海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

半数近くのカヌーがスパッド台船に到達し、直下からボーリング調査に抗議。

2015-06-30 22:45:11 | 米軍・自衛隊・基地問題

 6月も最終日となった。政府・防衛省は今日までの予定だった海底ボーリング調査を9月末まで3ヶ月延長すると発表している。

http://www.qab.co.jp/news/2015063067764.html

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-245032-storytopic-3.html

 台風だけでここまで調査が遅れることはない。昨年の夏からフロートを越えて果敢に攻め続けたカヌーチームと抗議船団の海上抗議行動がなければ、県知事選挙や衆議院選挙期間中の中断はなかったし、そもそもフロートの設置作業に費やす期間も必要なかった。日々の積み重ねが成果を生みだす。カヌーチームの力量も向上し、スパッド台船まで到達することもできるようになった。

 30日は午前8時50分頃、カヌー18艇が松田ぬ浜を出発した。解体工事の状況を観察しながら辺野古崎の岩場を抜けると、前日29日に再度の組み立てを終え、移動したスパッド台船が長島の南西側に設置されているのが見えた。フロートからの距離は100メートルほどで、長島北西側のスパッド台船と2台並んで、台風7号で中断した調査をやり直していると思われる。

 長島をはさんで大浦湾側と辺野古崎側の二手に分かれ、午前9時40分頃に15艇のカヌーがフロートを越え、スパッド台船を目ざした。現場の状況を見て、いつもより早い時間に行動を開始したこともあり、大浦湾側では8艇のカヌーのうち5艇が、拘束しようとする海保のゴムボートをかわして、スパッド台船を囲むオイルフェンスやフロートまでたどり着いた。

 そのうちの2人は、台船から垂らされた緑の網を越えて直下まで行き、掘削棒にしがみついて抗議した。最初の1人は回転する棒と一緒に体も回ったそうだが、下から声を上げたら回転が止まったとのこと。他に3人が周りのオイルフェンスにしがみついて台船の下から、作業を止めろ!と抗議の声を上げ続けた。

 もう1隻のスパッド台船も、辺野古崎側から漕いでいったメンバーの多くが近くまでたどり着き、2人が網の中に入って抗議している。フロートを越えたカヌーの半数近くが台船にたどり着いて抗議できたのは、これまでになかったことだ。これは一朝一夕にできたことではない。暑い夏も寒い冬も、何度海保に転覆させられても、めげずにフロートを越えて漕ぎ続けてきたからできたことだ。

 30日は早朝、ゲート前で抗議行動をしていたメンバー2人が不当逮捕されている。カヌーメンバーの中にも早朝のゲート前行動に参加している人は多いが、海よりもゲート前の方が弾圧がより厳しくなっている。夕方、駐車場所を封鎖しようとする米軍に抗議した際、機動隊とぶつかった。腕をつかまれ関節を逆にねじられる弾圧を何度もやられた。

 7月に入り、海底ボーリング調査や埋め立て作業の遅れに焦る政府は、海上やゲート前で抗議行動を行っている市民に、より激しい弾圧を加え、反対運動潰しに乗り出してくると思われる。それをはね返すためには、一人でも多くの市民が海やゲート前に集まり、行動する必要がある。勇気を持って、海保や機動隊の暴力に屈することなく、新基地建設反対に立ち上がりましょう。

 


この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 海上行動は中止のためカヌー... | トップ | 海が荒れて海上抗議行動は中... »
最新の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事