今週の後半はかなり荒っぽいマーケットとなった。
米国では債務上限問題があり、テーパリングの開始も意識された。
中国では中国恆大のデフォルト懸念。これは先週も書きましたが、中国国内の人民元建て債務については国内で何とかしようという報告性が出てくると思われるしリーマンのような金融機関がメインプレーヤーでは無いから直接的な悪影響は大きく無いと考えられる。ただし、ドル建て債務は切り捨てられるのでは無いだろうか。それでも、リーマンショックの様な混乱は起きないと思われる。
しかしながら、中国の保有外貨は大きいとはいえ一説によれば外貨準備の4分の1程度は発展途上国への投資に向かっており実際のキャッシュはは大きく無いのでは無いかという懸念がある。
と考えれば、日本型のバブル崩壊というのは考えられるシナリオだ。
恆大だけの問題ではなく、中国不動産業者のほぼ全てがキャッシュ不足に喘いでおりTOP20社のうち数社が飛べば物件の投げ売りが連鎖し不動産価格の大幅な調整が起こる懸念がある。借主のいないビルやマンションも多いため、売られ始めるとキャッシュフローのない物件の価格は利回りでの裁定が働かなくなるためフェアバリューが分からなくなり意外な安値を付けてしまうかも知れない。理財商品は不動産現物での償還なども言われているため、市場に売り物件が溢れれば不良債権増大→銀行のバランスシート悪化→貸し渋りや貸し剥がしというような日本のバブル崩壊時と同じような経過を辿るかも知れない。
流石に日本のバブル崩壊の研究をしているので日本ほど長期間後遺症が出ることはないと思うが、銀行がダメージを受ければ影響は大きくなる。
ただでさえ中国の銀行は国有企業が効率化されていない中で不良債権比率が大きいと言われているのでそのようなバブル崩壊の可能性は高くなっている。
日本は中国への銀行の貸し出しはそれほど大きくは無さそうだが、ジワリと影響が出てくるだろう。
現状、海運運賃は高値となっているが中国がコケれば下落幅は大きくなるだろう。非鉄金属も中国の価格影響力が大きいので下落圧力がかかるはずだ。
軍事的には敵対関係になっているが、経済的には一心同体の関係でもありどの程度で折り合いをつけるかという問題となるだろう。
今後は中国が積極的に動けないというマーケットでどんなシナリオを描いていくのか?
中国国内問題となってしまえば、世界の影響は限定的だろう。
ただし、西側の資金は中国に向かい辛くなるはずなので人民元安となり、その結果輸出競争力の回復で生産が拡大していき経済が落ち着く。そこまでは警戒が必要になるのだろう。中国のGDPの30%は不動産投資から産まれたものであるから、虚業から実業へ成長エンジンを変えていく必要がありそうだ。
驕る平家は久からず。そんな言葉が思い出される。
中国は急落というより、鍋底型の不況に入り込んでいくかも知れない。
それで、軍事費が削られて紛争が起こらなくなるならそれも良いとは思うんですが、
こういう危機ってなった時は世界の指導者は戦争したくなるんだよね。それが国民の不満の最高の捌け口だから。
注意する必要がありそうです。
元気出して行こう!