ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『プレイ-獲物-』

2012-06-06 23:47:12 | 新作映画
(原題:La proie)


----この映画、スゴく評判いいようだね。
“エンターテイメントの原点”だの
“本物の映画魂”だの言われている…。
「そうだね。
派手なアクションは香港映画、
凝ったサスペンスは韓国映画と言う感じ。
しかも、それをフランス映画がやってのけているというのがオモシロい。
ただね、後で考えるとこの映画は、
いいとこどり、あるいはごった煮とも言えちゃう」

----どういうこと。
「それは今から話すストーリーを聞けばわかるよ。
主人公は服役中の銀行強盗犯フランク(アルベール・デュポンテル)。
出所後、愛する妻と娘と穏やかに暮らすことを望んでいた彼だが、
冤罪の主張が通り、先に釈放された同房者モレル(ステファン・デバク)を信頼したことから
すべてが狂い始める。
なんと、彼は若い女性ばかりを狙う連続殺人鬼だったのだ。
獄中で自分に面会にきた憲兵を名乗るマニュエル(セルジ・ロペス)から
そのことを聞いたフランクは、妻と娘が危ないと察知。
なんとか脱獄し、モレルの後を追う…」

----うわあ。これだけ聞いてもオモシロそう。
「でしょ。
しかもこの映画が巧いのは、
このストーリーの主軸に
いくつものふくらみを持たせるところ。
たとえば、フランクは
彼が隠した金のありかを聞きだそうとする元仲間たちに狙われていて、
獄中、一瞬たりとも気が抜けない。
彼らは看守たちを買収。
その暴行は黙認されているんだ。
と、これだけで一本の<獄中>映画ができそうな按配。
ところが本作でのそれ=獄中暴行、賄賂は、あくまでサイドストーリー。
この四面楚歌の中からいかにして脱獄するかという
サスペンス増幅のための<装置<にとどめてしまう。
さて映画は、その刑務所内での暴力を描いた後、<脱獄>サスペンスへ。
さらには
<ヒッチコック>サスペンス(あるいは<逃亡者>サスペンス)へと
形を変えながら加速度を付けて転がってゆく」

----犯人を追いながら、自らも警察に追われる…というわけだニャ。
「そう。
そんな中、フランクはモレルが異常殺人鬼という情報を彼にもたらしたマニュエルに接近。
しかし果たしてこの男を信用していいのかどうか、
そこにまたひとつのサスペンスが生まれていく。
一方、警察側も決して一枚岩というわけではなく、
フランクを追う女刑事クレール(アリス・タグリオーニ)とその上司の関係はぎくしゃく。
そしてそれらすべてを俯瞰しているかのように、
余裕綽々で新たな犯罪を重ねていくモレル…。
ほんとうに、よくぞこんなにも多くの要素を入れながら
それをすべて有機的に絡ませ凝縮させたなと、
いまこうして喋りながらも改めて感心」

----そういえば“驚愕のラスト”みたいなことも言われているようだけど…。
「実は、ここにもうひとりの人物が登場するんだね。
まあ、個人的にはそこでのオチは読めたけど、
ここで言うところの“驚愕”は、
おそらくさらに先の結末を言っているんだろうな。
コピーでは“打ち震える!”と続いているからね」

----ニャんのこと言っているか、よく分からないニャあ。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ステファン・デバクが、ほんと憎たらしい演技をするのニャ」ご不満

※問題はタイトルだけだ度…

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