んだことも知らされていなかった。
日記も見たのかもな。
分からないけど無性に不安になる。
今でも時々、夜後ろから人が走ってきたりすると怖くて仕方ない時がある。










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日々の恐怖 5月16日 床下(3)

2016-05-16 21:15:45 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月16日 床下(3)



 私達はまた作業に戻ったのですが、奥さんは誰かと電話で話をしているらしく、部屋から時折、

「 私だって分からないわよ!」

とか荒げた声が聴こえて来ました。
 予定内の作業も無事終え、そろそろ終業しようとしていると、今度はご主人が帰宅されました。
ご主人は私達に会釈程度の挨拶をし、そのまま先程奥さんが入って行った部屋に慌てた様子で入って行きました。
 今度はご主人の荒げた声が響いてきました。
細かい内容は勿論聴こえては来ませんが、

「 なんで、なんで!」

とご主人の荒げた声と、奥さんのすすり泣く声がこちらまで聴こえて来ます。
 職人さんと顔を見合わせ、どうしたものかと成り行きを案じていると、ご主人が部屋から出て来られました。
急用が出来て家を留守にするので工事を3、4日ずらして欲しい、との相談でした。
 こちらでの改修工事後に別現場の改装工事があったので、営業から連絡をさせ、再開については再度打合せをお願いしました。
そして、この日を最後に再びこのお宅に伺う事はありませんでした。
お客様との連絡が取れず、ご近隣の方に事情を説明したところ、どうやら行方不明だそうでした。
 月日は流れ、あの時、何故、あの夫婦が怯えていたのか、私には分かります。
結論から申し上げると、あの時の人形は、今、色々な経緯を経て私の手元にあります。
 ここ数年、色々なことが起こり過ぎて、私もさすがに負けそうです。
明日、イチかバチか川に流そうと思います。
それでは、体調が良い時にまたお話をさせていただきます。

その後、連絡は途絶えたままとなっています。











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日々の恐怖 5月15日 床下(2)

2016-05-15 18:08:30 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月15日 床下(2)



 職人さんが何かに気が付いて、私ももう一度床下の擦り跡を見ると、擦った跡は一筆書きの様に一筋に連なっているようでした。
そして、その一端は先程拾い上げた人形の置いてあったところで止まっていました。
 私は、きっと前に施工に入った(もしくは建築当初の)業者が、床を塞ぐ前に仕掛けた悪ふざけだと思い、悪趣味なことをするものだ、と呆れていました。
取り敢えず作業を進めないとならないので、人形は出窓の上に置き、仕事を再開しました。
 結局、全て床を取り除いて躯体の隙間を探したが見付からず、一部防音材が入って無かった事が原因による、躯体とフローリングの間に出来た空間が他部屋の音を反響させたのではないかと結論付けました。
 夕方になり、家主の奥さんがパートから戻り、作業をしている私達の部屋に挨拶に来ました。
しかし、部屋の入り口に来るなり、そこの前で立ち止まりました。
どうやら出窓に置いてある人形を見て、硬直したように立ち竦んでいるようでした。
この時私は、部屋の入り口付近で作業をしていたのですが、奥さんが、

「 なんで、ここに?」

と、か細く呟いたのを聞き逃しませんでした。
 人形は今回剥がした床下に以前から放置されていた事を説明し、残材と一緒にこちらで処分する旨を伝えたところ、人形は自分らで処置したいので譲って欲しいと言われました。
断わる理由も無いので、私は出窓から人形を取り、奥さんに渡そうとしたときでした。
私の手から人形が逃げ出しました。
 逃げ出した、と感じたのは、明らかに手のひらの中で小さな突起物の様な感触が二つ、ぐいっと中から押されるのを感じたからです。
抱き抱えた子供がイヤイヤをして両腕を突っ張ねるような感じに似ていました。
 人形はそのまま下に落ち、奥さんの足下まで転がって行きました。
突然の出来事で私も動揺しましたが、奥さんは私以上に動揺なされたみたいで、小さく悲鳴を上げてその場でへたり込んでしまいました。
驚かしてしまった事を謝罪しましたが、奥さんは無言のまま人形を持ってふらふらと他の部屋へ入られてしまいました。











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日々の恐怖 5月14日 床下(1)

2016-05-14 19:22:33 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月14日 床下(1)



 かれこれ十年ちょい前の話です。
横浜にあった内装工事屋で見習工みたいな感じの仕事をしてた時の話です。
 都内のあるマンションの洋間の改修工事の依頼が来ました。
築年数はその当時で10年前後でしょうか、割と名のある通りに面したごく普通の外観でした。
依頼された方は二年前に購入されたそうです。
 現場は一階でした。
八畳ほどの洋間の床と壁紙の張り替えが主な内容です。
 依頼を請け、現調に行った時に家主から相談を受けました。

「 床下からたまに物音が聴こえる。」

現場は一階だった事もあり、躯体の隙間から鼠等が入り込むケース(鉄筋やモルタル工では稀ですが)もあるので原因を突き止めて補修します、と対応しました。
 工期初日。
依頼主が在宅のままでの改修工事でしたので、洋間にある家具等を廊下に運び出し、私はクロス剥がし、床職人がフローリングを剥がし始めました。
 作業を始めてしばらくして職人さんから呼ばれて、半分程剥き出しになったコンクリ躯体の床下を見ました。
躯体にフローリングを直に張る施工ではなく、躯体直から少し隙間を作り、フローリングとの間に防音材や断熱材を入れる施工でした。
 しかし、窓のある側の一列の部分だけそれら床下材が入っておらず、確かに何か引き摺ったような、這いずったような跡が埃やおが屑の上に残っていました。
鼠等の小動物を想像していたのですが、残っている跡は猫ぐらいの太さのものでした。
作業報告書用の写真を撮り、残りの床材を剥がす作業の手伝いをしていた時でした。
例の一画の一番角に何かがいました。
 人形でした。
市松人形とでも呼ぶのでしょうか、オカッパの黒髪の着物を着た人形です。
埃にまみれていたせいもあると思いますが年代物のような古めかしい印象を受けました。
 人形はうつ伏せの状態で置かれており、体に毛糸のような紐でぐるぐる巻きにされていました。
拾い上げて表に反してみると、巻き付けられた紐は細長い紙に墨字で書かれたお札か護符のようなものと人形を括り着けている事が分かりました。











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日々の恐怖 5月13日 東京暮らし(7)

2016-05-13 18:52:01 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月13日 東京暮らし(7)



 10年程前、アパートが新築して1年半経った時に、若い夫婦が引っ越してきたそうだ。
ほどなくして、その夫婦に子供が生まれた。
 だが、しばらくして旦那が事故で亡くなり、奥さんが一人で育てていたんだが、育児ノイローゼか旦那の死がショックだったのかわからないが、1才にも満たない赤ん坊と共に餓死して死んだそうだ。
 社長は、

「 保険金も入ってて家賃も滞納してないのに、餓死で死ぬなんてありえないんだけどね。」

と言った。
 俺は頭にきた。

「 なんでそんないわく付きの部屋を貸すんだ、説明も無しに酷いだろうが!!」

そこで、社長は言い訳にもならないことを言った。

「 いや、2年程前に御祓いをして、それ以降現れなかったんで・・・・。」

あきれて言葉が言えなかった。
 だが、落ち着いて考えてみれば、俺は今日地元に帰るんだし二度と部屋には行かない。
あの部屋に帰るのは、あの憎い上司だけだ。

“ ざまぁみろ、呪い殺されてしまえ!”

その時は、本気でそう思った。
 俺は社長に、この事は誰にも、上司にも話さないでくれと念を押し、部屋の鍵を渡した。
そして俺は、

「 鍵がかかってないんで、オタク達でかけてください。
鍵は俺の上司に連絡して、俺から受け取ったと報告しといてください。」

と伝えて不動産屋を出ようとした。
 扉を開ける時に社長が独り言の様に呟いた。

「 でも、おかしんですよね。
出るのは3階じゃなくて4階なんですけどね。」
「 じゃあ、アパート全体に御祓いをした方がいいですよ。」

俺は、そう言い残して外へ出た。
 地元に帰った次の日、会社に出勤して課長に事の顛末を話し、10万は後日、返してもらった。
もちろん、恐怖体験は言ってない。
 そのとき、俺は確信していた。

“ アイツ、絶対、呪い殺されるぞ。”

ところが、その後の上司は、本社にやって来て俺の斜め前の席で、今も元気に仕事をしている。
 俺はアイツを見る。
アイツはニヤッと笑った。












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