西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

石木ゲート横(5/30)

2016-05-30 21:36:32 | 石木ダム
今日のダム事務所職員の出勤時間は、いつもより遅いようだ。

いつも8時前には出勤する総務課長が来ない。次に早い用地課係長も来ない。

6月に入ると公務員は夏時間となり早めの出勤となるため、5月の終わりは遅く出てきているのだろうか?

…などなど、考えているうちに8時を過ぎたあたりから用地係長、建設課長と次々ご出勤だ。

8時20分、パタゴニアのラッピングバスが石木の交差点に止まっている。
バスが動き出したら「まもり隊」の看板とラッピングバスを一緒の画面に入れた写真を撮ろう、そう思ってカメラを構えて待った。
そして撮ったのがこの写真だ。





うまい具合に画面に収まったけれど、どうだろうか。


午前9時にゲート前に到着。



いつもは横のテントの中で見張り番をしているのに、今日はゲート前にT子さんとS子さんが座っている。



「どうしたと?」と声をかけると、採石場の音がひどいのと「今日はほこりがひどかとよ。」とのことで、ゲート前に座ったのだという。

「ほたる祭り、お疲れさま。片付けは済んだ?」と聞くと、「まだまだ片付い取らんけど、もうみんな田植えで忙しいからね。」とT子さんが言う。
本当にそうだ。皆さん忙しいに違いない。


ダム小屋の裏の田んぼでは、Kさんご夫婦が田植えの準備をされていた。




お昼になり、テントで3人で昼食。

そこで、カメラマンの村山嘉昭氏が新しく出版された「石木川のほとりにて」の話になった。

前回の「石木川のほとりにて」は95ページの薄いフォトブックだったが、今回はページ数が50ページほど増え、こうばるの子供たちの生き生きとした表情の写真や住民の皆さんに寄り添った人間味あふれた文章が満載になっている。



写真集の最後のほうには、この3月に亡くなられた木本さんのばあちゃんの葬儀の写真も載っていた。

話しながら涙が出てきた。私がここ川原(こうばる)にダム反対の座り込みで通うようになった6年間の間に、5人ものおばあちゃんが亡くなった。

ダム小屋に通うばあちゃんは2人になってしまった。

一日も早くダム建設を断念させて、いいニュースをばあちゃんたちに聞かせてあげたい。安心させてあげたい。

木本さんのばあちゃんにいただいた柚子胡椒、大事に味わいます。


第29回ほたる祭り

2016-05-29 21:27:41 | 石木ダム
昨日は、「石木ダム建設絶対反対同盟」の3.14団結大会と並ぶ最大のイベント「ほたる祭り」だった。

ここ6年ほどは、朝から手伝いに出かける。

「祭り」で販売する手作り食品を計ってパック詰めにしたり、餅を丸めたりと私たちでも手伝える仕事が山ほどあるのだ。





1週間ほど前から、こうばるの肝っ玉母さんたちは準備に追われて大忙しだった。

少しでも役に立つならと佐世保の「石木川まもり隊」の仲間たちで手伝うようになったのだ。

作業場所の公民館に着くと、もう熱気にあふれていた。女たちも男たちも若者も子供たちもみんな忙しく立ち働いている。

その中に今年は映画の撮影チームが混じっている。

「ほたるの川の守り人」という反対同盟の人々を追ったドキュメンタリー映画が作られることになり、昨年から監督とカメラマン、数人のスタッフがやってくるようになった。そして今回も25日から現地入りをしていたのだ。




食べ物は次々に出来上がっていく。

山菜おこわ、イノシシ肉の佃煮、わらびやぜんまいの佃煮、ジャガイモで作るほたる団子、ぜんざい、おでん、とにかく半端でない量が作られていく。最後はよもぎもち。不思議なのは、どんなに忙しくしていても、笑い声が絶えないことだ。













夕方5時近くになって煮炊きはやっと終了したが、それから祭りが行われる広場に運んで販売しなければならないので、仕事は終わったわけではないのだ。

昨日は朝からあいにくの雨で、心配していたけれど、開始時間の午後6時には雨がやんで人も増え始めた。


今年、石木川まもり隊は「工事差し止め裁判」の申立人を募集するために、テントを張りアピールをした。



関心を持ってくれる人も増えて、いろいろと質問をしてくる方もいた。



第2次提訴へ向けてたくさんの方々が申立人になって下さることを期待したい。


で、ばたばたと動き回っていたら肝心のほたるを鑑賞する暇もなく、パラパラと飛んでいるのを見ただけだった。ああ~残念!


石木ゲート横(5/26)

2016-05-26 20:00:17 | 石木ダム
今朝は石木ダム事務所の駐車場にも、コンビニ裏の職員駐車場にも職員の車は1台も止まっていない。

ダム事務所の白いワゴン車とグレーの軽乗用車が2台止まっているだけだ。

どこかほっとする気持ちがある。早朝から職員の車も業者の車も止まっていないということは、今日の工事再開はないということに違いない。


工事再開はないと思ったら気持ちが楽になり、毎朝、地下水をもらい水する八幡神社で、久しぶりにゆっくりと境内を眺めた。



樹齢はどのくらいなのだろう。苔の生えた大木があちこちに立っている。

赤い鳥居と木々の緑が対比されてとてもきれいだ。




いつも車を止める石木公民館は、石木地区や岩屋地区、木場地区を対象にした「特定検診」が行われて、車を止めることができない。
向かい側の住民センターに止めさせてもらい、ダム事務所前のテントに行った。

横断幕を取り付け、しばらく座っているとダム事務所の職員たちが出勤してきた。



所長はテントをのぞき込んで「おはようございます」とあいさつ。今朝は私も気持ちにゆとりがあり挨拶を返した。


9時過ぎてから、川棚清流の会のIさんに送ってもらってゲート横のテントへ。



今日のテント当番はH子さんとKさん、それに木場のE子さんが応援に来てくれて、にぎやかになった。

ビニールシートでぐるりと囲まれていたテントは暑くて暑くて、シートを上にあげて暑さ対策だ。



木場のMさんが、湧水をポリ容器に入れて届けてくださった。木場の湧水はおいしいと評判で地元川棚だけでなく、佐世保からも軽トラックにたくさんの容器を積んで水をもらいに来る人が多い。



こうばるでは田植えの準備が進んで、水を張った田んぼが点在している。



何もせずに草が茂ったままの田んぼは、県に土地を売ってダム御殿に引っ越していった人たちの田んぼだったところで今は県有地だ。




テントに戻ると、ダム建設に反対しながらこうばるに暮らしているみなさんのドキュメンタリー映画を製作中の山田監督と2人のカメラマンが来訪されていた。

「ほたるの川のまもりびと」完成が楽しみだ。

ほたるの川のまもりびと(仮)
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石木ゲート横(5/24)

2016-05-24 21:04:23 | 石木ダム
午前7時35分、石木ダム事務所前のテントへ到着。

石木公民館の駐車場に車を止め、石木小学校の通学路を通ってダム事務所前まで歩くのだが、通学路を歩いているときに「失うものは美しいもの」のラッピングバスが石木のバス停に止まっているのを発見。

慌てて写真を撮ったけど、ちょっとピンボケ。残念。




今朝は早くからダム事務所に業者の車が何台もやって来た。

コンビニ裏の職員駐車場にも12、3台の車が止まっている。新たな工事の入札説明会でもやっているのだろうか?

ダムのための付け替え道路は今年1月に2社が撤退し、その後2月に再度入札があり別の2社が決定した。
同じく2月には、付け替え道路の150メートル延長工事が入札され、佐世保の建設業者が落札した。
それと昨年10月には、県が強制収用した岩屋郷の土地に工事用の迂回道路を作る業者も決定している。

しかし、それらの工事は現在に至るまで何一つ進んでいないし、手つかずのままだ。

いつから業者がやって来て工事が再開されるのか、地権者の皆さんも私たち支援者も気が気ではないが全く分からない。


ダム事務所前のテントは、素人が作った簡易テントで、大風が吹いたら倒れそうにしているが、テントの周りはいまハーブの花の真っ盛りでいい匂いがしている。






午前9時20分、いつもよりずいぶん遅れてゲートに到着。

赤い横断幕も幟もひるがえっているが、テントの入り口はビニールシートが下ろされて中には誰もいない。



入口のビニールシートを滑車で上げて、上げたシートを紐でくくる。この1年の間ですっかり慣れてしまった作業手順だ。




誰もやって来ないのでS子さんに電話をしてみる。あれ?出ないな~。

今度はTさんに電話。

「いま、公民館を掃除しよると。ほたる祭りの準備たい。」ああ~そうか、そうか。

折り返しS子さんから電話がかかってきた。

「公民館まで来て掃除ば手伝うね?」

「でも、ゲートの見張りはせんばやろ。今日は私一人で見張りするけん。」

ということで、お昼過ぎまで一人でゲートの周りをウロウロしながら見張りを続けた。



午後12時、こうばるの肝っ玉母さんたちが4台の車に分乗してゲート横のテントまでやって来た。

今から「ほたる祭り」の買い出しに佐世保まで出かけるのだとのこと。

これから土曜日の「ほたる祭り」本番まで、みなさん息つく暇もないほどの忙しさだ。



翌日は片付けと、ここ1週間は「石木ダム建設絶対反対同盟」最大のイベントでみなさん忙殺されるのだ。

しかし、誰も大変だなどとは言わない。このイベントをやることが「石木ダム」建設阻止に繋がると信じているからだ。
そして、厳に繋がってきたのだ。


「あとはまかせて、いってらっしゃい! 県職員が来たら監視小屋に電話するけん、大丈夫よ。」と皆さんを送り出した。


今日は一人で見張り。何だかすごく仕事をした気がするな~。

石木ゲート横(5/19)

2016-05-19 20:41:24 | 石木ダム
いつもと同じように午前7時30分に石木のダム事務所前に到着したのだけれど、ダム事務所にはもう7台もの職員の車が止まっている。



ええ~~っ!

去年のことが頭をよぎる。

去年は5月19日から石木ダムのための「付け替え道路工事」が始まったのだ。
それから9ヶ月、雨の日も雪の日も地権者のみなさんと支援者とで、工事を進めさせないためにダム事務所の職員や建設会社の作業員の現場への立ち入りを阻止してきた。

地権者の皆さんも私たち支援者も必死だった。

裁判を起こす話も出ていたが、裁判で勝利したとしても工事が進展していれば運用開始になってしまう。だからどんなことがあっても工事をさせてはならない、というのがみんなの一致した考えだった。

そして、今年1月に工事は中断。
建設会社2社は現場に入れ込んでいた重機類を運び出したのだった。


昨年5月19日に始まった工事は、私たちに阻まれ少しも進まなかった。
それで、ダム事務所職員と現場作業員は、6月12日に早朝5時に工事現場に入るという離れ業をやった。

また今日も離れ業をやったのだろうか?

石木交差点を右折し、付け替え道路工事の現場ゲートまで車を走らせた。

左右をきょろきょろ見回しても、工事車両もなければ作業員の姿も見えない。

どうやら工事再開は杞憂に終わって一安心だ。


ダム事務所前のテントに横断幕を張り、座り込んだ。今日は川棚「清流の会」のIさんご夫婦も一緒だ。



9時まで座り込んでから、ゲート横のテントへIさんの連れ合いのY子さんも一緒に上がった。



今日のテント当番はH子さんとKさんだ。

Y子さんは久しぶりのテントだったらしく、地権者のお二人と話が弾んで楽しそうだ。

私は、ダム事務所が4月に出した「水のわ」98号にあった県道の施工延長工事がよく分からなくて、現場まで行ってみた。



M採石場下の岩山を削って県道を広くするという話だが、これだけダンプが行き交う場所でどうやって工事をするのか、日中は危険で工事などできないのではないか?





そうするとダンプが通らない夜や休日に工事をやるということになる…。

…いろいろ考えたが、納得できないままテントへと戻った。
県道の拡幅工事といいながらダム工事の予算で作るのだ。そのことも全く納得できないのだ。

とにかく地権者の皆さんも私たち支援者も工事を止めていくだけだ。

日々、知力、体力共に衰えていくけれど、気力だけはまだまだ十分。

シニア世代の底力を県や佐世保市に見せつけてやろう~っと。