もし世界の終わりが明日だとしても私は今日林檎の種子をまくだろう。
ゲオルグ・ゲオルギウ
先日のサッカーの試合で、奪えるはずのないボールへ向かって突進していく選手の姿にはこの言葉が重ねられるだろうか。文脈において大いにズレ合っているとしても、松本さんが帰られた後、僕はこの言葉を思い出していた。そして隣では網谷くんが純真そのものの瞳で試合を見つめていたし加藤くんは服を脱いでいました。
テレビで南米の方にある滝の映像を見た。
Uの字型の幅何キロにもわたる広大な滝の、その地形と水量の途方も無さ。水の強さ。自然の噴出。何というのだろうなあれは。かなうはずがない相手を前にしている、感じ。つまり、聖なる感じ。
行き詰まったら星の遠さを見ればいい。小さな光の寄せてくるその距離と時間の途方もなさを感じることができたら、それで難関は突破だと言った劇作家がいた。
同じことを博物館で僕は感じる。あそこでは時間の感覚が揺さぶられる。目がまわる。一つの石片に込められた遠大な物語だとかそれを越えて今も残る誰かの息づかいとか、歩み寄らねば気づかれないような、かすかなもの。
創作の態度が「表現」に傾斜し過ぎていた。それは必要なことだったけれども、また「創造」に引き戻したい。
目眩の感覚。そこから派生する諸々。諦めること。愛すること。寂しさ。鈍痛。生活においてはやたらに感傷的で、それ故にloudになりがちなそれら一切をもう少し大事に丁寧に響かせて、メロディーに高めて、聞き取ることのできる耳を獲得しなければいけない。耳の精度をあげるのだ。だからあまりに広大な距離、遠すぎてどんな物音も届きそうもない距離を自分の内に確かめて、時にはその場所に落ちていって、じっと耳をすます時間が必要になる。そのような場所に立ってようやく感じ取られる響き。たとえ弱々しくて誰にも気づかれなくても、それはすでに途方もない距離を越えて伝わってきた音だ。その音で歌え。
ゲオルグ・ゲオルギウ
先日のサッカーの試合で、奪えるはずのないボールへ向かって突進していく選手の姿にはこの言葉が重ねられるだろうか。文脈において大いにズレ合っているとしても、松本さんが帰られた後、僕はこの言葉を思い出していた。そして隣では網谷くんが純真そのものの瞳で試合を見つめていたし加藤くんは服を脱いでいました。
テレビで南米の方にある滝の映像を見た。
Uの字型の幅何キロにもわたる広大な滝の、その地形と水量の途方も無さ。水の強さ。自然の噴出。何というのだろうなあれは。かなうはずがない相手を前にしている、感じ。つまり、聖なる感じ。
行き詰まったら星の遠さを見ればいい。小さな光の寄せてくるその距離と時間の途方もなさを感じることができたら、それで難関は突破だと言った劇作家がいた。
同じことを博物館で僕は感じる。あそこでは時間の感覚が揺さぶられる。目がまわる。一つの石片に込められた遠大な物語だとかそれを越えて今も残る誰かの息づかいとか、歩み寄らねば気づかれないような、かすかなもの。
創作の態度が「表現」に傾斜し過ぎていた。それは必要なことだったけれども、また「創造」に引き戻したい。
目眩の感覚。そこから派生する諸々。諦めること。愛すること。寂しさ。鈍痛。生活においてはやたらに感傷的で、それ故にloudになりがちなそれら一切をもう少し大事に丁寧に響かせて、メロディーに高めて、聞き取ることのできる耳を獲得しなければいけない。耳の精度をあげるのだ。だからあまりに広大な距離、遠すぎてどんな物音も届きそうもない距離を自分の内に確かめて、時にはその場所に落ちていって、じっと耳をすます時間が必要になる。そのような場所に立ってようやく感じ取られる響き。たとえ弱々しくて誰にも気づかれなくても、それはすでに途方もない距離を越えて伝わってきた音だ。その音で歌え。