「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

【参加報告】3/31(木) 寺脇研さん講演会:子どもたちのために、今本当に必要な政策とは~「こども家庭庁」新設の動きをどうとらえるか~(その2)

2022-04-18 23:39:39 | 情報提供

<Mより発信>
3/31(木)寺脇研さん講演会参加報告記事その1は→こちら
※主婦連サイトに録画した講演会の様子をYouTubeでアップしたという情報が掲載されたのでご紹介する。→こちら
【参加報告】3/31(木) 寺脇研さん講演会:子どもたちのために、今本当に必要な政策とは~「こども家庭庁」新設の動きをどうとらえるか~(その2)
4.子どもが生きていくために必要なことは無償化する。全ての子どもに無償化する
 民主党政権は2010年4月から高校授業料を無償化したが、その新学期スタート時に「君たちの学びは国民によって保障されている」と宣言すればよかったのにやらなくて残念。そうすれば子どもたちの記憶に残っただろう。ところがその年の9月に政権交代してしまい、自民党政権になって3月には所得制限が入ってしまった。親の価値観で進学させないとかいうこともある。親への保障ではなく子どもに保障するのだから、全ての子どもに同じようにすべきだ。子どもへの保障は一律にやらないとだめなのに、金持ちの親には所得での税を増やせばよい。
 小学校6年生まであらゆることを無償化する。医療費、給食費の無料化は明日にでもできる。財源の問題もあるので、プライオリティ=優先順位をつける。段階を踏んで、中学校まで、高校までと広げていけばよい。大学の給付型奨学金よりもそちらの方がプライオリティが高い。
 行政というのは目的と手段、プライオリティを考えるのが仕事である。病気になった時に医者にかかれる、腹いっぱいに食べられること、子どもが生きていくために必要なものを無償にすることは、国がバシッと決めればできることである。
 学校給食しかまともな食事がとれず、夏休みに困る子どもたちのために「子ども食堂」が広がったが、給食センターを活用すれば朝も晩も食事が提供できるはず。武蔵野市の松下市長から立派な給食センターの説明があった時にも申し上げた。3食の給食ということであれば病院は実施しているので病院との提携も考えられる。子どもにカードを持たせるということも考えられる。子どもならプライバシー問題の心配はない。

5.子どもの問題は大人の責任!政治家に突きつけよう!
 若者の投票率の低さが問題になっているが、高齢者の年金の話はイメージできなくても、若い人ほど貧困をよく知っている。「クラスで10人が学校をやめている」「家族をバイトで食わしている子がいる」等々。そういう若者に関連のある政策を政党が掲げていないので投票に行かないという問題がある。
 私は今、映画のプロデュースの仕事もしているが、「子どもたちをよろしく」という映画を扱っていて全国各地で上映会が開催されている。観た人からは「これよりももっとすごいことが起こっているんですよね」という声が上がるが、それを助けないでどうする?と言いたい。
 「自助・共助・公助」というが、大人には歯を食いしばってもらうこともあるが、「自助」を子どもに求めるべきではない。日本の子どもの状態は赤信号の域に入ってきた。2019年には7人に1人の子どもが貧困と言われたが、2022年には5人に1人のレベルになりそう。政治家も「子どもの貧困をなくす」と言わなければならなくなるように、突っついていくことが必要だ。今年の参議院選挙前には考えていただきたい。

※質疑応答は省略。
※質疑応答の中で「子どもたちをよろしく」という映画の上映会を主婦連合会でも取り組んでいくことになった。その時は寺脇さんも来てくださるということで、トーク企画付きでの企画ができるようである。期待したい。
(映画「子どもたちをよろしく」の紹介情報は→こちら

【参加報告】3/31(木) 寺脇研さん講演会:子どもたちのために、今本当に必要な政策とは~「こども家庭庁」新設の動きをどうとらえるか~(その1)

2022-04-18 23:22:17 | 情報提供

<Mより発信>
 主婦連合会主催の寺脇研さん講演会が3/31(木)18:00~20:00にハイブリッド開催され、主婦連会議室で参加してきた。講師によるレジュメはなかったが、メモをもとに参加報告書を作成したので、ご報告させていただく。
 その前に『官僚崩壊 どう立て直すのか』(扶桑社 2021/9/18発行)を参考に読んでおり、その中での子ども庁や子どもへの政策への言及部分を抜粋した記事は→こちら
【参加報告】3/31(木) 寺脇研さん講演会:子どもたちのために、今本当に必要な政策とは~「こども家庭庁」新設の動きをどうとらえるか~(その1)
1.4/1からの成人年齢の引き下げ・・・取り返しがつかないような決め方だった
 選挙権ほか、18歳に成人年齢を引き下げたのは改憲したい勢力=大人の思惑で雑にバタバタと決めてしまった。戦後20歳と決めた時は18歳以上で学校に行っている人が少数派の時代で、今は高校に8割が行き、それ以上への進学も多い。当たり前に学年意識があり、年齢を暦年で考えている人はいない。高校3年生で選挙権の有無が違いがあるということになってしまった。こういうことでいいのか?
 少年法の保護もそうだが、明日4/1から18歳になると親の同意なしで契約できるようになり、成人の消費者として法律で守られなくなる。学年意識を踏まえて、法律に「誕生日を過ぎた最初の4月1日に18歳になっている」と規定を入れればよいだけなのにそうしなかった。親の責任論はあるが、中学を卒業したら高校を卒業したらこうなるんだよと十分に教育する期間をとるべきなのにとれていない。

2.自分が反対しても「こども家庭庁」は設置されてしまうのだろうが・・・
 目的と手段ということを考えることが大事である。2021年春に設置すると決めているのに2023年4月まで2年経たないと実現しないというのは急いでやらなくてもいいことということだ。一体何が目的なのか?憲法を変えるために成人年齢の引き下げが有利になるという判断がある。
 大人になるということは自己責任の度合が大きくなるということで、その自覚を養うためには、本来、学校教育のあり方を大きく変えなくてはいけない。成人年齢を下げるなら小学生くらいから教えていくために10年くらいはかけなくてはならない。教育のあり方を変えるためには10年に1回の学習指導要領の改訂をする。現在の改定も2017年に決めて準備をして2020年に小学校、2021年に中学校、2022年に高校、と進めてきている。そのように10年くらいかけて教育していないのに成人にしてしまうというのは子どものためにしているのではない。早く成人にしてくれという子どもはほとんどいない。極めて恣意的である。
 現在の「こども家庭庁」新設の動きは組織を作るのが目的になってしまっている。目的は子どもを救うことだったはずが、「子どもを大事にするのは当たり前」という国民の感覚を踏まえた政治的パフォーマンスになっている。途中から「家庭」が入るようにわざわざ変えているのも問題。
 文科省、厚労省と分かれているからすぐに救えないというのもおかしい。役所のタテ割り行政の弊害をなくすということで2001年の省庁再編がされたが大失敗しているのは明らかだ。例えば、総務省は自治省と行政管理庁、郵政省が統合されたが、現在も採用は別々のままで郵政省グループが接待漬けになっていても自分の担当しているところ以外は分からなかったわけだ。かつて予算配分の権限で力があった大蔵省も政治主導ということで力がなくなった。貧困の家庭には10万円を児童手当を配布するしくみを使うはずが迷走した。タテ割り行政にはどうしてもなるのであって、その弊害をなくす手立てを打てばよいのである。

3.「こども家庭庁」を作ればスピーディにできる?
 たとえば、学校5日制は1992年に与野党合意によって決まった。背景として、社会党は公務員の職場のうち教員だけが週休2日制が導入できていなかったのでそれを強く要求したし、与党はアメリカからの圧力があった。月1回第2土曜日を休みと3月には決めていたがすぐに国民に云えずに5月に発表して9月からスタートさせた。1995年に月2回とし、10年かけて2002年に完全5日制とした。その中で学校の教える内容を変える準備をしていった。2002年は教育指導要領改訂の年であり、私が推進した「ゆとり教育」は後で叩かれて役所に長くいられなくなったが、「自ら学び自ら考えるマインドを育てる」それには10年かかると考えた。
 「生涯学習」も推進したが、昭和の終わりごろ男性は卒業したら学習は終わりで24時間闘って余暇は骨休めしかできず定年になると「濡れ落ち葉」族(樋口恵子さんの造語)と呼ばれた。女性たちは子育て期から地域社会とのつながりを作って楽しく生きていった。自分は若い頃から映画を観てきたが、音楽などの趣味やスポーツなども楽しむ力をつけていないと楽しめない。
 2022年の要領に盛り込まれた「アクティブラーニング」は主体的対話力のある深い学びのことで、学習であり、教育ではない。30年前のとっかかりからようやくここまできた。月1回第2土曜日を5月に発表したが、土曜日も学校が預かってくれていると思っていた共働きの親たちの大問題となった。そこで霞が関の全ての官庁に子どもの土曜日の居場所づくりの協力を依頼し、それぞれの省庁が応えてくれた。大震災の時もタテ割りを超えて協力した。
 子どもを救うために協力しろと号令すればできることをダラダラやっている。子ども庁新設に向けて文科省にいてバリバリ仕事をしていた人が内閣府に出向して待機状態になっている。100歩譲っていえば「今やれよ」。なのに、できてからやるとなっている。
さらに「家庭」が加えられたのは、古い家庭教育を美化する与党の改訂憲法素案の方向性である。素晴らしい家庭ばかりではない。去年の参院選までは政治に期待していたが、どの政党も選挙権のある親に給付する政策しか掲げていない。
※3/31(木)寺脇研さん講演会参加報告記事その2は→こちら
※主婦連サイトに録画した講演会の様子をYouTubeでアップしたという情報が掲載されたのでご紹介する。→こちら

【情報】3/31(木)寺脇研さん講演会の前に『官僚崩壊 どう立て直すのか』からのご紹介

2022-04-17 23:33:28 | 情報提供

<Mより発信>
 3/31(木)寺脇研さん講演会(主婦連合会主催)の参加の前に『官僚崩壊 どう立て直すのか』(扶桑社 2021/9/18発行)を参考に読んでから参加した。寺脇研さん、前川喜平さんの共著であるが前半はラジオの人気番組(文化放送)の吉田照美さんとの鼎談になっている。以下、その中での子ども庁や子どもへの政策への言及部分を抜粋。
【情報】3/31(木)寺脇研さん講演会の前に『官僚崩壊 どう立て直すのか』からのご紹介
●P76:(寺脇)昨今、内閣府がどんどん肥大化している。文部科学省の人事を見たら、どれだけの数の役人が内閣府に出向しているの?と疑問を感じるほどです。文部科学省だけではありません。各省から役人が集められ内閣府が肥大化している。こども庁も内閣府の中に新設を検討されているのでしょう。(中略)それも問題です。なぜかというと、内閣府には記者クラブがありません。内閣府を取材しているのは内閣官房を担当する鑑定付きの記者です。加計問題のときメディアにコメントしましたが、加計学園設置推進のための特区に関する会議をチェックしている記者がいなかったわけです。日ごろ、官房長官や総理に恐る恐るコメントを求めているような記者たちは内閣府で実際に行われていることまで取材に行けないし行かない。他の省庁には建物の中に記者クラブがありますから、鵜の目鷹の目でその省庁の動向をつぶさに見ることができる。内閣府には記者クラブがないのでできません。それは本当に恐ろしいことだと思います。
●P144:(寺脇)ただ、官僚の働き方が変わった根っこは、いろんな形で省庁再編にあり、これが諸悪の根源ということはできる。政治主導で1府12省庁になったのは大間違い。そこに加えて“子ども庁”などをどんどん作っていくのはまったくおかしい。(中略)もう一度省庁を20くらいに分け、それぞれが意思決定できるように整理していけばいい。
●P174:(前川)民主党は「子ども家庭省」の設置を検討していましたが、「こども庁」よりははるかにわかりやすいですね。文部科学省と厚生労働省の仕事を切り分けして別の省にするというのは、発想としてあり得るものです。(中略)
(寺脇) 「子ども家庭省」もいいんですが、組織を変えることが先になっているからおかしいのです。組織はあくまでも手段であって、目的は政策の実現だということを忘れてはいけません。
私が個人的に主張している政策は、すべての子どもはなんでも無料、「子どもベーシックインカム」と名付けています。極めて単純に、ご飯が食べられない子どもはいません、医療を受けられない子どもはいません、経済的な理由で進学できない子どもはいません、という大原則を掲げる社会を作る。財源をどうするか?については、「自助」などあり得ない子どもたちの生活や学習を保障するために、まず無条件に予算確保する、後は残りを大人たちにどう配分するか議論すればいい、というぐらいの覚悟でやっていいのではないか。
※3/31(木)寺脇研さん講演会参加報告記事その1は→こちら

【お知らせ】4/19(火)第77回「19日行動」( #0419議員会館前行動)、4.28渋谷春闘共闘会議学習会「生かそう憲法!戦争と平和を考える学習会」

2022-04-13 17:54:17 | 情報提供

<2022年4月14日 「生協だれでも9条ネットワーク」世話人会>
 2022年2月24日に始まったロシアのプーチン政権によるウクライナ侵略は7週間を越え、3月25日の国連による民間人保護を求める人道決議案を加盟140/193カ国の賛成で採択しました。しかし、ロシア軍のキーウ州撤収後にロシア軍によるウクライナ住民への公開処刑、無差別殺戮、女性への暴行、略奪など組織的戦争犯罪が行われた動かぬ証拠の聞き取り事実や映像が各国で報道され始めました。4月7日にはロシアの国連人権理事会資格停止決議を93カ国の賛成、24カ国の反対で可決しました。
 4月13日現在、ウクライナ南東部に再編成されたロシア軍の包囲網下で近日中のマリウポリ陥落なども想定されています。ポーランドなどの近隣諸国へ450万人以上のウクライナ避難民が押し寄せています。この人道上も許しがたいプーチン政権の侵略戦争をやめさせるには世界各国と日本の「戦争やめろとの声と連帯行動」が不可欠です。
 日本国内でプーチン糾弾、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求める運動が急速に広がっています。総がかり行動実行委員会の呼び掛で4月8日の日比谷野音集会とその後のデモ行進などへ生協だれでも9条ネットワークメンバーも有志が参加し、取り組みが広がっています。一方、国内でこの機に乗じた「憲法9条攻撃や憲法改悪」の動き、「核共有」論などが持ち出されています。「生協だれでも9条ネットワーク」は安保法制の撤回、憲法を守り活かす、沖縄辺野古の新基地建設反対を掲げ、「総がかり行動実行委員会」の呼びかけに応えてきました。この時期、7月実施の参議院選挙を意識する時期を迎えました。
 今回、第77回「19日行動」と「5・3憲法集会」への参加が呼びかけられています。現状はコロナ第6波が下げ止まらず、オミクロン株BA.2への置き換わりやさらに感染力の高いとされるオミクロン株XEの警戒を緩めずに「感染防止」を心がけて国会議員会館前や有明臨海公園での行動に取り組みましょう。
 また、日生協労組書記局の堀さんより4月28日の渋谷春闘共闘会議学習会「生かそう憲法!戦争と平和を考える学習会」がオンライン併用で案内されましたのでご紹介します。
【お知らせ】4/19(火)第77回「19日行動」いのちとくらしと雇用・営業をまもれ!衆参補欠・再選挙勝利!改憲手続法強行するな!4.19国会議員会館前行動
と き:2022年4月19日(火)18:30~
ところ:衆議院第2議員会館前を中心に(国会図書館方面も御利用下さい)
内 容:各党挨拶、市民の発言
    フィジカル(物理的)ディスタンスを確保しながらスタンディング。
<参加に際してのお願い>
 新型コロナウィルス流行の問題があり、風邪をひいているなど体調の悪い方や体力に自信のない方はご遠慮くださいますようお願いします。できるだけマスクの着用をお願いします。できるだけ各自のプラカード持参をお願いします。
共催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
   安倍9条改憲NO!全国市民アクション
※「生協だれでも9条ネットワーク」の幟旗はいつもの位置、衆議院第2議員会館付近に18:00頃から立てます。何かの際の連絡は藤原携帯までお願いします。
国会周辺図
※総がかり行動実行委員会の案内の記事は→こちらです。

【お知らせ】4.28渋谷春闘共闘会議学習会「生かそう憲法!戦争と平和を考える学習会」
講 師:小森 陽一さん(全国九条の会事務局長)
と き:4月28日(木)18:30~20:30
ところ:東京土建一般労働組合渋谷支部
    オンライン併用で開催
主 催:渋谷春闘共闘会議
※参加のお問い合わせは堀さんまでお願いします。