ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『デイ・ウォッチ』

2008-01-14 12:28:33 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後でお読みいただきますようお願いいたします。


(原題:Day Watch)

----この映画、ロシアで話題となった
『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』の続編だよね?
前作はあまり気に入ってはいなかったようだったけど…。
「うん。あの映画、つかみはよかったんだ。
うわあ、大スペクタクル史劇が始まるって感じで。
そして続く主人公のアントンが魔女を訪ねるくだりもね。
蜘蛛みたいな足を持つセルロイドの人形が出てきて
もう、オカルト臭ぷんぷん。
ところが現代のシーンになってげんなり。
キアヌ・リーヴスあたりが主演したハリウッドのSFと、
そう変わりばえしなくなってくる。
こういったバトル中心の展開になると、
ぼくなんか『どうぞ勝手にやっておくんなさいまし』になっちゃう」

----じゃあ、今回は違ったんだ。
「うん。この映画を理解してもらうために
まずは簡単にお話を整理すると------
その昔、長らく対立を続けてきた“光”と“闇”の勢力。
特殊能力を持ち“アザーズ”と呼ばれる彼らは、
長い戦いに疲れ、休戦協定を結び、
それぞれお互いを監視し合ってきた。
“闇”を監視するのが“ナイト・ウォッチ”(闇の監視人)、
その逆が“デイ・ウォッチ”だ。
主人公のアントンは、かつてある事件を起こしたことから
自分が“光の異種”であることを知る。
その事件というのは、
闇の魔女を使って妻に呪いをかけ、
胎児だった息子のイゴールを殺しかけたこと。
それによってイゴールは“闇”側につき、
両者のバランスが崩れ始める。
そこに、休戦破棄を目論む“闇”の思惑が重なり、
アントンは“闇の異種”殺しの疑いをかけられてしまう。
事態解決のため、
彼は古来より伝わる“運命のチョーク”を手に入れようとするが…」

----ニャんだか、ややこしい内容だね。
そんなのがいいの?
「うん。それが
じっくり物語を描いているものだから、
頭が混乱することもない。
また、よく知られてはいないロシアの俳優でありながら
“光”側と“闇”側の区別も意外とつきやすい。
監督は、それぞれを
普通に見える俳優と俳優に見える俳優とから選んだと言ってるけど、
彼らが着る服装の違いも含めて、
この“見た目の分かりやすさ”は重要だと思う」

----ニャるほど。少し納得かな。
「でも決定的に気に入ったのは、
アントンが、
息子の誕生パーティが行なわれている“闇”たちの元へ、
その奪還のために向ってから。
アントンは薬を飲まされ、半分ラリっている。
この描き方、感覚が最高。
いわば
フェリーニ的狂乱饗宴とギリアム的迷宮悪夢の世界。
あげくは世界崩壊の終末を見せ、
時間を巻き戻して一気に大団円へと導いてゆく。
もう、ここのシーンにはただただ茫然自失」

----じゃあ、次回の『ダスク・ウォッチ』も楽しみだね。
「いやあ、もうこれ以上は要らないような…。
続きを作ったことが裏目に出たら、
怖いって気がするなあ」

---あれっ。『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』のときは
『ダスク・ウォッチ』が楽しみって言ってたよ(笑)。

       (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「ふうん。そういうこともあるんだニャあ」小首ニャ

※この映画、気に入るとは自分でも思わなかった度

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