MJ、テイクオフできるか

 国産ジェット旅客機のプロジェクトが幾つか存在していることを随分と前に書いたけれど(-->こちら)、その中では補足情報として最後に付していた三菱重工業主導の「MJ(三菱ジェット)」だが、ここに来て俄かに現実味を帯びてきた。

 その理由は、MJを注文すれば、2012年の機体引き渡しまでの間に利用する機材のリース代などを三菱重工が一部肩代わりするという仰天報道だ。2009年に完成する予定の羽田空港拡張により国内線の需要が増えるであろうANAとJALにMJを大量に購入してもらうための施策なのだろうが、随分と思い切ったものである。

 MJは70~90席の予定であるが、このクラスの旅客機はJALグループにおいてはカナダのボンバルディア社のCRJ(ターボファン)の実績があるし(導入は50席のCRJ200だが70席、90席のストレッチバージョンがある)、ANAグループにおいては同じボンバルディア社のターボプロップ機であるDASH8(400型は最大78席)が導入されているから、果たして両社がMJにどれほどの興味を示すかは未知数ではあるが、具体的な販売戦略が見えてきたというのはこれまでは夢物語であった「国産ジェット旅客機」が現実のものとなってきたことを感じさせてくれるものである。唯一の国産旅客機、YS-11が日本の空を去ってしまったいま、これから暫くはMJ動きには要注意である。

今日の1枚は、いつもの東京都下某所の秋、点描。
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