そういえば立川談志が落語は業の肯定だっていってましたね。ちょいと前に私たちは色を実在として生きているんだから苦悩や煩悩を生きるほかないってなことを書きましたが、ようするに業の肯定ですわな、このモノ云いは。♪わかっちゃいるけど、やめられない♪ってな歌がありますけど、ここで正論を持ち出して、わかってるんならやめたらいいだろう、なんてことを言っても人生つまらなくするだけ。本当にアホウやなあ、あたしたちっ . . . 本文を読む
佐野洋子「ふつうがえらい」(新潮文庫 平成七年)
この本の解説は河合隼雄。で、その解説のなかで鹿島和夫編「続一年一組 せんせいあのね」(理論社)から小学一年生なかたにゆうすけ君の詩を河合隼雄は引用しています。
えらい人より
やさしい人のほうがえらい
やさしい人より
金のない人のほうがえらい
なぜかというと
金のない人は
よくさみしいなかで
よくいきているからだ
小学一年生でよくこんな詩が書け . . . 本文を読む
数年、いや十数年ぶりかもしれません、「風の谷のナウシカ」を読み返しています。
その4巻。ユパが森の人セルムに言う。
貴君にぜひ会わせたい人物がおる
ナウシカという少女だが
セルムがこたえる。
森がそのように望むなら
私たちは出会います
こういう言葉があたくしのなかに降り積もって、あたくしは出来ているんだなと思います。「森がそのように望むなら」という人の意思を超えた何か、大いなる存在というか . . . 本文を読む
前項で「ゴルディアスの結び目」から、本質である“空”を見ず、その“むすぼれ”の方を実在と見あやまるから、そこに死ぬ事に対する苦悩や、現世に生きる事のさまざまな煩悩が生まれる……。ってところを引用しました。その続きにこうあります。“空”こそが唯一の実在とわかれば、本来空なるものが“空”にかえる事も何ら苦しむに値しないと悟り、寂滅為楽の境地が達せられるだろう……。おそらく多くの人たちは苦悩だの煩悩から . . . 本文を読む
宮崎哲弥「仏教教理問答」(サンガ 2012年)5人の僧侶との対論。その内2人を読んだところです。難しかったり、その教理に興味がなかったりして内容を汲み取れてるのは僅か。「仏」の語源がよくわからないってのをはじめて知りました。フトキ(仏教者を表す浮屠家の訛化)かもしれないし、ホトキ(死者に食物を供える器)かもしれない。あるいは大きな命の流れがあって、自分の人生はひとつの結び目で、死ぬとその結び目がほ . . . 本文を読む