326、グランド・スラムの予感

「グランド・スラム」はゴルフやテニスなどで、主要な大会をすべて制覇したときに用いられる言葉です。
テニスでは、その年の全豪オープン、全仏オープン、全英オープン、全米オープンのシングルスの優勝を独占することです。
4大大会のことを「グランド・スラム」（またはグランド・スラム大会）と呼ぶこともあります。
男子で「グランド・スラム」を達成したのは、ドン・バッジ（アメリカ、1938年）と ロッド・レーバー、（オーストラリア、1962、1969年）の２人だけです。
（レーバーはこの偉業を2度行っています。）
女子ではモーリーン・コノリー（アメリカ、1953年）、 マーガレット・スミス・コート（オーストラリア、1970年）、 シュテフィ・グラフ（ドイツ、1988年）の3人です。
グラフはこの年、ソウル五輪でも金メダルを獲得し、「ゴールデン・スラム」（Golden Slam）と呼ばれています。
これに対し、現役時代に複数年にわたって全ての4大タイトルを獲得することを「キャリア・グランドスラム」と呼ばれ、これを達成したのも男子3人、女子4人だけです。
これは異なるサーフェスで優勝することが、いかに難しいかを物語っています。

今年（2009年）の４大大会初戦となる全豪で、ラファエル・ナダル(スペイン)が優勝しました。
ナダルはこれで、クレー、芝生、ハードの異なる3種類のサーフェスをすべて制しました。
これはコナーズ、アガシに次いで3人目です。
アガシは「キャリア・グランドスラム」を達成しましたが、コナーズは全仏では優勝できませんでした。（コナーズは全米がクレーコート時代に優勝しています。）
ナダルの今の勢いから見て、「グランド・スラム」達成の可能性がかなり高いと思います。
ドン・バッジやロッド・レーバーの時代はクレーと芝生の2種類だけだったので、ナダルが今年達成すれば男子としては初の快挙です。