大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月19日 オカン(2)

2017-02-19 19:59:22 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 2月19日 オカン(2)




 それは、オカンが肉屋の配達で遅くまで帰らなかった12月25日の深夜に起こった。
その日俺はオカンの帰りが遅い日なので、妹と一緒に1階の祖父母の部屋で四人並んで眠っていた。 (母がいる夜は2階の寝室で三人で川の字で寝る。)
 ふと、祖父が目を覚ますと俺の姿がない。
トイレにでも行ったのかと思って祖父がトイレを見に行くがいない。
おかしいと思ってキッチンやリビングを見るが俺の姿が見当たらない。
 祖父は急いで祖母を起こしに行って二人で家中を探したがおらず、もしやと思って玄関を見れば出っぱなしだった俺の長靴がない。
時刻はもうとうに日付の変わった(日付で言えば26日の)夜中の3時前だった。
 祖父母は真っ青になって、上着も羽織らず玄関から飛び出ると子供の足跡がまだ残っている。
あわてて跡を追えば、山道の方に向かって凍結した坂道を歩いてる俺がいる。
 祖父母は夜中だってことも忘れて大声あげて飛んでくと、パジャマに長靴履いた俺が、

「 おかあさんを迎えにいく。」

と、手に母のジャンバーを持ってはなさない。
 何事かと思った祖母だったが、そういえば母が帰っていなかったことを思い出し、俺に話を聞けば、

「 夢で、母が道で寒がってる。
車がドーン(事故)して動かない。」

と言うもんだから、慌てて母の携帯にかけるが繋がらない。
肉屋の伯父にも連絡を取って店を確認すれば、持って帰る予定のガソリン代や、施錠予定の鍵もそのままになっている。
 これはと思って警察に事情を説明し捜索を頼んだ所、1時間後に山あいの道でスリップ事故を起こし、動かれなくなっている母が発見された。
ガソリンが尽きて暖房が切れ、携帯の充電も切れていた為連絡が取れずにおり、発見が朝まで長引けば最悪の事態も考えられたそうだ。












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