ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『妖怪大戦争』

2005-10-10 17:40:47 | 映画
-----この映画、まだやってたんだ。
「そう。都内ではとっくに終わってるんだけど、ちょっと遠出をね」
----三池崇史って、あんまり相性がよくないんじゃなかったっけ?
「うん。この映画を観てその理由が分かった気がする」
----どういうこと?
「監督が映画のここを見せようと力を入れるポイントと、
ぼくが観たいと思うポイント。
両者の<思い>が違うんだね」

----??????いよいよ分からない。
「その前に、
オフィシャルにこの映画のストーリーが巧くまとめられているので、
そこから引用してみよう。
『泣き虫でいじめられっ子の少年サダシが、
ひょんなことから世界を守る正義の味方《麒麟送子》となり、
日本全国に住む妖怪たちと力を合わせ、
世界の壊滅を目論む魔人・加藤保憲率いる悪霊軍団に世紀の戦いを挑む』
と、実に分かりやすい話だ。
もちろん、その中にさまざまなエピソードが織り込まれている。
その中のひとつ、もっとも感動的となるはずのエピソードが、
《すねこすり》との友情」

----《すねこすり》?へんな名前だね。
「この《すねこすり》というのは大人には見えない、
とっとこハム太郎に似た妖怪。
サダシの頭の上に乗って一緒に冒険をする。
ところが捕まってターミネーターのような
醜悪な《機怪》に姿を変えられてしまう。
自分が何者かも分からなくなった《すねこすり》と
《麒麟送子》が戦いを交える涙のシーンがあるんだけど…」

----だけど・・・?
「《すねこすり》が最初からぬいぐるみみたいな作りで、
どうみたって生き物には見えない。
表情もなければ動きも直線的。
そのためまったくこちらの感情移入ができないんだ。
これだけのお金をかけているんだから、
映画の軸をなす《すねこすり》は、
せめて『グレムリン』のギズモなみに、きちんと作ってほしかったな」

----でも、三池監督のことだから、
わざとはずしてそういうことやってるのかもよ?
「うん。それは考えた。
着ぐるみがあまりにもわざとらしいしね。
でもメッセージが意外にストレートなんだ。
《機怪》というのは、妖怪にヨモツモノが取り憑きくことで生まれるんだけど、
このヨモツモノというのは人間が不要になって捨てたものの怨念。
『モノを大切にしよう…』、教訓的な設定だよね。
また、タダシと一緒に戦う川姫は、
人間への復讐を迫る加藤保憲に
自分は人間を恨んでいるが、復讐をしたらそれは人間と同じになると拒否する。
そしてとどめは戦いがすんで、ある妖怪が言う言葉。
『戦争はよくない。腹がへる』。
エンディングは、
大人になって自分が見えなくなったタダシを悲しむ《すねこすり》の前に
加藤保憲が現れるという、これまた象徴的なものだ」

----ニャるほど、本来ならこれは子供たちに見せたくなる映画だね。
「ところが子供に見せるということに関しては、ある問題が…。
《機怪》に捕らえられた《すねこすり》が電子レンジに入れられるシーンがある。
いくらぬいぐるみとは言え、思わず目を覆ってしまったね。
その前後に妖怪たちが飛行機の翼に乗って移動するシーンがあって、
『危険ですからマネするのは…』みたいなテロップが出る。
もちろんこんなことやれるわけないから、
このテロップが冗談なのは分かるけど、
これはこの電子レンジのシーンの方にこそ必要だと思ったね。
そう考えると、やはりぼくと三池監督とは
<思い>の部分が違うという気がする」

----今日のえいは、まじめだニャあ。
「そうでもないよ。
《鳥刺し妖女・アギ》役の栗山千明のボディライン、
《川姫》役の高橋真唯のむき出しの太ももに目は釘付けになったもの(笑)」



※いろいろ出る度

※劇中のセリフは正確ではありません。m(_ _)m

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