ティファニーで朝食を

学生時代は割とビンボーで、大人しい彼女がいたご友人が、昨年ぐらいにあったらこのご時世に結構羽振りが良くてびっくりされたとか。で、つい先日偶然会ったらなんだかしょぼくれていて、きっと昨今の金融市場の影響じゃないかなと。彼女さんとは一旦別れたものの、またお付き合いが復活したと言っていたと。

なんか、上手くかける言葉がなくてというお客様。

状況がよくわからないので、そうですかと答えるに留めましたが、「明け方にロレックスのショーウインドを覗きながら、クロワッサンとコーヒーで朝食をとったことがあるかい？」なんてどうかと、ふと思いました。

既に若い方にはオードリーヘップバーンを知らない方も多いでしょうし、トルーマンカポティもご存じなく、何のことやら解らないでしょうけど。

雨降らば降れ

娘が発熱。もしかしたらと、今奥さんが病院に連れて行きました。

先日の台風で我が家の車も1台浸水しまして修理が必要。
今月前半に修理不可になった焙煎機の代替品も期日を過ぎていまだ届かず、つなぎでお借りしたミニロースターも機能不全に陥りまして、とうとう全くコーヒー豆をローストすることができなくなりました。

まーいろいろあります。

うろじ（この世）よりむろじ（あの世）へかえるひとやすみ　雨ふらばふれ風ふかばふけ

呵々と大笑するほど人間出来てはいませんが、鼻で笑ってコーヒー啜ることぐらいはできそうです。

肖像画

今年4月、国際情勢の影響かロンドンナショナルギャラリーが所蔵するエドガードガの「ロシアの踊り子」を、髪飾が青と黄色であるなどを理由として「ウクライナの踊り子」と名称を変更したのは記憶に新しいところ。

その浮世絵に影響を受けた印象派と言われていても、本質的にはルネサンスやアングルの影響が色濃い近代手法をどん欲に取り込んだ古典画家のイメージが強いドガの亡くなった9月27日(1917）、元総理の国葬が行われます。

1876年に出版された「新しい絵画」のドガとエドモンドデュランティの対話において絵画の美学とは「・・・容貌や服装に対する道徳的なものの反映の研究であり・・・その職業が彼に刻み込む特殊な性格である」と。

彼の描く元首相はどんな肖像画になったことでしょう。

故人を静かに送りたいと思います。

ボイロン

あの溢れ出た雨水が噓のように引いた用水路。水かさが足りず背ビレをさらしながら大きなフナが3尾ほど泳いでいます。
よく流されずにいたものです。

4月ならぬ9月も残酷極まる月で、豊かな実りを一変させ、悲哀と打撃を混ぜ合わせ、稲穂の躯を秋雨が凍えさせる・・・

目前の現状は、問われ問い解釈される現存在として各自性を有する実存に根差し、未来において現存在のこの過去は無ではなくただ有ったのでもなく、私たちが深淵へと成長する時に何度も帰っていくところであり、それは過ぎ去ったものの継承ではなく、豹変させることである。

・・・ボイロン（修道院名、現存在のメタファーか）は本質的なものの種子として生育していくと（1929,9月）

モダニズムに傾倒しながら近代風潮に懐疑的だったという保守主義者英詩人T.S.エリオット(1888)、独哲学者ハイデガー(1889)共に今日が誕生日。
枠の違いはあるものの認識の変換が人の深度を増すと、欧州の巨人たちは考えていたのかもしれません。

混ぜる

今日はスターリングシルバーの日。そのままでは柔らかすぎる銀の比率を、銅やアルミを混ぜることで925/1000にすることから決まったそうです。

さて、軽量で強度、靭性（粘り強さ）が高く耐腐食性に優れ、航空機のパーツ等にも使われているチタン合金。熱処理により六方格子構造のα型、体心立法構造のβ型、混在するα＋β型などがあるようですが、強度靭性を保ちながら加工がやや容易になることでα＋β型であるTi6Al4V（アルミ6％バナジウム4％混ぜる）が多く使用されているとのこと。

このチタン合金に、月や火星にあるレゴリス（砂状の堆積物）を混ぜると一層強度が増すことがわっかったそうで。段々現実的になってきた宇宙開発の現地での資材調達の新たな光明となるか。

熱加工方法には、光そのもののエネルギーを使用するレーザーを使った3Dプリンターを想定しているとも聞き、いやはやもう既にオジサンのキャパ越えです。