10月16日(日) 天気=晴れ
猫又山(テント場)→ 大猫山→ 馬場島ゲート
06:10テント場→ 07:15~23大猫山→ 08:30~44大猫平→ 10:25~30ブナクラ谷取水堰堤→ 10:51馬場島ゲート
雲を黄金色に照らして鹿島槍と五竜岳の合間から朝陽が登った。標高2300mの高地なので相当の寒さを覚悟したが、それ程の冷え込みは無く快適な幕営だった。
後立山連峰から朝陽が昇る
朝の剣岳
テントを撤収し、AM6時過ぎにテント場を後にする。僅かに降って分岐を右に曲り大猫山への道に入る。概ね尾根通しの道だが、踏み跡は薄く木の枝等が覆い歩き辛い道が続く。
大猫山コースの入口
朝日に輝く東芦見尾根
小さなアップダウンを繰返しながら徐々に降って行く。大猫山の手前で大岩の直登があったが、しかし設置されたロープを伝って登れば容易に越えられた。
大岩の登り
前方に大猫山?
テント場を出発して約1時間程で三角点があるピークに着くも山名標識が無いので、ここが大猫山なのか判然としない。地図に示された山頂は、もう一つ先にある草原のピークという感じもする。そこはテント場にも使えそうな明るい眺めの良いピークだった。
三角点ピーク
大猫山から釜谷山(左)と猫又山(右)
大猫山、草原のピーク
この先から徐々に傾斜のキツイ降りとなり、最後はつるべ落としの急斜面を降って、池塘が点在する大猫平に着いた。ここは山上の自然庭園といった雰囲気のすこぶる居心地の良い場所で、剣岳の眺めも素晴らしい。この先からは樹林帯の急坂が続くので、ゆっくりと休憩する。
大猫平から見上げる大猫山への道
大猫平の池塘
大猫平から剣岳
この日、3人ほどの登山者とすれ違ったが、皆口を揃えて「大猫平から登山口までの間はエゲツナイ急坂ですよ。」忠告してくれた。降り始めたら確かに言われたとおり急降下に次ぐ急降下の連続だったが、危険な岩場があるわけでも無く、危惧していた程には厳しい道では無かった。急坂を降る時、私はスキーの斜滑降みたいな要領で左右交互に若干身体を斜めにしながら脚を進める。この歩き方だと足の筋肉に対する負荷が少なくてバランスも安定する。
下山道沿いの巨木
しかし大猫平から標高差1000mの急坂は長くて、樹林帯の単調な道を延々と降り1時間40分を要して登山口のブナクラ谷取水堰堤に辿り着いた。ここまで来ればもう安心、赤谷山、猫又山を登頂した達成感で心も足取りも軽く車道を降り、AM11時前に、車を停めているゲートに戻って来た。車に乗ると近くの剣岳登山口に建つ馬場島荘に立寄り入浴する。浴室には誰も居らず一人ノビノビとお風呂を占有して山の疲れを癒した。
大猫山登山道入口
白萩川から見上げる剣
今回のツアーは天気に恵まれて計画通りの登山ができ、アッと言う間の8日間だった。終わってみれば楽しい日々で本音を言えばもうしばらく登山の旅を続けたいが、登山を終えたと妻に電話したから私には我が家へ戻るしか道は無い。さてこれで未踏の日本三百名山は尾瀬の景鶴山を残すばかりとなった。この山は来年の4月末の残雪期に登る予定だ。目標を達成してしまったら、どんな思いが私の胸中を駆け巡るのだろうか。