活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

政府は年金支給開始を70歳以上からも検討しているというが、メリットは国にあり受給者にはない!

2018-01-19 19:45:25 | Weblog
政府が現在は60~70歳になっている年金支給開始時期をさらに遅らせて、70歳を超えてからも支給できるよう検討していることが報道されました。70歳を超えてからの割増率は公表されていませんが、現在の70歳到達時点での割増率142%で、65歳基準(100%)とした場合と70歳到達時点から受け取る年金額を70歳、80歳、90歳、100歳到達時点の総受取額を計算してみました。 条件として65歳からの年金額は月20万円とし、70歳からの年金額は月28.4万円(20×1.42)と設定しました。

             70歳到達  80歳到達  90歳到達  100歳到達(単位:万円)
65歳から年金受け取り  1,200  3,600  6,000  8,400
70歳から年金受け取り      0  3,408  6、816 10,224

結果は上表のようになりました。つまり65歳で受給する人と70歳から受給する人が、それぞれ100歳に到達した時点の総受取額は70歳から受け取る人に約1,800万円ほどメリットがあります。ここでご注意いただきたいことは70歳から受け取る人の方が毎月の収入額が高いことから、国保料、介護保険料、住民税を65歳から受給する人より多く徴収されることです。この差額は30年間で、ばかにならない金額になります。

さて問題はこの先に隠れています。国がいう「人生100年」なんて真っ赤なうそだと憶えておいてください。90歳でも存命している人は、ごく一部と考えたほうがいいと思います。(2017年の平均寿命:男性81歳、女性:87歳)

高齢になれば年を追うごとにリスクは高まります。さらに注意しなければならないのは、70歳以上から受け取れば総支給額がいま以上に増えるという国の宣伝をうのみにしてしまった結果、65歳から受給している人に比べて、まったく年金を受け取らずに一生を終える人も増えることが心配されます。老後の資金が国に没収されてしまうことほど、ばからしいことはないですよね。

さて結論ですが70歳以上から年金を受け取りたい人はカネに困っていない人にしか奨められません。くれぐれも国の悪質な宣伝に惑わされないようにしてください。だって国が年金受給者のメリットになることをするわけがないからです。

(おしらせ)
 このたび、当ブログのタイトルを「活眼明察日記」に改めることにしました。引き続きご愛読のほどお願いいたします。