バカの後知恵というが、グーグルでブルシット・ジョブを検索してみたら、実に要領よくまとめられた解説記事があった。 先日(5/16日)私の下手なエッセーもどき「ブルシット・ジョブの話」を読んでくれた方には申し訳ないと思う。 ご迷惑ついでに「ブルシット・ジョブ 蛇足的余話」も投稿して読者の頭を悩ますことになった。実は懲りていないのである。 ▼ ボーッシェ! 米軍千歳空軍基地内で聞いたスラング 私が初めてブルシットの言葉を聞いたのは1947年、米空軍千歳基地だった。 戦後2年目の占領軍は機嫌が良かった。われわれが接触することが多かったの はヒスパニックだったがタダで世界旅行ができるという米軍の募集宣伝でGIに なった者もいると聞いた。彼らがよく口にするぼやき言葉が「ボーッシェ!」だった。 われわれには「ボーッシェ!」と聞こえるのがブル・シット(Bull shit!)だ。 もともとは牛の糞を意味するブル・シットがなぜぼやき言葉なのか。なぜエッ ンシャルワークの対義語になったのか、慣用語の場合こういったことは、それを しゃべっている人に聞いてもまず分からない。 ブルシット」のブルは牛ではないという説もあるという。しかしブルを牡牛とするブルシット・ジョブが既に慣用句となっており、エッセンシャル・ワークの対義語としても感覚的にぴったりだ。 ▼大きな石を相手にハンマーを振る男
米軍千歳基地ではもうひとつ徹底的に無意味な仕事とされているブルシット・ ワークを見た。多くの米兵が行き来する司令部の前で、岩のように大きな石を大 ハンマーで叩いている兵隊がいた。 人に聞くと、これは刑罰なのだいう。まったく無意味な作業を強制されること は苦痛と屈辱以外の何ものでもない。 そういえば後年、アメリカの西部劇映画でまったく同 じシーンを見た。クェーカー教徒の幌馬車隊に悪さをした男が川の中の大石にハ ンマーを振るっていた。これはブルシット・ジョブの原型かも知れないと思った。 ふとギリシャ神話「シジフォスの大石」も思い出した。この刑罰形式には宗教的な背景があるのかも知れない。 ▼ ブルシット・ジョブ BSJ 撲滅のチャンス ブルシット・ジョブ(無意味な仕事)従事者は高給取りが多く、エッセンシャル・ワーク(必要不可欠な仕事)従事者の所得は低い。この格差問題がいわれてから随分経つが未だに解決していない。 医療従事者などエッセンシャル・ワーカーの社会的地位が向上し、ものの見方考え方が進化しているのに経済の現実がついていけず、遅れているように見える。 老人の妄想は無責任に膨張する。いまや政府の方針となっている「デジタル化推進」はブルシットジョブ(BSJ 無意味な仕事)撲滅のチャンス」ではないかと思っている。 (2022/05/31)