海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

久しぶりの辺野古の海

2016-05-16 23:55:24 | 米軍・自衛隊・基地問題

 先週末は東京で講演に呼ばれていたので、16日は久しぶりの海上行動参加となった。朝、カヌー7艇で松田ぬ浜を出発した。ほかに3艇が初心者練習で辺野古岬まで往復している。

 辺野古岬に向かう途中、キャンプ・シュワーブ内でクレーン車のブームが上がり、フロートを吊り下げているのが見えた。かなり汚れた小玉のフロートで、汀間漁港の沖付近に設置されていたもののようだ。カヌーの行動を考えて、あえて沖の方からフロートを移動している。

 浜では米軍の水陸両用車が2台出てきて訓練を始めようとしていた。少し離れた場所からは米軍のゴムボート4隻が沖に向かって疾駆し、訓練に出発した。その様子を見ながらカヌーは進み、シュワーブ内の映画館では作業をしていなかったので、辺野古岬にまっすぐ向かった。

 5・15平和行進に参加した皆さんが海上行動に参加していて、シュプレヒコールをリレーしながら新基地建設反対を訴えていた。カヌーチームも呼応して抗議をしたり、カヌーの練習を行った。陽が差すと透明な海の色が鮮やかだった。

 長崎(辺野古岬)と長島の間の3重フロートはまだ張られたままだ。意図的に後回しにしているが、選挙向けのポーズとして「フロート撤去」を利用しようという政府・沖縄防衛局の意図は見え見えである。

 マリン・セキュリティのゴムボートが近づき、例によって写真や動画で海上行動撮影者を盗撮していた。沖縄タイムスが連続してマリン・セキュリティのブラック企業ぶりを報じている。残業代の不払いという労働基準法違反だけでなく、撮影した写真や動画で人物をリストアップし、沖縄防衛局に伝えている事実も明らかにしている。

 マリン・セキュリティが収集した情報は、沖縄防衛局から自衛隊の調査隊に渡されている可能性がある。業務を担っている民間警備員たちは、市民の情報を集めることで、政府による市民弾圧の一端を担っている。こういうスパイまがいの仕事をしていれば意識も変質する。それこそ身も心もボロボロにされて使い捨てられるのがおちだろう。

 フロートをはさんで波の状態がかなり違うのが分かる。こうやって潮の流れを遮ることが、周辺の環境に与える影響を沖縄防衛局はちゃんと調べているのか。埋め立てが行われれば、その影響はフロートの比ではない。

 カツオノエボシが発生しているので要注意。カヌーに乗る人は肌の露出を避けるように。

 午前11時頃から雨が降り出し、急いで松田ぬ浜に戻ったのだが、雨と風にさらされてしまった。カヌーの片付けや昼食を終えて第3ゲートから大浦湾を見ると、作業船がフロートを片付けていた。写真でははっきりしないが、作業を行っている海岸近くの海域の汚濁が目立った。


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