DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

アンディス@深谷【閉業】

2017年08月08日 | 大衆パン
もともと小麦大国であった埼玉にパンが浸透したのはいつ位からであろうか。



明治時代に軍隊で推奨され、横須賀浦賀、また土浦ではその当時から創業するパン屋が散見されたが、
埼玉に限らず戦前まで、大衆にとってパンは主食とはなり得なかった様である。



中山道に面したこちらのアンディスは昭和20年、ちょうど戦争が終結した年の創業で、深谷でも最古参だという。



そしてその当時から変わらぬおいしさだと、この深谷だけでなく、熊谷、本庄、寄居、太田からも客がやってくるらしい。



というのは、そのおいしさ、安さだけでなく、この一帯が同じ文化圏であるコトの裏返しでもあるワケで。



コッペパンにねぎみそというのを見つけ、群馬のみそパンライクな新商品にその裏付けを見るのである。



さて持ち帰って夜。
確かに言うだけあってうまい。

地元産の原料ではなかろう値段だが、小麦の国ならではの理解度が伝わるうまさ。
特にコッペの味わいは、東京のノスパン巡りをしていてもなかなか出会えない深みがあった。



ただひとつ、自分はワインと共にやってしまったのだが、これは少し違ったか。

もっと素朴で、そう、深谷の地そのものの様な味わいは、お酒と一緒に。というモノではなかったか。いや、合わせるのであれば寧ろ日本酒と合わせた方が楽しめた様な。

そんな洋寄りでも和寄りでもないという一見不思議なバランス。
それこそが小麦を主食としてきたこの地で、70年を経て培われたパンの矜持なのかも。と感じたのである。







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