西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

記念すべき日

2016-01-29 21:38:05 | 石木ダム
今日の川原(こうばる)は雨。

週末からの雪で延びていた重機類の搬出が、今日行なわれるのだ。

午前9時30分、ダム事務所の所長・職員とT建設、S建設の関係者がやって来た。

雨の中、地権者の皆さんと一緒に作業を見守った。



思えば5月19日に再開した「付け替え道路工事」を巡っては、この8ヶ月半、県職員、業者と何度となく攻防を繰り広げてきた。

この8ヶ月半の間、思い出になる記念日が数日あるが、今日もその一つになった。


まずは6月12日。

県職員と業者が早朝5時に重機や軽トラックを現場に入れ込んだ日。



この日から現場に入る職員・業者とそれを止めようとする私たちとで激しい攻防が続くことになった。

次が7月7日。

地権者も支援者も帰った午後5時過ぎに、プラスチック製の正面ゲートを取り払った日。



いつでも大型重機を現場に入れられるように入口を大きくしたのだ。このときから、いつ入るか分からない大型重機のことを考えて、地権者の皆さんの緊張が高まったのだ。

そして最大の山場だった9月30日。





午前2時という深夜。大型トラック4台に荷物を積み込んで現場にやって来た所長、職員、業者を追い返したのだ。

この8ヶ月間ではこれが一番大きかった。

ここで、阻止することが出来たから、今日の搬出に繋がったのだ。


私たちががんじがらめに括っていたロープは外され、中から仮説トイレ、小型のショベルカー、テントなどが運び出されてきた。






次の業者が決まるまで、しばらくは阻止行動もお休みとなる。

しかし、裁判闘争も始まるので、「まだまだ頑張るぞ~!」と気を引き締めているところだ。




プレハブの現場事務所撤去へ

2016-01-28 22:01:25 | 石木ダム
今日と明日は「立会」が行なわれる日だった。

今月9日、石木ダム建設事務所から配達証明付きで送られてきた書類には、「立会等要請書」とあり、私も共有地権者になっている土地が「付け替え道路」に必要なため、土地収用法の規定で調書を作成するので立会って欲しい旨が記されていた。



午前10時から行なわれることになっていたが、この立会いに抗議するため私たち共有地権者も地権者の皆さんと一緒に川棚公民館に出向いた。



結局、地権者のみなさんと私たちの激しい抗議で、今日と明日の「立会」は中止となった。



先週金曜日にダム事務所の所長がゲート前に来て、「工事業者が撤退すること、ついては現場に置いてある重機やテントなどを出させて欲しい。その作業を26日に行いたい。」と話したが、なにせ大変な大雪で作業が延びてしまい、今日と明日で撤去することになったのだ。


朝、現場事務所を見に行ったときには、もう作業は始まっていて、敷地には荷物が並べられていた。



顔見知りになっていたガードマンの方や建設会社の従業員の方に挨拶をして、写真を撮らせてもらった。





この8ヶ月間、ゲート前では小競り合いもあり睨み合いもあったけれど、この方たちは、県が発注した公共事業の一部工事を落札した建設会社の従業員に過ぎない。

個人的には何の恨みもないのだ。


石木ダム建設が中止になり、「ゲート前ではあんなこともありましたね。」とお互い笑いあえる日がくればいいな~ぁ。

朗報

2016-01-22 19:28:43 | 石木ダム
東彼杵郡川棚町石木郷にある長崎県石木ダム建設事務所。



県道をはさんで、その向い側にダム事務所の動きを監視するためにテントを張り、支援者が座り込みを始めて100日を越えた。

そのダム事務所前の支援者から「朗報!」がもたらされたのは昨日の午後のことだった。

5月中旬から始まった付け替え道路工事は、私たちの激しい抗議と阻止行動で、現場への重機搬入に失敗し、草木の伐採をしただけで昨年10月以降そのままの状態が続いている。
佐世保市のT建設とS建設が請け負っていたのだが、8ヶ月の工期の終了が今月末に迫り、撤退することになったと所長がテントに来て話したのだという。

本当なのか? 信用して大丈夫なのか? そんなことも頭をよぎったけれど、それよりも何よりも長期にわたって緊張した状態で阻止行動をやって来て、疲れ果てたと言うのが偽らざるところだったので、「ああ~~、しばらく休める」という嬉しさの方が先にたった。

そして今日、所長と職員2名がゲート前へやって来た。

2016.1.22ゲート前で説明をする所長


現場には、5月に入れた小型のユンボや軽トラック、テントなど多数の道具がまだそのままになっている。

だからそれらの道具を26日に搬出させて欲しいということと、プレハブで出来た業者の現場事務所も撤去して持って帰るとのこと。

やっぱり本当なんだ。

この8ヶ月の阻止行動は無駄ではなかった。 地権者側の勝ちだ。



これでしばらく工事は進まない。

所長は仕切り直しで、また2月に入札をやると言ったが、入札に参加する業者がいるのだろうか?

どんな業者が来ても、私たちはダム建設が中止になるまで阻止行動を続けて行くのだから。


今年最初のデモ

2016-01-20 22:48:53 | 反戦・平和
昨日は「19日佐世保市民の会」の今年初めてのデモだった。



1968年1月19日は、アメリカの原子力空母エンタープライズが佐世保に入港した日であり、入港に反対する労働者・学生の反対運動を押さえ込もうとした機動隊との間で激しい攻防があり、多数の重軽傷者を出した通称「エンプラ闘争」が起こった日でもある。

あれから48年、翌月の19日から始まった「19日佐世保市民の会」は今も細々と「反戦・反基地・平和」を訴えて歩き続けている。


恐ろしいほど右傾化し、着々と戦争ができる国づくりを続けている政権に小さな声ではあるけれど「NO!]という明確な意思表示をする。



その意思表示のために、自分たちに出来ることをやる。

そのための「19日佐世保市民の会」のデモなのだ。

576回目のデモの参加者は15人。



48年もたってまだ15人も参加者がいることに、ちょっと感動。

あと2年すると始めてから50年になる。

50年、600回まで頑張ってみるか!

雪にも負けず

2016-01-19 16:27:06 | 石木ダム
朝から雪が降っている。

昨夜から、天気予報は九州北部も雪との情報で夜中2度ほど外を確認したが、雪は降っていなかった。
それが今朝になったら、風に乗って横殴りの吹雪になっている。

この天気でこうばるまで行くことができるだろうか?

佐世保市から川棚町へ入る峠はかなりの急坂である。雪でスリップしたりしないだろうか?

夫がバイパス道路ではなく旧道をゆっくり走らせることにきめ、いつもの時間に車で出発した。


少し遅れたが、無事にこうばる着。



しかし、ゲート前も付け替え道路予定地も吹雪いていて、とても外での座り込みはできない。

いつものように炭をおこし、みんなテントの中で待機する。






午前10時15分、ダム事務所前で県の動きを見張っている支援者から「ワゴン車が出発体勢に入った」との連絡があった。

やっぱりだ。こんな日はダム事務所から所長がやって来るに違いないという思いがあった。

急いでいつものように阻止のためのネットを持ってゲート前へ並んだ。




1月19日雪のゲート前で


所長は「1月もあと10日あまり、何とか付け替え道路の工事をさせて欲しい。」ということと「裁判を起されましたが、私たちは話し合いで解決したいとの思いは変わっていない。」ということを話したけれど、県の言う話し合いとは「生活再建」という名称の補償交渉でありダムの是非についての話し合いではなかった。

だからこそ何一つ解決できないできたのだ。

しかし、「事業認定取消し」の裁判を起し、「執行停止の申し立て」を行い、来月には現在行なわれている付け替え道路工事の「工事指し止め仮処分申し立て」を長崎地裁佐世保支部に起すのだ。

石木ダムは、付け替え道路予定地の草刈をやっただけで、まだ何一つ出来ていないのだ。

こんな理不尽なダム事業がまかり通るはずはない。

地権者の皆さんは、きっと勝利する。





雪のこうばるを見ながらそう確信した午後だった。