今野家で小生が感じ入ったのは、その離れとなった厠(かわや、トイレ)の風情ある有様である。これも江戸時代中期の民家の一部として母屋と同じく、石巻市(旧・北上町)から大切に移築・復元されたのであろう。見ての通り、その価値は十分にある。こうした風雅の厠に一人しゃがみこみ、おのれの糞がぽつんと落下する音に耳をかたむけ、深い安堵に満たされたならば、間違いなく、一句考えずにはいられぬ気分になるはずである。朝は鳴く鶏、昼は縁側の無駄話、夜は月光を糞の友とすれば、風雅の思いはこの上なかろう。嗚呼(ああ)、厠の花鳥風月、今はないな。
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