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ジャーナリストが「中国暗殺説」「生存説」を徹底検証!
本物の金正男は1月下旬に殺害されていた!? ジャーナリストが「中国暗殺説」「生存説」を徹底検証!
――国際政治ジャーナリストであり、陰謀社会学者の聖橋乱丸が探る「金正男」暗殺の真相!
実行犯の女 画像は「The Daily Mail」より引用
2月14日、金正男がクアラルンプールで暗殺された。まずはこれまで報道された内容をまとめてみよう。
・金正男が2月13日昼、クアラルンプール空港内で女性2人によって殺害された。
・殺害は、毒針という説と、液体を顔にかけられたという2つの説がある。
・空港内免税店の付近で急に体調が悪くなった金正男が空港職員に自分で訴えた。
・すぐに救急車が手配され、その搬送中に死亡が確認された。
・所持パスポートは「キム チョル」となっている。
・その後、ベトナムとインドネシアのパスポートを所持する女性がそれぞれ逮捕される。
・女性を含む6名以上の犯行チームで、女性2人と男1人が逮捕された。そのほかの人物の国籍はマレーシア、ベトナム、インドネシア、北朝鮮、中国とみられている
・クアラルンプール空港で指紋などにより本人確認され遺体は北朝鮮に搬送される。
・女性2人はいたずらだと思っており「殺意」に関しては否定。
では、先日トカナで報じられた「金正男の腹にあったはずの刺青が死体に無い」こと以外の疑問点を挙げていこう。
1、「なぜ金正男は1人だったのか」
護衛や取り巻きがいなかったのが疑問だ。日本の羽田空港にいた時も多数の女性がいたし、それ以外に正男が目撃された時にも、少なくとも1人ではなかった。しかし、空港で殺された金正男とみられる男は、1人でインフォメーションに体調の不調を訴えている。
2、「犯人はなぜ現場から逃げることができたのか」
入国審査の後、出国がないのにそのまま再入国をする者の不自然さを空港職員は考えなかったのか。
3、「なぜマレーシアの事件を韓国の大韓民国国家情報院がずっと報道し続けたのか」
韓国はそんなに毎日、金正男を追っていたのであろうか。マレーシア側が「北朝鮮国籍の男性が死亡」と発表したのは事件の発生から3日も後だった。
4、「中国政府による暗殺関連記事の一斉削除」
中国政府系メディアは暗殺に関する報道を一切しておらず、情報統制されているものとみられている。また、15日(現地時間)には、「環球時報」と英文版グローバルタイムズに掲載された金正男氏殺害に関する記事がすべて削除されている。
この「4」の動きは明らかにおかしい。各国の政府の見解などを含め、これらの疑問をどう読み解くか紹介する。
1 金正男は1月下旬に中国によって殺害されていたという説
実はヨーロッパ各国やアメリカの政府筋の間では「2月初旬にシンガポールで死亡し、自動車でクアラルンプールの病院に遺体が運ばれた」という説が流れている。つまり2月14日に死んだのは金正男の影武者であったため、誰も護衛はおらず、パフォーマンスのために殺害されたということだ。
では誰が金正男を殺したのか?
もちろん病死説もあるが、金正男は中国が護衛をしていたことや、家族がマカオにいることなどから考えて、中国との縁が深いのは間違いない。しかし、実は今年に入って「中国の護衛が外されたので、自分の寿命が近い」という趣旨をのメッセージを数名に送っていたという話がある。
そう考えると中国が殺した、少なくとも「見殺しにした」ということになり、中国で大規模な報道規制がなされたことにも合点がゆく。「中国が真犯人なので金正男の殺害に関しては報道統制をし、取材も禁じた」ということになるのではないか?
■なぜ中国が金正男を暗殺・見殺しにしたのか?
画像は「NEW STRAITS TIMES」より引用
ここでは筆者が入手した「某国の情報院の書面」を翻訳したものを引用する。
「中国の習近平政権が金正男氏の殺害に動いた動機は、北朝鮮への軍事侵攻に踏み切り易くするため、北朝鮮のネガティブ・イメージを広げること平壌への国際非難を煽っておくことを目的にしている」
(1)習近平主席が2017年秋に第1期目の任期を終えて第2期目を目指す中、政権中枢部は自国の軍事力誇示または経済政策面での成功をパフォーマンスする必要に迫られている。
(2)ところが、南シナ海では国際司法裁判所においてこれ以上の介入は難しく、また、トランプ新政権が尖閣列島の防衛が日米安保条約の範囲内として明確化されたこと等から、今後は中国の海軍を動かし難くなりつつある。
(3) 海軍を動かせない場合は、陸軍ということになる。しかし、北のロシアや南のインドと戦えば核戦争になりかねず、東南アジア各国では成功パフォーマンスを示すことはできないので、北朝鮮以外に、習近平が動く場所はない。
(4) これは、すぐに軍事力行使を行うものではなく、経済政策が優先され、それが失敗した場合の内容として、予備的に口実を作っていたものと考えられる。そのため必要に応じて行うものである。
なお、同書面には「トランプ政権はこれを一部つかんでいる」としており「軍事行動に出た場合、ロシアのプーチン政権と組んで安全保障理事会で多国籍軍を阻止効いて対中軍事行動を起こす準備がある」とし、「安倍・トランプ会談やそれ以前のトランプから習近平への書簡」などがその事前行動に当たるとしている。
根強く残る「生存説」と「自作自演説」
最後に、「金正男自作自演説」があることも紹介しよう。要人がしばらく社会的に身を隠さなければならない時に、自分で「自分が死んだことにする」ことは結構よくあることだ。過去にも金正男は「暗殺説」が流れる度に、その都度3~6カ月連絡がつかなかくなっていることから、今回もそれにあたるという説だ。
自作自演であれば、1人でいたことなども十分に理解できるし、また、DNAも自分で提供するわけだから問題ない。できれば、遺体の引き渡しはせずに、マレーシアで火葬してしまえば完璧である。
しかし、某国の報告書の中には、このような内容も存在する。
「現在までのところ、金正男氏はこのような事態ならば立ち回りそうな複数の秘密拠点のどこにも姿を現していないため、既に殺害されたものと推測される」
(1)殺害されたとすれば、それは1月下旬~2月初めの可能性が高い。
(2)ただし、殺害されたことを裏付ける決定的な証拠や十分な根拠も未だ無く、生死はなおも不明。
つまり、「本当に死んだのは誰なのかは現時点では不明」ということだ。実際に、影武者だけをマレーシアに行かせ、本人は消えている可能性もある。
過去、「小野田少尉」が存命の時、小野田少尉の逃亡(死亡)説が流れたことがある。この時、本人を目の前に「よく似てますね」と言いながら、「本人とは全く思わずに小野田への苦情を言っていた」というタクシー運転手の話を小野田氏がしていたことがある。それと同じで「死亡ニュース」が流れれば、本人が目の前にいるのに「よく似ていますね」で終わる可能性が少なくない。そのように考えれば、死亡説を本人が流す可能性は少なくないのである。
■正男が生きていたら今どこに?
では、どこに金正男がいるのか? 上記の報告書には「日本の可能性が高い」とある。理由は、「日本が最も死亡説を報道しており、メディアの信用度が高いから」である。
もしかしたらあなたの横に、実は本物の金正男がいるかもしれない。
各国の報告書をもとに作成した陰謀論はいかがだっただろうか? なお、原文は編集部で保管されている。
(文=聖橋乱丸)
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