海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

キャンプ・シュワーブの軍警備員による暴力行為

2016-07-09 10:46:46 | 米軍・自衛隊・基地問題

 キャンプ・シュワーブの米軍に雇われた警備員が、ゲート前で抗議活動をしていたメンバーに、こぶしで殴り掛かる場面を撮った映像がユーチューブに投稿されている。

https://www.youtube.com/watch?v=tAsVBRXyuKQ

 さすがにやばいと思ったらしい仲間が、殴り掛かった警備員を抱えて後ろに運んでいるが、この警備員はこれまでもゲート前のメンバーに対し、わざと名前を読んだり、からかう仕草をして挑発をくり返してきた。この日も自らオレンジのラインを越えて外に出てくると、ゲート前メンバーにつかみかかってきたという。

 これは単なるいざこざではすまされない重大な問題を持っている。軍の警備員は拳銃の携帯を許されている。警察でもない民間人が、米軍の憲兵隊に雇われているということで、これ見よがしに拳銃をさしてゲート前に来て、市民を威嚇している。

 自分の感情のコントロールもできず、ゲート前で市民にこぶしで殴り掛かってくるような男が、拳銃の携帯を許されていることの恐怖を映像は示している。米国では警察官による黒人男性の射殺が大きな問題となっているが、銃に対する感覚がまるで日本とは違う米軍が、軍警備員にどのような教育をしているか推して知るべきだ。

 さらに考えるべきは、沖縄人の軍警備員を前面に出して、自分たちは後ろで指示している米軍憲兵隊の卑劣さだ。日本復帰前は米軍がみずから銃を手にして沖縄人の弾圧に乗り出していた。今は米軍に対し反発が直接向かわないよう、警備員を使って市民との間に立て、弾圧をさせている。沖縄人同士を対立させ、分断している本当の敵は米軍なのだ。

 日米地位協定の抜本的な改定と合わせて、軍警備員の拳銃携帯の問題も大きく問われるべきである。彼らが携帯する銃は米軍基地を守るため市民に向けられるものであり、米軍はみずからは手を出さず、軍警備員を使って市民を威嚇し、殺傷させようとしているのだ。このようなことを許してはならない。


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