司書教諭日誌

福島県の公立小学校勤務。小規模校勤務ですが、司書教諭に任命されました。
日々の取り組みや学級指導を綴るブログです。

本を読む場所

2010-08-29 19:12:24 | 司書教諭日誌
先週の金曜日の「本好き作戦」は、国語の時間の後半に行いました。
(前半は夏休みの体験発表の続き)
最初に「バムとケロのにちようび」の読み聞かせから入りました。

この本が大好きな子がいて、本を取り出したとたんに席から跳び上がる勢いで叫びました。
「ぼくんちにある!」
途中で絵の一部を指し、「このあとどうなると思う?」などと問いかけたら
その子が一生懸命説明します。
普段は物静かな子なのに、このときはほほえましいくらい一生懸命でした。
他の子も負けじと推理して、こうなったらおもしろいのになどと発言します。
そんなふうにして、絵の細部に着目して読むことを子どもたちといっしょに楽しみました。

絵本の最後に、主人公が気持ちのよさそうなソファで読書するシーンがあります。
そこを見せて問いかけました。
「こんな場所で本が読めたらいいね~! 
 ところで、みなさんはおうちのどこで本を読みます?」
ソファ、机、テーブルという声が上がりました。
何人かに詳しくシチュエーションを紹介してもらいました。
「机の下です。だって、他の場所だと弟に邪魔されるんだもん」
「ベッドで寝る前に読みます。一回入院してから、ベッドで読むのが癖になったみたい」

教師自身のことを話しました。
「先生もソファで読むのが好きなんです。
 背中にクッションをあてて、ちょっと寝ながら読むのが気持ちいいんですよ」

挙手してもらいました。
「おうちでも本を読むという人は?」・・・約半数

宿題を出しました。
「2学期からは、学校の図書館で借りた本をおうちに持って帰れるようになります。
 おうちでもゆっくり本を読める場所を作れるといいですね。
 まだ場所が決まっていない人は、
 おうちの中で、どこで本を読みたいか、どこならゆっくり読めそうか
 探してきてください。」

   ★   ★   ★

以上、ほぼ「リーディング・ワークショップ」のパクリです(^_^;)
クラスの実態に合わせてかなりアレンジしていますが、理念のようなものは真似っこしました。

小学1年生の子どもたちですから、1学期にやっと平仮名が全部読めるようになった子もいます。
1学期は読み聞かせやアニマシオンを通して、「聞く」ことは大事なんだよという繰り返し指導と、
「本って楽しいな」というプラスイメージを持たせることを重点にしてきました。

2学期は、「本を自分で読めることの価値」を感じさせるのを目標にしたいと思います。
「話す」「読む」「書く」の力を、子どもたちが進んで身につけるようにするにはどうしたらいいか。
勉強していきたいと思います。




本好き作戦

2010-08-26 23:10:31 | 司書教諭日誌
2学期はクラスで「本好き作戦」を地道にやっていこうと思います。

夏休みに借りた本を図書館に返却する前に、
おもしろかった本はないか、
どういったところがおもしろかったかたずねました。

C「猫が旅にでるところが面白かったです」
T「へえ、猫が旅に出るなんて、たしかに面白いね。
  猫はどんなところに行ったの?」
C「世界中、いろんなとこに行ったの。
  それで、お手紙を書いてくれるんだよ」
T「猫の書いたお手紙、読んでみたいですね」

こんな感じで、数名と対話しながら本の魅力を他の子たちに説明していきました。
中には、好きな本の題名しかいえなかった子もいます。
そういう子には、みんなに表紙を見せ、題名を言うだけでもいいと話をしました。
全員ではありません。
最後に、本好きになるポイントを一つ見つけさせ、黒板に書きました。
今日は
「しょうかいする」

「おもしろかった本を友だちに教えると、教えてもらったほうも嬉しいね。
 いい本を読んだら、お友だちにも紹介しましょう」
という、本を好きになるコツを一ついっしょに見つけました。
 

今日の読み聞かせは、武田美穂「となりのせきのますだくん」でした。
聞きながら「ますだくんは親切で厳しくしているんだよ」「でも、なぐるのはいけない」
などの意見が次々に飛び出しました。
最後に、学級文庫に武田美穂さんのコーナーがあることを(実は昨日作ったばかり)教えたら、わっとばかりに群がっていました。





読書調査

2010-08-26 23:02:09 | 司書教諭日誌
昨日の職員会議で、1学期に行った読書調査の結果を報告しました。

今年は、「読書好き」と答えた子が増えたのが嬉しいです。
男子の方が女子よりも読んだ平均冊数が多いという、珍しいデータも出ました。
全国値よりも上で、昨年度よりちょっとだけ増えました。
リクエストは減りました。
図書館運営は安定、あるいは停滞時期に入ったようです。

「最近読んだ本を3冊教えてください」という項目があり、毎年ここの打ち込みに時間がかかるのですが、全部打ち込んでいくと子どもたちの読書傾向が少し見えてくるのが興味深いです。
今年は、なんといっても中学年は「怪談レストラン」でした。
女子は、あんびるやすこさんの人気がダントツ(なんでも魔女商会、ルルとララ、アンティークFUGA 等)。
昨年から児童向け文庫の充実に力をいれたせいか、高学年の貸出がアップしているのが嬉しいです。


念願の地図

2010-08-25 23:32:48 | 司書教諭日誌
今日から2学期です。
クラス開きで「怖い話」を・・・やはり食いつきがいいですね。
ちょっとした気分転換にはよさそうです。


学校図書館では、やっと図書館の地図を壁に貼りました。
手描きではなくデータ化したものなので、大きさも自在、変更も楽、印刷も可能です。
昨年度にはできていたのに、ついつい先送りしてしまい・・・
でも、そのおかげ(?)で、大型プリンターでA1サイズの美しい地図が刷れました。
ポスター印刷して切り張りしたものよりも、格段に見栄えがいいです。

新学期準備

2010-08-23 22:21:59 | 司書教諭日誌
★Surround yourself with books

職員室の本コーナーに、読み聞かせ用のこわい本を3冊置き、POPを添えました。
「子どもの心をぎゅっと掴み、子どもとの距離をぐっと縮める、こわい本はいかが?」
お勧め本として「ファンタジウム」1・2巻も置いてみることに。


★資料提供

3年の先生が社会科の研究授業で郷土のことを取り上げるらしいです。
資料を探しているようなことをちらりと耳にしたので、図書室にとんでいき、
「こんなのいかがですか?」
昨年整理しておいた学校の歴史ファイルと、そのときに発掘した「創立120周年記念誌」。
「あ、これは使える!」
と、好感触。
整理しておいてよかった!


★ニュースペーパー

講談社が発行している子どもの本ニュースペーパーを送っていただきました。
「獣の奏者」の番外編が出るとか、乙武さんの小説についてのインタビュー記事とか
いい情報がいろいろ載っていて、カラーでとても綺麗です。
司書さんと相談して、学校図書館の壁に貼ることにしました。
A3サイズ二つ折なので、カラーコピーして両面を見せて貼るつもりです。


★古書店

この頃、全国チェーンの古書店で子どもの本を頻繁に買うようになりました。
よく探すと、きれいな本が驚くほど安く売られています。
作者や出版社には申し訳ないのですが、リテラチャーサークルなどのために
複数本を準備しようというときには、とてもありがたいです。
「ぼくのお姉さん」とか「ドッグシェルター」などは、課題図書になったせいか、よく見かけます。
値札シールは、100均で買ったライター用オイルで綺麗に剥がせます。


★余談ですが・・・

「ファンタジウム」掲載の漫画雑誌「モーニング・ツー」にて、「草子ブックガイド」という作品が連載されています。
前号では、中学校の熱心な司書教師が図書館を活用した授業を他の教師に勧めたところ
「本を読むより空気を読んだほうがいいですよ」などと言われる・・・といった描写をはじめ、
読書が好きだけれど他人と触れ合うのが苦手な少女に「いっしょにブックトークやらない?」と声をかけるなど
かなり現実の学校図書館に即した、リアルなドラマ作りをしている作品です。
http://morningmanga.com/lineup/129

学校図書館を舞台にした漫画といえば、「共鳴せよ!私立轟高校図書委員会」もわりと好きです。