820note

820製作所/波田野淳紘のノート。

メモ。

2023-04-29 | メモ。
台所で、お茶をカップに注いでいる時、ふいに痙攣的な笑いが生まれた。止めようと思えばすぐ止められただろうが、そのままにしておいたら、どこまでも続いた。このような笑いが自分にも生まれるのだ、とふしぎだった。映画で、心に亀裂の入った人が、意思や感情を手放して、全身を丸ごと預けるようにする、あの笑いだ。涙を出そうとしても、それはなかなか出ない。泣きたいのに、涙にはならない。そのかわりに、笑いがするすると出てくる。ひとしきり笑う。止めよう、と思って止める。悲しい気持ちが残る。胸の奥に、引き取り手のいない、ひからびた何かがある。