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【参加報告】6/18国際シンポジウム「アジアの平和を求めて市民がつながろう~日本、韓国、台湾によるピースアクション~」

2023-06-25 21:23:45 | 参加報告


<管理人より>  「主婦連合会」と「日本消費者連盟」は、岸田政権の敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有と防衛費増大に反対する消費者団体共同声明を1/23付けでまとめ、広く賛同を呼びかけています。6/18(日)には日本消費者連盟総会記念国際シンポジウムとして「アジアの平和を求めて市民がつながろう~日本、韓国、台湾によるピースアクション~」が開催されました。参加したMさんによる報告が寄稿されていますので、こちらでもご紹介させていただきます。
【参加報告】6/18国際シンポジウム「アジアの平和を求めて市民がつながろう~日本、韓国、台湾によるピースアクション~」
 6月18日(日)PMに御茶ノ水の連合会館 2階201会議室にて開催された標記のシンポジウムに参加をしてきた。
 第1部は「いま足元で何が起こっているか」をテーマに当日配布の資料をもとにした各国からの報告があった。日本消費者連盟(日消連)事務局長の纐纈美千世さんと主婦連合会会長の河村真紀子さんからは日本政府のこの間の動きとそれに対して1/23付けでまとめた、岸田政権の敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有と防衛費増大に反対する消費者団体共同声明を共同で呼びかけ、6/14現在で94団体からの賛同を得ていることが報告された。
 韓国からは、ミュージシャン、平和・人権活動家であるジュ・ヨンホ(朱永浩)さんが、ご自分の軍隊経験後に兵役拒否運動をしてきた団体「戦争のない世の中」で活動する人々に出会って衝撃を受け、戦争に反対し軍事主義に反対するようになったこと、ロシアによるウクライナ侵攻で韓国の軍需産業が武器輸出を増やしている動きに歯止めをかけたくて2022年9月の武器見本市で戦車に上がってゲリラライブを行ったことなどを報告した。
 台湾からは、2012~14年まで台湾主婦連盟の事務局長をされていたファン・チアリン(黃嘉琳)さんが、日消連とは別のテーマで国際シンポジウムを開催したこともあり、今回の開催にも意義を感じて参加されたこと、今後も共同の取組みに期待するし、国を超えて共闘するには通訳が的確にできる人材を得てもっと大きい輪、プラットフォームを作る必要があると発言された。
 韓国の生協陣営からは、オンラインで参加したキム・ヨンヒャンさんが自分たちのドゥレ生協連合会の紹介と今回の企画へのメッセージ(日本語版を配布)を読み上げられ、同時通訳の日本語版をイヤホンから聞くこともできた。そして韓国の他の生協からも参加を得られるようにしたいし、まずは今回の3カ国、その他のアジアの国からの参加も得られるようにしたいという決意も語られた。
 休憩後の第2部は、「アジアの平和のために連帯して何ができるか」というテーマで3カ国のスピーカーによるパネルディスカッションと質疑応答がもたれた。以下は両方で印象に残った発言をメモした。
 河村真紀子さんからは、「日消連の纐纈さんと相談して、アジア共同声明も出せるといいねという夢を持ち、今回はその第1歩だと考えていて、それぞれの違いを大事にしながら輪を大きく広げる取り組み、多様性を大事にしつつ文化的なイベントも含めて取り組めるといいなと考えている」と述べられた。
 ジュ・ヨンホさんからは、「韓国は海外に派兵をしたこともあるがそれは平和な国の再建のための行動だった。韓国の憲法には「侵略的な戦争をしない」という条項がある。韓国は中国や日本に支配をされた歴史があるから他の国にそれをしないということであり、学校でも憲法の精神として教えている」とのことだった。
 ファン・チアリンさんからは、「中華民国台湾が国連からも国として扱われなくなり、中華人民共和国との関係も常に微妙な関係であるが、国民の多数は現状のままでいることを望んでいる。ロシアによるウクライナ侵攻でアメリカと中国の関係の中で緊張が高まる中、昨年末に政府が兵役の期間を4か月になっていたのを1年に延長することを決めているが、当事者以外は仕方がないと受け止めている。それでも戦争に向かい生活が悪化することは望んでいない」とのことだった。
 質疑応答の中で、日本政府が「台湾有事」を突如として持ち出して軍備予算を倍増するというのは日本が戦争できる国になりたいという姿勢を感じ取れる」「敵基地攻撃能力をもつというのも、北朝鮮に対峙している韓国でさえ我慢していることなのに、日本がそこまでいうのはおかしい」というやりとりも印象的だった。
イベントの最後にジュ・ヨンホさんの歌の生演奏の予定があったが、設備が対応できないということで、ゲリラライブの時の動画が上映された。作詞作曲はジュ・ヨンホさんで、通訳もつとめたジョ・ユソンさんによる日本語訳は動画にも文字で入り、歌詞カードも配布された。タイトルは「そうやって~想像と行動の歌~」。
 締め括りの3人の代表運営委員のお一人マーティン・フリッドさんからの発言があり、「ジュさんの歌で涙腺が緩んだので前ではなくこの場で発言したい。自分の母国のスウェーデンは30年間戦争をしてこなかったが、ロシアによるウクライナ侵攻によってNATO加盟の道を選んで残念。韓国と台湾はそれぞれの歴史の中で軍隊をもち徴兵制のある国であるので、違うところは多々あるが、戦争をしないということで一緒にやれることをしようと今回の取組みとなった。アジア共同声明を出すことは間に合わなかったけれど、これから3カ国、さらにアジア諸国に輪を広げたい」と今後の取り組みについての行動提起があった。
 韓国語の通訳と企画コーディネーターをつとめたジョ・ユソンさんは、ハンサルリム生協研究所の研究員で、研究テーマは地域における福祉活動で、現在は生活クラブ生協の老人施設「風の村」で働きながら研究を続けている。彼女は研究のために日本生協連資料室に閲覧来室に通われていたので、生協総合研究所の女性研究員を紹介して医療福祉生協連にもつなぎ、日韓の医療生協シンポジウムのコーディネーターや名古屋の地域と協同の研究センターのコーディネーターもされている。今回の企画にあたっても、生協の平和活動の史資料を資料室に閲覧に来室されている。そのご縁もあって参加した次第だが、ジュ・ヨンホさんはご友人で以前はiCOOP生協の職員だったということで、韓国の協同組合人ともご一緒に平和の企画ができたのが嬉しいと思えた。来年は帰国される予定だが、今後も協力し合いたいと考えている。



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