まあどうにかなるさ

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森会長発言

2021-02-28 01:17:22 | 時事問題

 2月3日のJOC臨時評議員会での森喜朗会長の女性を巡る発言を巡り、森会長はJOC会長を辞任することとなった。
マスコミで問題視された発言は森氏の「役員に女性を入れると話が長くなる」というもの。これだけを捉えると確かに女性蔑視ととることができる。

 まずは、当日の森氏の発言全文

「これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)5人います。  女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。  私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。」

 自分の所属団体であるラグビー協会に対してへりくだった言い方をしていて、ラグビー協会の女性役員は話が長いが、それに対して(JOCの)組織員会の女性は的を得た話をして非常に役に立っていると…
 最近はあまり言わなくなったが、「うちの愚妻が…」と自分の妻をへりくだって言う言い方と森氏の発言は同じニュアンスではないかと思う。愚妻という言葉も女性蔑視的ではあるが… 森氏の発言が適正だとは思わない。だが、全文を読む限り、少なくとも女性蔑視の意図はなかったように思う。

 元東京都知事の舛添要一氏が2月9日のブログで森氏について投稿している。
「都知事に就任した私は、巨額の競技施設建設費に仰天した。そこで、各地の既存施設を活用して経費削減を図る方針を決め、組織委の森会長に他県知事や反対する各競技のNFを説得してもらった。おかげで、私の在任中に建設費4584億円を2567億円に削減できた。その点では、都民は森氏に感謝せねばならない」と投稿。
 続けて「各競技のNF(国内連盟)は、東京五輪を利用して豪華な施設を獲得しようとした。競技施設建設費を削減する方針の都知事の私にNFは猛抗議だ。都知事の私は「カネは天から降ってこない」とはねつけた。その勝手なNFを抑えてくれたのは森会長だ。人物を評価するときは長所も短所も総合的に見るべきである」と連続投稿している。
 舛添氏は7日にツイッターでも「森会長の女性蔑視発言は批判に値するが、私が都知事時代に競技施設建設費を数千億円節約できたのは森氏のおかげだ」とツイート。「東京の施設代替を他県に頭を下げ依頼してくれた。肺癌の身で海外出張しIOCとの関係を構築」と五輪開催に向けた森会長の尽力についても触れ「一緒に仕事をした私は、評価すべき点も言う。今回、森氏の功績を語らない五輪関係者に絶句」と指摘している。

 森氏の功績についてはほとんど報道されていないので、舛添氏の投稿で、僕は初めて森氏の功績について知ることになった。しかも森氏は会長職を無報酬で行っているのだ。

 森氏の功績には心から感謝したい。

産経新聞は5日にコラムの「産経抄」で〈五輪招致から開催準備まで、森氏の大きな功績を疑うものではない〉〈海外メディアも問題視している。というよりむしろ、日本に「女性差別の国」のレッテルを貼りたがってきた欧米メディアにとって、絶好のネタである〉と記述している。
 しかし、何故他のマスコミは森氏の発言の一部を意図的に切り取り、女性蔑視だと決めつけて報道したのだろう?
 もしかしたら、森氏が産経新聞の出身であることと関係しているのではないかと思う。


大河ドラマで描かれた本能寺の変の動機

2021-02-20 23:40:28 | テレビ/ラジオ

日本史史上最大の謎とされる本能寺の変、未だに光秀の信長殺害の動機は謎とされている。
先日『麒麟がくる』の最終回で本能寺の変が描かれた。
過去のNHK大河ドラマで描かれた本能寺の変での光秀の動機について振り返ってみよう。


『国盗り物語』

光秀:近藤正臣
信長:高橋秀樹

比叡山延暦寺焼き討ちに反対だった光秀は、信長の非道に恐れを抱くようになる。
また、本能寺の変の3か月前に行われた武田攻めの戦勝祝賀会において光秀の「私も苦労をした甲斐がありました」という言葉に信長が怒り狂い「お前がいつ苦労をしたのだ!」といい、暴力を振るわれる。
その時に光秀は心の中で(殺してやる)とつぶやく。
(怨恨説)


『信長 KING OF ZIPANG』

光秀:マイケル富岡
信長:緒方直人

このドラマでは二人の関係は良好で、信長は光秀に絶対的な信頼を置いていた。だが、そのことで光秀は過労とプレッシャーにより心を病んでしまう。そして、自分が楽になるためには信長を殺す以外にないと考える。かなり大胆な説である。
(光秀ノイローゼ説)


『秀吉』

光秀:村上英明
信長:渡哲也

このドラマでは他の大河ドラマと違い、徳川家康黒幕説が採用されている。
光秀は丹波の波多野氏と和睦を結び、その際に光秀の母を人質として差し出す。だが、信長が波多野氏を処刑したため、光秀は母を殺されてしまう。家康も武田と通じていたとされ、正室と長男を信長に命じられ殺害していた。家康が光秀に持ち掛け、本能寺の変が起こる。
後にそのことを知った秀吉は家康に関東への国替えを命じる。
(黒幕説)


『功名が辻』

光秀:坂東三津五郎(十代目)
信長:舘ひろし

このドラマでは信長の光秀へのパワハラの他に信長の正室、濃姫と光秀の三角関係が描かれている。また、信長には朝廷を滅ぼそうという意図があり、それを止めるのが光秀の主な動機になったと描かれている。
(朝廷守護説)


『軍師黒田官兵衛』

光秀;春風亭小朝
信長:江口洋介

信長は裏切った荒木村重に対し、女子供を含む家臣や家族を殺害したり、本願寺攻めが終わると、それを担当していた重臣の佐久間信盛を追放したり、光秀が織田カンパニーのブラックな部分に不安を感じたからというのが動機として描かれている。
(将来不安説)


『おんな城主直虎』

光秀:光石研
信長:市川海老蔵

このドラマの本能寺の変の動機は意外である。
信長は、これから天下に必要な家康を殺そうとした。それを阻止するために光秀が動いたというもの。
(家康守護説)

その他の大河ドラマではほぼ怨恨説が採用されており、光秀が天下をとるためだったという野望説はない。恐らく、本能寺の変後のプランがほとんどなく、お粗末だったためということだろう。


『麒麟がくる』

光秀:長谷川博己
信長:染谷将太

さて、先日放送された『麒麟がくる』の最終回、本能寺の変の光秀の動機。
信長は光秀に四国の長曾我部を打てと命ずる。長曾我部は光秀にとって家族同様に付き合う間柄、それは光秀にとって易々と受け入れられることではない。信長のやり方に疑問を持つようになった光秀に信長は決定的となる命令を下す。
「将軍を殺せ」
世を平らかにすることを目指す光秀にとって、武士の棟梁たる将軍を打つなど到底できることではない。そんなことをすれば人心は離れていく。以前から信長の恐怖政治に疑問を感じていた光秀。このまま信長の政権が続けば、再び世は乱れると判断し、家臣に信長討伐を打ち明ける…
怨恨や野望ではなく、純粋に信長を天下人としてふさわしくないと光秀が判断したからと言うのが本能寺の変の動機だと描かれている。
(信長討伐説)


STILL I'M IN LOVE WITH YOU

2021-02-06 23:50:14 | 音楽

今からちょうど40年前に発表された角松敏生のファーストアルバム『SEA BREEZE』
その中に収録されている『STILL I'M IN LOVE WITH YOU』はバラードの傑作だと思う。

恋人に別れを切り出された男が、最後に彼女を夜の海へ連れ出す。
もう、恋が終わることは分かっているけれど、このままでは別れられない。そんな未練がましい男の気持ちを都会的なセンスで歌った歌である。

>二人密かに会った思い出
>いつかは終わる恋だと知って
>こらえてきたけどやっぱり忘れられない

これらの歌詞から、この歌の二人は、許されざる恋をしていたのかもしれないと考えられる。それでも彼女を忘れられない男は、ずっと別れを先延ばしにしていた。だが、やがて彼女の方から別れを切り出す。

>君はあの幸せ選ぶから
>さよならを僕に告げたけど
>あなたのためと言う君の目に
>光った涙の理由を

結ばれることのない愛を続けるより、別れてしまった方がいい。
そんな彼女の気持ちがにじみ出るような歌詞だと思う。
やがて男も別れを決意し、最後に夜の海を二人で見に行く。

>二人が別れてしまう前に
>もう一度海を見に行こうよ
>どこまでも続く広い海に
>思い出を洗い流そう

どうしても別れ以外の道を選ぶことができなかった切ない二人の気持ちを素敵なメロディにのせて歌い上げる心に響くバラードだ。