奇想庵@goo

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NFL2008 week6 波乱か実力か

2008年10月19日 22時01分05秒 | アメリカンフットボール
◇Chi 20-22 Atl

奇跡の逆転勝利である。残り11秒で逆転を許し絶体絶命の場面からサイドライン際に26ヤードのパスを通し、Kジェイソン・イーラムが48ヤードのFGを残り1秒から決めて試合終了。ホームでアトランタが劇的な幕切れとなる勝利をもぎ取った。
試合のスタッツはほぼ互角。前半はFGの蹴り合いで9-3とアトランタリード。その後アトランタがFGを1本決めた後TDを取り合って19-10。シカゴは第4クォーターにゴール前1ヤードまで迫りながら第4ダウンの攻撃に失敗。それでもFGで差を縮めると、残り2分43秒から77ヤードのドライブに成功し逆転TDを奪った。残り11秒。誰もがシカゴの勝利を確信したであろう。シカゴの誇る強力ディフェンスは最後の最後にルーキーQBマット・ライアンに苦杯を舐めさせられた。
ライアンは301ヤード1TDとシカゴ相手に素晴らしい成績を残した。FGばかりで詰めの甘さも露呈はしたが、それでも評価に値するスタッツだ。RBマイケル・ターナーは25回54ヤードと苦しんだ。WRロディ・ホワイトが9回112ヤードのレシーヴでライアンを助けた。
シカゴのQBカイル・オートンも286ヤード1TDと見劣りしない成績を残した。逆転のドライブを成功させた点も評価できる。守備とスペシャルチーム主導のチームだけに悔やまれるとしたらやはり残り11秒からの油断と言うべきだろう。

◎Mia 28-29 Hou

マイアミが悔やむとすれば、逆転のTDを簡単に取り過ぎたことだろう。残り3分4秒からのキャッチアップはわずか1分19秒で73ヤードのドライブとなった。
QBチャド・ペニントンは19/25で284ヤード2TD1INTと安定した内容だった。RBパトリック・コブスが3回のキャッチで138ヤード2TDと活躍した。特に”ワイルドキャット”フォーメーションから、RBロニー・ブラウンがRBリッキー・ウィリアムスに渡し、更にそれをWRポジションにいたペニントンにトス、そこからコブスへ投げたパスは53ヤードのTDパスとなる見事なプレイだった。
ヒューストンのQBマット・シュワブは復帰戦を22/42の379ヤード1TD2INTと投げまくった。最後のドライブでも一度はインターセプトの判定がなされるなど、決して安定していた内容ではない。試合開始から2シリーズ続けてインターセプトを喫するなど課題も多く残った。それでもチームに今シーズンの初勝利を導いた。最後は残り7秒第4ダウンゴール前3ヤードで自らエンドゾーンに飛び込んだ。エースWRアンドレ・ジョンソンは10回178ヤード1TDと大活躍を見せた。

◎Bal 3-31 Ind

第3クォーターまでボルチモアはドライブの開始位置が全て20ヤード以内とフィールドポジションが試合結果を導いた。その9回のシリーズで4回のスリーアンドアウトに加え2INT1ファンブルロストと自滅してしまった。ルーキーQBジョー・フラッコは28/38の241ヤードで3INTと完全に自信喪失している。ポケットパサーとして思い切り良いパスが魅力だったが影を潜めた。前半で24点差がついたとはいえ、わずか51ヤードに終わったラッシングゲームもQBへの負担となった。
インディアナポリスは完勝。QBペイトン・マニングは19/28で271ヤード3TDと強いボルチモアディフェンス相手にしっかりと結果を残した。RBジョセフ・アダイの負傷でRBドミニク・ローズが25回73ヤードのランとなった。WRレジー・ウェインが8回118ヤード1TDと素晴らしいパフォーマンスを見せた。何よりターンオーバーを許さなかったことを評価したい。これで新スタジアムでは初勝利となった。チームを勢いづける勝利となりそうだ。

◎Det 10-12 Min

総ネットヤードはデトロイト212ヤードに対してミネソタは392ヤードと倍近い。それなのに点差はわずか2点。お互い100ヤード近いペナルティヤードでリズムを作り切れなかった。
ミネソタは攻撃の核RBエイドリアン・ピーターソンが25回111ヤードと走ったものの2回のファンブルロストでモメンタムを掴み切れなかった。QBガス・ファーロットは18/33で296ヤード1TD1INTとまずまずの成績。WRバーナード・ベリアンが86ヤードを走り切るTDレシーブを含む5回131ヤードと活躍した。Kライアン・ロングゥェルは第4クォーターに逆転となる38ヤードのFGをブロックされたが、最後は26ヤードのFGを決めて勝利を手に入れた。ただ、これまで好調だった攻撃がこの試合では単調な印象を受けた。随所にミスも目立ち、ホームゲームにしては締まらない試合だった。
デトロイトはNFL初先発となるQBダン・オルラヴスキーが12/21で150ヤード1TDの成績。QBジョン・キトナに替えての起用だが十分な結果とは言いがたい。RBケヴィン・スミスが5回62ヤードと活躍。RBルディ・ジョンソンは17回38ヤードと結果が出なかった。デトロイトは守備が奮起したにも関わらず攻撃が不発で開幕から5連敗。歯車が噛み合わないシーズンである。

◎Oak 3-34 NO

アル・デービスオーナーとの確執によりHCレーン・キフィンが解任され、オークランドはまた1からのスタートとなる。3点を先制したものの以降は得点なし。総ネットヤード226ヤード、23分48秒のタイムオブポゼッションと攻撃は全く機能しなかった。QBジャマーカス・ラッセルは13/35で159ヤード1INTと悲惨な内容。ランもRBジャスティン・ファーガスの35ヤードがベストと酷かった。守備もパスディフェンスが崩壊し、復調の兆しのあったチームはまた暗闇の中に沈んでしまいそうだ。
ニューオーリンズはQBドリュー・ブリーズが26/30で320ヤード3TDと完璧な内容だった。パス失敗もプレイが崩れての意図的なものがほとんどで、面白いようにパスを通した。9人に投げ分けた点も素晴らしい。ラッシングはRBデュース・マカリスターが13回65ヤード。RBレジー・ブッシュは14回27ヤードでボールコントロールに向かないのは明らかだ。能力の高さは認めるところだが起用法はもう少し考える必要があると思う。WRではランス・ムーアが7回97ヤードと活躍し既に昨シーズン以上のレシーヴィングヤードとなった。また2試合で敗因となったKマーティン・グラマティカに替えてルーキーKテイラー・メルハフを起用したが31ヤードのFGを外すなど今後に不安も残す。

◎Cin 14-26 NYJ

前半は14-17と接戦だったが後半無得点に終わったシンシナティ。QBカーソン・パーマーの負傷によりQBライアン・フィッツパトリックが出場。20/33で152ヤードに終わった。シンシナティの今シーズンの最大の問題点はラッシングゲームが機能していない点にある。RBクリス・ペリーは11回のキャリーで14ヤードと信じられないほど悪い結果だった。OLの責任もあるがRB自身の質も低いのは明らかだ。このせいでタイムオブポゼッションは24分42秒に留まり、守備に負担を強いた。これで開幕6連敗。出口が見えない状況だ。
ジェッツのQBブレット・ファーヴは後半2INTと乱調だった。トータルのスタッツも25/33で189ヤード1TD2INTと芳しいものではなかった。ラッシングもRBトニー・ジョーンズが17回65ヤードに押さえ込まれたがそれでも粘り強くボールコントロールしてなんとか逃げ切った。これで勝ち星が先行したが相手に助けられた感もある勝利だけに、決して楽観はできない。

◇Car 3-27 TB

総ネットヤードの差は33ヤードしかないが3つのターンオーバーなどが響いてカロライナが大敗した。特に最初のシリーズにパントブロックリターンTDを奪われてモメンタムを失ったことが大きい。QBジェイク・デロームは20/39で242ヤード3INT。常にキャッチアップする展開とはいえラッシングが計40ヤードに抑えられたのは痛かった。
タンパベイはQBジェフ・ガルシアが先発に復帰。15/20で173ヤード1TDと数字は物足りないが安定した成績を残した。RBウォリック・ダンが115ヤードを走る活躍を見せた。ボールコントロールに撤し、ノーサック、34分42秒のタイムオブポゼッションとターンオーバーを許さなかった点が勝因と言えるだろう。やや反則が多かったのが反省点だ。

◇StL 19-17 Was

開幕戦敗北後に4連勝で勢いに乗るワシントンが勝ち星のないセントルイスにホームで敗れた。第1クォーターに相手のファンブルから敵陣3ヤードというチャンスをもらいTDで先制した。しかし、前半だけで3つのファンブルをしてチャンスを潰し、最後のファンブルは敵陣16ヤードからファンブルリカバーリターンTDを許してしまう。それでも第4クォーターに逆転するが、49ヤードのウィニングFGを決められジ・エンド。
QBジェイソン・キャンベルは18/26の208ヤード。決して悪い成績ではない。RBクリントン・ポーティスは129ヤードを走った。総ネットヤードはセントルイスの200ヤードに対し368ヤードと圧倒しただけに、気の緩みが不用意なターンオーバーに繋がったのかもしれない。
ジム・ハスレット新HCの元で今季初勝利を飾ったセントルイス。QBにマーク・バルジャーを戻したが決して攻撃が立て直せたわけではない。バルジャーは15/26で136ヤードと満足できる数字ではない。RBスティーヴン・ジャクソンも22回で79ヤードと際立つ成績は残せていない。それでもターンオーバーを奪われず、逆にターンオーバーをもぎ取ったことは評価に値する。HCが替わり士気が上がったことが窺えるが、問題はこれから。戦力的には課題山積なので、手腕が問われるのはこれからだろう。

◎Jac 24-17 Den

開幕80ヤードのTDドライブを決めたデンバーだが、その後3シリーズ連続ターンオーバーを喫しモメンタムを失った。QBジェイ・カトラーは21/37の192ヤード2TD1INTとまずまず。RBマイケル・ピットマンが20回109ヤードを走る活躍を見せた。しかし、守備が総ネットヤード416ヤードを許し、特に最後のドライブで5分46秒消費されて試合が終わってしまった。守備の再建が出来なければ今後の戦いが厳しくなりそうな気配だ。
ジャクソンヴィルはRBフレッド・テイラーが開始早々に負傷したもののRBモーリス・ジョーンズ・ドリューが22回125ヤード2TDの大活躍で勝利した。QBデイビッド・ギャラードも25/34で276ヤード1TDの好成績を残した。これで星を五分に戻したが混戦となりそうな地区だけにこの調子を保てるか気になるところだ。

◎Dal 24-30 Ari OT

いきなりアリゾナのキックオフリターンTDで開幕した試合。前半は3つのターンオーバーと9つのパントという目まぐるしく攻撃権の替わる展開。後半は一転してTDを取り合った後、アリゾナが10点のリードを奪うもダラスが残り3分17秒から10点取ってオーバータイムに持ち込んだ。ダラスがこの勢いのまま攻撃権を得て、このまま勝利するかと思われたがよもやのパントブロックリターンTDでアリゾナが勝利した。アリゾナは4つのTDのうち半数をスペシャルチームであげた。
ダラスのQBトニー・ロモは24/38で321ヤード3TDと素晴らしいスタッツ。しかしオーバータイムのプレイで右手小指を骨折しており、数試合の戦線離脱の可能性が高い。RBマリオン・バーバーは17回45ヤードとランでは精彩を欠いたが、11回128ヤードとレシービングで活躍した。キャッチアップした能力の高さは目を見張るものがあったが、スペシャルチームの出来の差が勝敗を分けた形だ。
アリゾナはQBカート・ワーナーが22/30で236ヤード2TD1INTとまずまずの成績。ランはRBエジャリン・ジェームズの9回29ヤードが最高と振るわなかった。WRアンクワン・ボールディンが欠場していたが、代役のWRスティーヴ・ブレストンが8回102ヤード1TDと活躍した。一時は10点差付けた試合をオーバータイムまで持ち込まれる展開には課題が残った。やはりラッシングゲームの確立ができるかどうかが鍵になりそうだ。
ペナルティが両チーム12回ずつと審判の目立つ試合でもあった。

◎Phi 40-26 SF

第3クォーター終了時には26-17とリードしていたにもかかわらず第4クォーターだけで23点を奪われて逆転負けしたホームのサンフランシスコ。それまで4FGと詰めの甘さは見せていたものの優位に試合を運んでいただけに第4クォーターに逆転された後に連続3ターンオーバーの崩れ方はもったいなかった。
サンフランシスコのQBのJ.T.オサリバンは17/30で199ヤード2INT1ファンブルロスト。キャッチアップ後に崩れたのが痛い。RBフランク・ゴアは19回101ヤード1TDと結果を残した。フィラデルフィアのブリッツ多用のディフェンスにシフトの多用などでうまく対応していたが、フォルトスタートなど10回のペナルティに繋がったのが残念だ。
フィラデルフィアはタイムオブポゼッションが26分41秒に留まり決して完勝とは言えない内容だ。QBドノヴァン・マクナブは23/36で280ヤード2TD1INTとそこそこの結果。RBブライアン・ウェストブルックを欠いたがRBコレル・バックハルターが18回93ヤードのランと7回85ヤードのレシーブで活躍した。WRデショーン・ジャクソンは6回98ヤード。アンディ・リードHCは前半終了間際に無駄な攻撃を行って自滅することがある。この試合でも残り29秒から8点リードの場面で自陣20ヤードから攻撃して行った。54ヤードのFGトライに繋がったがこれをブロックされてリターンTDを許した。時間を流してもいい場面に思えただけに、負けていたら重大な敗因に挙げられただろう。

◎GB 27-17 Sea

QBチャーリー・フライに多くを求めるのは酷である。シアトルはQBの相次ぐ怪我で第3QBのフライを先発に据えたが、13/23で83ヤード2TD2INTの成績に終わった。第4クォーターに2連続インターセプトを喫してキャッチアップの機会を失った。総ネットヤードがわずか177ヤードでよく17点も取ったものだ。
グリーンベイは連敗を3で止めた。QBアーロン・ロジャースは21/30で208ヤード2TD、RBライアン・グラントは33回90ヤード、タイムオブポゼッションは37分26秒と圧倒したが、相手に助けられた面も多分にある。これで復調と手放しでは喜べない。次週ホームにインディアナポリスを迎えるだけに真価が問われそうだ。

◎NE 10-30 SD

サンデーナイトゲームは昨シーズンのAFCチャンピオンシップの再現。守備の不調に頭を悩ませるサンディエゴとQBトム・ブレイディを欠くシーズンとなったニューイングランドの対戦だったが、試合はサンディエゴの作戦勝ちだった。
サックは4回に留まったがブリッツを多用し徹底的にQBマット・キャセルにプレッシャーを掛け続けた。またラン守備に力点を置き、RBサミー・モリスを10回26ヤード、RBケヴィン・フォークを8回48ヤードに抑えた。攻撃はもちろんだがこの勝利は守備によるところが大きい。特に後半最初のドライブでサンディエゴ陣1ヤードまでニューイングランドが迫りながら4回の攻撃をことごとく跳ね除けた守備は見事だった。このダウンズの後の攻撃でTDを奪った時点で勝負あったと言えるだろう。
サンディエゴオフェンスは、QBフィリップ・リヴァースが18/27で306ヤード3TDと活躍した。RBラダニアン・トムリンソンは20回74ヤードともう一つといったところ。WRヴィンセント・ジャクソンが5回134ヤード1TDとブレイクした。
ニューイングランドは、QBマット・キャセルが22/38で203ヤード1INTと苦しんだ。WRランディ・モスは3回26ヤードといいところなく終わった。
この試合に賭けていたサンディエゴが狙い通りに勝利したが、これでようやく3勝3敗。これから勢いに乗れるかどうかが注目だ。一方、ニューイングランドは苦しみながらも3勝2敗と勝ち星が先行している。ただ相手チームに目標とされているだけに、苦しい試合が続いている。キャセルでどこまで戦えるのかも気になるところだ。

◎NYG 14-35 Cle

マンデーナイトはアップセットと言える結果だった。無敗のジャイアンツが1勝3敗と苦しんでいたクリーヴランドに土を付けられた。ただクリーヴランドはこれまで攻撃面で苦しんでいたが本来これくらいの力は持っていたし、ジャイアンツも対戦相手に恵まれたりと出来過ぎだったので、驚くほどの結果とは言えない。
クリーヴランドは、QBデレク・アンダーソンが18/29で310ヤード2TDと活躍した。特にインターセプトを許さなかった点が評価できる。RBジャマール・ルイスは21回88ヤード1TDとボールコントロールに貢献した。際立つパフォーマンスを見せたのはWRブレイロン・エドワーズで5回154ヤード1TDと素晴らしい数字を残した。
ジャイアンツのQBイーライ・マニングは18/28で196ヤード1TD3INT。前後半ともに最初のドライブでインターセプトを喫し、特に後半のそれはモメンタムを失わせるものだった。更に追い上げを見せていた第4クォーター残り8分22秒敵陣9ヤードでのインターセプトはCBエリック・ライトにリターンTDされ試合を決定付けられた。RBデリック・ワードが10回101ヤード、RBブランドン・ジェイコブスが14回67ヤードとグラウンドアタックには成功していただけに不用意なパスが試合を落とす要因となった。WRスディーヴ・スミスは9回94ヤードと活躍したが、ベテランWRアマニ・トゥーマーはノーキャッチに終わった。