映画「山桜」鑑賞 21.7.12(日)13:30~15:10
藤沢周平原作「山桜」の映画化。
東山紀之と田中麗奈、主演の時代劇。
久し振りに、涙が出た映画だった。
主演をはじめ周りを固める俳優の演技も素晴らしかった。
山桜を初め四季が美しく映し出されており、日本の美しい原風景を見ているようだっ
た。雪解け水、田んぼの向こうに雪をかぶった優美な鳥海山があった。
主題となっている、山桜が美しく写し出され、山桜に始まり、年がめぐり、山桜で締め
くくられる。
副題は、「幸せへのまわり道ー風雪に耐えて咲く山桜の下、男はひたむきに正義を
貫き、女は熱い想いを胸に秘めた。」となっている。
江戸後期、北の小国、海坂の地。
野江役の田中麗奈と海坂藩士手塚弥一郎役の東山紀之が、山桜の下で出会い、
「山桜に手繰り寄せられた運命の糸。」で結ばれていくこととなる。
野江は、初婚の夫に先だたれ、再婚、婚家では冷たく扱われ不幸な結婚生活を送っ
ていた。
結婚生活にじっと耐えていたが、ついに婚家を追い出される。
壇ふみが母親役で、野江が落ち込み、幸せはもうこないと嘆くと、「今は、幸せへの
まわり道をしている。」だけと励まし続けていた。
農民の悲しい物語もある。不作で、自分の母親と娘を亡くしてしまった姿が特に悲し
かった。
手塚は、正義感もあるが、寡黙で優しく、若者に剣術指南をしている剣に強い武士と
して描かれている。
新田開発で、藩の重役と裕福な百姓が結託して、農民を新田開発に駆り出し、更に
年貢を高くするという始末だ。
手塚は、不正をしている重役を切り捨て、牢に入り、その間、野江が手塚の母のもと
に山桜を届け親しくなり、その母とともに、手塚を待っているところで終わってしまっ
た。
幸せな、再婚生活が描かれることを期待していたが、かえってこの方が、余韻を残
す感じで良かった。
是非、原作を読んで見たいと思っています。