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サラサウツギ・2~開花

 長池公園の「サラサウツギ(更紗空木)」。毎年撮っている花だが、いつもこの美しさに引き寄せられ、素通りできない。サラサウツギはユキノシタ科ウツギ属の落葉低木で、ウツギを八重咲きにした園芸種。一番外側の紅色が何とも魅力だ。ウツギやサラサウツギなどは “匂うように” 咲くが、香りは全く無い。

『夏は来ぬ』
(JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略)
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シャリンバイ

 高校生の頃に読んだ本が何冊か書棚にある。当時、いたく感動していつか読み直そうと思って保存しているもので、今ではひどく色褪せてしまっているものばかり。読み直すなら新しい文庫本を買ったほうが活字も大きくなって読み易いが、昔の本はなかなか捨てられない。カミサン曰く、本はブックオフで買ってきて、読んだらまたそこで売るのが今流とのこと。買った本に “蔵書判” を押して書棚に飾るのは時代遅れらしい。
 先日、書棚を整理していて出てきた本が、ヘルマン・ヘッセの 『デミアン』。 薄い文庫本だが、裏表紙を見てみると昭和47年2月25日35刷改版とあり、価格は何と120円だ。当時はヘッセの 『車輪の下』 や 『青春は美わし』 なども読んだはずだが、残っているのはこの 『デミアン』 だけ。青春時代を思い出して、読みにくい小さな活字を読み直してみよう。
 さて写真は南大沢5丁目の遊歩道脇に咲く「シャリンバイ(車輪梅)」。バラ科シャリンバイ属の常緑低木で、枝が車軸のように放射状に伸びていることからその名がある。刈り込みに強く排気ガスにも耐えるため道路脇の植え込みなどによく利用される。5弁花はバラ科の花らしく綺麗な形をしている。
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ナワシロイチゴ・1~花

 ピンクの花弁が可愛らしい「ナワシロイチゴ(苗代苺)」。巾着袋のようにも見えるし、地方の銘菓でこんな包みに包まれた和菓子が無かっただろうか。ナワシロイチゴはバラ科キイチゴ属の落葉低木で、イネの種を蒔く “苗代” を作る頃に果実が熟すのでこの名がある。萼片が開いても5枚の花弁は開かず、先端からわずかに雌蕊の柱頭が見える程度。受粉はどうやらアリが協力しているらしい。
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バラ・3~さうひ

 今月になって3回目の「バラ(薔薇)」だが、さすがに花の女王だけあって、とても1回では終えられない。しかし他の植物の出番も必要なので、蘊蓄に少し触れて打ち止めとしておこう。バラの原産地は小アジア付近と言われ、人類の古代文明が始まったと同時にバラの栽培も始められたらしい。バビロニアやエジプトの古代遺跡にバラの絵が描かれており、クレオパトラもローズオイルの愛好者だったというのも理解できる。日本には、自生のノイバラ(ノバラ)などがあったが、西洋のバラは唐を経由して平安時代には既に入っていたようだ。薔薇は “そうび” や “しょうび” とも読むが、源氏物語の時代は “さうひ(薔薇)” となる。
 “けふもれいの人々おほくめしてふみなとつくらせ給はしのもとのさうひ(薔薇)けしきはかりさきて 春秋の花さかりよりもしめやかにおかしきほとなるにうちとけてあそひ給” ~ 『源氏物語』 賢木より
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ユリノキ・4~構造

 モクレン科ユリノキ属の「ユリノキ(百合の木)」。高木になるため花が高い位置に付きなかなか目の高さのものが無いが、ここ別所公園の樹は街路樹のように枝が剪定されずに低い位置の枝が大きく伸びているため、花が間近に見られる。そこで以前から気になっていたことを確認してみた。まず花の構造だが、下に広がっている萼片は3枚。花の直径は5~6センチで、基部に赤い斑紋のある花弁は6枚ある。写真では手前の花弁を取り除いてある。花の中央の太い固まりが雌蕊で、先端に見える点々がそれぞれの柱頭。その周囲にたくさんの雄蕊がある。さて気になっていたのはこの花の蜜。花の基部が濡れているのでこの水分を舐めてみると確かに甘い。これは粘性の無いサラリとした蜜で、匂いを嗅いでみると微かに芳香がある。 “ユリノキに近づくと甘い香りがする” という記述を見たことがあるが、ここの樹は花に鼻を近づけると微かに香る程度。樹全体が香る樹にまだ出会ったことは無い。
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