海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

むるかいじちばいみそーらな

2011-11-16 23:52:12 | 米軍・自衛隊・基地問題

 16日は朝から高江に行った。前日、N4でヘリパッド建設工事が再開されたことを知り、朝6時半に起きて出かけたのだが、工事の動きはなかった。15日は高江の皆さんや急きょ駆けつけた支援者の努力で、パワーショベルを作業現場に入れることは食い止めている。重機類を入れないと本格的な作業はできないので、沖縄防衛局は今頃、現場入口突破の画策を進めているはずだ。
 野田首相がオバマ大統領に辺野古の環境アセス評価書の年内提出を約束したり、オスプレイの沖縄配備が2012年夏に前倒しになるという報道がなされたり、日米両政府の高圧的な姿勢が目立つ。辺野古と高江の動きは連動している。政府はくり返し閣僚を沖縄に送って情報収集し、県や名護市、東村、反対運動や誘致派の力量、県民世論などの分析を深め、工事強行に踏み切れるかどうかを検討しているのだろう。
 元米国務省日本部長のケビン・メアは『決断できない日本』の中で、辺野古や高江で基地建設に反対している「抗議運動家」「反基地運動家」を警察を使って排除し、逮捕しろと煽っている(172~174ページ)。沖縄で最も嫌われたアメリカ人として歴史に名を残すであろうメアらしい発言だが、野田内閣のアメリカへの隷従ぶりを見ていると、そういう米国タカ派の煽りに従いかねない危うさを感じる。
 自民党や公明党の本音は、民主党政権の間に高江や辺野古の工事を強行させ、自分たちは泥をかぶらずに次の総選挙で政権を奪い取ることにある。普天間やTPPや消費税の泥はドジョウにかぶらせろというわけだ。表向き政権批判はしていても、野田内閣が工事強行に突き進めば、超党派で支援するだろう。
 追い詰められた政府が最後に頼るのは、警察や軍隊という暴力装置である。沖縄県や県警、名護署への政府の圧力も強まっていると思われる。住民や支援者を暴力的に排除する国家権力の発動を許さないためには、沖縄から大きく反対運動を作っていくしかない。むるかいじちばいみそーらな(みんなで頑張りましょう)。


 


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