昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

政府の進める少子化対策に財源はいらない?

2023-11-29 07:28:43 | 日記
高校生の扶養控除、一律縮小案が検討開始だそうです。少子化対策支援金の財源について、国民負担「率」は上昇しないという首相の答弁に沿った政策の一環、なるほどねえ。

現実的に賃上げ前提方針ですから、8割を占める中小企業が賃上げできなかったらどうするのか疑念も沸くところですが、「中小企業が潰れたり自殺者が出るのも仕方なし」とした宏池会の首相ですから、そもそも腹では中小企業の賃金上昇はないと踏んでいるのかもしれません。

あ、これが現政府の少子化対策の根幹かも!・・・ヒントになったのは、理研さんの「原子核内部構造の観測方法」。

原子核に電子を照射し反射した電子を観察(電子散乱)しようとすると、真空状態であっても微細な酸素水素の⁺イオンがまとわりつき邪魔になるのを逆手にとって、高速で周回する電子ビームの周囲にイオン化した原子を集め留まらせ、それに電子ビームで電子散乱を起こさせ分析磁石と検出器で観察、核内の陽子分布を調べる方法だそうです。

生物的な観点から子をたくさん産ませるにはどうしたらいいか。それは、生存に過酷な状態に集団を置くこと。

ヒトにおいても2023年の推計合計特殊出生率(1人の女性が生涯で子供を産む数)は上位から、ニジェール(6,73)アンゴラ(5,76)コンゴ民主共和国(5,56)マリ(5,45)・・・貧困と内政不安な国が上位を占め、ガザ地区も3,9ぐらいあった気がします。

IT化が進めば管理統括者は少数でよく、必要なのは少数の優秀な理数的スキル保持者と圧倒的多数の消費者でもあるエッセンシャルワーク従事者。難癖をつける人文学者など害悪でしかないと考える中央集権的権力者。世襲的貴族制を含む明治時代を目指す与党方針であり、かの竹中氏が奨励した新自由主義的要素を包含します。

表面上、成果の上がらないと実はわかっている政策を数々打ち出すことにより、カモフラージュ的やってる感とバカを装い、その実、自然原理に基づいた少子化対策を着々進め、独裁化を図る狡猾さ?次は、子を宝とし一夫多妻制を認めるイスラム化か、無理なら中絶禁止か。

9割ジョークですが、1割マジです。


消された悪魔

2023-11-28 08:06:32 | 日記
16世紀末の初期のシェイクスピア作品である「ヘンリー6世」を題材に、18世紀末に英画家ジョシュアレノルズによって描かれた「ポーフォ-ト枢機卿の死」。大叔父である枢機卿の亡骸を見るヘンリー6世、その空間上には、当初悪魔が描かれていたのを、世間の批判によって塗りつぶしたとか。現在その修復作業が行われているそうです。

ロココの軽佻浮薄がもてはやされていた18世紀に反逆するように、大陸古典美術を模範とし、それまで英にはなかった荘厳様式を導入、歴史画と肖像画を結び付け上流階級の絶大な支持を受け、英画壇の確立に一役買ったレノルズ。当時開催されていたシェイクスピア展に出品したのが上記。

15世紀の100年戦争中、突如登場したオルレアンの乙女により形勢逆転、英軍は劣勢に陥ります。この状況に際しポーフォ-トは和平派に転向、英仏間の調停に奔走しました。この歴史的事実を、100年ちょっと後のシェイクスピアが愛国心を持つものであったならその顛末を含め、平和主義であったと伝わるヘンリー6世と併せてポーフォ-ト卿をどう見ていたか。そしてその事実を実写化したのがレノルズでした。

当時の英批評家たちが、表現が直接的で芸術的でないとかなんとかクレームをつけ、悪魔が消された要因になったとか聞き及びます。が、その本質は18世紀後半、自国の芸術的伝統を持たない英の上流社会層が、伊、仏などの他国の過去の巨匠たちを極度に尊重する偏見を持ち、権威有とされるものへの卑屈さや盲目的な絶対視、ある意味信仰的でさえあったからではないかと個人的に思っています。

昨今、日本で幅を利かせるマナーや自由平等、平和を叫ぶ声が時々滑稽に感じるのは、たとえばフリーダムとリバティと自由の違いを考えもせず、なぜそうなったのか歴史や文化も知らず、取って付けた表層理解でしかない「答え」だけを振りかざす、権威や憧れ、推しの盲目的奴隷に過ぎないからの気がして、つい18世紀英絵画批評家とダブって見えるからなのかもしれません。

・・はだかのおおさま・・・言いすぎでしょうか。難しいことはわかんないですけど。




征服

2023-11-27 08:16:16 | 日記
ブラックフライデーに無策で臨んだからなのか、そもそも物価高ここに極まって、買い控えが蔓延してるからなのか。

呆れるほど暇な日曜日、ややネガティブ入っている時に、不作時にも拘らず強引にロシアに小麦を収奪され、多数の餓死者を出したキエフの歴史回顧の追悼式典へ仕掛けられたロシアのドローン攻撃の話から、ガザにおける今後のイスラエル方針予想を語られていたお客様から、侵略、征服行為の是非について問われました。

生来の性格の悪さが反応して若干のアマノジャク気質を生成、「征服されるのも有りなんじゃないですかね、場合によりますけど」と。

「征服されたギリシャ人は、猛きローマを征服した」とは、征服した側の古代イタリアラテン文学黄金期の詩人ホラティウスの自虐の弁。
言語としての完成度がラテン語より高いと痛感したギリシャ語。知識や文化の深さもギリシャに及ばず、力により征服したはずのギリシャに、名前はローマのまま、中身はすっかりギリシャに上書きされたという悔恨・・・そういう逆征服の形もあります。

メンツや権力保持にこだわるなら無理ですし、元より勝者の価値観を強制する啓蒙主義や共産主義、原理主義者相手には通じない可能性大ですが。
今はもう旧家や田舎で残滓が残るばかりとなった、嫁ぎ先で艱難辛苦を乗り越え、その家の色を自分色に染め上げることに成功した、お嫁さんのストラテジーみたいなもんです。

敗者が跪き、馬上の勝者に城門のカギを渡すのが慣習だった常識を覆し、自ら馬から降りて、身を屈しようとする相手を制止しその健闘を讃え、騎乗して兵を従え軍旗を上げ、ドラムやラッパを鳴らしながら退却することを勧めたブレダの開城(ベラスケス画)。

腹の内は読めませんが、征服者の対応にもよるかと。


知らなくていい事

2023-11-26 08:02:18 | 日記
人通りのない土曜の朝の藤枝市立総合病院前に佇む影2つ。あれは藤枝市内限定で絶大な知名度を誇る公式ゆる?キャラ「フジえさん」と、地域密着型J2サッカーチーム藤枝MyFC公式キャラ「蹴っ飛ばし小僧」じゃないですか!

さては、人目を忍んでの密会?FRIDAYよろしく(古いか)シャッターを切ります。
・・・いくらなんでも白昼堂々、大通りでそれはないですね。

それじゃ、誰か救急搬送されたとか。
まさか、推定1200歳越えの助宗出身、志太郡衙キャラの「壺じい」が?

心配ですが、お2人の話を立ち聞きしようとは思いません。
きっと2人の中のエッセンシャル同士の、ボクらが日常でよく聞く給料や休み、景気や愚痴といった生々しい話でしょうから。

キャラクターはキャラクターとしてだけ見てあげればいいかと。中のエッセンスが別人なのは、芸能人も著名人も一緒です。

まあ、エッセンスも実体も同じものだ!という見方も勿論有りで、野暮と粋、どちらが好きかという好みの問題ですけど。







憂国忌

2023-11-25 08:35:47 | 日記
香嵐渓観光の駐車場に使わせてもらった足助八幡は7世紀中頃の創建。周辺では長野県和田峠で産出したと思われる黒曜石も出土し、縄文時代からの信州との繋がりを示します。

その後も矢作川で運ばれた三河湾産の塩をここで馬による山道輸送用に包装を強化。現在のR153、中馬街道(伊那、飯田街道)は塩の道として信州との交易路であり、その中継地として足助は栄えたとか。街道沿いには力尽きた馬の供養か、馬頭観音像も見受けられます。

同じく街道沿い、そして近隣で見受けられるのが役行者像(図)。本来修験道の祖なのですが、一切の悪病災いを除く神通力保持者として、また交易中継地的特徴か、チャラボコという神楽系のお囃子奉納に見受けられるような多文化混合型に変形した神格的役行者が祀られているようです。

科学や医療未発達の時代、その不安軽減精神安定性は現実的なプラシーボ効果も含め、生活の中で重要な位置を占めていたと思われます。そして化学医療の発展した近、現代においては、非化学非合理の烙印を押され不要とされ、或は表から裏に追いやられ、有るのに無いように扱われるもの。

ひょっとして現在社会はアイロニー(表面の表現で本質を隠す)に陥っているのでしょうか。

一部共感する思想のクーデターに誘われず、逆に彼らを狩る立場となった軍人とその妻の自殺、三島由紀夫「憂国」。一見相反する表裏の二者をメビウスの輪のようにつなぎ合わせた時に突如発生するカタルシス。
そのつなぎ目を主観で繕えば、背徳的で破滅的ナルシズムにも似た興奮、己で紡いだ物語の快楽に溺れるのも致し方ないのかもしれません。

そのつなぎ目を(勿論主観が混じるのは仕方ないとして)客観で繕えば、その分析的物語は、主観によるドラマチック物語との間にアクセルとブレーキの関係を築けたかもしれないなんて考えます。