まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

だるまさんがころんだ

2014-07-27 14:23:43 | 怪談

小学生低学年の由香ちゃんは放課後、公園で友達4,5人と『だるまさんがころんだ』をして遊んでいた。

そこは大きな木のある公園。その木には横に太い枝が張り出していた。

じゃんけんで負けた由香ちゃんが鬼になり、大きな木にもたれかかって目をつむる。

「だるまさんがころんだ」

そう言っている間にみんなは由香ちゃんに近づき、言い終わると動きを止める。

由香ちゃんは言い終わってすぐに目を開けて振り返る。

 由香ちゃんは言う速さを上手に工夫するので、みんなはなかなか動きを止めることが出来ない。

一人、二人、動きを止められないで、由香ちゃんに見つかり、少し離れた場所に移動していった。

やがて、男の子一人だけになる。

「だるまさんがころんだ」

由香ちゃんが振り返ると、最後の男の子も動きを止められず、由香ちゃんは名前を呼ぶ。

全員の動くのを見つけたので由香ちゃんの勝ち。

次は最初に見つかった子が鬼になる。

「鬼は舞ちゃんだね」

由香ちゃんが言うとみんなは意外なことを言う。

「まだ、しんちゃんがいるよ」

「え? しんちゃん?」

でも、誰もいない。

「誰もいないよ、わたしの勝ちだよ」由香ちゃんは言う。

「いるよ」みんなが言う。

由香ちゃんは少し混乱して尋ねる

「しんちゃんて?」

「秋元伸二くんだよ」

「もう忘れたの?」

秋元伸二、その子は1か月ほど前に交通事故で死んだはずだった。ひどい事故だったと聞いている。

みんな、私をからかっているのかしら?

「誰もいないよ」由香ちゃんは繰り返して言った。

「しんちゃんがいるよ、早く目を閉じて続けなよ」

男の子の一人がそういうと、みんなが「そうだよ」と口を揃える。

あまりみんなが強く言うので、由香ちゃんは仕方なくゲームを続けることにした。

「だるまさんがころんだ」

目を開けて振り返る。

やっぱり誰もいない。

「しんちゃん、ちゃんと止まったね」

誰かがそう言った。

みんなが意地悪をしている。由香ちゃんはそう思って泣きそうになった。

死んだしんちゃんがいるはずがない。

それでもゲームを続けるしかなかった。

「だるまさんがころんだ」

何度か続けると、誰かの手が由香ちゃんの肩をぽんと叩いた。

「タッチ」

その声は死んだはずのしんちゃんだった。

由香ちゃんは目を開けてゆっくりと振り返る。

しんちゃんは大きな枝の下をぶら下がるようにさかさまに枝を歩いていた。

だから、みんなには見えて由香ちゃんだけには見えなかったのだ。

由香ちゃんのすぐ目の前にしんちゃんの逆さになった顔があった。

「由香ちゃんの負けだよ、また由香ちゃんが鬼だよ」

しんちゃんはそう言って目を大きく開き、にやりと笑った。

青白い顔をして、交通事故で頭が半分無くなっていた。


巨大昆虫

2014-07-24 21:56:43 | 写真

地下鉄大江戸線飯田橋駅から地上に出ると、巨大な昆虫が生息している。

 

出口から出てくる乗客を待ち構えて捕食するような不気味さがある。

 

換気塔だそうだが、ちょっと怖い。

 

駅から出て振り返ると、今にも襲ってきそうである。

 

都建築家渡辺誠氏の設計で、2002年の日本建築学会賞を受賞した。

 

無駄に立派だ。

 

 


幸運の赤い電車

2014-07-20 16:37:59 | コラム


西武線の車両のカラーリングは黄色


ところが、今、幸運の電車として赤の電車が1車両だけ走っている。


赤に白いラインは京浜急行にそっくり。

 

実は、これは京急とのコラボ企画で、京急では幸運の黄色い電車として西武線そっくりの黄色い電車が1車両だけ走る。

 

鉄道会社も粋なことをする。

 


今日、幸せの赤い電車に乗った。


何かいいことあるといいな…


こけし専門店

2014-07-13 14:14:49 | 創作

 

「私たち照明点けてるけど、炎天下じゃあ目立たないね」

 

「これがほんとの昼行燈だね」

 

「夜になったら目立つのにね」

 

「でも、夜にこけし買いに来る人いるのかなあ~」

 

「あ、何か写真撮ってる人いるね」

 

「でも、どうせ店には入らないんじゃない?」

 

「また冷やかし?」

 

「何かくやしいね」

 

「私たち手も足も出ないんだよね」