ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

2015-06-09 14:51:39 | 新作映画
(原題:Mad Max : Fury Road)


----おっ。いよいよだニャ。
フォーンが知っている限り、
えいが、これなででもっとも興奮していた映画。
Twitterでもいろいろ喋っていたでしょ。
「そうなんだ。
この映画は、これまでここで話してきた作品のどれとも違う。
観る前に、すでに“映画史を塗り替える”といった絶賛評を目にしていて、
はて、どこを指して言っているのかなと、
興味津々で臨んだわけ」

----で、それは裏切られなかったってことだニャ。
「うん。
ただ、ぼくが思うにそれはなにも“斬新”というわけじゃない。
むしろ“映画の原点”に立ち戻ったということなんだ。
この映画を前にして、
映画論を語ることがいかに虚しいか…」

----どういうこと?
「映画は、
よく知られているように
1895年12月28日、パリのグラン・カフェで、
リュミエール兄弟がそ人々に有料公開したことに始まる。
翌年に公開された『ラ・シオタ駅への列車の到着』では、
カメラに向かってくる汽車を見て観客が大騒ぎしたという。
つまり、映画は生まれたときから
“スペクタクル性”をその特徴の一つとしていたわけだ。
もちろん、その後、
映画はさまざまな理論の元にアカデミックに発展していく。
でも、ぼくは映画の醍醐味、
その原点はこの瞬きする間もない映像の引力にあると思う」

----で、この映画は
それを持っていたということだニャ。
「そうだね。
そのためには何が必要だと思う?」

----う~ん。
観ている間、余計なことを考えないでいいってことかニャ。
そうか、分かった。
ストーリーだ。
これ、絶対に難しくない方がいい。
「そう。
この映画は、一言で言えば、
“脱走”と“追撃”の前半、
“反撃”と“復讐”の後半
に分かれる。
そのシンプルな物語を
赤茶けた砂漠の中、
轟音とともに繰り広げる。
そこに目を楽しませる要素として
敵の一団の奇抜な衣装、メイク、
さらにはロッカー野郎といった
直接のバトルには関係ない“盛り上げ要員”まで用意している」

---“盛り上げ要員”?
よく分かんないけど、まあいいか。
「これらの要素って
一見、劇画チック。
でも劇画じゃ音は出ないからね。
これもまた映画ならでは…。
さらにはアレハンドロ・ホドロフスキー映画ばりの<異形の要素>までも備えている。
まあ、これは実際に観てもらった方がいいだろうね。
さて、こうしてお膳立てがそろうと、
いかにして“誰も観たことがないアクション”を作ればいいか?
監督の集中はそちらへと注がれることになる。
それは車のデザイン、機能はもちろんのこと、
さらにはバトルの背景となる<大自然>にまで及んでくる。
と、こうして出来上がったのが
ジョージ・ミラーの“完全無欠”カーアクション映画。
まあ、ぼくが何万人集まって喋っても、
この映画の魅力の前にはかなうはずもない。
とにかくこれはネタバレなんて関係のない映画。
(小さな声で付け足せば)
この映画、日本語吹き替えが問題になっているけど、
よく、その役を引き受けたなと…。
恐れ多くて、とてもじゃないけど手が出ないというのが普通だと思うよ」




フォーンの一言「これは、フォーンも観たいのニャ」身を乗り出す

※「この後にアクション映画を作る人は大変だ度。いわばアクションの『2001年宇宙の旅』






※画像は『マッドマックス2』の「ぴあ」編集タイアップ広告(1981.12.4号)

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