西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

貧困の連鎖について

2013-06-27 20:16:05 | 市民活動
私は仲間たちと、佐世保市の男女共同推進センター「スピカ」で、佐世保市発行の広報紙を
読む会をやっている。

その中でいろいろな意見が出、またそれに対する反論も出て、なかなか面白い会なのだが、先日の集まりで、佐世保市が募集を行なっている「脳ドック」のことが話題になった。

会員のお一人が「町内の方が脳ドックで検査を受けたいと言われて、一緒に申し込みに
行ったんですけどね。」と言われる。

町内でも世話役をされているようで、近所の方から相談を受け市役所まで同行されたようだった。

「しかし、ダメだったんですよ。あの検査は国民健康保険加入者が対象なんですね。
その方は、生活保護を受けられていて国保を掛けておられない。医療保護なんでね。
それで受けられなかったんです。」

その後も市役所といろいろ折衝されたようだったが、「結局うやむやになってしまって、、、。」と話された。

話を聞きながら、この会に参加してくれていたKさんのことを思った。

Kさんは、2年ほど前から「とても面白いし、楽しい」と、この会に参加してくれていたのだが、今月初め乳がんで亡くなってしまった。

Kさんも生活保護を受け、病院にかかるときは医療保護を受けていた。
だからだったのか、話を聞いても病院では実に雑な扱いを受けていると思われた。

Kさんは夫の暴力に耐えかねて離婚し、水商売やいろいろな仕事をしながら2人の子どもを育ててこられた。

お姉ちゃんは結婚していて一安心されたようだったが、弟は知的障害があり、授産施設で働いている。
それに90歳を越えたおばあちゃんもいる。

Kさんは働きづめの生活がたたったのか、心臓を悪くし無理が出来なくなった。

それで、どうしようもなくなって生活保護を受けられるようになったのだ。
そして、乳がんの発病。

残される家族を思うと彼女は一日でも長く生きたかったに違いない。

今年3月、「スピカまつり」で私たちは長崎国際大学の脇野幸太郎準教授をお招きして、「子供たちの貧困」という講演会を行なった。

その中で、脇野先生は「貧困の連鎖」という話をされた。

※貧困の再生産
 貧困が世代間で継承されていく。
 貧困の再生産がなされるのは、社会の仕組みに原因がある。
 親の学歴と子供の学歴との間に相関関係が有り、それが貧困の再生産になる。


と話された。

そして、

社会保障制度によって、逆に社会的排除を受けてしまう者がいる。

とも話された。

まさに、「脳ドック」の問題がそうなのだ。

残されたKさんの家族は、これからどうされていくのだろうか、、、。
 

二枚舌?

2013-06-23 08:34:09 | 反戦・平和
発言の「一部だけを大きく取り上げるマスコミは無脳」、橋下市長はそう言っていたけれど、そして、そのことにはうなずけることも多いけれど、市長ははっきりと言っているのだ。

「沖縄の米兵には、風俗を活用して欲しい。」「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる。」と、あなたが、その口で、はっきりと言っているんですよ!


緊張状態に置かれている猛者に、休息してもらうためには慰安婦制度が必要だった、、、と、橋下市長は言っている。

それならば、現在、アフリカのジプチなど危険地帯に海外派遣されて、緊張状態で過さなければならない自衛隊員にも「慰安婦が必要」なのではないのか?

橋下市長は、海外派遣されている自衛隊員に「風俗を活用して欲しい」と言えますか?


女性たちの人権を、この人はどう考えているんだろうか?

男性たちにも失礼だ。

橋下市長「風俗活用して欲しい」「慰安婦制度必要なのは誰だってわかる」

マスコミから見た反戦・平和運動

2013-06-22 20:28:14 | 反戦・平和
佐世保に「高問連」という団体がある。

定年まで労働組合で活動されていた方々が、仕事を辞めたあと単組のわくを越えて集まっていろいろと活動されている会だ。

「高齢者・退職者問題連絡会」というのが正式名称だと今日始めて知ったのだが、その「高問連」主催の講演会があった。

講師はNBC長崎放送報道部記者の関口達夫さん。



佐世保で市民運動や組合運動をする者は、みんなよく知っている方である。
私たちもよく取材の対象になったが、いつも運動する側からの視点で、決して権力側から物事を見るということがなく、取材を受けても気持ち良かった。

その関口さんの話しである。ぜひとも聞かなくてはと夫と出かけた。



関口さんは、「NBCに入社し被爆者や戦争体験者の話をきくまで、平和問題への関心は低く、政治への関心も低かった」と話された。

「しかし、日本人被爆者、強制連行された韓国人被爆者200人を取材、証言を聞き写真フィルムを見るうちに『追体験』をすることになった。自分は「心の被爆者」になったと思う。」と話され、具体的な証言を聞くことで非戦・核廃絶を思うようになっていったとも話された。



話の合間に、自身が制作された特集番組やニュース映像を織り込まれての講演は興味深く130人の参加者は、真剣に、時には笑いながら熱心に聞き入った。


昨今のマスコミ事情は厳しいらしい。
不況で人員が削減され、記者が一人という社が多くなっている。
記者自身に余裕がなく勉強する時間もない。だから、報道して欲しいときは、わかりやすく丁寧に説明して欲しいとも話された。

どこも大変なんだな~最近の記者のみなさんの様子を見ていたので腑に落ちる話だった。

545回目のデモ

2013-06-19 21:19:23 | 反戦・平和
今日は545回目の「19日市民の会」のデモ。

じめじめとした梅雨空。

おまけに、台風が近づいているので生暖かい風も吹いている。

こんな日は参加者が少ないに違いない…。

午後5時半に集合場所の松浦公園に行くと、毎月横断幕や幟を運んでくださるYさんとEさんが到着されていて、幟は6本ともすでに組み立て済みで、準備万端整っている。

「早いですね。」と声をかけ、ベンチに座ってみんなを待つがなかなか揃わない。



出発5分ほど前になったら、どこからともなく人が集まり始め結局20人になった。

いつもこんな調子だ。

今日は、韓国人のお医者さんで、もう20年ほど前、こんなに韓流ブームなどなかったころに佐世保教会でハングルを教えていただいた金さんご夫妻も参加してくださった。





参加者からは、今月22日に行われる「脱原発」の学習会の案内、8月に長崎で開かれるフクシマと連帯する集会の案内があった。

体が許す限り参加したいが、近頃は体力に自信がない。

自分でも年を取ったな~としみじみ感じている。でも、19日のデモだけは続けるぞ~。

~第38回全国公害被害者総行動デー [東京電力・政府合同交渉]

2013-06-15 20:10:20 | 原発事故
3時間を越えるこのYoutubeの動画を見るのは、確かにしんどい。

しかし、みんな見るべきだと思って貼り付けた。

最初から最後まで見るのが大変な人は、23分あたりから発言する福島県須賀川市の樽川さんの発言を聞いて欲しい。

樽川さんは、「金のために申し立てをしたのではない」と言っている。

「原発事故による死者はいない」と言わせないため、そして脱原発のため、そして樽川家に対し謝罪をさせるために申し立てを行いました」とも言っている。

福島で農業を続けることに絶望した父親が自殺したことにもふれて、東京電力の対応に怒りを露わにしている。

「大変ご心配とご迷惑をおかけしております」???人が死んでるんだから、分かってんの?

~第38回全国公害被害者総行動デー [東京電力・政府合同交渉]


そして同じく1時間28分あたりからの樽川さんの発言。

田圃が汚染されたため、除染することになったが、田圃を深く掘り起こして薄めるだけだったことがわかる。

「あとひとつ言っておく事があるんですけれども、福島県は農作物は出荷の前に全部検査しないと出荷できません。今は100ベクレル以下っていう事になっていますけれども、
農家は、計測している私は分かりますよ、これが何ベクレルあるって。」

「放射能は、要は100ベクレル以下だったら出荷できる訳ですから、私は食べませんよ。
買って食べている人は、「放射能は無い」と思って買って食ってるっぺ。どうなのよ。

俺らはわかってるんだよ。罪の意識があるんだ、作ってたって。

自分は食わねぇけど、他人に食わせてるの。どう思いますか?ちょっと答えて下さい。」

聞きながら涙が出てきた。


それらに対する東電や役人の答えの薄っぺらなこと。

経済優先で突っ走ってきた日本という国は、このまま滅びるんだろうか?