820note

820製作所/波田野淳紘のノート。

『路上3.11』のこと。

2011-12-22 | アナウンス。
新宿通いの日々。
ティーファクトリーの『路上3.11』に演出部として参加しています。

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『路上3.11(路上4)』
作・演出:川村毅
☆川村毅新作+小林勝也主演<都市を彷徨う男が巻き込まれる悲喜劇一時間一幕>シリーズ

◆2011年12月20日(火)~23日(金・祝)
 12/20(火)19:30
 12/21(水)15:00/19:30
 12/22(木)15:00/19:30
 12/23(金・祝)14:00/17:00
 ※開場は開演20分前。

◆SPACE雑遊 http://www.zatsuyu.com/

【料金】
前売り3,500円/当日3,800円

☆お問い合わせ・詳細はこちらから→T Factory HP
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十月に戯曲をいただいて一読したとき、川村さんがいつになく真情を吐露しているように感じ、胸打たれた。
いや、作品はいつだって作家の真情が織り込まれその体温が宿っているのだろうけれども、日常が音を立てて裂けたように感じられた「あの日」の、平衡をうしなって、それでもなお倒れまいとするからだの反射のような、足もとの傾斜に思わずふんばりを利かせた息のはずみのような、なにか特別な心の動きの気配が、全編にみなぎっているように感じられた。

決して大げさでなく、たんたんと、とぼけながら、おおまじめに、震災から一か月間のできごとが描かれている。時には「不謹慎」と戯れるように。
舞台を見ながら、あの日々について、もうすでに忘れていることがたくさんあることに気がつく。たった九ヶ月前のことなのに。

取るに足らないささやかなもの、かすかなもの、日々の肌触りを決定しながらやがて風化しほつれ消えゆくもの。
その破片を拾い、記録し、検証し、次代へと手渡していくこともまた、いま、ここに生きている作家の仕事であるのだと。

金曜日が千秋楽。ぜひご覧いただきたい舞台です。

星をうたう心で。

2011-12-20 | 生活の周辺。
帰宅してテーブルの上の夕刊に目を向けたら「金正日死去」の報が。まじか、そうか、と思いながらめくっていった先の、まったくそれとは関係のない「人生変える詩のことば」と題された記事に、尹東柱(ユン・ドンジュ)という27歳で獄死した詩人の詩が引用されていた。

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序詞

いのち尽きる日まで天を仰ぎ
一点の恥じることもなきを、
木の葉をふるわす風にも
わたしは心いためた。
星をうたう心で
すべての死にゆくものを愛おしまねば
そしてわたしに与えられた道を
歩みゆかねば。

今夜も星が風に身をさらす。

(愛沢革訳)
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すべての死にゆくものを、愛おしまねば。
詩人であることは、激しい胸の傷を、決して癒され得ない場所を、この世界の只中に保持すること。



先週、「ふねをゆらす」の作戦会議のため、下北沢に集結し、カレーを食す。
「ふねをゆらす」はいつもカレーからはじまることになっているんだ。だってカレーが好きだ。おなかいっぱいになってから、小さな喫茶店に移動し、小声でひそひそと古典戯曲の読み合わせ。笑った、笑った。目で読むのとはこんなにも世界が異なってひらけるのか。こんなに笑える芝居だったのか。思いがけない場所へ役者たちに導かれ、感謝。次回は稽古場で、もっと奥まで。



日曜に劇団の忘年会。

少ししか顔を出せなかったのですが、お会いできて嬉しかったです。
またきっと楽しい時間を重ねられますように。

のっちの体調は大丈夫だろうか。忙しいと思うけれど、どうか無理せずに。違うな、嫌でも無理せざるを得ないのだとは思うけれど、たくさん食べて、できるかぎり眠れるように。ご機嫌な音楽を聴いて、心を明るいところに。そして、おれの体調は大丈夫だろうか。鼻水は止まってきたが今度は鼻血だ。たくさん食べて、できる限り眠ること。



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