私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

鶴林寺の*あいたた観音さん*は白鳳時代の素晴らしい聖観音立像だった

2018年05月24日 | 神社仏閣・仏像
~ 金銅聖観音立像 (白鳳時代) 重要文化財 ~

像高83センチの可愛らしい聖観音立像は、白鳳時代の傑作

以前に、仏像に関する本を読んでいた時にこの仏像を見つけ、
法隆寺の夢違観音(白鳳仏)と雰囲気が似ていると
ずっと気になっていて、この度ようやく拝観することが出来た。

かすかに口元に微笑みをたたえているのが、この時代の仏像の特徴。
柔らかな表情、美しい三面宝冠、優美に流れる衣
どこをとっても素晴らしく見入ってしまった。


~「あいたた観音」の由来

昔、盗人がこの像を盗み出し、溶かそうとしても溶けず、
壊そうとすると「あいたた」と観音様が声を発した。
驚いた盗人は像を返して改心したという伝説があり、
それから「あいたた観音」と呼ばれているとのこと。

こんなに素晴らしい観音像が無事に戻って来て良かった。
今では鶴林寺の宝物館に収められ、もう盗まれる心配はなさそうだ。
日本の宝として永く後世に伝えていかれることだろう。




~ 鶴林寺・本堂(国宝) ~

鶴林寺は播磨の法隆寺と呼ばれる。
589年、聖徳太子16歳の時、秦河勝に命じ、
仏教を広めるための道場として「四天王寺聖霊院」を
建立されたのが始まりと言われている。
その後、平安時代に鳥羽天皇から勅願を頂き、
「刀田山鶴林寺」と寺号を改めた。




本堂は和様、大仏様、禅宗様の折衷様式の傑作建築として名高い(1397年)
ご本尊は薬師如来。日光菩薩、月光菩薩、持国天、多聞天と十二神将を祀る。
ご本尊w始めとする五体は秘仏として60年に一回開帳されるとのこと。
その他にも、特別なことがあれば御開帳されるらしい。

ということは、来年は新天皇、皇后陛下のご即位の年。
ひょっとすると御開帳なるかも知れない♪
しばらくは鶴林寺さんの動向に注意ですぞ!




~ 太子堂 (国宝) ~

兵庫県内最古の木造建築(1112年)
屋根は宝珠を頂いた檜皮葺
ご本尊は、釈迦。文殊、普賢、四天王を祀る。

室内には九品来迎図、仏涅槃図、柱絵、その他の壁画が
描かれているが肉眼では見えず、これらは最新の科学分析により
極彩色で復元され、原寸大の仏涅槃図復元模写図、聖徳太子絵伝も
併せて宝物館に展示されている。




~ 宝物館に展示されている仏涅槃像図復元模写図 ~

柱絵も極彩色でとても美しかった。
本堂を始めとした建物群は美しく魅力的だが、宝物館も
展示が充実していて素晴らしいので、忘れずに立ち寄るべし!
あいたた観音さんも宝物館にいらっしゃいます。



~ 仁王門 (室町時代) 県指定文化財 ~

階上に座禅堂を持つ楼門形式




~ 本堂全景 (国宝)~

鶴林寺は関西花の寺二十五か所霊場

六月中旬は菩提樹(主たる花)
春はツツジ
夏は紗羅、木槿、栴檀、萩
冬は椿、水仙




~ 三重塔 (室町時代)県指定文化財 ~




~ 鶴林寺全景 ~




~ 経路図 ~

所在地 兵庫県加古川市加古川町北在家424
Tell 079-454-7053
参拝 年中無休 開門9時 閉門16時半
加古川バイパス加古川インターより10分


※ 参考
鶴林寺パンフレット(聖観音立像、鶴林寺全景、マップ含む)
観光ガイドブック「わがまち加古川60選」発行:加古川市役所
「播磨の国宝を巡る」発行:加古川観光協会・加東市観光協会
加西市観光まちづくり協会・小野市観光協会


コメント (7)
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