西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

石木ゲート横(4/28)

2016-04-28 20:54:23 | 石木ダム
今日も朝7時40分にダム事務所前に到着し、横断幕を張りテントを簡単に掃除した。

ここで、ダム事務所前のテントだとかゲート横のテントだとか書いていてもなかなかお分かりにはならないだろう。

ダム事務所というのは長崎県石木ダム建設事務所のことで、県道4号線・川棚~波佐見間の道路沿いの石木バス停のそばにある。



こちらがそのダム事務所だ。



そして、その事務所の真ん前にあった空地をお借りして、座り込みを始めたのが昨年の7月24日のことだった。

中断していた石木ダム本体工事のための付替え道路工事が再開したのが昨年の5月19日で、それから連日の阻止行動が足掛け9ヶ月続いて、今年1月に再び中断して今日に至っている。

その行動をやる中でダム事務所に抗議するとともに、多く人たちに「こうばる」という中々人目につきにくい場所で、どんなことが行なわれているのかを知ってもらうために座り込みを始めたのだった。

はじめは炎天下の空地にプラカードを持って座っているだけだったが、これでは大変だろうと地権者の皆さんがビニールシートで屋根を張り、冬にには寒さ避けのシートもまわりに張ってくださって、りっぱなテントが出来上がっている。



そのテントには1昨年8月、ゲート前の座り込みで長崎県に訴えられ、裁判所から処分が下って、ゲート前の阻止行動に参加できなくなった夫や清流の会のⅠさんが、職員の動きを見張るために座っているのだ。

工事は1月の終わりから中断したが、私たちは「ダム反対」の意志を示すためにもと週に2回ほどこのテントで座り込みを続けてきた。

4月からは、ダム事務所前でしばらく座り込んでから、私も地権者の皆さんが交代で見張りを続けているゲート横のテントへ向かうようになった。

もちろん、ゲート前に立入禁止命令が出ている夫は、ダム事務所前で職員の動向を見張っている。


9時20分、ダム事務所前の夫から電話。

県の軽乗用車に職員が乗り込んで、こちらへ向かっているという。

すぐに今日の当番のK枝さんとH子さんとプラカードを手にゲート前に並んだ。

車は私たちの前を素通りして上へと上っていく。

迂回道路予定地の監視小屋には地権者の男性陣が交代で見張りをされているので、そちらとも連絡を取り合ったが県の車は県が買収した空地に止まっているという。

私たちも急いで車の後を追った。

ダム小屋まで行くと車から下りて付近を見回している職員の姿が見えた。



所長と次長と建設課長に建設係長、それに業者が1人。地図を見ながら何やら話し合っている様子だ。



ダム小屋からはばあちゃんたちと「石木川のほとりで」というフォトブックを出された村山カメラマンも出て来られる。
「一昨日から来てたんだよ。」とのこと。



事務所前から車で上ってきた夫と長崎のMさんも加わって、ダム小屋の前で職員の様子を見守った。

県はいつも5月の中旬までに買収した田圃や空地の草刈をやるが、その下見に業者とやってきたらしい。

下見を終えて所長以下職員と業者は車に乗り込んだが、私たちがダム小屋の前に立っていたからか、車はそのまま木場の方へと上って下りてこなかった。どうやら別ルートから帰ったらしい。

連休明けからまた工事が再開される可能性が大きい。

ダム事務所から出ている「水のわ」に道路工事についてのお知らせが載っているが、見比べてみると、昨年佐世保市水道局が出した工事予定図と異なっている。
木場地区の付け替え道路が消え、砕石場下から150メートルの道路延長工事が新たに入っている。





…???、どうなっているのか分からないが、私たちはとにかく工事を止めていくだけだ。




石木ゲート横(4/26)

2016-04-26 21:32:19 | 石木ダム
午前7時40分に石木のダム事務所前に到着。

今朝はコンビニ裏にあるダム事務所の駐車場に、早々と職員の車が2台止まっている。

こんなに朝早くから出勤しているなんて、今日は何かあるのだろうか?

…そんなことを考えていたら、福岡ナンバーの車や長崎ナンバーの車が次々とダム事務所に入っていく。
水質調査や環境調査はこれまでも業者に業務委託してきたのだから、それらの説明会かもしれない。

午前9時になったので、いつものようにゲート横のテントへと上る。





ゲートの中の付替道路予定地は、青々とした木々や草に覆われて、もう初夏の香りがしている。周りの採石場の音にも負けず、ウグイスの鳴き声があちこちから聞こえている。



テントでK子さんやN子さんとおしゃべりしていたら、S子さん登場。

「今からピザを焼くよ。食べに来んね。」とのこと。

付け替え道路工事が中断した2月から、お連れ合いのK雄さんが自分でレンガを積み上げピザ釜を作られたのだ。



N子さんは一足先にピザ焼きの手伝いに、私とK子さんは遅れてボチボチ歩いて行くつもりだった…が、今度はパタゴニアのT社長登場。

「迎えに来ましたよ。」申し訳ないけど、車に乗せていただいてピザを食べにI邸へ向かった。

パタゴニアのT社長は、昨日から友人と2人でこうばるに来られていて、ピザを食べたら虚空蔵山に登るのだそうだ。

ピザ生地はS子さんの手作りで、玉葱やハムやトマトやピーマンが沢山のせられて行く。

K雄さんはピザ職人に早変わり、ピザはすぐに焼きあがって熱々のピザをお腹いっぱいご馳走になった。



腹ごなしにテントまで歩いて下ったが、途中に真っ白いオオデマリの花が咲き、石木川は穏やかに流れている。





溢れるこうばるの緑の中に、赤い横断幕が掲げられた見張り小屋が見える。



美しい自然の中に、櫓や立て看板やのぼり、やはり調和しない不自然なものだ。

一日も早く、ダム建設を中止に持ち込み、この不自然なものを撤去していきたい。

認定取消訴訟・第一回口頭弁論

2016-04-25 22:33:35 | 石木ダム
午後1時、長崎地方裁判所前は多く人やカメラを持った報道陣でごった返している。



午後2時から「石木ダム」の事業認定取消し訴訟の第1回口頭弁論が開かれるのだ。



その前に門前集会が予定されていて、弁護団長の馬奈木昭雄弁護士と原告代表の岩下和雄さんからの挨拶があった。





そして、法廷へ移動。

裁判を傍聴したことは何度かあるが、原告席に座るのは初めての経験だ。

特別原告傍聴席ということで、地権者を支援している4つの団体から1人ずつ原告席に座ることになったのだ。
原告席から傍聴席を見ると、顔なじみの佐世保市水道局の職員の顔もゲート前で顔を突き合わせていた県の河川課の職員の顔も見える。

最初に地権者の口頭弁論。

岩下和雄さんは
「このダム事業がいかに人権を無視し続けてきたか」について話された。長崎県も川棚町もダムの必要性の論議をせずにダム建設を進めてきた。1972年には「地元の了解無しではダムは造らない」との覚書を県・町と結んだが、その最低限の約束である覚書すら無視され続けてきたのだ。

松本好央君は
子供のときに、機動隊が導入され強制的に土地の測量が行なわれようとした経験を話し、一体この事業にどんな公共性があるのか?自分たちが住み続ける権利よりも重要なのか?自分たちはごく普通の暮らしを続けたいだけだ…。と話した。

好央君の話の途中から、もう涙が溢れてきてどうしようもなかった。







法廷の様子は撮影を禁じられていて、写真がないのだけれど原告席にいたN先生がスケッチをされたので、それを撮らせていただいた。



その後、長崎市立図書館の多目的ホールで報告集会が行なわれたが、「石木ダム」の不要さがますます確信できた集会だった。




石木ゲート横(4/22)

2016-04-22 21:56:47 | 石木ダム
今朝の長崎新聞は、石木ダムの工期延長の手続きが終了したと報じている。
これは昨年10月、県の公共事業評価監視委員会が長崎県の言いなりに6年間の工期延長を認めてくれたので、国土交通省にお伺いを立て、再度工期延長のお墨付きを貰ったということだ。



新聞によると、今回の工期変更は8回目だとのこと。本来なら今年度がダム完成の予定だった。
「佐世保市は慢性的な水不足」といい続けてきたのなら今すぐにでもダムが必要なはずだ。
水が足りないのだから、すぐにでも工事にかかり、ダムを作らなければならないはずだ。しかし、6年も延長するのだ。長崎県も佐世保市も矛盾をさらけ出しているではないか。


いつもの時間、小雨がぱらつく中、ダム事務所前のテントで職員の動向を見てから、ゲート横のテントに向かった。



昨日の雨で石木川は水かさが増し、いつもは穏やかな清流が濁流に変わっていた。





どんよりとしたお天気だが、道端に咲いているアザミの花に黒アゲハが止まっている。




「工期延長の手続きが済んだって、新聞に出てたね。」
地権者の方とお昼を食べながらそう話すと、「何年延びようが私たちは工事を止めるだけ」と言われた。工期延長などまったく意に介していない。

「まだ何一つ工事をさせていない。これからも工事をさせないように止めていく。」
気負いもなく淡々とそう話される。そのことがかえって決意の固さを感じさせる。


私もみなさんと一緒に闘いますよ。どこまでも一緒に。

智恵も力も金もないけれど、頑張ります。




石木ゲート横(4/20)

2016-04-20 22:14:01 | 石木ダム
午前7時30分、石木の八幡神社で水を汲む。
ここの水は地下水を汲み上げているとのことだが、まろやかでおいしい水である。



虚空蔵山に近い木場の水汲み場の水もとても綺麗でおいしいが、この神社の水もお茶やコーヒーを入れると味が違うという話だ。
虚空蔵山に降った雨が地中深く浸み込んで、それが地下水となって流れ、汲み上げられて私たちの咽を潤す水となる。



考えるとロマンに溢れているけれど、私はその水をバケツ半分ほど戴いてダム事務所前のテントへ行く。 私たちが座り込んでいる川棚~波佐見間の県道は交通量が多く、テントの中はいつも砂埃で汚れている。それで座り込む日の朝は、まず拭き掃除から始まるのだ。

綺麗になったところで、県職員の動きをチェックしていたら、午前8時20分、ラッピングバスが目の前を通り過ぎて行った。



それからいつものようにゲート横のテントに向かった。



4月4日に新任の所長たちがゲート前にやって来たが、それ以後目立った動きはないとのことだ。

ゲートの中も、ダム小屋のまわりも緑。ウグイスも鳴きつづけている。





砕石場下から石木川に下りてみると水の中はクレソンが広がっていて、川の中も緑でいっぱいだ。




午前11時、木場のMさんが荷物を運んで来られる。

「え~~、それ、なんですか?」

「簡易流し台。みんなしゃがんで洗い物をしよろうが、きつかろう。それで作ってきた。」



確かに、洗物をするときはしゃがんで足が痛んだりしていたが、それにしてもMさん、よく気が付かれる。それに器用だ。




これから洗物も楽しくなることだろう。